相棒23

相棒23 9話元旦SP ゲストは高嶋政伸!人気キャスター決死の覚悟

相棒23 9話あらすじネタバレ

右京はいつものように和やかに紅茶を淹れていました。

「嫌なニュースを聞きたくなかったら良いニュースを作る。真意はどうあれ私はこの言葉が好きです。良いニュースを作ろう。誰もがそういう気持ちで過ごしいれば毎日はきっと明るい出来事であふれる」

甲斐峯秋と社。

「こういう時ぐらい娘さんとゆっくりしたらどうかね」

「彼氏とデートですって」

「子供の成長は早いねぇ」

「なんですか?市民合唱団?」

「小手鞠の女将が始めたみたいだよ、良い暇つぶしになるといいね」

大晦日に市民合唱団に入団した、亀山美和子(鈴木砂羽)と、小出茉梨(森口遥子)。

2人は、年末コンサートに向けて練習の真っ最中でした。

「本番うまくいくかしら」

同じ合唱団のメンバー、怜子と打ち解ける、美和子と茉梨。

「終わったら、小手鞠で新年会でもしましょう」

その頃、杉下右京(水谷豊)は陣川公平(原田龍二)の付き添いでデパートの宝石店にいました。

「まぁ胃袋掴まれたって感じです」

「心配ですね。君のことだからまた自爆、あ、いえ…早合点なのではないでしょうか」

「何言ってるんですか杉下さん。今度こそ、運命の相手です、だってもうすぐ生まれるんですよ。そうなんです、赤ちゃん生まれるんですよ僕」

「君それは本当ですか?それはそれはおめでとう御座います。」

「ああ買っちゃった!」

「帰りましょう」

「杉下さんも誰かの為にプレゼント買いましょうよ。冷たいですね」

「冷たいとは心外ですねぇ。僕は神経が細やかなので買っても相手は使うだろうかいやむしろ迷惑かもしれないと人より気が回るだけですよ。そもそもですよ、自分が選んだものを相手が喜ぶなんて発想自体、独善的だと思いますね」

相変わらず恋多き陣川は、出産を控えた運命の相手にプロポーズするために、指輪を買いたいとのことです。

一方、美和子の夫で、右京の相棒、亀山薫(寺脇康文)、伊丹(川原和久)、鑑識の益子(田中陸三)の3人は警察学校時代の動機、沢田菜穂(櫻井淳子)の自宅を訪れ、夫の正志(藤本隆弘)を紹介されていました。

「まぁまぁ入って入ってどうぞ」

「まずいな、あいつが腹立っている時はまずいこと隠しているってことだ」

「大晦日にいきなり来たら腹も立ちますって」

「どうしたの?」

「いや、久し振りに会えて嬉しいな」

その後、夫の沢田正樹に会う、亀山、伊丹、益子。

同じ頃、芹沢(山中祟史)、出雲麗音(篠原ゆき子)は角田課長(山西惇)の応援で、喫茶店に潜入しました。

「心の声漏れてますよ。なにやってんだか、早く来いよー」

容疑のかかった反社組織の関係者を待ち伏せているようです。

「もう30分ですね。あれ、彼氏さん待っているのかなって」

「そうなんですよ。女待たせるなんて最低」

「私もです。もう1時間。今日は大事な日なんです」

麗音は近くにいた女性に声を掛けられ、誤魔化します。

そんななか、右京は4歳の娘とはぐれた母親に会い、陣川と迷子探しにでます。

「落とし物でしょうかね」

「落とし物なら下を見て探すはず。」

「失礼、もしかしてお子さんとはぐれてしまいましたね。白いセーターにチェックのスカート、桧山結愛ちゃん。先程アナウンスが聞こえました。警視庁特命係の杉下と申します。一緒に協力しましょう」

