相棒20 4話あらすじネタバレ
スピーチライターの宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)は、ゲームクリエイターの鴨野と共に新作発表のリハーサル中。
同じ頃、特命係の杉下右京(水谷豊)と相棒の冠城亘(反町隆史)は、久々に日本に帰国した捜査二課の刑事、陣川公平(原田龍二)と共に、小料理屋「花の里」で夕食を食べていました。
女性に惚れっぽくてお騒がせな警視庁捜査二課、陣川公平(原田龍二)。
また一目惚れした女性に絡んだ事件かと思いきや、現在はゲームクリエイターとして活躍中の学生時代からの付き合いの友人、鴨野大輔(黒田大輔)から結婚式のスピーチを依頼され、大張り切り。
陣川は友達の結婚式のスピーチを依頼され、泥酔しながらもスピーチの練習をする彼を見守る右京と亘。
しかし、内容が今一つの為、鴨野が長年になっているというスピーチライターの宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)を紹介されます。
宮森は陣川にスピーチをする際の態度や姿勢を厳しくチェック。
陣川の友人への思いをスピーチの原稿に活かしたいと口にする宮森。
興味を持った右京が陣川に同行し、由佳から詳細を聞いていると、陣川の携帯に鴨野から連絡が。
突然、殺人事件の容疑を掛けられ、警から事情聴取を受けているという。
助けを求められていた陣川は右京と冠城亘(反町隆史)を伴って急行。
高校時代の友人である鴨野の力になろうとする陣川。
捜査一課、伊丹(川原和久)、麗音(篠原ゆき子)、芹沢(山中祟史)からの取り調べで、携帯電話を持たずに事件当日は散歩をしていたと言う鴨野。
アイディアの創作が浮かばない時は、散歩をするのが日常的であると鴨野のスタッフも証言。
独創的でこだわりのある彼は、麗音のしつこい追及に立腹。
殺されたのは鴨野の下で働いていたチネルコーポレーション元社員の男性、相島で、死の直前、「お前を絶対に許さない。すべてを公にして謝罪しろ」というメールを鴨野に送信済みとのこと。
鴨野は亡くなった元社員を自身のクリエイティブチームから外しました。
このことがきっかけで、鴨野に恨みを抱いていたと推測されるものの、鴨野自身は容疑を全面否定。
さらに、これから発表していく新作の開発ゲームが、相島の事件のキーになっており、鴨野は元々、発売延期になっていた新作を漸く発表できるタイミングという時に鴫野の件が絡んできて、情緒不安定に。
さらに、鴫野には婚約者の女性、亜里沙もいて、将来に不安を抱えている現状。
右京は鴫野の婚約者の女性に、「度重なるゲームのデットウォーリア4の発売日延期に事件の手掛かりになる何かが隠されているのではないか?」と探りを入れる右京。
すると、鴨野は独立したいと以前から考えており、「デットウォーリアシリーズ以外で認知されない人間になりたくない」という思いがあり、社長の江口に会社を辞めたいと申し出たことが。
つまり鴫野はデッドフォーリア4へのかつての情熱を失っていました。
しかし、社長は既に長年、延期が続いていた「デットウォーリア4」の披露イベントがもうすぐだという時期であるからこそ、その願いを却下されてしまっていたのでした。
学生時代から、好きなことに関しては、周りが見えなくなる程、没頭することが大人になった今でも変わらない鴫野。
一方で、今回の事件で殺された被害者、相島はというと、就職が元々、うまくいかず、鴫野が開発するゲームのファン。
鴫野にファンであることや一緒に仕事をしたい意思を申し出て、クリエイティブチームに配属。
鴫野に外されたことをきっかけに個人的な恨みを鴫野にメールでぶつけるようになったのではないかと言われていました。
それを信じた陣川は、右京と亘を巻き込んで独自の捜査を開始。
大切な友人である鴫野を信じたい陣川は、宮川に対して、鴫野の事件前後の行動に怪しい点はなかったか聞く右京に反論。
右京はそれでも「あなたが知らない鴫野産の一面もある」と諭すのでした。
ところが、その矢先、鴨野犯人説を裏付ける決定的証拠を発見。
伊丹らが事情聴取を行うと、事件現場に鴫野のイヤホンが落ちていたのです。
鴨野は携帯電話を無くしていました。
相島が鴫野に脅迫メールを送ったのは、チームから外されたことではなく、別の理由があると睨む右京、亘、陣川。
また、何故、鴨野が開発するゲームシリーズの第4弾が長年、延期になっていたのか、なぜ、相島が殺されてしまったのかこれにはもっと深い裏があると推測。
右京はまず、相島が鴫野に脅迫メールを送った理由は、相島が当時、クリエイティブチームだった頃、偶然、「デットウォーリア」の機密情報が盛り沢山な鴫野のパソコンを偶々、好奇心で覗いてしまったことがきっかけだと口にしました。
独立をし、「デッドウォーリア」の作者としてしか人々の記憶に残るだけで終わりたくないという強い意思が、デッドウォーリア4が延期になり続けていた理由だと知った相島が、ファンとして鴫野に裏切られた気持ちを感じていたからでした。
そして真相にたどり着いた右京、亘、鴫野は、相島を殺した犯人が江口であることを知りました。
彼はまず、無くした鴫野の携帯電話を清掃員の女性から回収。
鴫野の相島殺害の疑いは晴れたものの、相島から「デットウォーリア4」の発売日が延期され続けていたことに関してファンへの裏切り行為であると怒りをぶつけられました。
