相棒21 12話あらすじネタバレ
ある日の昼下がり、右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は、コムギノホシというパン屋へ。
妻の美和子(鈴木砂羽)と前夜、外食先で些細なことから喧嘩した、亀山。
突然、小学生の男の子、武志に声を掛けられました。
その子、武志は、父とみられる南野(駒木根隆介)という男と一緒で、「お父さんが財布を落として帰れないので家まで乗せてほしい」と頼まれました。
親子に買ってきたばかりのホットドッグをあげ、武志は亀山に僅かばかりの小銭をお礼に渡そうとします。
亀山は気遣いのできる優しい彼の気持ちだけ受け取りました。
息子が学校に行けていないので、気分転換に外出したと話す父親の、南野。
そんな2人の様子に早くも、違和感を覚える右京と薫。
親子が昼間に公園で遊べる場所もないのです。
同じ頃、都内のアパートで、住人、安田幹雄が刺殺される事件が発生しました。
被害者は半グレ集団の一人で、5年前に押し込み強盗で5千万円もの大金を奪った前科が発覚。
最近、主犯の男が刑務所内で急死し、5千万円の動向は不明です。
アパートの住民から子供を連れた男性が逃走しているのを目撃したという情報が!
家まで送った親子が今回の事件に関連していることを確信した特命係は、再びマンションを訪問。
証人の岡山を訪ね、201号室で大きな音がして、男が子供と一緒に家を出ていくのを目撃したという話を聞きました。
南野親子に再び会いますが、財布を紛失したにも関わらず、届けを出していなかったのです。
南野に警察に被害を届けたほうが良いと伝え、その場を去りました。
しかし、南野と武志が本当の親子じゃないことを見抜き、南野の職場へ。
完全歩合制の訪問営業によるリフォーム会社に勤めている南野。
消費者センターからリフォーム詐欺を疑われているこの会社。
その頃、武志は南野に、「終わらせたくない、僕、このまま終わらせたくないんだ」と意味深な言葉を突出ました。
南野は同意。
武志を連れて父親のふりをして、学校へ。
その後、武志を知人でスナックを経営している亜紀に事情を話しました。
実は武志の父親が5年前の件でトラブルに巻き込まれ、武志を亜紀に強引に預けました。
亜紀は突然の事に戸惑い、南野は亜紀に自分しか頼る大人がいない武志を守りたいと告げるのでした。
営業のふりをして工藤家へ侵入し、工藤について調べようとする南野。
そして、武志の実態を知る特命係。
武志の実父は弁護士で、いつも家を空けることが多かったとの近隣住民からの通報で知りました。
工藤家に閉じこもる南野。
ふと、右京と亀山の気を引き、南野から目をそらさせるために、亜紀はわざと自転車で転倒。
しかし、南野が特命係を簡単にまいてしまいました。
「昔の亀山君なら走ってすぐ捕まえられていましたね」
「右京さんなら騙されなかったでしょう」
お互いに14年もの歳月に年齢と体力を痛感する右京と亀山。
その頃、武志は元恋人の、三雲亜紀(土井玲奈)に食事を食べさせてもらいながら、今まで自分と笑ったり、泣いたり共感してくれる人がいなかったと話します。
武志の父親は、「今まで俺の金で暮らしてきたくせに偉そうなこと言うな」と妻にモラルハラスメントをしていました。
両親の不仲を目の当たりにしてきた武志は、生まれて初めて温かい南野の人柄に触れたのです。
亜紀は大人として胸を痛めます。
武志の本名は工藤武志。
父親の工藤が行方をくらまし、弁護士事務所では、電話をかけるといつも武志が出ていたとの証言が出てきました。
さらに、5年前の件で今回の殺人事件の被害者、安田と武志の父、工藤弁護士は関与。
中山が盗んだ5千万円も、工藤が横領して盗んだのです。
工藤弁護士の事務所に行った安田ですが、工藤が拉致された可能性を知りました。
特命係は警視庁にて、角田課長(山西惇)から、中山と安田の関連から、工藤弁護士の行方を南野が探っていることを知りました。
南野は一旦、麻雀へ行きますが、それは監禁された武志の父親、工藤弁護士を捜す為だったのです。
得意の麻雀で勝った南野は、ヤクザ達に工藤の居場所を聞くものの、殴られて失敗します。
亜紀の店に一旦、帰るものの、大揉め。
警視庁では、右京と薫、角田らで、武志を連れ歩く南野の動向を捜査。
1月16日朝8時35分、工藤が隠し持っていた大金の存在をコインロッカーで知った、南野と武志の姿が。
さらに、お金を持って単独で移動する、南野の姿もありました。
案の定、その真相は、武志に父の友人を名乗る男から電話がかかり、とりあえず外に出てきてほしいと武志に告げた、怪しい男。
武志は、既にあっという間に誘拐されてしまい、亜紀は大パニック。
