相棒20 13話あらすじネタバレ
多岐川家に一人の若い女性が帰宅。
「お母さん、会いたかった」と泣きながら言い、倒れるその女性、未来(山本舞香)。
父の直樹と母の愛子は警察に通報しようと提案しますが、未来は拒否。
その頃、政宏という若い青年が自宅で死んでいて、それを見た母親はショックを受けるのでした。
ある日、伊丹(川原和久)の元に所轄時代に世話になった黒瀬(勝部演之)という刑事が訪ねてきました。
黒瀬は行方不明だった冥絵の女性は生きて帰ってきたのではないかと考えているとのこと。
現役時代、似顔絵捜査官だった現在ボランティアで「冥婚絵」を描いていると話します。
冥婚とは、亡くなった人を結婚させる事だと黒瀬は口にします。
未婚のまま亡くなった日との遺族が弔いの為、亡くなった人を思い、結婚式を挙げる風習のこと。
黒瀬は数か月前、瀧川という夫婦からの依頼で、13年前に行方不明になったままの、未来という名の娘の冥婚絵を描きました。
23歳になった彼女を想像し、どんな未来や生き方をしているか作品を描いたとの事。
最近になってその絵とよく似た女性は、多岐川家にいるのを見た黒瀬。
まさかと思って、多岐川家にはその件を聞けなかったが、冥婚絵のモデルの女性は未来の面影があると思うと語る黒瀬。
多岐川家の1人娘、未来が誘拐される様子を母の愛子は目撃していました。
引きこもりの男性、西條政則というが刺殺される事件が発生。
そしてその現場から問題の冥婚絵が発見されました。
しかし、行方不明だった少女が保護された報告はなく、伊丹は取り合わなかったが、興味を持った右京(水谷豊)と、亘(反町隆史)は独自の捜査を開始。
右京と亘が多岐川家を訪ねた時も、確かに、未来と似たような女性がそこにいました。
右京と亘を通した多岐川愛子は、彼女は、遥香(山本舞香)といって、親戚の娘、未来の従姉妹との事。
遥香も従姉妹だから似ていて仕方ないし、叔父と叔母を責めないでほしい右京たちに反発。
遥香は確かにいて、普段アメリカ留学をしているので、今はもしかして、留学先から訪ねてきたのではないかとも推測。
後日、未来の絵を描いた黒瀬を訪ねる右京と亘。
工藤雄一郎という男が重要参考人として浮上したことに触れた右京。
工藤は過去に、小学生の女の子を監禁したことがある前科がありましたが、当時の取り調べで彼は否認し、逮捕には至りませんでした。
犯行の決定的証拠が押さえられなかったとのこと。
続いて、伊丹たちが黒瀬を訪ね、殺された西城の自宅に黒瀬が描いた未来の冥婚絵が発見されたことを指摘。
しかし、黒瀬は無関係だと否認。
右京たちはこの偶然に違和感があることに疑念を隠せません。
西條が未来を祖母の家に監禁していたのではないかとも推測。
西條の服には、未来の毛髪がついていたことも判明。
やがて、青木(浅利陽介)の手助けもあり、西條が未来と同じピアノ教室に通っていたことを突き止めた右京と亘は、2人が通っていたピアノ教室へ。
未来の失踪直後に、高校を中退し、ピアノ教室も辞めた西條。
ピアノ講師もそれっきり連絡がつかなかったことを心配していたと話します。
亘は、子供用の手編みの手袋が、西條の家から発見。
愛子はそれは未来の手袋で、愛子が手編みしたものだと答え、さらに犯人の顔を一瞬しか覚えていないと答え、発作を起こしました。
誘拐当時、この手袋の片方をどこかに置き忘れていた未来。
西條についても、多岐川夫婦に問うものの、西條のことは知らないと答えた2人。
娘のことを思い、精神的に発作を起こした愛子を気遣う直樹と遥香。
この時、遥香は愛子を思わず、「お母さん大丈夫?!」と叫んでしまいました。
案の定、愛子は倒れてしまい、救急車で搬送。
実は愛子は末期がんで、余命宣告を受けていました。
未来は怒り心頭で、黒瀬に詰め寄り、右京たちが止めました。
似顔絵だけが犯人にたどり着く手がかりだった・・・多岐川愛子は犯人の顔を何も覚えていなくて、とてもじゃないけど似顔絵が描けなかったと嘆く黒瀬。
未来の事件も工藤の仕業に違いないと思い込み、工藤を誤認逮捕した黒瀬。
黒瀬自身も犯人が誰か分からずに、未来の冥婚絵を描いてしまったことを認めます。
10日ほど前、西條が未来を殺して埋めたと電話をしてきたとの事。
未来は西條政則に殺されていました。
そして、共犯としてある人物を思い浮かべた右京と亘。
未来を殺したのは西條ですが、共犯はピアノ講師、松尾葉月でした。
未来は事件当日、無くした手袋を取りにピアノ教室へ。
そこで、生徒であった西條と松尾(街田しおん)が不適切な恋愛関係で、それを未来に見られたことで殺されたのではないかと推測。
また、松尾が当時、高校生で教え子だった西條と同じブレスレットを恋人のようにしている不自然さも指摘した特命係。
西條を殺したのは、松尾。
未来と未来の家族も取り返しのつかないことをしてしまったと泣き叫ぶ西條を殺したのでした。
