相棒21 14話あらすじネタバレ
亀山薫(寺脇康文)の妻、亀山美和子(鈴木砂羽)が取材先の民家、柳沼家で襲われる事件が発生しました。
さらに現場からホームヘルパーの男性、町岡の遺体が発見され、室内を物色していた形跡や手口から窃盗犯の仕業だと思われていました。
美和子はその家に住む柳沼勝治(忍成修吾)という元受刑者の妻を取材しようとして事件に巻き込まれたらしいのです。
勝治は15年前に、通り魔殺人事件を犯し、長年服役。
出所後には、脳梗塞で倒れ、寝たきりに。
両親は財産家ですが、獄中結婚した妻の、聖美(陽月華)という女性が彼の介護をしています。
美和子は聖美の心境を取材しようとしていたのでした。
捜査に乗り出した右京と亀山は、勝治と聖美夫婦から話を聞きます。
身体を動かせない勝治は、意思伝達機械を使い、亀山美和子は命の恩人だと伝えました。
「犯人、強盗犯。犯人は私も殺そうとした」と心苦しい心情を吐露。
なんと、町岡が勝治の目の前で刺され、美和子が一度、殴られてから、意識を取り戻し、勝治の呼吸器のチューブを入れてくれました。
「犯人、人間の屑、殺してやる」
犯人に対して腹を立てている、勝治。
その後、勝治の件について彼と妻の聖美が家にいたずら書きをして、誹謗中傷されていることを知った特命係。
「立ち入ったことをお伺いしますが、なぜ、柳沼さんと結婚を?」
「いけませんか?罪を犯した人は結婚しちゃいけないんですか?いいじゃありませんか。一人くらい味方がいたって」
15年前の逮捕当時、遺族の感情を逆なでする怨恨が消えていないことが判明しました。
「あと2人くらい殺せば死刑になれたのに」
日常で満足できず、大学受験に失敗して犯行に及んだ15年前の事件。
柳沼勝治は女性を刺しても、謝罪の言葉が遺族になかったとのこと。
その頃、病院で勝治の妻、聖美にインタビューした録音データを確認する美和子。
聖美は母親が若い男をつくって家を出ていき、親戚をたらい回しにされた挙句、愛情が得られない生き方をしてきました。
右京と亀山は、佐竹という食事にの配達業の男に。
その男は15年前、柳沼によって母親、佐竹綾を殺された当時5歳の少年でした。
昨日の昼12時から午後2時までどこにいたのか彼に聞くと、風邪をひいて自宅で寝込んでいたと話し、仕事へ戻りました。
洲本と桑村いう介護サービス会社へ。
洲本が柳沼の件を担当し、町岡の代行をすることになりました。
町岡の周辺での異変を聞く、右京と亀山。
競馬で100万円当たり、闇金から借りたお金を返済したとのこと。
給料の前借をするぐらい金銭的に困っていた町岡。
美和子は一度、病院を抜け出し、綾の周辺を聞き込みます。
病院に夜にはちゃんと戻り、右京と亀山に伝達。
綾と聖美が子供の頃からの幼馴染。
聖美は親戚をたらい回しにされ、綾と離れ離れに。
右京と亀山は、静岡の親戚に預けられていた際の綾と聖美について聞くと、聖美はその幼い頃の写真は自分じゃないと話しました。
右京と亀山は、柳沼家のごみに火をつけた男を木壁。
犯人を追及し、何とか確保します。
それは柳沼に殺された佐竹綾の息子、良輔。
母親が殺されたのにも関わらず、反省しない態度にイラついたとのこと。
そして、柳沼勝治を殺そうとしていて、闇金を借りていた町岡と共犯の人物が浮上。
今回の佐竹との関連性はないものの、柳沼勝治の家に強盗した男と、殺された町岡の共犯は関連性が浮上。
その頃、町岡の代行のヘルパー、洲本が。
しかも洲本は病床の柳本を殺そうとし、呼吸器を抜きます。
右京と亀山は勝治を置いて出かけようとした、聖美を引き留めて自宅へ。
ふと、柳沼家で送金のやり取りをしたレシートがゴミ箱から見つかりました。
洲本は町岡の共犯で、町岡と共謀して柳沼を殺そうと結託。
柳沼勝治が殺されれば2千万受け取れる、町岡は洲本に100万円振込みました。
町岡が殺された日、もうやめようと町岡が言い出しました。
そしてあの強盗は、洲本でした。
