相棒21 18話あらすじネタバレ
あるドラマのアクションシーン撮影が行われていました。
主演の小桜はどうやったら先輩の藤枝のようにもっと演技がうまくなれるか相談。
真面目で熱心な彼を藤枝は、コワモテな容姿とは違い、優しすぎる人柄を伝えます。
裏カジノ運営疑惑のあるイベント会社社長、保科が刺殺される事件が発生。
捜査一課の伊丹(川原和久)、芹沢(山中祟史)、出雲麗音(篠原ゆき子)は、内輪揉めか対立組織の仕業と思われたのですが、初動の聞き込みでは「亡霊に呪い殺された」との不可解な証言が。
「亡霊」に興味を持った右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者は死の直前、呪いのビデオを見たと証言。
受付の綾子は警視庁を訪れ、伊丹たちに、向かいのビルの関係者と保科がトラブルに遭っていたこと、警備員が防犯カメラの映像のような不審な映像を見せていたと吐露。
さらに現場を調べると、益子(田中隆三)が、現場で盗聴器を発見。
小桜千明(一ノ瀬ワタル)という俳優の自主製作映画のパッケージが、不自然に床に落ちていました。
その時、右京は物陰から現場を覗き見る不審な男に気付きます。
その男こそ、小桜でした。
小桜は、知人の女性の朋香(田中道子)と連絡がつかないことを友達の池田淳に相談し、保科が殺されたことにも不信を抱いていました。
彼が出演していた自主製作映画のDVDを友人に配っていたことや、落ちていたけど、小桜のものではないと右京達に伝えました。
DVDは、自分が今まで悪役ばかり演じていて、違う役が演じたくてくすぶっていた時に制作されたものとのこと。
小桜は自宅に右京たちを入れ、藤枝の名演や活躍を嬉々と話しました。
また、藤枝から小道具のナイフをもらったことも聞いた、右京と亀山。
また、DVDは酔っぱらって、仲間に配っていたことや事件当日は、藤枝と一緒にいたとアリバイを伝える、小桜。
周辺を洗うことにした右京と薫は、小桜に目をかけている所属事務所の先輩、藤枝(山口祥行)からも話を聞きますが、目ぼしい情報は得られません。
藤枝は、千明と自分にどこかシンパシーを感じて気に掛けてはいました。
小桜と事件当時一緒に飲んでいたこと、しかし、小桜は同じ歳ぐらいの男性と慌てた様子だったことを伝えました。
ただその後の聞き込みで、小桜が高校時代、演劇部に所属していたことが分かり、当時の仲が良かった同級生4人に話を聞きます。
北原陽介と、松尾朋香。
演劇部は廃れていったけど、当時、小桜の「ヴェニスの商人」の演技は名演だったと、彼の才能を振り返る、池田。
しかし、右京と亀山は、保科に、「北原陽介は生きている、このビルを探っている」と告げた偽警備員が小桜なこと、そして、今、小桜は、池田と行動を共にしていることを特定。
さらに、北原陽介と保科の接点は見つからないものの、北原は、1年前に行方不明者届けが出ていて、届人は、恋人の松尾朋香(田中道子)。
北原は雇われのバーテンダーで、保科が働いていた裏カジノで高時給につられて働いていたことが判明。
しかしその、裏カジノはかつて警視庁に摘発された事がありました。
1年前は保科の口座に入金が開始した頃と被ります。
そのなかの一人、松尾朋香(田中道子)という女性は小桜から逃げるように行動していました。
朋香の家を訪ねた小桜と北山ですが、誰もいません。
特命係の右京と亀山は、北原がかつて働いていたバーを訪ねます。
マスターの竹内は、北原が朋香と歩いている際に、ガラの悪い男とぶつかり、一緒に歩道橋から突き飛ばされた際に、足を負傷したことを2人に話伝えました。
長年続けていたダンサーの仕事を辞めた朋香は藤枝と同じ現場で働いています。
朋香の事に責任を感じ、裏カジノで働くようになった北原。
この時、北原は保科が元々、あくどい行動をしていた事は知っていました。
右京と亀山は、当時働いていた竹内のバーに、小桜と朋香も連れて行って記念写真を撮っていた写真を見せられました。
その写真に写る髪の長い赤いコートを着た「亡霊」の正体が池田だと気付く特命係。
その頃、陽介のことで保科に動画を見せて問い詰めたことがあった、池田淳。
池田は思わずうろたえます。
実はあの時、向かいのビルの警備員に変装した小桜は、盗聴器を仕掛けていました。
保科は北原陽介が生きているなんてありえないと焦ります。