その際、相島は興奮と鴫野に対する個人的な怒りから、ネットにこの情報を流すとまで言いだし、携帯電話を操作。
揉み合いのうちに、江口は相島を殴りつけて殺しました。
そして、鴫野がこの事実を知っているのですが、自分は何も見ていないと記憶がない様子。
そこで、鴨野を口封じの為に殺害を試みる江口。
鴫野が普段、作業する際に使うログハウスに彼を連れて行き、鴫野の首に縄を掛けて苦しめていたところ、右京と亘、陣川に発見されました。
江口は自分の計画が破滅に終わったことを怒り出しますが、江口は鴫野の携帯電話に別のメールが届いたことを報告。
「相島の事件現場にはイヤホンが落ちていた。鴫野はただでさえ何を考えているか分からない不気味なところがあるから脅威を感じていた」と鴫野殺害動機を口にする江口。
そしてそのメールの主は、スピーチライターの宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)。
宮森は相島をそそのかして、彼が鴫野に個人的な怒りを抱いていることを利用。
天才的才能を持つ鴫野が会社から独立しようとしていることも知った上で、相島をたきつけて、自由に働きたい鴫野を陥れようとしていたのです。
宮森は鴫野のイヤホンを相島の遺体現場に捨てたり、デッドウォーリア4のスピーチ原稿も彼女が手を加えていました。
宮森はやがて罪を認め、鴫野は初対面からずっとコミュニケーション力に乏しく、鴫野をスピーチライターとしてサポートしてきたのに、鴫野は婚約者の亜里沙と出会ってから、自分よりも亜里沙の意見を聞くようになったり、独立まで考えていると彼への募る不満を口にしました。
自分こそが、世界的ゲームクリエイター、鴫野を作り上げたも同然だと声を荒げる宮森に対し、右京は「自分こそが鴫野を生み出した、自分のおかげで鴫野は活躍できたなどと思うなんて、思い上がりも甚だしい、あなたは残念な人だ。」と静かに毒を吐くのでした。
逮捕されていく宮森に複雑な思いを抱く陣川や亘。
そして、右京は「デットウォーリア4」の発売がまた延期になることや、鴫野が会社を辞めていること以外に、「独立」を隠れ蓑にして本当はゲームのアイディアが浮かばないからこそ、引退を考え、落ち着いた生活を鴫野が望んでいたのではないかと突っ込みます。
案の定、その通りで、鴫野は事件当時、履きつぶした靴を履いて散歩をしていたものの、ゲームのアイディアが浮かないことに悩んでいました。
自分が天才ゲームクリエイターと世間で賞賛されるようになってからも、もうゲームを生み出す力はないと考え、敢えて「独立」と表向き取り繕ってクリエイトの仕事から離れようとしていました。
しかし、鴨野の婚約者、亜里沙は疑いが晴れた彼と新しい生活をする決意をしていました。
陣川は鴨野にすぐに引退をするのではなく、クリエイトの道を続けてみてもいいのではないかとアドバイス。
幸せを願う陣川と亘、右京に見守られ、鴨野は新しい一歩を踏み出すのでした。
相棒20 4話感想・みどころ
あのお騒がせな元特命係第3の男、陣川公平(原田龍二)。
陣川さんのことですから、過去の「相棒」シリーズと同様、勘違いと一目惚れからまた事件に繋がるのかと思いきや、男の友情!
高校時代、学校で孤立気味だった鴨野に声を掛ける積極性や優しさが昔から変わらない陣川の性格の良さが前半は滲み出ていてステキでしたね。
陣川は相棒の過去シリーズでは、妹思いの父性感ある兄でしたが、自身の友達に対してもここぞとばかり世話好きで、少しうざいくらい熱心に向き合う態度が好感。
才能の塊である鴨野の周囲がとても複雑な印象でした。
独創性があり、ゲームクリエイターとして世界的に認知されたものの、鴨野のエピソードや環境を見ていると、クリエイターとして凄く生きづらさが伝わりました。
江口は社長として、才能溢れた鴨野を「商品」として手放したくないもどかしさや焦りが見にくいなって思いましたし、最終的には鴨野を殺害に至るまで発展したシーンは、鴨野が殺されてまた事件が複雑になっていくのではないかと心がざわつきました。
一人のアーティストだからこそ恨みや、攻撃の対象にされやすい鴨野が終始、不憫でしたね。
正義感の強い陣川や、右京と亘のおかげで助かって良かったけれど、社会的にも信用があるスピーチライターの宮森の人間性が一番、人として最低だった結末。
何かしらクリエイティブな力を持つ人のなかには、コミュニケーションや人と関わることを避ける人や独創性から変わり者が多く、鴨野は特にその全てに当てはまります。
だからこそ、スピーチライターとして影の存在として鴨野をバックアップし、コミュニケーション力が増え、著名なゲームクリエイターとして育てたのは自分自身のお陰なんて発言、右京と同じく、思い上がりも甚だしいし、一番、鴨野を苦しめている元凶は宮森だったなと痛感。
それなのに婚約者の亜里沙と出会って以降、亜里沙の意見を積極的に聞くことが多くなった、誰のおかげでクリエイターとして活躍できているのかと発言していた宮森、虫唾が走る。
クリエイターとして活躍し、自分のペースで幸せを掴もうとしている鴨野は身近にとんだ疫病神がいたなという印象でした。
怒鳴り散らし、鴨野への身勝手で恩着せがましささえ感じる内面性、人間の醜い部分を表現していると思いました。
陣川の熱血漢ぶりや、右京と亘の抜群のコンビネーションが、孤高のカリスマを救った4話でした。