相棒22 15話あらすじネタバレ
サイバーセキュリティ対策本部の土師(松嶋亮太)が特命係に奇妙な動画を持ち込んできました。
「完全犯罪がスイスのマッターホルンで起こったんです。知る人ぞ知るオタ方映像です。」
話を切り出した、土師。
土師いわく、スイスの高山・マッターホルンの山中で、完全犯罪が行われた証拠映像でした。
男性は、宗介と知り合いらしき男性の名前を呼び続けてアピールしていました。
動画には、「善ちゃん」という名乗る配信者が何者かに襲われ、テント内で息絶える姿が映し出されていました。
「犯人の誤算は被害者が動画配信中だったこと。」と、右京。
現場がスイスでは完全に管轄外ですが、興味を持った右京(水谷豊)は薫(寺脇康文)ととみに、独自の捜査を開始します。
「善ちゃん」なる男性の家を動画に映る光景から悟った、右京。
早速、映像から「善ちゃん」こと、善家光明(加治将樹)は、大菅エージェンシーに勤務。
善家の家に、宗介という子供が手紙を書置きしていました。
その宗介本人が、家の前で手紙を見つけた右京と亀山に怯えて、逃げ去って行きました。
「夢を追う若者を支える仕事に就きたい」と社長に直談判し、6年前から同社で働いていたことが分かりました。
その事務所では、現在、ジュニアアイドルグループを売り出し中で、善家はメンバーからも、同僚からも慕われていた人柄が知られていました。
「叶えたい夢があるなら言葉にしてください!1日10回、叶うと唱えて下さい!」
暑苦しく熱弁する社長の元で学ぶ、所属タレントの子供とその保護者。
善家は大菅エージェンシーの社長に頭を下げて入社しました。
「そういえば宗介って子をご存知でしょうか?」と、亀山。
「いや、そんな子は知らないね。おでんを食べた帰りに捻挫してしまったことはあったよ。」
その後、戸嶋有紗という通っている児童の母にレッスン費用が遅れていることを指摘。
ジュニアアイドルグループ「さんくす」を一生懸命、売り込もうとしている大菅社長。
善家が経歴詐称をしている可能性を見た右京は、善家のデータを彼の大菅エージェンシー社内のデスクで物色しました。
「奥多摩A3」と書かれた書類が。
「亀山くん、もしかしてここがマッターホルンかもしれません。」
「え?!どういうことですか?」
そこで、A-3と書かれた奥多摩の倉庫へ移動する、特命係。
善家は雪を降らせる機械を使い、雪山での配信を視聴者に印象付けていました。
テントの中で、血痕のついた善家の衣類が見つかりました。
そこで、捜査一課の伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、出雲(篠原ゆき子)を呼びました。
鑑識の益子(田中陸三)も同行し、証拠品を回収していきました。
ふと、善家はスイス行きの便をキャンセルしたり、将棋の奨励会にいたことがわかる奨励会の駒が見つかりました。
「奨励会を出たあと仕事に就くため、経歴を詐称していたかもしれません。」
その奨励会を訪ね、奨励会のメンバーから、善家がかなりの腕前だと聞きました。
「宗介というお子さんをご存じでしょうか?」
「ああ、彼ならあそこにいます。中学生になればもっと実力が付くような子供です。」
そして、対決後の宗介(伊奈聖嵐)に絡む、右京と亀山。
善家がマッターホルンに行くと聞いていた宗介は、奥多摩で動画撮影をする事実にショックを受けました。
宗介とよく将棋の対立をしていた、善家。
「宗介さんは足首を捻挫したことで、スイス行きの便をキャンセルしました。足を捻挫して、登頂をせず、動画配信に切り替えた。善家さんがなぜそこまでしたのか君ならば心当たりがあると思ったのですが。」
「俺に勝ったら教えてあげる。将棋で勝ったら教えてあげる。」
「お母さんがきたよ。」
対決中に「母」という言葉に怯えたような反応をする、宗介。
対立し、わざと負けたふりをした、右京。
その後、宗介の母はどんな人物なのかを奨励会のメンバーから聞きました。
「一週間前に、善さんと宗介のお母さん揉めていた。なんだか一方的にまくし立てていて。」
犯人は善家と顔見知りの可能性があると推理する、右京。
倉庫の鑑定結果が益子により、出されました。
善家光明の毛髪の血痕がトランクに、また紐を通す穴がついたアクセサリーの石がありました。
その日の夜は、右京と亀山は、「花の里」で夕食をとりました。
宗介の、七恵を訪ねると、宗介は弁護士になりたい夢を持っていますが、将棋に夢中なことがありました。
善家は宗介に将棋の相手をするために、彼の家に上げてもらったものの、七恵はそれを良しとしません。
宗介の父とも対面する右京と亀山。
宗介の父はどこか高圧的な妻と対照的に、登山が好きで話しやすい人物でした。
彼は宗介が将棋が好きで自分でも敵わないと笑いました。
宗介の家を出てから、学校帰りの宗介を呼び止めました。
「答える意味ありませんよね?捜査令状があれば別ですが。」
「チェスで勝ったらどうですか?君はチェスの腕が相当だと聞いています。」
その後、チェスで負けた宗介は右京と亀山に真実を話しました。
奨励会で善家に、善家がマッターホルンに登れたら、奨励会に自分が入るという約束をした、宗介。
善家と宗介は年齢差を越えた顔見知りの友人でした。
