アンサングシンデレラ

アンサングシンデレラ8話 ”調剤の魔術師”荒神が抱える葛藤

アンサングシンデレラ7話あらすじネタバレ

葵みどり(石原さとみ)たちが、「調剤の魔術師」と尊敬する荒神(でんでん)が休暇をとることになりました。

手品を練習するためだと言う販田聡子(真矢ミキ)に、みどり達は納得しません。

工藤虹子(金澤美穂)や、羽倉(井之脇海)らもいつも通り振舞っていますが、この状況に困惑。

多忙な薬剤部に人員の余裕はないのです。

販田は荒神の仕事を自分が引き受けると申し出ますが、薬剤部から一名を調剤宇薬局の研修に出すことになったとも伝えます。

みどりが名乗り出るのですが、刈谷は猛反対。

聡子の真意は、元々、在宅医療に関心が強く、患者に誰よりも感情移入して寄り添う葵なら安心して患者を任せられるし、良い結果が生まれることを想定してのこと。

だからこそ、在宅医療の研修に行く薬剤師を葵みどりと最初から決めていました。

しかし、「助っ人」として、みどりの代わりに、瀬野(田中圭)が薬剤部に張り付き、救急センターへは必要な時に行くよう販田は手配していました。

みどりが研修するのは在宅医療に特化した「笹の葉薬局」。

みどりが薬局を探していると、小野塚(成田凌)に声を掛けられます。

彼もまた、在宅医療を学ぶように勤め先の「なかのどらっぐ」の店長に指示されていたのでした。

2人が「笹の葉薬局」を無事、特定すると、店から代表の仁科(東根作寿英)が飛び出してきて、挨拶もそこそこに2人の患者の家へと連れて行きます。

仁科は沢山の患者に一人一人、真摯に対応しながら、みどり達に仕事を説明。

まず、真壁という高齢女性をケアし、その後も担当している高齢者の在宅医療を利用している患者たちを訪問。

仁科を含めた笹の葉薬局の医療従事者達は、高齢者が大半の為、薬の管理のほかに食べ物や副作用のチェックに余念がありません。

飲み忘れなど生活に薬を飲んで支障はないか確認が欠かせない仕事なのでした。

そんな時、末期の大腸癌患者の対応に向かったみどり達は、その患者が荒神の妻、泰子(大塚良重)でした。

肝臓と肺、脳に転移し、せん妄の症状もあり、とてもハイリスクな状態とのこと。

結婚記念日の写真を毎年飾り、結婚式の余興でマジックを披露した過去がきっかけで、荒神は妻を喜ばせる為にマジックを練習しているのでした。

一方、くるみ(西野七瀬)はアレルギー性鼻炎の増田(田中幸太朗)に服薬指導。

そこで、服薬量が多いことにくるみは違和感を覚えますが、増田は意に介さず、帰宅してしまいました。

そんなやり取りを見ていた瀬野は、増田の一人息子の翔太(川原瑛都)が気にかかります。

翔太はまだ小さく、目の痒みから赤くなっていることに気付いた瀬野は、翔太のこともよく見るように、くるみ(西野七瀬)に伝えました。

その夜、辰川(追田孝也)の店でちゅうかりょうりを食べる葵たち。

泰子は症状が重く、鎮静の対応をしていくことが決まりました。

痛みを緩和させる代わりに、意思疎通ができなくなるのです。

その頃、荒神は、せん妄と癌による体の痛みから母の名前を呼び、痛みに苦悩する泰子の世話をしていました。

泰子は、既に母を亡くしていて、その時の悲しみや自身の癌による激痛に襲われたのです。

彼は妻の症状が日に日に重くなっている様子を見て、現実を改めて痛感するのでした。

病院の廊下で、七尾(池田鉄洋)に母のことで皮肉を言われました。

瀬野の母も癌で亡くなった恐れがあり、それまで働き詰めだったとのこと。

七尾に、反論しようとしたものの、彼は腹部に痛みを感じるのを耐えます。

再び、荒神家を訪問した葵たちは、鎮静の処置が決まる泰子。

泰子は意識があやふやななか、夫が自分の為に手品を練習していたことを覚えていました。