2千万円を用意して、殺人を依頼するなんてどうかしていると笑う彼を一喝する伊丹(川原和久)、麗音(篠原ゆき子)、芹沢(山中崇史)。
柳沼本人が町岡に前金の200万円をネットを使って振り込んでいました。
なんと、勝治は、自分を殺すように、町岡に依頼していたのです。
残りの報酬は送金予約をして決行日の3日前に送金される予定でした。
ところが土壇場で町岡と洲本が揉め、美和子が駆け付けて失敗。
「そんなことまでして自分で自分の命を・・・」と聖美。
15年前、柳沼勝治の厳罰化を求めるデモに参加していた聖美。
それを知り、本当に自分を殺したいのは妻だろうと悟っていた、勝治。
勝治はSNSを通じて、自分が殺されても良いと発信。
「どこまでも自分勝手な男ですね」と聖美。
聖美は復讐のために、勝治と結婚。
唯一の心の拠り所だった佐竹綾を殺されたので、復讐を決行しようとしていたのです。
綾が事件に巻き込まれたのは自分のせいだと主張する、聖美。
あの当時、綾と15年ぶりに再会した、聖美。
しかしその時は既に綾は遅刻した時には既に綾が勝治に殺害された後でした。
当時、母親が目の前で殺されて、5歳だった食事配達員の良輔がいたたまれないと言います。
そして、獄中にいる勝治に手紙を書き、結婚に成功。
彼を献身的に支えて生きる希望を見出した時に殺してやろうと思っていたと本心を右京と亀山に伝える、聖美。
「では勝治さんが洲本に呼吸器を抜かれた時、血相を変えて彼を救ったのはなぜですか?」と右京。
「綾ちゃんの命をあんな風に奪っておいて、悔いなくこのまま死ぬなんて許さない」
聖美は右京と亀山に、「どうやってこの気持ちを許したらいいんですか?」と怒りをぶつけました。
「聖美さん、あなたは十分、苦しみました。もう自分を許してあげてください」と亀山。
「聖美さん、一つあなたにお伝えします。この世には人殺しで解決できることはありません」
右京は聖美が、友達を救えなかった傷が癒えていないまま、勝治と結婚したことで、今も苦しみ続けている気持ちに寄り添うのでした。
その後、右京と亀山は、美和子の快気祝いを「小手茉莉」で、します。
茉莉(森口遥子)は3人を温かく見守りました。
相棒21 14話感想・みどころ
まず、美和子が取材した相手が悪かったですね。
でももし、美和子が関わって踏み込んでいなかったら、勝治は時間をかけて妻の聖美に…っていうことになってもおかしくなかったです。
愛しているふりをして、大切な存在だった佐竹綾を救えなかった自分への嫌悪と、犯人で夫の勝治への消えない憎悪…なんて不安定で切なすぎるんだろう。
15年前に友達を救えなかった、聖美の心苦しい心情と罪悪感が伝わりましたね。
「私があの日15年前、遅刻していなければ綾ちゃんは殺されなくて済んだ。私のせい」
親から愛されず、育った環境も人の温もりを知らずに育った聖美が、唯一信頼できた人間が、綾。
短い期間とはいえ、心の拠り所的存在だった綾の死を止められなかった聖美の罪悪感がリアルに伝わり、つらかった。
彼女のせいじゃないのにな…。
「この気持ちをどうやって許したらいいんですか?」と繰り返し怒鳴る聖美の姿がとても胸が痛みました。
彼女はまだ15年前で時間が止まっていることを物語っていますよね。
当たり前の事ですが、右京が、「人を殺しても何の解決にもならない」とそっと告げた事が精一杯の言葉だったように感じます。
綾の件で聖美が、綾を殺した犯人に厳罰を求めることを訴えているデモに参加した時の写真を見ていた勝治。
介護士の洲本と町岡が結託した事も、人として許せません。
2千万円の報酬を人を殺して手に入れようだなんて、しかもその相手が自分の殺人を依頼しているなんて、どんなに救われない世界でしょうか。
金に目がくらんで人を殺す人が、人の日常の世話をする側の人間であってほしくないなと思いました。
自分を一番殺したいのは妻だとわかっていながらも、彼女の夫として暮らす彼の立場と体が不自由な状況を思うと、どんな結果がこの夫婦の幸せなのか考えさせられた14話でした。