相棒20 10話あらすじネタバレ
杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、角田課長(山西惇)からの依頼で、張り込み捜査の手伝いへ向かいました。
捜査対象は、仮想通貨の掛け話を持ち掛けるロマンス詐欺グループ。
マッチングアプリで出会った妻子がいる多田野という男と、ロマンス詐欺をしている女性、さやか(榎本奈里子)。
仮想通貨の投資話を持ち掛けたさやか。
多田野はさやかに嫌われたくなくて、仮想通貨に手を出した挙句、貯金を全額使い、さやかは姿をくらましました。
詐欺グループは、多田野から騙し取ったお金を家具店に保管。
それだけではなく、さやかの夫を名乗る人物が多田野に接近したこともあって、とんだ災難に。
角田が過去に逮捕をした岩田という半グレの男が今回の詐欺グループに関与していて、詐欺グループのリーダーの顔はベールに包まれています。
グループは足跡がつかないように、まだ身を潜めているとのこと。
さらに、事件の手掛かりになるストローを被害者の多田野が持ち帰った模様でした。
さらに、喫茶店の向かい側にある倉庫は、詐欺グループのアジトとして利用されていることが判明。
怪しまれずに張り込みをするべく、倉庫近くの喫茶店のオーナー、真鍋(酒井敏也)に事情を話し、店番をする代わりに、捜査への協力を持ち掛けます。
その夜、行きつけの小料理屋「小手毬」にて、右京は身バレ防止の蝶ネクタイと、茉莉特製の夜食の弁当を作ってもらいました。
真鍋の了承を得て喫茶店の店員に成りすます特命係。
早速、客の一人である、瑞枝(麻丘めぐみ)に遭遇して、紅茶好きな右京は彼女の心を掴むことに成功。
右京は瑞枝がふと、意味深な表情を浮かべたことが気になります。
そんななか、問題の家具店に出入りしていた男女が、真鍋経営の喫茶店を訪れました。
店を出た2人を尾行を試みるのですが、タイミング悪く、客に捕まり、見失ってしまいました。
ふと、右京は真鍋に自分が淹れた紅茶を試飲してもらいました。
この行動には右京のある考えが隠されていました。
ロマンス詐欺のストローについていたDNAは、詐欺グループのメンバーであった喫茶店に来た男女の男と一致。
鷲尾という男と同じグループの30歳の女性、赤堀絵里。
警視庁に戻った右京と亘は、亘が取り逃がした男、鷲尾が転落死体で見つかったことを知りました。
伊丹(川原和久)、麗音(篠原ゆき子)、芹沢(山中祟史)や、鑑識の益子も現場に到着。
鑑識の益子(田中隆三)が言うには、頭蓋骨を損傷している模様。
5階のレストランで食事をしていた鷲尾と絵里。
その直後に事件が発生したのでした。
警視庁に戻った右京は鷲尾についての情報を角田から仕入れました。
鷲尾は3年前の架空請求詐欺では警察官役、原野商法事件では弁護士役、今回の事件では絵里の夫役を演じる詐欺グループの中心人物。
原野商法事件では、鷲尾含む詐欺グループたちに騙され、老後の資金を全額持っていかれて自死した被害者もいると話す角田。
そして今、鷲尾が転落する前に鷲尾と絵里を尾行していたのが、喫茶店の常連客の瑞枝(麻丘めぐみ)であることが防犯カメラに映っていました。
間もなく、右京と亘は詐欺グループの「原野商法事件」の被害者遺族である瑞枝がかつて夫が飛び降りた橋の上で自死しようとしていたところを制止。
やがて、右京たちが刑事だと見抜いた瑞枝は真実を語りました。
原野商法事件で鷲尾の詐欺グループから老後資金を持っていかれ、夫を自死で亡くした瑞枝。
数日前に、鷲尾を偶然見かけた彼女は、鷲尾の顔だけは忘れていなかったので、当初は鷲尾一人を尾行し、殺そうと考えていたと言葉を続けました。
いつかまた同じ場所で出会うはずだと思い、喫茶店へ客の一人として潜入していたのです。
鷲尾が転落した日、瑞枝はレストランでの食事を終えて出てきた絵里と鷲尾を尾行していたところ、絵里一人だけが出てきました。
屋上の階段でうなだれて座る鷲尾を突き飛ばした瑞枝は、夫の敵を討とうと決行。
右京と亘はそんな彼女に複雑な思いを抱きます。
警視庁に戻った右京と亘。
鷲尾の着衣には大杉瑞枝の指紋が付着。
犯人は瑞枝で確定だと言った角田。
背中を押したことだけは確定だと言う右京。
鷲尾の体内からテトロドトキシンが検出。
テトロドトキシンのような特殊な液体は、特殊なケースの場合にしか検出されないという亘。
絵里が、鷲尾にテトロドトキシンを含ませた飲み物をレストランで飲ませた、つまり、瑞枝が鷲尾を押した後に、鷲尾が他者に殺されたと睨む特命係。
しかし、翌日・・・
赤堀絵里も殺害されました。
絵里が書き残したことになっている、詐欺グループのお金の分け前で揉めたという嘘の遺書も見つかりました。