一方、年末のテレビ局では、人気ニュースキャスター、桧山弘一(高嶋政伸)が付き人の武部(高橋光臣)他局のお偉いさんに取り囲まれ、年末番組の準備を進めていました。

「山下くんだろ?」

「勿論だよ、いつも頑張っているの知っているよ。良いお年を」

「改めて素敵な人だなぁって」

「大袈裟だな」

桧山は警備員や現場スタッフにも朗らかに接する温厚な人柄で局を和ませます。

「あ、そうそうファンレター届いているってスタッフさんが」

「ああこれですね、またジョーカーから脅迫状?」

「勲章だね。目の敵にされているのは切り込んだ証拠」

「なにいってんだよ、自宅のガレッジこの間、荒らされただろ?大丈夫かよ」

「だからって脅迫に屈する気はないよ」

ところが、ジョーカーと名乗る人物から「娘は預かった」という脅迫状が届きました。

その頃、結愛が靴を履いたまま外に出て行ったことが分かりました。

「結愛は?買い物一緒に言っただろ?」

「ごめんなさい目を離してもらって。」

「脅迫状が届いた。結愛は結愛は攫われたんだ。警察には言うな!言ったら結愛は殺される!絶対に言うな!」

「はい」

「結愛は先に家に帰ったみたいです。パパと早く遊びたかったみたいで」

右京が探すその女の子こそ、桧山の一人娘でした。

益子、亀山、伊丹は、警察学校時代のどうっ旧姓、菜穂と夫の正志の家で和やかに食事をしていました。

「態度がおかしいですね。4歳の少女が一人で行ったと思えません」

桧山と局の同僚達。

「結愛が一人で帰るわけがない。」

「誘拐は事実だと確認できたかい?」

「ジョーカーは裏にバックがいる。どうなるかわかるだろ!」

麗音は、喫茶店で潜入捜査中。

「お相手の方なんのお仕事をされているんですか?」

「国を…人を守る仕事です。だから今日は彼が来るまで待ってようって」と、紗央理。

「プロポーズ早くされるんですか?」

なんとその相手こそ、陣川と接触した、紗央理。

犯人接近中、紗央理が蓮井しました。

犯人が喫茶店に丁度、到着。

「ばれた!任意同行かけろ!」角田の指示で、一斉に、芹沢ら刑事が動きました。

男はジョーカーのタトゥーを腕に入れていました。

その頃、菜穂と正志の家で食事を楽しむ、亀山達。

亀山の服にオレンジジュースがかかってしまいました。

「あ、ごめんなさい」

「いいんだ、大丈夫」

「いいっておっしゃってるんだ」

「新婚旅行すごい良かったの。ねぇ」

「ああ」

「どちらへ行かれたんですか?」

「海がきれいなところで」

「やだモンゴルには海がないわよ」

「そうでした。ゲルがあって。仕事でロケを。ところで今日皆さんお仕事お休みなんですか?」

「ええ、休みを合わせてきました」

「澤田さんこそお仕事じゃなかったんですか?」

「ああそうそう大晦日のスペシャル番組、7時に始まって年越して1時までの6時間の生放送ですよね?」

「そのプロデューサーなんて大役じゃないですか」

「あの番組のプロデューサーか…」

「後輩に譲りました。皆さんがいらっしゃるということで」と、正志。

正志は桧山の長時間生放送のプロデューサーであると身分を語ります。

犯人からの要求は放送予定通り「生放送」を行う事です。

その頃、内庁では、社美彌子(仲間由紀恵)と甲斐峯秋(石坂浩二)が野党の大物議員、伊地知(石丸謙二郎)の忘年会に招かれていました。

「爆弾事件に総選挙。いや今年は試練の1年でしたねぇ。」

「そうは仰っても自政党は盤石。益々のご活躍を期待しております」

「ありがとう」

「まずはIR実現ですね」

「あ、会長どうも!先般以来、申し上げた通りですね。ここ東京にアジアの観光拠点を作り安定した税収を得ることで政治に役立てたいと考えておるわけですよ。

「カジノ施設は嫌だと感情論で反対する者もいますが、今の日本の財政を考えれば成長戦略には不可欠なんですよ。カジノは。」

「同感です。」と社。

「だからこそジョーカー、あの連中には困っているんですね」

「ええ本当に。IRの誘致に積極的なのはいいですが反対する市民たちを暴力で抑えつけています。」

「市民施設を名乗っていますがね、実態はカジノ利権を狙った反社の手先ですからね。」

「ジョーカーのせいで国民感情が悪くなる。我々は健全かつ安全、公正な施設を目指しているんですよ」

「全くです。」

そこへ割り込んできた、衣笠副総監(杉本哲太)。

「こんにちは、甲斐さん、社さん」

「副総監が伊地知先生と懇意だとは知りませんでした。」

「まさにそのIR構造ことで警備の面などの相談を受けていまして。自分達を中心に世界が回っているとと思ったら大きな間違いですよ。」

伊地知は最近、ジョーカーを名乗る反社会的組織の関連団体が、自信の反対派に暴力を振るう事件が相次いでいることに頭を悩ませているそうです。

一方で、右京は誘拐事件の目的が番組内でジョーカーを批判した桧山を狙ったものではないかと考えます。

角田たちが確保したジョーカーの関係者にその後、接触を試みることに成功しました。

その男は喫茶店にいた男です。

「お前らジョーカーのバックにいるのがどういう組織か分かってるんだよ。この拳銃も横流しだろ?」

「早く帰りたいんだからさ、素直になりなよ」

角田課長と芹沢は野村を尋問します。

そこへ右京が取調室に入ってきました。

「おお来たか。こいつがそうだ。丁度生きのよいのが入ったところだったもんでな。ジョーカーについて知りたきゃ直接聞いた方が手っ取り早いだろうと思って」

「有難う御座います。この人物に見覚えありませんか?桧山結愛ちゃんを誘拐した人です。消息を絶ったデパートの階段からこの男が降りてきました。結愛ちゃんの身長は102㎝、このスーツケースの中に収まります。それからあなた方のお仲間であることは明白です」

