相棒20 17話あらすじネタバレ
鉄道愛好家として、ある路線を訪れた元警視庁鑑識課の一員だった米沢守(六角精児)。
線路沿いで遺体を発見し、すぐさま、警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)に連絡。
殺害時刻は昨夜の0時までということかと予想する米沢。
鉄道オタクの米沢はラストランをする電車を見届けに来たところ、遺体を発見したとのこと。
被害者の吾妻の遺体や凶器が路線で見つかったことから、何らかのダイイングメッセージを推測する3人。
やがて捜査から浮上したのは、廃線の噂がある「星川鐡道」。
警視庁では、全て高千代線の線路沿いで事件が起きていて、凶器の場所も見つかりやすいのではないかと推測する中園参事官(小野了)。
やがて、右京と亘が伊丹たちより先に証拠を次々と入手。
遺体、財布、スマホは1本の線路沿いに等間隔で遺棄。
米沢によると、廃線を進めたい運営会社と沿線住民が立ち上げた「復活させる会」の間に亀裂が生じているとの事。
翌日。
鐡道本部長の松原玲子(中原果南)を訪ねた右京と亘。
不採算路線をいつまでも残すのはデメリットだと口にする松原。
被害者の吾妻(藤本浩二)は廃線支持住民の中心人物。
松原の運営会社にも脅迫メールが届いていたことを社員の一人のパソコンで確認する右京たち。
廃線をめぐる対立が生じている可能性が高いとの事。
松原は相手にしても仕方ない内容だし、こんな脅迫を真に受けていたら会社の信用にかかわると敢えて無視していたことを口にしました。
そんななか、線路に侵入し、他の撮り徹オタクに止められる騒動を起こした今泉(松浦祐也)という鉄道ファンが逮捕されました。
今泉によると、事件直前、遺体や凶器が見つかった現場に顔を出していたのです。
しかし、今泉は電車の走行音を聞きに現場付近を歩いていたとのほほんと、事情聴取に応じます。
右京と亘は、今泉の腕が書き物をした時にできる汚れがついていることをお互いに気付きました。
以前は細かいことに気付かなかったけど、何故か気付くようになったと言う亘。
一方、右京と米沢は、星川鉄道の地元で、白川や小国という男が揉めている様子を慌てて制止。
彼らは例の「復活する会」のメンバー達でした。
星川鐡道が原因で、米沢が好きな電車が活躍できていたのに、松原の不採算路線だという言葉に納得がいかない白川。
白川は元々、揉め事をメンバーの中で起こしやすく、特に自分の経営する旅館が閑古鳥が鳴くような状態になってから情緒不安定で喧嘩早くなったそうです。
さらに、今泉が重要参考人として伊丹たちのターゲットに。
今泉の家を訪れた亘は、彼の家に撮り鉄らしいグッズが一つもないことに違和感を覚えますが、右京と米沢に連絡を取ったところ、今泉は電車の時刻表を頼りに、電車ダイヤを研究して、マメな観点から鉄道を応援するファンと発覚。
しかし、今泉は鉄道オタクに嫌われやすい「クズ鉄」を自演している可能性がありました。
手の汚れもその手間のかかる作業によりできたもの。
すると、廃線の是非をめぐって住民同士が対立していることを知りました。
右京と米沢は星川鐡道のトラブルについて知っている和菓子店へ聞き込み捜査。
白川は感情が高ぶりやすくて鉄道のことになると面倒な人だったが、吾妻は真逆の誠実な人だったと口にします。
次に、白川が経営している旅館を訪ね、漸く客が入ったがまだまだ経営不振なことを伝え、トラブルメーカーの自分を警察は疑うのだと皮肉を言うのでした。
その頃、今泉は取り調べを伊丹と芹沢から受けていて、彼は自分が吾妻の殺害を認め、パニックを起こして倒れてしまいました。
間もなく、今泉が悪性腫瘍の病気で余命宣告を受けていることを知りました。
以前は、家電量販店に勤めていたものの、病気が発覚して雇い止めされてしまった今泉。
廃線危機にある星川鐡道に自身を重ね、敢えて撮り鉄のふりをして現場にいた今泉は、もう一度星川鐡道が走る姿を見たかったとの事。
次に、白川を訪ねた右京と米沢。
白川が最初から星川鐡道の復活を望んでいないことを指摘。
廃線復活の為に人を殺すような人物でもありません。
経営不振で、旅館を売るつもりである白川。
スターリバースホールディングスの封筒が旅館から発見。
なんと、スターリバースホールディングスから、組織を弱体化させるサボタージュマニュアルを持っていた白川。
敢えて白川が鉄道に熱心なふりをして、星川鐡道の復活の会のみんなの中に入り、抗議するふりをして、星川鉄道の運営会社である、スターリバースホールディングスのスパイのような役割をしていたのでした。
