Believe~君にかける橋~最終回あらすじネタバレ
「龍神大橋」崩落事故における自らの無実を証明し、壮大な闇に覆われた真実を明らかにするため、刑務所から逃走を続けてきました。
しかし、妻の玲子(天海祐希)の目の前で、連行されていく狩山はまだ諦めていませんでした。
刑事の白石丈一(前川泰之)に促され、パトカーに乗り込んだ狩山は、大勢の記者の目に晒されて、警察署へ。
「皆さんにご迷惑を…!」
マスコミに反応した狩山を無理やり連れて行く、白石ら。
翌日。
本宮絵里菜(山本舞香)は、無事、退院した、恋人で狩山の部下だった、南雲(一ノ瀬颯)を病院まで迎えに行きました。
絵里菜は、玲子に会いに行きます。
「これは南雲さんが持っていたものです。浮気の写真でも入っているんじゃないかと勘違いしてしまって、狩山さんの証拠のデータのコピーをとってしまいました。もう一つは、磯田社長が廃棄しました。あとで重要な証拠が入っているって、南雲さんから聞いて。勝手にコピーをとったなんて言えなくて。秋澤先生が握りつぶすかもしれないんです。パスワードが分からないので、開けないのですが…」
「秋澤先生が握りつぶすということ?」
狩山には、次の策がありました。
狩山は送致が無事、すんでから全て話すと取り調べで、白石に告げました。
玲子は間もなく秋澤に電話しました。
「先生、私にはご存じかと思いますがあまり時間がありません。先生は狩山の味方ですか?」
秋澤は狩山と面会します。
「私が磯田社長と接触したからですか?」
「あなたを解任したはずです。」
「狩山さんに再審のことを言われてからずっと調べていました。」
南雲が若松に金を渡したことが記載された書類と、絵里菜が玲子に見せた、コピーを見せます。
「あなたは社長の懐に入り、事故の原因を調べていたんですか?」
「再審の請求だけでも私に手助けさせてくれませんか?」
「僕はあなたを尻尾撒いて逃げていたと思っています。」
「あなたが逃げたのは刑務所からだけです。真実から逃げ回っていません。」
「いやでも、貴方のことをまだ完全に信頼できるとは言い切れませんけどそれでもいいですか?」
「はい、データのパスワードを教えてください。誰も解析できませんでした。」
「全部、小文字でBelieveです。」
その後、狩山を説き伏せる白石。
「君を救いたい。龍神大橋の件については関わらないほうが良い。君は握りつぶされてしまう。立てこもり犯にしたのは君を説得する時間を作った。わたしの気持ちを無駄にしないでほしい。」
その頃、黒木(竹内涼真)が到着。
狩山を監禁罪で移送する準備の為です。
「狩山との時間を少しいただけませんか?」
「狩山に余計な入れ知恵するんじゃないだろうな」
「私は捜査一課の刑事です。そんなことはしません。」
「ただし、条件がある。検察で龍神大橋のことで訴えないように行ってくれ。狩山が東京都の事に訴えれば、お上を怒らせることになる。狩山の口を塞いでくれ。」
一方、崩落事故を計画した「帝和建設」の社長、磯田典孝(小日向文世)、磯田と密通していた狩山の元担当弁護士、秋澤良人(斎藤工)は、さらなる暗躍を続けています。
「海外への出発は8月で如何でしょう。」
「やっぱりお断りします。社長や常務の為になっているとは思いますが。僕は断ろうと思っていました。なんでベトナムに行けと言えるんですか?狩山さんから公表を迫られていますよね?僕が公言しますよ。」
「南雲くん君の設計は素晴らしい。勿体ないと思いませんか?」
「社長が僕の設計を見てくれたことはない。狩山さんはけなしてでも見てくれた。僕はこんな会社にはもういられない!」
怒りを爆発させた、南雲は真実と向き合いました。
「あのさ、管理官はあんたに事故について喋るなあんたを救うためだって…ああ出ちゃった呪いの笑顔。この人はあんたを餌にして、売りたいだけなんだよ。あんたは間違ってないよ。」
「貴様、どうなるか分かっているのか!」
「俺みたいになるな。今までお世話になりました。」
狩山を庇い、白石に楯突いた黒木は警察を辞めることにしました。
その頃、秋澤は磯田に夜、会います。
「狩山さんの再審手続きが進んでいるようですね?勝ち誇っているおつもりですか?SSDの廃棄について立ち会ってほしいというのはテストです。狩山君の為を思う発言もしたはずです。私は厚労省でキャリアを積み倒産寸前の企業を立て直してきました。」
「依頼人に合格をいただけるよう、全力を尽くします。」
「狩山君があなたの過去を知ることがないといいですね。」
その頃、玲子と絵里菜は打ち解けました。
「ごめんなさいね、結婚式も控えていたのに」
「でも南雲さんのこと見直しました。狩山さんのどこを好きになったんですか?」
「リハビリでつまづいたら、狩山さんが助けてくれて僕と結婚してくれませんかって」