「俺にはプランがあるから、奨励会には入らないよ。」と答えていました。
「お母さんが以前、善家さんに抗議したとお伺いしましたが?」
間もなく、大菅エージェンシーを訪ねた2人。
大菅から、レッスン生のタレント、有紗がストーカー被害に遭っていて、善家が力になろうとしていた背景も掴めてきました。
有紗の家を訪ねると、有紗の母、佐奈子(柊留美)に有紗の写真をストーキングした人物について知りました。
佐奈子は元売れないアイドル。
「アイドルは有紗の小さな頃からの夢なんです。有紗はこんなことでめげませんよ。それに、善家さん、私も有紗も顔見知りなのですが、腰のポケットに夜道で光るものをもっていました。」
しかし、有紗は右京と亀山の会話に複雑な表情をしていました。
また、善家が階段から落ちたのは、宗介の父が原因でした。
「宗介くんに夢を押し付けるのをやめてください。」
「押し付けているのはお父さんでしょう。宗介君の夢を応援してあげてくださいよ。」
「宗介を奨励会に誘うなど二度と、うちの子に近づくな!」
宗介の父が手すりを乱暴に叩いた拍子に驚いて、おでんを持っていた善家は歩道橋から足を滑らせて転落していきました。
宗介の父は光る加工がほどこされたスマートフォンを持っていました。
「同じスマホならいくらでも持っている人間がいる。DNA鑑定をしてもかまいませんよ。」
そして、真相にたどり着いた、2人。
有紗の写真を撮っていたのは、善家でした。
パワーストーンは、有紗の母、佐奈子がよくいく神社のもの。
「お母さんにアイドルを辞めたいこと言えなかったんです。だって、私、短いスカート着るn恥ずかしい。ママがお金をかけてくれていることを知っていて、言えなかった。」
善家は、ストーカーではなく、有紗からアイドルを辞めたいという相談を受けていました。
「善家さん、アイドルを辞めたい。でもママに言えない。」
「このまま自分を嘘についてアイドルを続けるの?自分はどうしたいか考えてごらん。」
有紗の相談に親身にのる優しい大人でした。
「でも、有紗の夢は小さい頃からアイドルになることなんです!」
そして、佐奈子は善家が配信している奥多摩の倉庫へ。
「有紗に良からぬことを吹き込んでいるんじゃないかって思って。」
善家と揉み合っているうちに、ブレスレットが散らばりました。
「本当に有紗さんの夢だったんでしょうかね。あなたの夢を有紗さんに託していたのではないでしょうか。遺体をどこに遺棄されましたか?」
「遺棄?私は怖くて、逃げ出しました。」
その後、宗介家を訪ねました。
「善家、良かれと思ってしたのにドジだよ。」と毒づく、宗介。
「善家さんは生きていますよ。」と、右京。
善家は有紗と揉み合って、トランクに頭をぶつけたものの、何とか生還していました。
奥多摩の山小屋でトレーニングをしている動画を見つけた右京と亀山。
「どうして今まで隠れてたんだよ。」
「それは…」
「病院にいること警察に通報すれば日本にいるのがわかってしまう。有紗ママにもわかってしまう。」
「馬鹿じゃないの!俺に奨励会に入ってほしかっただけだろ?俺を騙して…もし、俺が葬儀の世界でプロになれなかったら責任とれるのかよ。」
「そんなの責任とれないよ。宗介の人生だもん。宗介、お前が将棋をしている時、生き生きした顔をしているぞ。」
「俺は善家みたいな人生を歩みたくない…」
「俺は自分の選んだ人生を後悔していないぞ。」
「宗介くん、君はお父さんとお母さんの顔色を窺って自分の気持ちを押し殺しているのではないでしょうか?」
右京は宗介に寄り添います。
「…まだ、善家がマッターホルンに登ってないからな。」
その後、善家と右京と亀山は歩きます。
「まさか警察沙汰になっていたとは…ご迷惑をおかけしました。その後、有紗ママは?」
「初犯ですし、殺意もなかったので、執行猶予がつくのではないかと?」
「良かった。俺が死ななかったからそれで済んだんですよね?お母さんを人殺しにさせずに済んだ。お二人のおかげで宗介に伝えたいことは伝えられました。あとは宗介がどうするか次第ですね。有難う御座いました。」
善家は特命係に礼を言って、去って行きました。
その後、宗介は、奨励会に入会し、本当の幸せを手に入れることができました。
相棒22 15話感想・みどころ
天才将棋少年は、親の顔色を窺い、本当の自分を出せなかった、人前に出ることが苦手な少女は、アイドルの偶像を押し付ける母親に、自分の気持ちを受け入れてもらえなかった。
善家は良い人すぎますよ。
子供の事を思って、ストーカー役になったり、宗介にも、有紗にも、親に気を遣って心を閉ざすのではなく、本当の道を突き進む信念を持つこと、自分と向き合って、成長に繋がることを伝えていると思いました。
宗介の母も、有紗の母も、宗介の父も、子供の真実が見えていませんでしたね。
我が子が本当はどうしたいのか?何がしたくて自分の気持ちに蓋をしているのか…。
宗介の両親が、善家の言葉により、それに気付けたことが前進ですね。
善家は子供たちを庇うために、自分が怪我をしても、生きていること、日本にいる真実を隠していたなんて…。
彼のような子供の立場に立って行動できる大人がもっと増えたらいいですよね。
2人とも、善家光明という一人の大人の存在によって、それぞれが進みたい方向に向かっていくことを願いたい15話でしたね。