「こんなガキ誘拐しねぇよ」とその男、野村。

「桧山ってその子の父親、ニュースキャスターの桧山」と芹沢。

「桧山さんは報道大将をこの5年で受賞した国民的ニュースキャスター、発言の度に注目を浴びています。先日は自身の報道番組でも…」

右京は歯に衣着せぬ発言が注目の桧山の過去の報道を振り返りました。

「IRha巨額な利権を生み不正のない苗床になりかねない。治安の悪化も懸念される。その証拠に始まる前から、ジョーカーとかいう反社の手先が過激な行動を繰り返してるじゃないですか。社会の腐敗を生むような施設は必要ない」

桧山は批判した意見をかつて放送中に言い、反論を受けていました。

「と激しく批判し、謝った認識だと撤回するよう、ジョーカーから脅されていました」

「それで確か自宅のガレージも燃やされていたんだよな」

「さらに今度は娘さんを?」

「結愛さんはどこにいるんですか?」

「俺はやってない!テレビ局に仲間が出入りしていると噂を聞いたことがあります」

男は誘拐の関与こそ否定したものの、「テレビ局に仲間がいる」と証言します。

「どうしてこんなことに!」

「必ず結愛を取り戻そう」

「犯人の要求は?」

「予定通り生放送を務めろとしか。多分先日の発言を放送中に謝罪させたいんだろう」

「だったらお願い早く謝罪して」

「真紀子さんそれはジャーナリストとしての信念を曲げろと言っているようなもんで」と賢二。

「でも結愛が」

真紀は娘の身を案じていました。

「関係者だけに事情を話したほうがいいじゃないいか。兄貴、まともに仕事できる状態じゃないだろ?」

桧山の弟、賢二は桧山に忠告。

間もなく、陣川が到着します。

「済みません後を付けました。結愛ちゃん誘拐されたんですね」

「何のこと?」

「わざと不穏なふうに振舞っているだろ。どうなるか分かってるだろうな」

澤田正志と菜穂は実際は夫婦ではありませんでした。

正志は爆弾のスイッチを持ち、菜穂を亀山達が見えないところで脅迫しています。

テレビ局の右京と芹沢と陣川。

右京は桧山結愛が誘拐された現状をみんなに伝えました。

「警視庁捜査一課の杉下です」

「目立つ行動はしないでください」

「どういうことですか?警察とは番組責任者として見逃せません」

口を挟んだきたのは番組プロデューサーの澤田。

「本日、桧山さんのお嬢さんが誘われました」

「話が違うじゃないですか」

「大事にしないって…」と真紀子。

「既に応援要請しています。」

「一言相談してほしかったです。放送は止められませんよ」とプロデューサー。

「生放送であることは重々承知していますが、お嬢さん救出の為です。桧山さんにお話し聞かせて下さい。捜査に最善を尽くす為です。ご協力いただけませんか?」

「命を救うのは警察の仕事で、私の仕事はこの仕事を成功させることです」

「子供の命がかかってるんですよ!」陣川はプロデューサーの信じられない言葉に声を上げました。

「やめてください。わたしが一言、ジョーカーに認識は間違いだったと言えば」

「脅迫状には今後は指示を送るってありました。発言の撤回謝罪だけで全て済むとは思えませんよ」

「桧山さん時間ですお願いします」

警視庁では内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)が捜査会議をしていました。

「この年で孫のお馬さんの相手をさせられてなぁ」

「私も呼び捨てにされていますよ」

その頃、亀山、伊丹、益子は生放送が始まり、澤田家を後にしようとしていました。

「もう少しいて」

「菜穂!呼び止めちゃいけないよ」

右京は菜穂の本当の夫である番組プロデューサーに声を掛けました。

「番組見ないんですか?僕の相棒の警察学校の同期に、澤田菜穂、旧姓、北山菜穂という方がいまして。言うとおりにするから妻は無事なのかと…」

そして亀山達も澤田を名乗る男の利き手が本来は右なのに、左でゴルフクラブを握っていると指摘しました。

「あれ、澤田さん右利きでしたよね?左利きで今日はずっとゴルフクラブ握ってた」

「同期の桜の目は誤魔化せませんよ」

「さっきから澤田が俺達に何かを訴えるような目をしていたんだ」

亀山、伊丹、益子は菜穂を守ろうとします。