「ええ、部長言いそう!狩山さんと南雲さんまた一緒に仕事できたらいいですね。」
狩山は秋澤と再審の相談。
「南雲さんが証言をしてくれることになったので、状況が伝わりやすいと思います。」
「済みません、あなたを誤解していました。」
「私は中小企業に勤めていました。裁判で、解任を言い渡されました。それならもう首をくくるしかないって捨て台詞を吐き、経営者は首を吊って亡くなりました。人前で話すことが怖くなって。食っていくために、狩山さんの事件に介入しました。同じ失敗を繰り返したくなくてしがみついていたのだと思います。」
「間違っていなかったと思います。初めてあなたに会った時…弁護士にしては無口な方だな、その時も今みたいに汗を拭きながら一言一言考えていた。先生、改めて宜しくお願いっします。」
玲子は、関西出身の中学生、奏美の大手術が終わりました。
「手術頑張ったね。偉いよ。」
「師長さんがやめても治ってダンスする。」
玲子はこの日、最後の仕事でした。
「みんなまだ声を聞きたがっていますよ。あなたにしかできない話があるんじゃないんですか?」と石原(近藤公園)。
「無理をしちゃいけないと患者さんに言ってきたけど、どんな患者さんにも事情がある。これからは患者として治療に全力を尽くします。皆さん私がいないからといって油断しないように。」
そして迎えた狩山の再審。
黒木、半田豊(田中哲司)、「坂東組」の坂東(北大路欣也)、南雲と絵里菜、桑原常務(岩谷健司)が傍聴席に着きました。
「嫌疑不十分で不起訴になり、なぜ、危険を冒してまで逃走してきたのか、龍神大橋の事故の真相を耀為でした。被告人が無実の罪で逃走されたからこそ、起きた事件です。被告人は、磯田社長に龍神大橋の事故の件で罪を被り、服役するよう促されました。」
玲子はその頃、磯田と会っていました。
「裁判にはいかれないのですか?」
「他にやることがありますから。」
「何度頼まれても裁判で証言する琴葉できません。」
「今日はこれを見ていただきたくて、狩山が書いた龍神大橋のスケッチです。とても楽しそうに描いていました。それだけです、有難うございました。」
「まず磯田社長が桑原常務に命じ、事故を引き起こさせた。桑原常務から若松さんは金銭を受け取りました。若松社長は事故発生直後に、戻ってきました。責任の重さに命を持って償おうとしていたのかもしれません。ここで一つ弁護側から証拠を提出したいと思います。事故の要因となったケーブルの発注書です。帝和建設土木の社員がコピーをしていました。この先、掘り下げた結果が出る事大いに期待します。」
「有難う御座います。刑務所からの逃亡はとても身勝手で、多数のかたにご心配とご迷惑をおかけしました。龍神大橋の事故について取り返しのつかない嘘をつき、ご迷惑をおかけしました。若松さんの家族、橋の完成を待ってくれた方にご迷惑をおかけしました。橋は人と土地を、人と人を繋ぐ構造物です。それ以上でもそれ以下でもありません。その橋を人が渡れば町ができます。経済が生まれて文化が生まれます。目の前に川が流れていたら橋をかければいいんです。その橋は人にしか作れません。なぜかけるべき橋を落とさなければならなかったのか。なぜ橋を渡るはずの多くの人のつながりを絶つことが必要なのか、どうしても知らなければならないと考えました。」
再審前に、林区長(上川隆也)と話した、狩山。
「なぜ私のことを話さなかった。私は刑務官を退いた身だ。話せば君の罪はかるくなっただろう。」
「なぜですか?」
「金が、金がほしかった。」
「僕を逃がしたのは食材と仰っていましたが、金ですか。あのときの火事の遺族に渡したんですか?」
「わたしのしたことがすべて正しかったとは思っていない。さばきは覚悟の上だ。」
「あの…野口ヒロトの相談にのってもらっていいですか?彼も同じような状況で服役しています。冤罪の人を救いたいとおっしゃっていた区長にお願いしたい。」
同じ国立刑務所に服役している、野口ヒロト(濱田龍臣)のことを気にかける狩山。
「引き受けよう。一度くらい太陽に近づいてみたい。」
その時、初めて林区長は優しい微笑みを浮かべました。
同じ頃、
「裏付けのない事を言っても恥をかくだけですよ」
「狩山を素敵な人材だとおっしゃっていましたね。たしかに狩山が逃げたことであなたは鄭和を外す理由ができた。新しいゼネコンで計画を再スタートできる事なんです。これ以上は言わないでおきましょう。その代わり、未来の話をしませんか?」
榛名知事(賀来千香子)と、磯田は黒いやり取りをしていました。
狩山は、この件で、業務上過失致死傷については改めて真理の必要がある、刑も1年に減刑。
そして、狩山は出所後、磯田と拘置所で面会しました。
「有難うございました。再審で関与を認めてくれるとは…龍神大橋は帝和が入って再会していましたね。今ではいい橋は良い橋だと思えるようになりました。」
