相棒21 7話あらすじネタバレ
一ノ瀬弘美とその友人、沙織は砂時計の話題で笑い合っていました。
弘美からもらったばかりの砂時計に微笑む沙織は、通り魔に襲われ、殴られたのち、弘美の前で絶命。
犯人は砂時計を持って逃走。
特命係に警視庁職員の健康管理をしている、保健師、吉崎弘美(桜木梨奈)が乗り込んできました。
面談を先延ばしにしている右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)に釘を刺しにきたのです。
弘美は、警視庁上層部の、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)にも厳しく言っており、内村は中園から勧められた高級羊羹すら拒否。
警察として健康に気を遣おうとする、内村に渋々、納得する中園。
その弘美は、先程、右京たちがいる警視庁の健康チェックをしに来た保健師でした。
そんな折、特命係は20年前に起きた連続通り魔事件の犯人が再び動き出す予兆を知りました。
その犯人は高校生から二十歳前後の女性をターゲットにした強盗事件。
7人目の被害者である、当時15歳の少女、沙織が亡くなり、メディアでも大きく取り上げられた事件でした。
沙織と弘美は当時、一緒に歩いていましたが、白いトラックのせいで、犯人は沙織が一人でいると誤解していたようでした。
犯人は被害者の所持品を持ち逃げする不気味な習性もありました。
当時、伊丹(川原和久)は捜査本部にいましたが、犯人を特定できずに目急入りに。
そして今、事件から20年経過し、傷害致死の時効が迫っていたのです。
右京と亀山は、20年前に当時15歳だった、富永沙織の母を訪ねました。
脅迫文を見た母親は脅迫文を特命係が書いたのではないかと食ってかかります。
脅迫文は、「鈴木礼」の偽名で統一されています。
沙織が目を惹く派手さだったとか、遊び歩いていたなど心ない言葉を投げつけられたことで、人間不信になっているからでした。
沙織は当時、塾の帰りでした。
当時も警察がきちんと捜査してくれなかったと落ち込んでいます。
その夜。
亀山と右京は、亀山の妻、美和子が先に着いた小料理屋「小手鞠」へ。
茉莉(森口遥子)の店で夕飯をとります。
美和子は当時、駆け出し記者をしていた頃、富永沙織への誹謗中傷が目に余る程ひどく、ネタにして売り込むためなら被害者遺族への配慮すらなかったと振り返りました。
一方で、女将の茉莉(森口遥子)も、この事件の痛ましい報道の仕方に憤りを思い出しました。
翌日。
30代後半の女性が帰宅途中に、頭を殴られ、荷物を奪われました。
その女性を襲ったと疑われる25歳前後の男。
品川の警察署長の息子で、以前にも交通事故を父の力でもみ消そうとしていた前科がありました。
伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)が現場で対応して引っ張っていきました。
事情聴取をするものの、彼は犯人ではないと思う、右京。
右京は、弘美を訪ねました。
杉並北署から、広報課に異動したクライアントの男性、小沼の面談中だった、弘美。
彼が去ってから、弘美と接触し、彼女が仕事中に時間の効率を良くするため、砂時計を使っていることを知りました。
また、30代女性を襲う男が伊丹達に連行されて以降も、小沼を訪ねた右京と亀山。
2人はあいにくその日、欠勤していた小沼の職場で、彼が砂時計を持っていることに気づきます。
そして、特命係宛てに届いた2通目の「鈴木礼」からの次の事件が起きる予告。
亀山は、脅迫状を作ったのは、富永ではないかと疑います。
ふと、夜に亀山は富永瑞恵が留守だと通りすがりの女性から聞き、追跡。