生放送中の桧山。

「桧山さんはどう思われますか?桧山さん?」

意見を求められた桧山は犯人からの携帯の脅迫に怯え、仕事どころではありません。

「私はモデルの水野友梨さんと不倫しました」

犯人から桧山は携帯で、不倫の証拠を写真とともに突きつけられていました。

「番組、続けて下さい」と澤田プロデューサー。

「このまま続けるんですか?」

「…続けてください!」

その頃、本性を見せた澤田のニセモノの男は亀山達と格闘した後、去って行きました。

「開けろ!澤田!なにやってるんんだ!」

番組の上司たちは澤田に怒りを爆発。

「あの男なんなんだよ」

亀山は、澤田菜穂に男が自宅に入ってきた事情を聞きました。

「夕べ家に押し入ってきて」

「明日なにがあっても放送続けるんだ」と男。

「でもあの男、今日生放送するのは知らなかったみたい。私に夫婦のふりをさせました」

「もしもし右京さん?」

その後、右京と電話を繋ぎ、右京はスマホを本物の澤田に渡して、妻の無事を確認させるのでした。

「もしもし亀山くん、澤田さんは番組を続けようとしています。恐らく菜穂さんの命がかかっていると脅されたのでしょう。旦那さんに代わってあげてください」

「もしもしダーリン?」

「菜穂!」

「あなたは大丈夫?」

「うん大丈夫」

「良かったぁー」

警視庁では、衣笠が警視庁に来ました。

「伊地知先生との会合中にすみません」

「いいんだ」

「なにやってんだ!澤田。中継先からやらせろ。桧山さんには喋らせるな!いいな」

澤田が桧山の代わりに、番組の上層部から厳しく叱られるのでした。

桧山の妻、真紀子、プロデューサー澤田、桧山の付きは、武部(高橋光臣)を警視庁へ。

「局内に自由にできるお仲間が自由にいるのでしょう」

「こんな大掛かりな捜査ばれるわけがありません」

「放送に支障がでないよう早速始めましょう」

「誘拐が起きているのにこのまま放送を続けるんですか?桧山さんには降りてもらわないと」

「そんな!結愛の命がかかってるんです」

「東京中央テレビはお子さんが無事保護されるようご協力をお願いします。」衣笠も指示を出しました。

現場では社と甲斐も桧山の娘、結愛が誘拐された件で、桧山を心配していました。

「まさか桧山さんのお嬢さんが誘拐されているとは」

「だから副総監、慌てて飛び出して行ったのよ」

その頃の警視庁。

「犯人は飛ばし携帯を使っているようです。特定は困難かと」

「他に手掛かりは?」

「一つ宜しいでしょうか?」

「ああ杉下警部、気付いたことがあればなんでも言ってください」

「何故、犯人はわざわざ奥様を人質に取ってまでプロデューサーの澤田さんを従わせようとしたのでしょう?」

「放送を続けるためでしょう」

「スタッフに仲間がいるのであれば、その名ママがナイフの一つも手に持って澤田さんを脅せば、事足りたのではないでしょうか。」

「たしかに」

「もう一つ」

「どんどんお願いします。」

「何故、不倫という個人的スキャンダルを告白するよう、桧山さんを脅迫したのでしょう。」

「それは生放送で屈めてやろうとしたんですよ」

「今回の一件、本当にジョーカーが関わっているのでしょうかねぇ」

芹沢と右京が話していると、亀山が駆け込んで来ました。

「右京さんまさかこんなことになっていたなんて」

「早速ですが、澤田さんの奥さんを人質に取っていた男は」

「素性は分かりません」

「この男です。」

「強いなんてもんじゃねぇ。胸板お化けだ。ターミネーターみたいだったよ」

「犯人は桧山さんじゃない?」

「さっそく捜査情報を拡散して下さい。ジョーカーの犯罪の可能性ではない。それで捜査の目を誤魔化せるなら使えると思ったのでしょう」

麗音は紗央理を病院に搬送することに成功。

「もしかして陣川さん?」

「い、出雲?」

「こんなところでなにやってるんですか!紗央理さんほったらかしてもう生まれますよ」

「これまでアメリカ留学し学位をとった。私はハーバードは卒業していません。海外の小さな演劇学校に行っていました。経歴を詐称していました。申し訳ありません。騙そうと思っていません。報道してきた内容に嘘偽りはありません。信じて…信じてください」

