相棒16話あらすじネタバレ
朝、小峰翔太(加藤憲史郎)はモラルハラスメント気味で、上昇志向が異様に高い、父から模試の結果が悪いと厳しく咎められ、登校。
母は、小学生の息子を気遣い、彼にお小遣いとタクシー代5万円を渡し、欲しかったゲームを買えるようにと配慮。
翔太の母、凛子は、友達と会うことになるとのことで、夕方は留守にしていると翔太に伝えます。
顔に殴られた痣のある保護の必要性がある少年、影山将(山城琉飛)を見かけた杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)。
彼は、亘に家で顔に傷を負ったことを話した後で、友達を助けてほしいと右京と亘に依頼してきました。
そんななか、近年、急激に成長している激安スーパーの創業者、小峰(鎌倉太郎)の小学生の一人息子、翔太が誘拐される事件が起こります。
翔太のことを付け狙う安村(今野浩喜)と、大槻は、翔太のことを付け狙っていました。
ところが小峰は警察に介入されたくない理由があり、一向に通報する気配がありません。
大槻健太は翔太を誘拐したことを音声を加工して伝えました。
翔太の父は年上の部下を厳しく叱りつけ、会社でも部下を無能扱いするなどパワハラが目立ちます。
異変を感じた右京と亘は、角田(山西惇)の協力も経て、手分けして捜査を開始します。
誘拐に加担した疑いがある男、安村(今野浩喜)をマークする右京。
安村は、彼を良く知る老婦人から声をかけられますが、答えることは出来ません。
右京は安村を追跡し、ローストビーフを買う彼に「妻がいて、ローストビーフを買いに来た」とあえて嘘をついて接近。
100g3000円のローストビーフを買った安村の行動に、彼にも同居人がいて、動揺している様子を見抜いた右京。
安村は違和感を感じつつ、右京は彼の挙動不審ぶりを見抜きます。
一方で、亘も最初はリフォーム業者を装い、小峰家を訪ねましたが、正体がすぐ分かり、刑事だと伝えます。
しかし、小峰夫婦は警察に介入されたくない頑なな態度をとります。
妻の凛子は自分のことばかりでなく、翔太のことを第一に優先すべきだと夫に口出し。
ふと、小峰夫妻のところに、電話が。
大槻でした。
「金さえ手に入れば無事に返す、次の連絡を待て」と言って電話を切りました。
沈黙を守る小峰家の動向を探る亘。
事件発生に半信半疑ながら、容疑者の一人を注視する伊丹(川原和久)、芹沢(山中祟史)、出雲麗音(篠原ゆき子)。
そして、痣のある少年の保護者に会い、彼に怪我の理由を問いただす角田。
将には、母親が出て行ってから母の恋人と暮らしており、彼が虐待をしていることを角田は察知。
「こいつの母親はこのお荷物みたいなガキを置いて出て行った」と吐き捨てる男。
そんな彼に、角田は怒りを内面に鎮めながら「あんたには人の心はないのか、児童虐待は立派な犯罪だ」と告げます。
その後、将を保護し、彼の逮捕の対応をとることにしました。
将に対し、「これからは良い人生が待っている、君はここにいる男を頼ってよかったんだ。ついている」と励まします。
自分たちを頼ったことで、将は虐待とひどい暴力から救われたのでした。
さらに、青木(浅利陽介)までもが、捜査に駆り出される事になりました。
それぞれが、少年の命を救う為、独自の行動に出ます。
右京は安村の動向を追跡するうちに、彼が元和菓子職人だったことを知ります。
青木にも、安村が翔太を誘拐しているアジトの家を見張るように任せました。
ローストビーフと、後ほど安村と出逢った後に、買った和菓子で青木を懐柔。
その頃、小峰の部下で、彼から厳しい叱責を受けた男に、小峰が違法な金を自宅に隠し持っている事実を告げられました。
その頃、出雲や伊丹、芹沢の3人も大槻を追跡。
その途中、空腹な伊丹と芹沢にあんパンと牛乳を買ってきた麗音(篠原ゆき子)。
しかし、伊丹はお腹が弱く、牛乳を飲むとお腹を壊しやすいことを芹沢に知らされた麗音は反省。
その後まもなく、大槻が動いたので、追跡再開します。
右京は、安村剛を子どもの頃からの知り合いである、老婦人から、健太と安村が昔からの知り合いで、いじめっこといじめられっこ同士だと聞かされました。