妻の痛々しいほどの優しさに、荒神は鎮静をするのを結婚記念日が終わり、自分が手品を妻に披露してからにしてほしいと頼み、その願いは聞き入れられました。

その夜、仁科と話していた小野塚は、自分の家族が「終末期」の医療対応になれば、自信がないことこぼしました。

それに対し、仁科は「最期まで看る」ことが大事だとアドバイス。

葵たちは、銀婚式を控える荒神と泰子の為に最期にできることを模索。

傍に寄り添い、小野塚は荒神がきちんと食事ができるようにと、辰川の店「娘娘亭」のテイクアウトを届けました。

葵と小野塚、荒神は「娘娘亭」の中華料理を食べました。

銀婚式当日、葵も荒神の手品を手伝うことになり、披露することに。

しかし、泰子の痛みが激しく、荒神も葵たちもその様子を見て、混乱。

荒神は一時的に痛みを和らげる鎮静剤から、鎮静の対応をとってほしいと葵たちに頼みました。

その頃、病院では、セルスタミンを息子の目の痒みを緩和させようと、使っていた増田に服薬指導をする、くるみ。

増田が薬をもらうペースが以前から早いことに気付いていました。

しかし、ステロイドがあるセルスタミンは、子供の成長に悪影響を及ぼし、肥満などになることも。

増田は妻が2人目の出産の為、入院していて、仕事で多忙ななか、翔太の世話を続けていました。

セルスタミンを翔太に渡した時、元々、ハウスダストのアレルギーがあった翔太の症状が緩和したことから、自分の薬を翔太に分けていたのです。

その影響で、翔太が、痒みを訴えていたことに気付いたくるみは、増田にそのことを伝えますが、増田はセルスタミンが子どもに悪影響することがピンときていません。

そこで、その症例を見たことのある瀬野がフォロー。

瀬野は、セルスタミンが悪影響したことを説明し、増田はそれに納得。

妻の出産を見守るとともに、我が子に自分が使っていた薬を与えないことを決めます。

増田親子の対応をした後、葵と話していた瀬野は吐血して倒れました。

のちに彼は肺がんのステージ4だったことが発覚。

来週は、瀬野がずっと隠し続けてきた癌の真実が明らかに!

アンサングシンデレラ7話感想・みどころ

本日の回は、直視できないほど、末期癌や終末期の患者の対応というテーマが伝わってきました。

泰子と荒神はとてもお互いに思いやっていて、思いが通じ合っているんだなと思います。

末期がんの全身の痛みに苦悩する泰子は、目を覆いたくなるほどつらかった。

泰子役の大塚良重さんの表現力が凄すぎなんですよ。

子供のいない夫婦2人でありますが、だからこそ、共に助け合って生きていけたのかもしれません。

ラストの展開は予想していましたが、泰子は夫や葵たちに見守られながら、人生に幕を下ろしました。

それでも、泰子の人生はその瞬間まで夫の荒神や葵、小野塚、仁科などの温かい愛に包まれていたことは変わりません。

泰子と本当は銀婚式を幸せに迎え、二人で大好きなマジックをするはずだった・・・荒神の理想と現実が交差したエンディングシーンの患者のアフターストーリーは涙腺が決壊しました。

増田親子は、真摯に子どもと向き合う増田が、我が子、翔太の目の痒みの変化に気付いたものの、良かれと思って本来、子供に飲ませてはいけない薬を渡していたことが災難でした。

それでも、くるみが葵の指導などにより、薬剤師として成長していて、これまでの放送回の時よりも、今回の増田への服薬指導に若かりし頃の葵に似た患者を想ってこその言葉の重みがあるなと思いました。

泰子さん、一緒にいてくれてありがとう、本当によく長い治療に耐えてきましたね・・・荒神の妻を看取った現在の心情が表現され、泰子の遺影の傍に置かれたウェディングドレスが切ない8話でした。

 

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