「理想の自分を演じて楽しかったでしょうね」

「結局ただの張りぼてだったということか。面白いものを見させていただきました。人が社会的に死んでいくのをリアルタイムで見れた」と伊地知。

「まさかこんな人だと思わなかった」

「ご存じなかったのですね」

「ええ」

「キャスターとして成功するための偽りの姿だった。」と武部。

その後、武部は桧山の講演会の問い合わせをしていました。

益子は澤田家で、「ターミネーター」のような澤田を名乗る体格の良い男が仕掛けた爆弾が全部ダミーだと分かりました。

菜穂を脅迫した小瀧市の土砂災害の件は、桧山が決死の思いで報道していました。

「それまでプライムフォーカスのメインキャスターを桧山さんにしたんですよ」

その頃、ジョーカーのスマホを持つ若いスタッフを問い詰める伊丹。

「結愛ちゃんどこへやった!」

「俺じゃないですよ」

「連絡だけ取り合っていたみたいです。」

桧山は小瀧市の土砂災害で賞を獲る程の有能さが有名です。

「あの災害では2名が亡くなっています」

「高齢者施設を直撃した土砂災害」

「入所者の非難にあたった、山本ひかりさんがいました」

「ですからひかりさんの存在を世に伝えたことは大きな意味があります。それにより傷ついた人物はこの報道をきっかけに桧山さんを許せないでしょうね」

桧山がかつて報道した、小瀧市の土砂災害。

犯人はその被害者遺族でした。

「大丈夫か?兄貴、兄貴」

スマホを見る桧山を心配する賢二。

「5年前の土砂災害。これ俺たちしか知らないはずだ。なんで知ってるんだこいつ。クソ、誰なんだ」

「どうしたら」

「どうしたら?なにも言うな。なぁ兄貴、ダメだダメだ、言ったらどうなるかわかるだろ」

「でも言わなきゃ結愛が…」

「言ったら全ておしまいだ!」

「結愛が殺される…」

武部と桧山は、山本ひかりが関与した土砂災害に関して2人しか分からない秘密を抱えて今しあ。

「入所者と一緒に避難したならひかりさんは助かったはず」

「引き返したんですよ。まだ施設に誰か残っていたのではないかと」

「この方ですね?大田原さん」

「逃げ遅れた大田原さんを連れて逃げたのでしょう」

「この痣は?」

「土砂がぶつかった時にぶつけたのでしょう」

ひかりには首に痣がありました。

「大田原さんは見舞客の中にいませんよね」

「伊地知議員の秘書です。当時、伊地知先生のお母様が入院されていました。もう一人、山本ひかりさんが亡くなられました」

「ひかりさんと大田原さんは親しかったのですか?あの暴風雨のなかですから」

「ひかりさんは忘れ物を取りに行くって言ってました」

その後、ひかりが伊地知から性被害を受けていたことを関係者から聞きました。

「ひかりさんがかわいがられていたって」

「可愛がっていたって分かるでしょう。セクハラですよ」

ひかりは、同僚に胸の内を打ち明けていました。

「政治家だからって関係ない。でも泣き寝入りはいやなの」

「あの日、小滝市は洪水量がひどい大雨でした。私は山本ひかりさんが命を落としたことを取材で知りました。そ、それは…!」

犯人に脅され、心がパンクした桧山は生放送で娘の結愛が誘拐されたことを訴えました。

スマホ画面には、結愛を殺すという犯人の指示が。

桧山は、ひかりが伊地知から性被害に遭ったことを見逃したまま、見殺しにしたことを悔やんでいました。

「なんだか報道がおかしくありませんか」

「番組が気になっているそうだね」

「桧山さんあんなこと言ったな。」

「娘を返してくれ!」

まだ安全に眠り込む結愛の写真を送る犯人。

「待って待って、結愛、結愛、結愛」

「あなたどうしてくれるのよ。結愛が結愛が!」

「兄貴!」

桧山の身内は大混乱していました。

その様子を車の中で録音し、聞いている犯人。

一方、右京は武部を亀山と共に引き止めました。

「そちらは仮眠室ですよ。武部さん」

「一つはあなたが使っている携帯。ガラケー。ガラケーは見ずに文字が打てる。山本ひかりさんと土砂災害で映る姿が」

「特別な間柄だと一目で分かりましたよ」

「やっとお会い出来ました。桧山結愛さん」

右京は結愛が仮眠室で見つけ、微笑みました。

「なんで仮眠室に結愛ちゃんがいるとわかったんですか」

「結愛ちゃんを手にかけ、桧山さんを傷つけるつもりなら、付き人の武部さんにはこれまでいくらでもチャンスはありました。ですから手荒な真似をする気はないのだろうと。また武部さんの今日の行動範囲を考えると、近くに隠している可能性は高い、そう思いました。」