また、安村は、昔から和菓子のセンスはあるが、子供の頃から出来が悪くて、よく「とろ」というあだ名をつけられていじめられていた、さらに、安村は大槻が抱えている借金問題を負担させられていました。
大槻は翔太が通っている塾の講師で、子供の情報を掴むのは容易でした。
裕福な家の一人息子である翔太には善良な講師を装って、接近し、彼を誘拐しやすいように先手を打っていたのです。
さらに、大槻は子供達の保護者にも借金をしたり、闇金に手を出す男。
小峰が大槻の指定したコインロッカーに身代金を入れ、それを受け取りに来た大槻に声を掛けて捕らえた伊丹、芹沢、麗音。
最終的に、翔太が大槻と最初から手を組んでいて、誘拐を実行していたことや、翔太が父の裏金のことを既に知っており、父親から身代金を騙し取ろうとしていたことが発覚。
翔太は誘拐されている間、剛が大槻に利用されていることを察知し、剛を小ばかにします。
そんな彼に、剛は「俺は”トロ”じゃない」と声を荒げ、大人を馬鹿にする翔太に注意しました。
その声を聞きつけ、右京と亘は翔太を保護。
右京は「大人を馬鹿にするのもいい加減にしなさい、これはゲームなんかではありません」と厳しく翔太を咎めるのでした。
翔太の誘拐に加担した剛(今野浩喜)は、和菓子職人としての人生に失敗し、歩道橋のところで死のうとしていました。
そこで、将と出逢いました。
将が虐待を家庭で受けていることを大人の勘で察知した剛は、将に居場所を作る為に自宅に招きます。
二人の平穏な日々は続かず、大槻と再会してしまい、翔太の誘拐に加担することになってしまったのでした。
将のために、今後、自分と会うのは危険だと安村はあえて厳しい態度をとりました。
その後、誘拐事件が発生。
右京と亘に、すべてを白状した剛は、角田の気遣いで、将と再会。
将は角田に必死に、剛と会わせてほしいと頼んだのです。
取調室には、道端のゴミとして拾った人生ゲームには、将の幸せを願った安村が、紙に「テストで100点を取れば大金持ちになる」などのような工作が・・・。
将は児童相談所で保護されることになりました。
相棒2021 16話感想・みどころ
翔太がのっけから可哀想すぎますよ。
翔太の父、小峰のような上昇志向が高くて、妻子に対しても、職場でも、周囲に支配的に接していく様子は見ていて胸が痛い。
翔太は本当に可哀想で、模擬試験の結果ごときで偉そうに、自分のようになれなんて、ただの毒親ですよね。
昔は、亭主関白で独裁的な夫や父親が多く、今も古い考えを持った男が多いことに憤りを感じます。
ただ、その閉鎖的で、自分の居場所がない環境で育ってきた翔太が、敢えて、大槻の誘拐計画に乗っかって、自分の力で金を稼ぐことを歪んだ方向性にとらえているところも心苦しいです。
翔太が歪んだ思考や、大人の男である剛を小ばかにした様子も全て、父親の日頃の態度で、勘が鋭く、将とは対照的に、思いやりが欠如している部分が見られて切なかったです。
翔太も、父親が裏金を隠し持っている件で今後、父が逮捕され、心からの愛を得られる環境に身を置けるようになったらいいなと思ってしまいました。
翔太自身の幼さや、子供ながらの無知さが災いしていますが、翔太自身も被害者といえますね。
身体的な暴力を母親の恋人から受ける将もとても心が痛みますが、将は右京と亘に出会い、角田課長と繋がれて本当に良かったです。
将の唯一の友達は剛で、根は心優しく、意志の弱い安村が、将を助け、本当の愛を持った大人でしたね。
小さな子供の翔太が、大人を嘗めた態度をとった時も、自分はもう今までの「トロい自分」とは違うという物言いをして、翔太に手を上げなかったことは救いでしたね。
剛が将の幸せを願って工夫した人生ゲームや、年が離れていても心優しい部分が互いにあり、いじめを受け、苦労した共通項のある2人が最高の友達として繋がっていたことがわかるラストシーンが泣けました。
将と剛が最終的に取調室のなかで、再会し、ハグをした瞬間は、さらに切ない。
剛がいつか出所してからも、将とは年齢の離れた良き友人であり、お互いにとっても、命の恩人になるでしょう。
次回は、右京と亘が、眼鏡店の御家騒動を追います。