未来については、やはり右京の供述通りで、未来が当時、高校2年生だった西條と松尾が交際していることを目撃。
慌てて弁解しようとして、未来を追った西條ですが、西條は未来を捕まえた挙句、もみ合いになり、階段で倒れた未来は、打ち所が悪くて死去。
未来の遺体を一旦はスーツケースに入れてピアノ教室の倉庫に隠したものの、土に埋めに行った2人。
愛子が犯人である西條を目撃したあの日、西條は転落死した未来のランドセルをゴミ捨て場に捨てに行っていたのです。
多岐川一家の心の傷や深い悲しみ、我が子の生存を願う立場を考えたことはあるかと松尾に憤る右京。
その後、松尾は逮捕。
今度は、遥香の正体について追及した右京と亘。
彼女の正体はガールズバーで働く、梶本彩奈。
街頭でキャッチをしていた彩奈を見かけた直樹は、彩奈を我が子と勘違い。
多岐川愛子が末期がんの告知を受けている、亡くなる前に未来のふりをして安心させたいと願ってきた直樹。
彩奈は長年の誘拐から解放された我が子、「未来」という設定にし、直樹たちは彩奈を家に置くことに決めたのでした。
しかし、彩奈は薄々、多岐川夫婦が自分が本当の子供じゃないことに気付いている、それでも温かい人間性で、止まった時が戻ったかのように、我が子との時間を過ごしているのではないかと、彼らを気遣ってきたのです。
さらに、犯罪をしたことがあり、恐らく家族愛に恵まれなかった彩奈は、多岐川夫婦を傷つけたくないし、これからも家族として暮らしたいという純粋な思いがあったのでした。
多岐川愛子は彩奈が未来ではないことに気付いていましたが、夫が偶然、ガールズバーで見かけて、成人した未来に面影のある彩奈を「未来」として我が家に迎え入れたことを受け入れていたのです。
直樹も、愛子に真実を告げず、家では「未来」として、よその人と彩奈が接触する際は、未来の従姉妹、遥香のふりをすることを提案していました。
家族のふりをして生活する代わりに、直樹は彩奈に沢山のお金を渡す条件を付けたのです。
これが、多岐川家の真相でした。
その夜、右京と亘は、「小手鞠」で夕飯を食べに、茉莉(森口遥子)の店へ行くと先に飲んでいた伊丹(川原和久)が。
彼は既に食事を終え、右京と亘に奢ってから去っていきました。
相棒20 13話感想・みどころ
似顔絵捜査官だった老年の男、黒瀬が愛子の証言を元に「多岐川未来」の絵を作成しようにも、愛子のメンタル面や、彼女が正確に犯人を見たわけではないのにもかかわらず、絵を捏造してしまった切ない展開が印象的でした。
黒瀬を演じた勝部演之さんは、俳優としてもベテランですが、ディズニー作品「トイストーリー」の人気キャラクター、ロッツォハグベアの声優さんとしても若い世代に演技の幅広さを知られているかたです。
SNSでも勝部さんの登場と話す声に「テディベアのロッツォが相棒に?!」など勝部さんのキャスティングを喜ぶディズニーファンの反応もみられました。
相棒にも、プレシーズン1話と、シーズン16の15話にも登場している相棒キャストとして今回は3回目の登場ですね。
勝部さんの渋くて、定年を迎えた貫禄ある男の存在感や、刑事として一つの家族を救えなかった無念が伝わってきました。
今後も、相棒で勝部さんにはまた何かしらの役で登場してほしいなと思います。
ピアノ講師の松尾と関係を持っていた西條の身勝手さと重い罪。
松尾というピアノ教師は最低ですね。
夫もいながら、10代の高校生の教え子を異性として見てきた思考、僅か10歳の未来に自分と西條の関係が知れたことで、彼女の輝かしい未来を奪う残忍さは、右京の怒りに共感。
西條は弁解しようとして未来を階段で追いかけたものの、彼女の体を掴んだため、抵抗した際に転落死・・・。
高校2年生と小学生では体格差と力の差がありすぎて、未来が階段から落ちたのち、打ち所が悪かった結果に胸が詰まりました。
ドラマでも、まだ可能性も将来もある子供が命を奪われるエピソードは堪えるものがありますよね。
亡くなったはずの我が子がようやく家に戻ってきたのではないかと期待し、舞い戻ってきた我が子を守ろうとする多岐川夫婦の愛に胸が痛みました。
そんな優しい人柄の夫婦によって、「我が子」未来として、生きる道を与えられた彩奈(山本舞香)。
彩奈が多岐川家の事情を知り、後々、彼らから後々金銭を巻き上げようとしたけど、犯罪歴はあるものの、心が完全にひん曲がっていない人間性に安堵しました。
特に、愛子が倒れた時に、彩奈が「未来」として、黒瀬を訪ねて怒りをぶつけながら、「あんたの似顔絵のせいでお母さんが倒れた!どうしてくれるの?!なんであんな嘘を描いたの?」と問い詰めるシーン。
彩奈のなかで本当の母のように愛してくれる家族だからこそ、黒瀬に心の底から激しい感情をぶつけられたんだなと思います。
正常な愛を知らなかった彩奈が、我が子を大切に育てている多岐川夫妻に出会ったことはある意味、彼女の得られなかった愛を取り戻し、彩奈が自分らしく生きれる「未来」になったラストに救われた13話でした。