実際に星川鐡道の復活の会の会長の小国は解散を検討するようになりました。
今泉は白川を信じてしまい、彼の罪を被ろうとしていたのです。
「たかが鉄道に救われる人もいる。ささやかな出会いに人生の喜びを見つける人や車窓の風景を心に刻む人もいる、鉄道の存在のおかげで生きようとする人もいる」
米沢は今泉を思い、熱意を込めて彼を叱責。
今泉に真実を告げにきた右京と米沢は、今泉は元々、吾妻と約束していて、ホテルの駐車場へ向かったが、既に吾妻は殺されていました。
今泉は絶対、鉄道に熱意を持っていた白川の犯行だと思い込み、罪を庇うことに。
右京と亘はその後、今泉の証言を元に、吾妻が最初に倒れていた現場の鑑識鑑定をすることに。
米沢は無断で右京と亘に後で内村などから叱られることを前提で捜査。
すると、特殊な靴の素材から、松原が犯人だと特定。
役割を終えた交通機関はただの遺跡にすぎない、葬らなきゃならないのではないのかと反論。
白川を利用して星川鐡道復活の会に潜入させ、分裂騒動を起こさせた発端は松原。
吾妻は松原が犯人だと批難しました。
白川がスパイとして、星川鐡道の復活の会のみんなの内部分裂をわざと起こさせた上で、謝礼をもらっていたことを指摘。
それだけではなく、松原の部下が白川の旅館に入っていくのも目撃していました。
星川鐡道に命を懸けていた人たちの熱意や悔しさが分からないと憤る吾妻に対し、松原は指定。
松原は吾妻に口止め料さえも渡したのに、役に立たない鉄道に執着する彼への理解に苦しみます。
松原はなんで駐車場にあった遺体が線路沿いに?と怒り狂って反論しますが、鉄道の線路沿いに移動させたのは腫瘍と闘う今泉の犯行でした。
米沢は今回、少し自分達に手を貸したけれど、次はのんびりと鉄道紀行を楽しみたいと口にして去っていきました。
事件解決後、右京と亘は、今泉が吾妻の行動を分かっていたのではないかと推測。
時刻表をダイヤグラムに表現するかのように、星川鐡道の復活がいつか叶って、復活の会のみんなのわだかまりが解けることを願っていたのではないかと推論を展開させるのでした。
特命係のテーブルには、今泉が残したダイヤグラムが意味深に置かれていました。
相棒20 17話感想・みどころ
特命係の元鑑識にして、今は警察学校で教職員をしている米沢守。
相棒の常連人物の米沢くんが今回、ゲストとして右京と亘に事件解決の依頼を電話してくるところから始まる冒頭も、3人の信頼関係が強調されていて、「おお!米沢くん」と嬉しくなりました。
鉄道オタクの米沢が右京と亘に解決を頼んだ事件は、まさに米沢視点の独特なオタク愛が詰まったストーリーでした。
推しの鉄道が廃線になり、役立たずだと運営会社の代表である松原から切り捨てられる悔しさ、さらに、鉄道復活を願って戦ってきた復活の会のみんなの中に紛れ、一番、抗議の声を上げていた白川の憎い裏切り・・・。
白川を一喝する際に「たかが鉄道に救われる人もいる・・・出会いに喜びを見出したり、車窓からの風景を心に刻む人もいる」と憤る米沢くんの喝が響きましたね。
鉄道以外の何かのファンのオタク心にも刺さったという視聴者の反応は多く、私も何かを大切に一生懸命愛する人の気持ちを台無しにした松原の非情さや、白川の行動は腹立たしかったです。
そしてそんな白川を同じ鉄道を愛する仲間だと信じ続けて、病気の体を無理してまで、吾妻の遺体を線路沿いに移動させた今泉の犯行に胸が詰まります。
ダイヤグラムを利用してまで、スジ鉄な今泉がわざと、鉄道オタクの「嫌われ役」を買って出た行動の背景がシリアスで引き込まれました。
きっとみんなに星川鐡道の復活と共に、ギスギスして復活の会のメンバーのわだかまりが雪解けすることを切実に願っていたと思うと複雑な気持ちになりますね。
今回、米沢くんを演じる六角さん自身が鉄道ファンだということもあり、ストーリーを見ていて、六角さんのような、米沢くんのようななんとも不思議なリアリティ感が漂っていました。
六角さんが実際、呑み鉄道の冠番組を持っているのがよく分かります。
米沢守は六角精児と一心同体なんだと思いましたし、鑑識の服に久々に着替えて登場した姿は胸が熱くなりましたよ。
無断で現場検証を右京と亘と共に行うやらかしも、相棒ファンとしては許します。
オタクの観点から、人も鐡道も「欠損」が出れば必要とされなくなるヒリヒリした痛みが伝わりました。
病床の今泉の鉄道と仲間を思う気持ちが報われることを願う17話でした。