「お前…!」

桧山は武部に掴みかかりました。

「しかし、恋人が伊地知議員から性被害を受けていたとしてなんで桧山さん狙ったんですか?」

芹沢が武部に問いただすものの、特命係の右京と亀山が代弁しました。

「ひかりさんは議員を訴えるつもりだったんだよ」

「訴えるには証拠が必要です。恐らくその時の音声か映像をとっさに録っておいたのでしょう。そうですね?」

「USBの音声データを入れて弁護士に送る手はずを整えていました。」と武部。

「そんな折、あの大雨が…伊地知議員とっては恵みの大雨だったかもしれません。全員出払った施設のなかで秘書の大田原さんは誰に見とがめられることなくUSBを探し見つけた。それに気づいたひかりさん急いで施設に戻り…土砂に埋もれたUSBを、桧山さん、あなたがみつけたのではありませんか?」

「そうです現地に行った時に。そこには伊地知議員の声とひかりさんに乱暴する様子が…」

小瀧市の現地に行った時、USBを発見しました。

大田原はUSBを見つけました。

それに気づいたひかりはその後、土砂に埋もれて災害死しました

「なんで公表しなかったんだ。俺はあの後USBを必死に探したんだ!でも見つけられなかった!なのになんであんたなんかが」

「桧山さんが見つけた時に大事な人の形見だってなんで申し出なかったんですか?」

亀山は武部の苦しい思いを受け取り、寄り添います。

「信じていたんだ。」

あの日。

「USBを拾った。あの施設にあった。」

「大事な写真が入っているかもしれない。念のため確認してみよう」

「相手は大物政治家だからどんな圧力がかかるか知れない。ジャーナリストの手に渡るならそのほうがいいと思った。報道の力っていうのを信じていたんだ。待ってたんだよ!あんたが世間に真実を公表してくれるのを!なのにあんたはひかりの死を美談で片づけた!ひかりが本当に望んでくれたことを伝えてくれなかった。」

「そこであなたは桧山さんの元で働き事情を探ろうとしたわけですね?」

右京は武部に確認をとります。

「驚いたよ。この男はひかりのUSBを取引の道具に使ってたんだ。性加害を漏らさない代わりに、伊地知から重要な政局のネタをいち早く教えてもらっていた。そりゃ人気スクープも連発するわけだ。そして5年で3度の報道大賞を受賞する大物ジャーナリストになった!あんたジャーナリストじゃない!人気ばかり気にしているただのテレビタレントだ!」

武部は怒りを爆発させました。

「俺にだって信念があったんだ。政治を伝えることだ。今この国で何が起きているのか、政治家のスキャンダルばかり流すから国民が政治の本質を見なくなるんだ。そうじゃなく俺は真実を伝えたかった。政治家から本音を引き出すには正義の、正義の為だったんだ」

「ひかりさんの首に妙な痣がありました。まるで指を押し付けたような。

「あ、大田原が災害に封じて口封じしようとしたのでしょう。」

「そこへ土砂災害が襲った。ですが桧山さんあなたは当時取材をして、伊地知とも深い付き合いをするなかで気付いていたのではありませんか?ひかりさんは殺された、そう言っても過言ではない状況に、ジャーナリストの正義の為に伊地知議員を取引した。そうあなたは言いました。なるほど、確かに政治を伝えるのは大事なことです。人一人の命が奪われたことに目をつぶったまま、何が信念ですか!なにが正義ですか!あなた自身、自らの行動に後ろめたさが残ったからこそ全てを語る事ができなかったのではありませんか?」

