アンサングシンデレラ6話あらすじネタバレ
みどり(石原さとみ)は、薬局勤務の薬剤師、小野塚(成田凌)を誘い、同じ病院に勤める病院薬剤師の後輩、くるみ(西野七瀬)と共に、区民センターにて、高齢者の服薬指導を行う事に。
指導を受ける高齢者の一人、小笠原早苗(高林由紀子)がみどりたちの目の前で倒れて、緊急搬送されました。
医師の瑠衣(臼田あさ美)の治療を受けることになった小笠原ですが、みどりから現在服薬中の薬の有無を尋ねられた際、「ない」と答えます。
翌日、刈谷(桜井ユキ)が外来患者の服薬指導に当たり、その際に、くるみが初めて服薬指導を一人で行う事になりました。
刈谷はかつて、大手の調剤薬局で勤務していたことのある「有能な人材」ぶりで知られていましたが、「あること」をきっかけに現在の病院薬剤師に。
担当患者は、月経困難症の患者、遠山倫(山谷花澄)。
上手く指導ができたと早速報告に来たくるみに対し、些細な事でも何かあれば相談するように促すみどり。
しかし、遠野はくるみに薬が全然効かないと訴え、激しい腹痛に苦しんでいました。
その頃、七尾(池田鉄洋)と、瀬野(田中圭)、そして、みどりは、早苗が多剤耐性菌の保持者なのではないかと疑います。
多剤耐性菌の疑いがあると指摘する七尾。
葵たちは同様の症状が他の患者に出ていないか確認することに。
多剤耐性菌についてリサーチしていた際、抗生剤を使いすぎて菌への体制が体に出来、いろんな薬が一切効かないのでハイリスクな状態に。
そこで、早苗がもしかしたら、抗生剤を服用したことによって、多剤耐性菌の保持者となり、悪化して、クロストリジウム腸炎に発展したのでは?と推測。
クロストリジウム腸炎とは、ある種の抗生剤の服用がきっかけで腸内細菌のバランスが崩れて、クロストリジウムディフィシルという菌が増殖して毒素を発生、腸炎を引き起こす症状です。
早苗が薬を飲んでいないということが本当か?と瀬野は葵に念押し。
葵は早苗が薬を他に飲んでいないかもう一度、確認しますが、早苗は拒否。
その日の夜、辰川(追田孝也)の中華料理店で夕飯を食べる葵と小野塚は、早苗が他に薬を服用してもらっている場所を探せば、治療の手がかりになることを話し合いました。
早苗が抗生剤を服用してもらっている場所を特定できれば、その薬のことや、クロストリジウム腸炎なのかどうかを特定できるからでした。
同じ頃、くるみは倫のSNSを見て、月経困難症に苦しむ原因を調査。
「患者を診る」を第一に、今どきのツールを駆使したのです。
子宮内膜症にも効く薬を新たに出したくるみ。
その説明をした際、くるみは倒れてしまいました。
ここで、くるみが失態したことが葵と刈谷に発覚し、葵はくるみを叱責します。
「病気に重いも軽いもない、頼りになるのは目の前にいる薬剤師しかいない」と声を強くします。
くるみは、薬が効かなかったのは、倫が沢山のサプリメントを飲んでいることだと特定。
早苗がかつて、街の開業医、長崎(佐戸井戸けん太)の病院に通院していたことがわかります。
さらに、小野塚の調査で、抗生剤のスルタミシンを服用していたことも発覚。
早苗にもう一度、問う葵は、早苗からまたしても拒絶されてしまいました。
長崎医院に確認すると言うと、早苗は声を荒げます。
「余計なことをしないでちょうだい!」
早苗には何か大きな原因があることを察知する葵。
羽倉(井之脇海)や、刈谷からは、高齢者に寄り添う開業医は、本当は処方してはいけないと業務上わかっていながら、出してはいけない薬を出すことがあると言われます。
早苗の容態が急変したことを長崎(佐戸井けん太)に伝えます。
やはり、早苗は長崎から抗生剤のスルタミシンを処方されていました。
問いただすと、「間違った薬を出すことも、患者の受け皿になることもある」という返事をされ、唖然とする葵。
長崎に対し、「処方箋一枚が医者のモラルに問われる」とあえて厳しく訴えると病院に戻りました。
病院に戻った後、早苗にもう一度、抗生剤を飲み続けた原因をもう一度、聞くと真実を聞かされます。
会社の事務職で定年まで働き、そのお金で今の家に住んでいること、パッチワーク教室には本当は行っていないこと、地域の手芸教室に行ってもみたが、既にコミュニティーが出来ていたので仲間に入れない孤独を感じていました。
大きな病院は長時間待たされた挙句、聴診器をあてられただけだったけれど、偶々、通りかかった長崎医院の長崎医師は、自身の症状や、心の問題に真摯に向き合ってくれたとのこと。