真犯人が絵里と鷲尾を殺したと推測する右京と亘。
喫茶店のマスター、真鍋(酒井敏也)を訪ねる特命係。
聞かれたくない音声を含んだボイスレコーダーを喫茶店の観葉植物に隠し持っていたと突っ込む右京たち。
しかしそれは、右京たちによる引っ掛け。
次に、喫茶店経営ながら、真鍋が紅茶の知識が疎いことを突っ込みました。
紅茶好きだと当初、右京たちに発言していた真鍋ですが、お店が残っているので「紅茶好き」ということにして気のみ気のまま経営していたと嘘ぶきました。
この白々しい態度に、右京たちは32年前の原野商法事件当時の書類の筆跡と、今回の事件で右京と亘が喫茶店で潜入捜査をすることに同意した書類の筆跡が一致していることを指摘。
被害者遺族とやり取りした書類の同意書に、彼の筆跡があったからです。
右京と亘は、真鍋が、鷲尾と絵里が生まれるずっと以前からのベテラン詐欺師で、この事件にて、詐欺グループの隠れたリーダーだと指摘する右京と亘。
真鍋はそれを認めました。
鷲尾と絵里と瑞枝の関係をあらかじめわかっていた真鍋は、鷲尾と絵里に喫茶店の店長のふりをしながら、同じく客のふりをする絵里と鷲尾にメールで指示していました。
瑞枝が尾行した当時、絵里に指示をして、鷲尾に毒を飲ませ、非常階段へ彼を運ばせました。
実はこの時点で、絵里によってテトロドトキシンを含んだ飲み物で、鷲尾は死亡。
絵里が鷲尾を殺したあとで、瑞枝が彼を突き飛ばすことも想定していたのです。
隙を見て、倉庫から侵入し、ビル内の倉庫に隠していた6億円を手に入れた真鍋。
そして、絵里に自分の罪を着せたのです。
右京は真鍋の喫茶店で潜入捜査をしていた時に、試しに飲んでほしいと言って、真鍋に自分が淹れた紅茶を飲ませたこともありました。
その際、右京がブレンドしたゴールデンチップスの茶葉が、絵里の殺害凶器に使われていたことも判明。
右京と亘は、それぞれ厳しく、真鍋が人を利用し、人の心に付け込んで犯罪を続けながら、見逃してほしいとヘラヘラ笑う態度に激怒。
間もなく、真鍋は逮捕。
後日。
瑞枝を訪ねた特命係は、彼女にゴールデンチップスの茶葉を使った紅茶を淹れました。
「私、まだ執行猶予中の身なのよ、それに鷲尾を殺そうとしたんだから。これから生きていて何の楽しみもないじゃない」
「復讐に捉われてはいけません、これからもご主人の分も生きなくては」
右京は紅茶好きの瑞枝に対し、紅茶を楽しむ友達にならないかと提案。
瑞枝は、右京と亘の心遣いに感謝し、優しい微笑みを浮かべるのでした。
相棒20 10話感想・みどころ
とんでもないベテラン詐欺師が喫茶店に潜んでいた今回の事件。
当初は、紅茶に詳しい常連客の瑞枝がもしや、客のふりをして詐欺グループを仕切っているのではないかと少し思ってしまいました。
実はかつて今回の詐欺グループによる原野商法事件で騙され、夫を自死で亡くした被害者遺族という結果は辛い。
でも、詐欺に騙されてしまう瑞枝と夫もなんだかなぁと思ってしまった。
老後を控えた中高年夫婦が詐欺だと気づかずに騙されてひどい結果になる話は現実問題よくある話ですが、瑞枝と夫にはもう少し人を見抜いてほしかったものです。
今回の事件の黒幕は、「相棒」シリーズで2度目の出演の酒井敏也さん。
過去シリーズでは佐藤江梨子さん演じるサイコパスな誘拐犯の頼りなくて気の弱い共犯者役だったのが印象に残っています。
今回演じた特殊詐欺グループの真鍋はこれまでの酒井さんにはない知能犯でとても強かな凶悪犯。
鷲尾と絵里に指示をして、多田野を陥れ、絵里に鷲尾を殺させた上にその罪を32年前の原野商法事件の被害者遺族である瑞枝を巻き込むなど人の血が通っていないのではないかと疑うくらい、しぶとい犯人という印象でした。
右京が肩を震わせて激怒する気持ちがとてもわかります。
人を利用し、自分の思い通りに操作して、最終的には濡れ衣を他者に擦り付けて平気な男。
悪びれなく罪を犯し続けた上に、隠し持っていた6億円が出てきたから罪を見逃してほしいなんてふざけたことを言うなら、右京があんなに激昂するのも当然ですよ。
真鍋が率いる特殊詐欺グループによって騙され、夫を自死で亡くした瑞枝には、鷲尾を非常階段から突き落とした執行猶予がついてしまったことは切なかったです。
しかし、ラストシーンは、右京と紅茶友達になる希望のある展開が爽やかで、夫を死に追いやった鷲尾を殺しかけたことや、「生きていても生い先が短い」と嘆いていた彼女に一筋の光が当たった紅茶のように温かい10話でした。
次週の放送はお正月です!いよいよ、相棒20元旦スペシャル解禁をお見逃しなく!
イッセー尾形さんの怪演や、冠城亘の姉役を演じる飯島直子さんに期待。