夜道を歩く女性がまた襲われ、瑞恵が慌てて庇いました。
弘美を襲っていたのは、小沼。
弘美が一人で歩いていたのはわざとで、20年前の通り魔事件の犯人の気を引かせるためでした。
その犯人が、小沼が犯人だと思い出した、弘美。
そして、脅迫状を送り続けたのも弘美で、右京達にわざと捜査をさせて、小沼を逮捕させようとしていたのです。
富永瑞恵はそのことを知っての上で、弘美を止めようと動いていたのです。
「娘が死んだのは、あなたのせいじゃない。自分の事を追い詰めないで」
弘美は大人になった今でも、自分が守れなかったせいで、沙織が死んだと責任を感じていました。
少女時代に、沙織が目の前で亡くなったことで、長い間、心の傷を抱えていた弘美に無理解な父親は、沙織のいないところで、妻を怒鳴り散らしていました。
亡くなった沙織のことをいつまでも引きずる娘に頭を悩ませていたのです。
弘美の母は理解を示しましたが、この件で両親は離婚し、「一ノ瀬」から、母親の旧姓、「吉崎」に苗字が変わりました。
富永瑞恵(根岸季衣)は、弘美が目の前で沙織が死んだことで精神的に不安定となり、自棄を起こすことを見通したうえで、夜中に動いていたのです。
生きにくさを抱えた、弘美はそのまま犯人に殺されることも覚悟の上でした。
小沼は捜査一課にも、強気な態度。
自分は20年前の犯人ではないこと、吉崎保健師がこれ以上、追求を続ける気なら、吉崎を訴えると言い出します。
右京と亀山は、吉崎弘美の持つ砂時計と同じものを小沼が持っていることを指摘。
同じ物を偶然持っているだけで、自分を犯人と疑うのかと食ってかかりました。
20年前の砂時計のつなぎ目にある人工芝に巻く珪砂という砂で、フットサルでで使われる、人工芝。
オーストラリア産のものです。
それが小沼が持つ砂時計にわずかに挟まっていたのです。
亀山は砂時計の業者に問い合わせ済み。
そして、小沼は怒り狂いながらも、逮捕されていきました。
吉崎は、ペナルティーを受けたけれど、職場に復帰することができました。
沙織が将来、なりたかった保健師の仕事に就いた弘美と、沙織が殺されてしまった日から時が止まった事を痛感した、瑞恵。
2人で、前に進むことを決意した、弘美。
右京は、砂時計はひっくり返すと、時の流れを前向きに進められることを弘美に伝えました。
「砂時計はひっくり返せば、また時が流れ出します。何度でもやり直せる希望の象徴ともいえるんですよ」
亀山は弘美によって健康診断の面談に連れて行かれ、右京はその様子を「塩対応」に見送るのでした。
相棒21 7話感想・みどころ
20年前の若い女性をターゲットにし、被害者女性の所持品を奪い続ける、卑劣な犯行。
犯人は警視庁にいて、広報課に異動になった、小沼。
広報課でクレーム対応をしている小沼の人間性は気性が激しく、横暴で身勝手。
20年前に、沙織をターゲットに殺してから、彼女の砂時計を奪って逃走。
立場を言い訳にして、堅気のふりをしてきたものの、右京と亀山の砂時計に残された僅かな微量の砂が、20年前のものと一致。
右京達の執念の捜査力が凄すぎますよ。
細かなことが気になる右京のこだわりが今回も、実を結びましたね。
目の前で、大切な友人を殺され、父親の無理解や両親の離婚を経験し、生きていて許されるのか長年、苦しむ弘美の葛藤の描写はつらかったです。
犯人が小沼だとわかっていて、彼女だけが自覚する自分の「罪」、「無力」を消し去る為に、小沼を挑発していた弘美の心の闇は、サバイバーズギルド。
そんな彼女の内なる暴走を読み取っていたからこそ、20年前の被害者遺族の瑞恵の叱咤激励は、弘美自身を取り戻してくれたのだと思いました。
弘美が持つ砂時計が前へ向くよう、道しるべになってくれた希望が見えるラストが温かかった7話でした。