相棒21 8話あらすじネタバレ
捜査一課の伊丹(川原和久)が、既婚者で一人息子のいる女性に恋をしたと警視庁で話題。
大河内(神保悟志)の聴取を受けていました。
発端は2日前に、起きた殺人事件で、動悸はおそらく怨恨。
投資会社勤務の大久保まさやという男性が自宅で殺害され、「え」と、「つ」と読める血文字が発見。
容疑者として浮上したのが、篠塚悦雄というチンピラ。
2年前、ひったくりで逃走中の篠塚を取り押さえたのが、大久保でした。
捜査一課はお礼参りの線で篠塚の行方を追跡しますが、
その矢先に伊丹は、目星をつけていた、篠塚の妻、由香子(桐島れいか)と小学生の一人息子が暮らす家に強引に侵入し、捜査。
篠塚悦雄を探しますが、彼の姿は見つかりません。
その件で、大河内監察官から厳しいお咎めを受けた、伊丹は黙秘を貫きます。
しかし、伊丹にはどうしても由香子親子を救いたい、事件を終わらせたくない理由がありました。
右京と亀山は、水城という中高年女性を訪ねます。
水城はつは、過去にひったくりをされた時に、大久保と、通りすがりのラグビー部の学生たちに助けてもらいました。
2億円の不動産の資産運用を大久保に頼んでいた水城。
次に衣川という富裕層の男性を訪ね、彼も大久保の顧客の一人でした。
大久保のスタイルはノーリスク、ノーリターン。
人柄に関しては、好青年で品のある人だと好評。
大久保の元同僚を訪ねると、顧客から大久保の訪問がないとクレームが入り、彼の家を訪ねると、既に息絶えていたとのこと。
あらゆる富裕層の顧客に対し、しっぽを振る犬のように忠実で細やかな対応だったと毒づく同僚。
芹沢(山中崇史)と麗音(篠原ゆき子)は、被害者の大久保は篠塚と同じ町で家も近所で、10個年の差が離れた幼馴染だと発覚。
亀山は最初から篠塚と大久保がグルで、富裕層の顧客を狙ったのではないかと推測。
右京は、大久保のダイイングメッセージが、悦雄の「えつ」なのか疑念を抱きます。
その後、右京は「小手鞠」で、茉莉(森口遥子)の店で、亀山は妻、美和子(鈴木砂羽)の店でそれぞれ夕飯と晩酌を楽しみます。
茉莉は、右京に事件の手掛かりとなる作品の画像を見て、「かいしょうさん」という芸術家の作品かと推測。
翌日。
亀山は由香子を彼女のアルバイト先を訪ねます。
由香子は夫から暴力を受けていたこと、長い間、悦雄は刑務所にいました。
また、彼女は、由香子のアルバイト先で、彼女の小学2年生の一人息子、佑が算数の宿題をしながら、母の仕事が終わるのを退屈そうに待っていた時に、彼に少し勉強を教えていました。
伊丹の人柄がとても良く、優しい人だと言う、由香子。
息子の佑を連れて気晴らしに行くのを同行した、伊丹。
その当時、悦雄がまだ家にいた由香子は、悦雄からの着信に怯えながらも応答していました。
様子を見て、DVを察した伊丹は、力になると由香子に告げていたのです。
右京は、「象仙」の男壷と女壷のついなる壷が、凶器に使われていたことから、象仙の壷を扱う教授から、壷の資料を見せてもらいました。
また、大久保の同僚がなんと、事件前日、大久保と揉み合っていたことが判明。
同僚は大久保に向けて、「ころしてやる」と物騒な暴言を吐いていました。
そんななか、右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)が捜査に乗り出すと、「え」「つ」に該当する別の人物が浮上。
伊丹は、篠塚悦雄の妻、由香子の力になれない無力さを痛感。
由香子は爪を剥がしてしまったと言って、医者にも行かない彼女と息子の佑を心配していました。
右京と亀山は、衣川を再度、訪ねました。
大久保殺害事件に関するものが衣川の家にあるからでした。