「お礼はいりません。君の為じゃないから。」
「榛名知事の為ですか?僕がたどり着いた答え、聞いてもらっていいですか?いきなり工事費用が削られたので、コストダウンできる設計にし直したんです。黒鉄島再開発グループが資金危機にあっていましたね。ずさんな資金計画を訴えられる可能性もあった。崩落事故が起きたことで工事が偶然、中断された。資金調達もその間に可能になり、東京都にも都知事にとっても好都合だった。それが橋を落とすメリットだったんですね?あなたはそれを都知事から命じられたのでは?」
「政治家がそんな事するわけないでしょ。」
「では忖度してやったということですか?」
「そんなに怖いんですか?政治家が。」
「帝和建設はなぜ設計を続けられたんでしょうね。」
「わたしは帝和建設を救いました。日本の大企業を失ってはいけない、それが再建屋の私の信念。」
「犠牲の上に立つのは信念ではありません。」
「きみに背負わせたことを悔いています。人選を誤りました。君の性格は誰よりも分かっていたのに」
「ならなぜ僕を?」
「私情があったということで。世界中で橋を架けるってこと聞かされて腹が立った。人は金や地位の為に動くもの。なのに君は夢、夢、夢、君が橋の夢を語るたびに嫌いになった。狩山くん、働くことは夢を捨てる事です。私は君にそれを思い知らせようとしてました。」
「会社を、社員を救うためにうその証言をした。愚かでした。一人で8千人救えない。橋はひとりでは救えない。誰よりも分かっていたはずなのにそんな当たり前のことも忘れました。でも狩山玲子が僕を僕でいさせてくれました。あなたを信じたことは後悔していません。」
狩山はその後、拘置所を後にしました。
「そういうところが嫌いなんだよ。」
「終わりました。」
「知りたかったことが聞けましたか?祝杯、あげますか?」
「あいつが待っているので次の機会に。」
狩山が言う「あいつ」とは、玲子のことです。
帰宅すると、玲子が温かく狩山を歓迎します。
「準備できているでしょ?行くわよ。碓氷峠。」
「お前こそ体調大丈夫なの?」
「ばっちり。こう見えても治療頑張ったんだから。」
「何回見ても思うけどただの橋よね。だって怖いんだもん。」
「恐怖症治ってないの?今度は一緒に渡ろう。約束したし。見てこれ!全部煉瓦だからね。」
「うわぁ!高いね!」
厳しい治療を終えた玲子は無事、回復し、狩山と碓氷峠へ出かけることができました。
「図面でなにか新しいリクエストある?」
「屋根に煙突付けてほしい。子供の頃、煙突がある家に憧れた」
「玲子ごめん、全部、終わったらちゃんと謝るって言ったじゃん。心配かけて遅くなって…ごめん。」
「はいはい」
「うん、そうね…言われてみたら本物ありかもね。」
後ろを振り返った陸の隣に、玲子はいません。
彼女は既に、亡くなってしまったのです。
「陸、待っていてあげられなくてごめんね。手紙なんて久し振りだけど悪くないでしょ。別れる寸前まで行ったのに別れなかった。私やっぱりあなたといて楽しかった。本当よ。思い残すことはないけど、碓氷峠に行く約束果たせなかったのは残念だったかな。だから代わりに行ってきて、きっとまたあの橋からあなたは出発できる。」
陸は玲子の手紙を紙飛行機にして飛ばしました。
「行ってらっしゃい…」
陸にだけは、玲子の声が風のようにそっと聞こえた気がしました。
無事、現場復帰できた陸は、仕事で大忙しです。
首から玲子の指輪をペンダントにして、下げています。
心はいつも一緒です。
「これなら工期も軽機も軽減できます。」
狩山は、他の作業員たちと共に、新たに橋を架ける現場で、前に向かって歩き出すのでした。
Believe~君にかける橋~最終回感想・みどころ
狩山の為に、磯田の洗脳から徐々に解けていった、南雲や絵里菜。
秋澤は元々、狩山の為に力を尽くすつもりで、磯田の懐に敢えて入ったことや、過去に仕事をしていた中小企業の経営者を自分のせいで死なせてしまった負い目という深い背景が覗かれましたね。
南雲も、絵里菜も、林区長も、半田も狩山陸という一人の人間に出会い、関わったことで、真実に目を向け、橋を渡るように明るい未来を歩むことができたと思います。
ラスト終盤で、狩山が出所し、玲子と共に碓氷峠を歩けたと思っていましたが、まさかのミスリードでしたね。
玲子と仲睦まじく、不器用で人に甘えるところが下手な2人の会話がぎこちなくて微笑ましかったです。
しかし、陸が後ろを振り返ると、玲子は既に「風」のような目に見えない存在になって、陸を新たな目線から見守っています。
陸と玲子の別れは、悲しい別れではなく、背中合わせに、それぞれの道へ歩いていくような前向きな別離を感じました。
橋屋として、橋を作る事に誇りを持ちながら生きる、狩山陸の前向きな背中を続編が作られた際は、見守りたい最終回でした。