「兄貴」と賢二。

「あなたの言う通り…私は間違っていました。今からでも約束させてください。まだ時間があります。このことは必ず番組で決着をつけます」

「全てを公表してくれるんですか?」

「はい。USBは我が家のお墓の下に隠してあります」

「あんたの墓の下に…!」

武部は桧山への怒りと涙で震えが止まりません。

「これで終わりだ。伊地知にはひかりと同じ苦しみを味合わせないと」

パトカーで伊丹達に連行されていくなか、武部は意味深なことを呟くのでした。

武部の怒りは収まらず、あのがたいの良い男と繋がっていました。

その後、右京、亀山、陣川はUSBを取りに向かいます。

「陣川くんもうすぐパパになるんですよ」

「俺の子じゃないんです。でも、生まれた時パパだよって言ってあげたくて」

麗音は紗央理の様子を見守るなか、紗央理は申し訳なさそうに言いました。

「陣川さん向かっているそうですよ」

「申し訳ないです」

捜査情報共有の為に音声を飛ばしていた武部は、音声通信ができるペンを持っていました。

「僕としたことが!ペンです。あのペンで捜査情報を共有していたんです。」

澤田を名乗っていた男とも、武部は情報を共有していました。

右京と亀山が桧山家の墓を訪れるとUSBは武部の仲間で澤田を名乗る男に持ち去られていました。

その男、柘原は伊地知に接触。

「ご苦労だったよ。5年前の件言いふらされると思って」

「桧山からのUSBを引き出すのに、あの男を脅迫していました。」

「むしろ本命でしょうよ。楽しかったよ。スクープが欲しい男が私より自分のほうが立場が上だとね!計画通りり桧山は社会的に抹殺され、よくやってくれたね柘原くん」

桧山の仕事ぶりを褒める伊地知はUSBを叩きつけました。

その後、社と甲斐は伊地知と合流し、伊地知の前では普通の顔のふりをして、美和子たちが参加する合唱団のコンサートに参加。

取調室では、武部が伊地知の元秘書の拓原と、USBを奪うことに協力していたことを発覚。

柘原彰は自衛隊で、土砂災害の救助もおこなっていました。

USBはデータが伊地知により、潰されたと思いきや、データがコピーされていました。

「この人のことをずっと待ってる」

病院にいる紗央理は、伊地知の元秘書、拓川を待っていました。

「この人、誰なんですか紗央理ちゃん答えて」

「陣川さん、落ち着いて」

「指を編むように組む人もいる。彰の腕の組み方と同じです。幼いころから同じ環境で育った人は似る可能性があります。」

「澤田家に押し入った拓原は山本ひかりさんのお兄さんです」

「惚れた相手がまた事件関係者か」

「ある意味才能だな」

警視庁では芹沢がフォローしているインフルエンサーが伊地知がひかりを強姦しようとしている音声をSNSに公開していました。

「犯人は復讐の計画を邪魔されたくなかったからでしょう。黙ったのはこの先まだ何かあるからでしょう。事件はまだ終わっていません」

右京は武部と共犯者の伊地知の復讐がまだ終わっていないことに気付きました。

美和子たち市民合唱団が歌うコンサートで、拓原は銃を構えて、伊地知を殺そうと狙っていました。

伊丹と芹沢が、拓原がピストルを構えた様子を発見。

右京が厳重な銃を拓原から取り上げました。

「拓原彰さん、5年前貴方に何が」

「救助活動をしていました。何度ひかりに電話かけても繋がらなかったから、かけたら」

「お兄ちゃん助けて!殺される!お兄ちゃん助けて殺される」

「災害に遭ったんじゃない…誰かに襲われているとわかった。必死に探した。」

そこで、ひかりが大田原に首を絞められている様子を目撃。

助けようとした瞬間、土砂災害にひかりは遭いました。

「ひかりのことで武部さんと接触しました。元自衛隊員ということを活かして汚れ仕事もやった。願ったり叶ったりだった。伊地知議員は重宝していた。」

「そして、今日がひかりさんの命日だったんですね」

「ひかりはこのまま泣き寝入りは嫌だと言ったんだ。じゃないと俺は何のために生きてる?あの日、あの日、何のために生き残った。」

その後、コンサートを終えた伊地知の妻、怜子は、伊地知がひかりに性的暴行を加えた音声をSNSで知り、夫からの花束を拒否。

「あなた!」

そして、全ての罪を認め、生放送で緊急で、世間に向けて謝罪する桧山。

「全て事実です。こうしてニュースを伝えながら私は皆さんの信頼を裏切っていました。本当に申し訳ありません。最後に一言だけ言わせてください、なぜ私がキャスターになろうと思ったのか、良いニュースを作りたかったからです。嫌なニュースを聞きたくなければ、良いニュースを作るしかない。そう言ったのは誰だったか、元々はつらく悲しいニュースで溢れた世の中を、皮肉っていた言葉だったような気がします。真はどうであれ私はこの言葉が好きです。良いニュースを作ろう、誰もがそういう気持ちで過ごしていれば、毎日はきっと明るい出来事で溢れるようになる。済みません。私が言っても説得力がありませんね。ですが。今年がそういう年になる事を願っています」

そして、拓川は子供を宿した紗央理の元へ。

「彰さん」

「あなたのお子さんですよ」

「去年、復讐を実行する前のけじめで紗央理さんと別れたんでしょ。だから妊娠も知ら鳴った」

「紗央理さんあなたのことを人を守る仕事だって言ってましたよ。自衛隊員ってそういう仕事ですよね。だから紗央理さんは喫茶店であなたを待っていました。あなたを止める為に」