大久保雅也による血文字のダイイングメッセージには、「えつ」とあり、篠塚悦雄を疑いましたが、「えつ」は明治時代や平安事態で使われた変体仮名。
大久保は古美術品の故買ビジネスを悦雄としていました。
衣川は古美術の趣味があり、磯部教授に、安土桃山時代のものを特にコレクト。
そして、かい象仙の壷をどうしても欲しがった、衣川は、なんと、大久保雅也に頼んでしまったのです。
仲介業者だった大久保はなんと、衣川に偽物の壷を渡していたのです。
ダイイングメッセージの「えつ」は衣川の文字を崩したものでした。
そして、衣川は大久保雅也殺害で逮捕されます。
大久保由香子が警視庁を訪ねてきたと連絡が。
伊丹は非番で、恐竜展に息子の佑と伊丹と共に行った日、一人、佑を伊丹に任せて、篠塚悦雄を追って、新宿区のビルへ向かっていました。
ビルから出てきたのは、伊丹。
息子の佑をバイト先の店主に預け、丹沢方面へ向かいました。
篠塚悦雄は、出所したその日に彼を殺害。
佑と自分を守るため、DVを受けていた由香子は事件を犯したのです。
死体を一旦、廃墟に隠し、丹沢山中に後日、埋めました。
彼の死体を埋めている最中に、爪を剥がしたのです。
伊丹には、篠塚が生きていると嘘をつき、タイマー機能を使い、夫からの着信があったように偽造。
伊丹は由香子が自分に嘘をついていることを悟ったうえで、そのことをあえて黙秘。
そして、あの日、伊丹が由香子の家を強引に、立ち入ったのは、由香子に罪を気付かせるための行動でした。
「あなたは、伊丹さんに小細工をしたのです。また、伊丹さんは今でもあなたのために黙秘を貫いています。あなたは、ご主人を殺害する以外、他に方法はなかったのですかね・・・?残念です」
由香子は伊丹が刑事だということを、彼が自宅アパートを強引な家宅捜査するまでは気づかなかったと言います。
全て伊丹が最初から見抜いていたことを知ると、彼への申し訳なさから、取調室で声を出して泣きました。
右京は謹慎が解けた亀山をもっと早く気づけば、2つの事件が解決していたと咎めます。
伊丹は反省。
亀山は復帰した伊丹をからかいながらも、彼の復職を喜ぶのでした。
相棒21 8話感想・みどころ
古美術ファンの衣川が大久保雅也を殺害した事実。
大久保が富裕層の客に気前が良いのは、古美術の偽物を売りつける為の仲介業者という黒い顔。
高齢者たちを騙す顔が早々と暴かれ、爽快でした。
チンピラで刑務所から出てきた夫から暴力を振るわれ続けていた、由香子。
同じ被害に遭う、佑を守るためにも、伊丹がなんとしてでも力になろうとしつつも、実は由香子が伊丹を利用して、自分の犯罪を闇に葬り去ろうとしていた事実。
由香子と佑の生活環境を思えば、DVや精神的な支配から逃れるには、夫を殺すしかないと実行するのは無理もないですよ。
由香子にとっては、成長期の佑の人生に影響を及ぼす夫の存在を排除しなくては、親子共々、苦しみ続けられることになるのは明確。
これまで虐待事件にも関わってきた右京が、人を殺す事までしなければならなかったのか、残念と由香子に告げた時は、配慮がないなと思ってしまった。
右京さん、過去シーズンを見ても、母子共々、権力者の夫からの凄惨な暴力に遭っていた、進藤明里ちゃんの事もあっただろうに…。
確かに、まだ小学低学年の佑と2人暮らしの彼女が、罪を犯したことを嘆くのはわかります。
でも、由香里は夫を殺さなければ「終わらない」とまで追い詰められていることを悟ってほしかったなぁ。
伊丹は由香里の罪を隠すために、利用されたけど、由香里が自分の罪に気づいて、悔い改める人生を送るための架け橋になった事は否めないと思います。
背中に石を背負うような、なんとも言えない後味が切ない8話でした。