大して具合が悪くない時でも、長崎医院に通うようになった、長崎と話し、薬をもらうことで、自分と世の中を繋ぐ手綱のようなものだったのです。
自分が悪いことを認め、早苗は長崎に迷惑をかけてしまうことになった今の状況を嘆き、また自分の居場所がなくなったと落ち込みます。
葵は余計なことを本当にしてしまったと落ち込みますが、刈谷に相談したところ、刈谷は自身の過去を語りました。
酸化マグネシウムが体内に影響する患者に、患者の為を想って薬を処方し続けたことで失敗し、有能な人材だったにもかかわらず、今の病院薬剤師になった刈谷。
葵と刈谷の会話を聞いていたくるみは、「正しい薬についてはっきり自分も患者に伝えてくる」と気持ちを切り替えて、もう一度、倫と向き合う事に。
前夜、くるみは倫がInstagramで、セントジョーンズという薬の効果を弱めてしまうハーブティーを飲んだことや朝食抜きでサプリメントを飲むこと、不規則な生活をしていたことが原因だと伝えました。
月経困難症は周囲の理解が得られないこともあるけれど、自分の体の状態と向き合うことの大切さを教えたくるみ。
倫はくるみが初めて自分の状態やSOSに気付いてくれたことに安心し、自身の治療と向き合うことを決めました。
葵も同じように服薬治療として、退院を迎えた早苗と改めて話をする事に。
早苗は、自分のように高齢で、葵と違って若くないからこそ、孤独な状況だからこそ、大変だと嘆きます。
しかし、葵は、「本来は不必要な薬を飲んでいることは安心でもなんでもない。薬は病気を治し、その薬がやがて必要でなくなるもの」と諭しました。
さらに、「パッチワークをしたりお花に水を上げるなど慎ましやかな日常でもいい、それに、早苗さんは恵まれている」と言葉を続けます。
そこへ、長崎が病院に駆け付けます。
葵がかけあって、長崎が多くの患者に本当は寄り添おうとしている行動力や優しさを理解したこと、そして、今後の早苗には薬剤師の自分だけではなく、長崎の存在が必要不可欠であることを伝えていました。
長崎は早苗に不必要な薬を処方していたことを謝罪し、早苗は長崎と今後も良好な関係を保ちながら、パッチワーク教室に踏み出します。
そこで、早苗のパッチワークの腕の良さに感動した同じ教室に通う中高年たちの輪に入ることができました。
ようやく、自分の居場所を見つけられたのです。
いっぽうで、倫もSNSで、自身の健康を気を付けている内容を投稿。
治療に真面目に向き合っていることを知ったくるみは安心し、今後も、倫をサポートすることを心に決めるのでした。
アンサングシンデレラ6話感想・みどころ
早苗を見ていて、私と同じ心理状態を抱えているなと思いました。
私もなかなか友達ができず、既にコミュニティーができている輪の中に入り込めない経験を幾度かしたことがありました。
新しいところに踏み出したくても、過去だけど、過去とは思えない以前の経験から、先に踏み出すのが怖い早苗の不安定な心もわかります。
早苗の孤独や、小さな趣味を持っていても、誰かに「一人じゃないよ」と言われているような居場所がほしい、誰かが自分のことを少しでも気にしてくれているきっかけを求める気持ちや状況がすごく共感できます。
倫のケースでは、月経困難症という女性特有の病気についての理解も、これからもっとさらに深まることを願います。
私自身、女性だからこそそう思います。
「たかが月経痛でしょ?」と同姓にも理解してもらえず、月経痛で入院なんて甘えている、自己管理が悪いだけという価値観を持つ人も未だにいますよね。
”たかが”じゃないんですよね。
もしかしたら、体内の他の病気も入院することで分かり、自分の治療には今、何が必要で何が原因とこれからすべきことが分かるからです。
今回は、葵とくるみが知りもしなかった、刈谷の過去についても明らかになりましたが、刈谷もまた、葵とどこか似たところがあると思いました。
患者の為を想ってしたことが、患者の容態を悪くしてしまった過ちを拭い去れないからこそ、刈谷は考え方を変えて正しい処方をしているのだなと納得です。
今回は、くるみが先輩、葵や刈谷を巻き込みながらも、諦めない精神でまたしても、成長した回だったではないでしょうか。
葵とくるみ、それぞれが不器用ながら、孤独という共通項を抱える患者に真摯に向き合う姿や、孤独を葵とくるみと出逢うことで「今、自分がすべきこと」を意識して前に進む早苗と倫の一歩が感動的な6話でした。