北原陽介として防犯映像に映っていた紅いコートの長髪の人物は、背格好が偶然似ている、池田です。
「亡霊」の正体は池田でした。
その音声を盗聴器に録音した、小桜。
当初、朋香、池田、小桜は3人で協力して北原と保科の事件の関連性を追っていました。
そして今、朋香が保科の殺害現場で落としたDVDを手掛かりに、事件に巻き込まれたことが判明。
しかも、大元は、なんと藤枝だということが発覚し、ショックを受ける、小桜。
北原は藤枝からお金を脅し取ろうとしていたものの、失敗して殺害されたのです。
右京と亀山らは、途中で逃げてしまった小桜を見失います。
その頃、撮影現場では、朋香が保科を殺してしまった記憶を思い出していました。
朋香は事実を知ったことで保科から殺されそうになっていて、正当防衛で揉めたのち、手に持っていたナイフが保科に命中。
小桜は、朋香がまず先に、藤枝が北原陽介を殺したことを知り、敵討ちをしようとしていたことを察知。
そこで、藤枝を目の前にした小桜は、朋香の代わりに藤枝に襲い掛かりました。
しかし、小桜は藤枝から以前もらった小道具のナイフを持っていて、藤枝には血のり袋を付けてもらっていました。
「死んだふりをしてください」とあらかじめ藤枝に、囁いた小桜。
朋香が藤枝を襲撃することをわかったうえで、藤枝からもらったナイフを使い、彼を先に襲う演技をしていたのです。
これは朋香が殺人を犯すことを想定しての行動でした。
藤枝は自白をします。
1年前に、朋香の脚の治療費の為と、裏カジノを藤枝が利用していた証拠を掴んで、300万円の金銭を要求してきた、北原陽介を宿泊先のホテルで殺害。
藤枝はその後、保科を呼び出して、北原陽介の遺体を遺棄させました。
朋香と藤枝が逮捕されていくなか、右京と亀山は傷心の小桜に寄り添います。
「あなたが芝居を打ってくれたおかげで、真実が暴けました」
「でも、俺は…もし手に持っているのが本物のナイフだったら、藤枝を殺していた。」
「だけど、お前はそうしなかったじゃないか」と亀山。
「小桜さん、あなたには芝居心と人の心が携わっています。立ち直ってくださいね。我々は待っています。」
その後、夕食に「小手鞠」で過ごす、右京と亀山。
記者をしている、亀山の妻、美和子(鈴木砂羽)は事件の内容を聞いて、後味が切ない印象を受けました。
「なるほど、友達を止める為に自ら復讐したってことか…」
女将の茉梨(森口遥子)も小桜の見かけは少し怖いけど優しい人物だと知ります。
右京と亀山はコワモテ俳優である小桜を見た目で判断しちゃいけないこと、彼が事件から立ち直り、前を向いて歩けることを願うのでした。
相棒21 18話感想・みどころ
小さな役でも一生懸命に演じ、憧れのバイプレーヤーの先輩、藤枝を慕っていた小桜。
しかし、彼には大切な仲間の行方がとても気になっていて、唯一、連絡がとれる池田と共に、演劇部時代の友人、朋香と北山の行方を追っていました。
朋香が藤枝に金を強請ったのちに恋人の北山が殺されたことにショックや、憎しみを隠し切れないのは致し方ないですよね。
そのお金はかつて、ガラの悪い男に絡まれて北山と共に歩道橋の階段から突き飛ばされた事による負傷で、ダンサーの仕事を辞めざるを得なかったことが原因なのですから。
自分のためにお金を稼ごうと裏カジノで仕事をしていた北山の努力を、藤枝が無にしたのですから。
藤枝に罪の認識をさせ、また、自分と同じく、藤枝を殺そうとしていた朋香の行動を予測していた小桜の優しさが温かい。
一度は、藤枝を彼からもらった小道具のナイフで襲撃した時、小桜自身も大切な友を衝動的に殺したのが恩人である藤枝ということで、彼の裏切られた悲しみが伝わりました。
友達の朋香を犯罪者にするわけにいかないと芝居を打った小桜の衝動性ある演技は、とてもアツく、切なさが後味に残ります。
しかし、右京と亀山に、犯罪を食い止めることができたその勇姿を告げられ、背中を後押しされた小桜は、事件解決後、前を向いて歩けると良いですよね。
恋人の脚の治療費を稼ぐために必死だった北原ですが、藤枝が俳優をしていることを知って300万円も強請ろうとしたのはひどいな。
罪を犯さないかたちで、治療費を作ったら良かったのに。
だけど、朋香も北原も、経済的に余裕がないなか、切羽詰まる気持ちはわかります。
「芝居心と人の心が携わっている」と最後に小桜に寄り添う、右京と亀山の人情味が沁みた18話でした。