間もなく、亜紀の店を特定した特命係が。
亜紀の居場所を彼女が南野を逃がすために、右京と薫をまいた際、見た診察券の情報を2人は見逃さなかったのです。
武志が誘拐されたことをパニック状態になって告げた亜紀は、南野が武志を救出に向かったことを告げました。
南野はどうしようもない奴だけど、武志と彼を助けてほしいと訴える、亜紀。
その頃、武志が誘拐されたアジトへ着いた南野は、ロッカールームから得た大金を持って武志と再会。
「金は持ってきた!もういいだろう?」
「顔を見られているからな、このまま返すわけにはいかない」
武志を誘拐したのは、岡村。
岡村の部屋には、南野の財布と、南野が亜紀と作った猫のデザインがプリントされたエコバックがありました。
空き部屋の2Fには武志の実父、工藤弁護士がいて、間もなく、伊丹達に保護されました。
武志の父はかつて、獄中死した中山の元弁護士。
工藤の弁護士事務所を訪問した安田を中山の仲間だと既に認識していた工藤。
南野の部屋にトランクルームの鍵があるからそれを持ってくるようにメールが武志に届きました。
そのメールを武志に送ったのは、岡村。
武志の情報を工藤の携帯の見守りアプリで確認し、武志すらのちに人質として、利用しようとしたのです。
安田と岡村は結託して、武志の父、工藤弁護士を誘拐し、同じアパートのご近所同士なことを利用して、監禁部屋を度々、移動させ合っていました。
しかし、安田から武志の父、工藤弁護士が横領した大金が入ったロッカールームの鍵をせしめようとした際に、揉めて、安田を殺害した、岡村。
安田と岡村、そして、工藤の関係を知った南野。
武志を守りながら、工藤の行方を捜していたのです。
そして、安田と岡村が揉め、安田が殺される現場に遭遇したのです。
誘拐先で、南野と武志は無事、解放されました。
その後、右京と亀山に武志と知り合ったきっかけを話す、南野。
武志との出会いは、訪問営業先がたまたま、工藤家でした。
南野は武志と同じ寂しい少年時代を過ごしたことから、いたたまれなくなり、今の状態に至ります。
お腹一杯食べさせて、武志の悩みを聞いてあげたいという優しさも。
右京はここで、岡村に殴られた際に、なぜ、南野が警察に通報しなかったのかと聞きます。
武志はこの件で、父親が絡んでいる、父親が逮捕されれば、自分は一人になってしまうと強く訴えてきたのです。
そこで、武志のことを思い、岡村に殴られた際に通報できなかったのです。
自分のためにしか動けず、身勝手な行動ばかりだったと口にする、南野。
自分は父親になれる資格はない、きっと愛せないかもしれないと葛藤。
そんな彼は「財布をなくした」のではなく、実は安産祈願のお守り。
亜紀との子供を授かろうとしているのです。
しかし、「人は自分のためにしか生きられない」からこそ、自分のために、武志を守ろうと行動を起こした南野に温かく寄り添う、右京。
そして、特命係と遭遇した際に、転倒した亜紀が妊娠していて、子供の命が危ぶまれるのではないかと不安を感じていた、南野。
しかし、亜紀はお腹の子供を庇っていたので、南野と亜紀は新しい命と出会うことになります。
武志は、夫の件を機にやってきた母親に引き取られます。
事件が解決し、「小手茉莉」で夕食をとる特命係。
亀山は女将の茉莉(森口遥子)にお土産の甘栗を渡しました。
妻、美和子(鈴木砂羽)から着信があり、甘栗を仲直りに食べようと伝えます。
夜に甘い物を食べれば太るとむくれる妻に愛着を感じる、亀山は右京より先に帰宅。
相棒21 12話感想・みどころ
事件を追う際に、14年の歳月とお互いの老いを感じ、軽い皮肉を言い合う、右京と亀山にほっこり。
相棒ファンとしては長い年月を共に過ごしてきた2人の体力の変化が涙が出る程、愛おしかったです。
風変わりな親子連れかと思いきや、ワケアリの男と親の不仲と金銭トラブルに巻き込まれた少年。
武志の父は横領したり、妻に「今まで俺の金で生きてきた」など暴言を吐いていましたが、武志のことは携帯の待ち受けにする程、誰よりも愛していたことが伝わりましたね。
南野は優しすぎる、そして誰よりもお人好し。
憎めない彼を演じ切った、駒木根隆さんの名演が素晴らしい。
過去シーズンの相棒でも相方を守るために罪を被ろうとするお笑い芸人を演じた、駒木根さんは2度目の出演ですね。
今回は、両親の不仲や、父親の誘拐で孤独になった少年に寄り添う姿がはまり役だと思います。
寂しい少年時代を過ごしたからこそ、かつての自分に武志を重ね、元恋人でお腹の子の母、亜紀を振り回してでも、武志を守ろうとする行動力があっぱれでしたね。
亜紀と南野には新しい命が、そして、南野を呼び捨てにするほど慕う武志が母と共に優しい人生を歩めることを願いたい12話でした。