「抱いてあげて」

紗央理は我が子を拓川に抱かせました。

「ひかりさんはあなたに無念を晴らしてほしいと思っていたでしょうかねぇ。両親の都合で離ればなれになった。お兄さんには幸せになってほしいと願ったんでしょうか。罪を償い、幸せになるために生きてください」

その頃、桧山は退職します。

「山下くん」

「お疲れ様でした」

「ありがとう」

唯一自分を気に掛けてくれた警備員も桧山の全てを知り、軽蔑。

桧山はその後、結愛と妻の真紀子に土下座しようとしていました

何も知らない結愛は、桧山の頬を両手で包みました。

「帰りましょう」と真紀子。

娘を涙ぐんで抱き締める桧山。

3人は手を繋いで帰りました。

せんべいを食べながら、連行されたことに納得いかない伊地知。

「衣笠くんを呼んでくれ」

「あなたごとき底辺の私達で充分でしょ」

「もういい」

衣笠に電話をかけるものの、衣笠は井地字の電話を無視します。

「どうしました?」

「妻を呼ぶ。私の弁護士だ。」

「奥様からの伝言です。二度とその口で政治家を語るな。」

「政治というのは人々が前向きに生きられるような世の中をつくるもの。私物化した権力で希望を奪うくらいなら存在しないほうがましです。いい加減に罪を認めたらどうですか!」

右京はそれでも保身に走る伊地知を一喝する右京。

その頃、またしても恋破れた陣川をフォローする、麗音。

「紗央理ちゃん嬉しそうでよかったな、幸せになってもらいたいです」

「そうですねぇ」

「ああまたふられちゃいました」

その頃、中園参事官と内村刑事部長も緩やかな会話をしていました。

内村刑事部長は孫に気に入られたいそうです。

「まだ小さいのに1万円も?」

「買収だ」

「さすが部長、社会の仕組みを今のうちから叩き込もうと?」

「孫に好かれたい」

社美彌子は一人娘のマリアに電話していました。

「うんママはちょっとまだ忙しくなったみたい。それで楽しく過ごせたの?…うん、良かった」

小手鞠では、茉梨と美和子がゆるりと酒を酌み交わしていました。

「まさかあんな事件になっていたなんてね」

「ていうか結局杉下さんと亀山さん」

「そう、それですよ。会場にいたからなんだっていうんですか?客席にいて聞いてなきゃ意味がないじゃないですか」

「大変なのは分かりますけどねぇ」

「練習したのになぁ」

「薄情してよ」

「はい、乾杯。」

「右京さんといると妙な事に巻き込まれますね、」

「ええ僕も同じことを思っていました。君といるといつも大変な年越しになるなぁと」

「へへ違うでしょ絶対逆でしょ」

「そういえば忘れるところでした。どうぞ」

「え?なんですか?え?プレゼント。開けていいですか?」

「勿論」

そのプレゼントはハンカチでした。

「気に入らなければ、捨てるなりフリマなりどうぞ。キミに似合うものを選んだんですがね、気に入ってくれたなら良かった」

「いえ、そんなことないですよ。右京さんがくれるものはなんでも嬉しい。」

「なんでも嬉しいって君、それまたプレゼントのしがいがないじゃありませんか」

「明けましておめでとうございます。今年も良い年にしましょう。」

「ええ明けましておめでとう御座います。良い年にしましょう」

右京と亀山は良い新年を迎えることを話し合い、微笑むのでした。

相棒23 9話元旦SP感想・みどころ

豪雨と土砂災害の被害者、山本ひかりに性加害をし、大物政治家、伊地知。

右京と亀山の伊地知への怒りに共感しました。

そんな伊地知を演じた、石丸謙二郎さんは、数年前に、映画「プラトニックセックス」で、DVをする高圧的な父親や、「初めて恋をした日に読む話」では、娘に甘々な父親など、幅広い演技で知られています。

今回の伊地知は人間ろしてはとても底辺でしたね。

最後は頼っていた衣笠にも見捨てられて、爽快でした。

子供の誘拐事件をテーマにした本日のエピソード。

子供の父で人気キャスターの桧山。

ひかりの性被害を隠ぺいし、伊地知から政界ネタをもらう取引をしてしまった失態。

彼の懺悔する心が胸が痛いくらい伝わりました。

ひかりの兄、拓山も、ひかりの恋人だった、桧山のマネージャー、武部もそれぞれの正義が間違った時計の針が進んでしまった気がします。

桧山の娘、結愛が無事で何よりもホッとしました。

一つの子供の誘拐事件に、大人の陰謀と胸が詰まる復讐劇でしたね。

元旦に相応しい強敵に立ち向かう怒涛の物語性に興奮冷めやらぬ9話でした。

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