相棒21 19話あらすじネタバレ
右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は、角田(山西惇)から頼まれ、奥多摩の山中に足を運びます。
大きな物音がしたという通報を確認を押し付けられたのです。
ところが、山間の集落で聞き込みをしていたところ、2人は何者かの襲撃を受けて拉致されます。
右京は亀山の前に目を覚まし、事前に拘束されていた縄を解くことに成功。
さらに、亀山の縄を解き、右京と共にアジトを出ました。
襲撃犯の目的も人数も不明で、スマホなどの通信手段も奪われていました。
背後から追跡者が迫る中、二手に別れます。
しかし、そこは地図もコンパスもない山の中。
2人は避難寸前の状態で、歩き回ることに。
そんななか、右京は偶然見つけた山小屋で、怪しげな男と遭遇。
右京が迷いこんだ場所は、自分の敷地だという男。
男を疑りながら、スマートフォンを途中で落としたと誤魔化します。
男の山小屋で、トイレを借りるふりをして、彼の正体を探り始めました。
男は右京が自殺をしようとしていたと誤解し、右京は男を自分を誘拐した犯罪者グループと勘違いしていたとのこと。
男は1カ月前、白い布を身に着けた謎の集団を目撃としていたというのです。
「短い間でしたが、ご縁でした。あなたは僕の昔の上司に似ていて…。今は連絡をとっていませんが、とても良い上司に僕は当時、恵まれていましたね」
「お名前をお伺いしても?」
「ああ、僕は神戸です」
元相棒の名前に懐かしさから微笑む、右京。
神戸と右京はお互いに良い出会いをしたことを実感し、別れました。
右京はその頃、バス停にようやくたどり着き、身に覚えのある男に声を掛けます。
脚をくじいていて、白い布を巻いていたと話す、男。
父親が経営者で干渉してくること、右京が父親の上司かと誤解していたことを告げました。
山部からスマホを借り、連絡をしようとしますが、バッテリーが切れていました。
年上の先輩と起業していたけれど、父親にそのことで迷惑をかけたと話す、その男、亨。
またしても、右京の元相棒、甲斐亨を思い起こす名前を聞き、どこか懐かしさを感じながら先を急ぎます。
いっぽう亀山はようやく、奥多摩の久里坂村で、伊丹(川原和久)、芹沢(山中祟史)、出雲麗音(篠原ゆき子)に状況を説明。
集落に住む山部守(田中奏生)という青年が行方不明なことを知りました。
山部は不良に山に連れ込まれていじめられた過去があり、今、彼の祖父母の家に保護された亀山は事件の匂いを直感。
右京はその頃、寺にあった大きな音の原因である穴を見つけました。
さらに、神社の御堂に入り、白い布がいくつかぶら下がっていることに気付きました。
そして、お堂に入る男に声を掛けました。
亀山は守(田中奏生)を保護。
右京は大きな穴が実際に犯行に使う前に、テロリストがテストをして爆発させた穴だと、男に指摘。
男はテロリストであることを右京に言われ、心外を感じます。
山部守が行方不明なので、山部の祖父母に頼まれて捜索しているとのこと。
守は学校も3カ月で辞めて、両親も早くに亡くし、引きこもりになっていました。
男にスマホを借りた右京は、彼の名前を聞くと、なんと、冠城と名乗りました。
またしても、右京の最後の元、相棒の名前でした。
その頃、山部を保護した、亀山。
山部の自傷行為の傷を見て気持ちを寄り添おうとしたものの、彼は右京と亀山を誘拐した白い布を身に着けた集団の仲間でした。
亀山のことを告げ口し、亀山は慌てて逃げます。
右京は一度、下山したものの、爆発物のテストの件を亀山に伝えました。
亀山も右京に、山部守が白い布の集団の一員だと告げました。
白い布は綿布で死者の顔にかけるもの。
自らを傷つけるほど思い詰めていた山部守がSNSで知り合った大人たちと出会い、どうやって死ぬかを決めた…それが右京が見つけたあの大きな予行練習の爆弾の痕跡。
右京と亀山は集団と再会。
自死の目的でそれぞれ思いを抱え、SNSで集まりました。
しかし、初めて仲間を得たことで死ぬ決意が揺らぎました。
右京達に先に計画を読まれたと誤解していたため、誘拐したとのこと。
そして今は、右京と亀山に山部を助けてほしいと頼みました。
4時に山部が乗ってしまったバスを追いかけるよう、頼む一同に、二度と命を無駄にしないことを約束させた、特命係。
山部は爆弾を爆発させる目的で、バスに乗り込みました。
「僕が住んでいる村は3人に1人が老人です。月々の支払いは病院などで消える。悪くなる一方なら、死んだほうがまし。負けが見えている」
「君と集まったみんなは、思いとどまる事が出来た。ここにいる人達のことを考えてほしい。誰かの役に立つことが自分の喜びにもなるよ」と、亀山。
「そんな使い古された言葉で…奪われるだけのゲームをやる気はないんですよ」とひねくれる山部。
「そんな使い古された言葉でも本当なんだよ。みんな一人になって自分の事だけ考えて…何度でも言うぞ?君は一人じゃない。俺は異国に行って学んだよ。この世界の方こそおかしくなっちまっている。みんなどうかしているんだよ。一緒に生きてくれ。もう一度考え直してくれないかな」
「もう君が爆発物を爆破させようとしていた地点を通り過ぎました。君は自分の命も、他人の命も奪っていません。もう一度、考え直してみませんか」
右京と亀山に寄り添われ、山部は伊丹たちに連れて行かれました。
右京と亀山は、お互いが相棒同士で良かったと信頼を改めて確認。
その夜、飲みすぎて小手鞠で居眠りをした亀山を起こす、右京。
女将の茉梨(森口遥子)と亀山の妻、美和子(鈴木砂羽)は亀山が夢を見ていたように微笑ましく見守ります。
しかし、亀山の手には久里坂村の松ぼっくりが手に握られていました。
右京と共に事件を追い、絆を確かめ合ったことは真実でした。
相棒21 19話感想・みどころ
相棒シリーズのなかで、よく起こりうるパターンなのが、特命係の誘拐事件。
過去のシリーズでも、必ず取り入れられた誘拐で、集団に襲われた右京と亀山を見て、甲斐亨のケースを思い出しました。
SNSを通じて、自死志願をしていた大人達と、少年の守。
いじめられたことや、村での生活環境の生きにくさが表れていて胸が痛みました。
亀山が、世の中がおかしくなっていると複雑な思いを吐露する面はまさに共感。
現代は、守のように自分の人生がドン詰まっているなか、負の連鎖を引き寄せる手段にSNSを使って集まってしまうこともありますよね。
また、自分の人生を終わらせるため、一人で死ぬ勇気がないから他者を巻き沿いしようとする屈折した気持ちに誰もがなってもおかしくないと思いました。
一人の青年の命と彼と死のうとしていた大人達にもう一度、生き直すきっかけを作った特命係の人情味が素晴らしかったです。
右京と亀山はお互いの絆と歩み寄りを確かめ合うように、お互いが相棒でいて良かったと微笑み合うシーンは、相棒ファンの心をくすぐりますね。
右京が途中で出会った電話を貸してくれた、神戸、亨、冠城、そして、守ってあれ?って相棒ファンならピンときましたよね。
右京が出会った元相棒の甲斐亨と神戸尊、そして元鑑識の米沢守。
神戸と亨は、かつての人柄が良い上司が右京の元相棒と同じだったという優しい仕掛けにホッとした救いもあった19話でした。
次週はなんと、最終回前編!まだ特命係の2人とさようならしたくないですよ。