美食探偵特別編マル秘裏メニュー1話あらすじネタバレ
超グルメすぎる安楽椅子探偵、明智五郎(中村倫也)。
苺(小芝風花)にいつも通り弁当を届けさせますが、苺の日頃の怠慢や料理の下ごしらえがなっていないことを厳しく指摘。
彼が美食家になった背景や、少年時代の祖父、五十六(坂本あきら)との過去が明るみに。
明智は当時8歳の頃、母親、寿々栄(財前直見)が仕事に多忙で、寂しさを感じていました。
そんななか、五十六は、明智が母の用意した一流の弁当を食べる気があまりありません。
五十六は明智が孤独を抱えていることを察知し、弁当のおかずを一口食べ、明智にその理由を尋ねます。
見た目が豪勢で味が濃いけれど美味しくないことを指摘した明智。
そこで、五十六は、明智に今、食べたいものはなにか聞き、一流の板前を呼んで、寿司を食べさせました。
次に、明智に精肉屋のコロッケを食べさせに商店街へ明智を連れ出します。
五十六は明智が本物の味がわかる才能や素質を感じ、「五郎は一流の美食家になれる。本物の味は、自分の舌で知る」ことを教えたのでした。
彼は亡くなってしまいました。
明智は苺に新たな「ちくわの磯辺焼き」を作らせます。
揚げたてサクサクの磯辺焼きを持ってきた苺ですが、明智はそれを食べようとしません。
冷めてから食べるのも悪くないというのです。
苺は、明智がちくわの磯辺焼きの揚げ時間について指摘されたことを機にせっかく作ったのにと文句を言います。
明智にとっては子どもの頃の祖父との優しい記憶を思い出させる「あの味」が一番好きだとしみじみ思うのでした。
続いては、リンゴこと、古川茜(志田未来)の過去に迫ります。
今や、謎めいた快楽殺人鬼、「マグダラのマリア」こと、マリア(小池栄子)の仲間になっている茜。
マリアはそもそもごく平凡な主婦で、かつては明智の依頼主でした。
夫の浮気を疑い、夫を殺害したことで彼女は、殺人の快楽に溺れてしまっていたのです。
さらに、明智は相談に乗る際、マリアのことを想って優しさのつもりで、ふさぎ込みがちなマリアの曇った表情について指摘し、「本当の自分を解放すべき」とアドバイスをしました。
しかし、良心からのアドバイスを機に、歪んだ自分を見出していたマリアは、殺人鬼「マリアファミリー」のリーダーになってしまったのでした。
そのメンバーの一人で、最年少の茜は、初めて好きになった人から裏切られたことで、マリアとネット通信で出会い、以降は直接交流したことで、殺人事件に加担してしまっていたのでした。
自分の名前と同じ「茜」という品種のリンゴで作ったジャムに毒を混入させ、マリアと共に殺人を犯した茜。
その現場に駆け付けた上遠野(北村有起哉)と、高橋(佐藤寛太)。
茜は元々、とても純粋で家族思いな女性。
母親は東京に上京してから恋をし、茜をお腹に宿してから、茜の祖父にあたる実父の元へ。
しかし、彼女は、茜が小学生の頃に亡くなってしまいます。
茜に傷物のリンゴを用いたジャムの作り方を教えたのは、母親でした。
茜がまだマリアと出逢う前の話にさかのぼります。
成人した茜(志田未来)は、優しい祖父に育てられ、リンゴ農家を手伝いながら、学生時代から付き合っていた恋人との結婚を夢見ていました。
あの日・・・茜は母との記憶を思い出していました。
子どもの頃から優しい女の子でしたが、傷物のリンゴを足で蹴っていたことを母(内田滋)にとがめられました。
リンゴが傷物でも、食べられること、だから、食べ物を粗末にしてはいけないことを母から教わった茜。
しかし、母は茜に関して、内面的にとても複雑な心境を抱えていました。
茜は父親に似ていて、茜の母は茜のことを愛していましたが、同時に自分を捨てた男に似ていることで憎々しさも感じていました。
茜は母に「愛とはなにか」と尋ね、その頃、茜の父に捨てられた母はその回答に困ります。
母は答えに困った挙句、「お母さんが茜を大好きなこと」と伝えますが、茜があまりにも夫になるはずだった茜の父に似ていることにモヤモヤした思いを抱いていました。
突然、泣きだした母を気遣う茜を突き飛ばしてしまいます。
さらに母は、自分を捨てた男によく似ているという理由で、茜にわざと熱々のリンゴジャムを食べさせます。
まだ年端もいかない子どもだった茜(宝辺花帆美)は、母(内田滋)に熱さを訴えると、水を飲ませてもらいました。
しかし、母の顔は微笑んでいたのです。
大人になった茜は、今なら当時の母の心境がわかることを実感します。
茜自身も愛していた男に裏切られたことや、母があの時、自分の顔を自分のことも母のことも捨てた父親に重ねてしまうことを・・・。
だからこそ、わざと熱々のイチゴジャムを無理やり食べさせたこと。
茜は恋を知って、母の気持ちに共感したからこそ、マリアと接点を持ち、殺人事件を起こしてしまったのでした。
マリア(小池栄子)に恋人とその浮気相手の殺害を依頼した、本当は心優しい若きリンゴ農家の女性、「リンゴ」こと、茜(志田未来)。
純粋な彼女を殺人鬼に変えてしまった理由は、母との複雑な記憶と、「女」になったからこそ母への気持ちの共感でした。
コロナウィルスの影響で7話を含めた通常の放送が休止になった今、この特別編では登場人物のルールや事件の裏側に迫ります!
地上波未放送の「スペシャルメニュー」でした。
美食探偵明智五郎マル秘裏メニュー1話感想・みどころ
明智と茜には、それぞれの母との溝がありましたが、どちらにも優しい大人の存在が幼少期にありましたね。
明智は祖父、五十六(坂本あきら)で、茜も祖父(渡辺哲)でした。
明智の五十六とのエピソードは心温まるもので、母が多忙で寂しさを少年時代に抱えていた明智にとって、祖父は唯一、自分と真っ直ぐに向き合ってくれる光のような存在だったのかもしれません。
いっぽうで、茜も明智同様、父親代わりに育ててくれた祖父の優しさを感じさせる記憶が。
殺人事件の報道を見て動揺を隠せない茜を優しく気遣ったり、年老いた自分のことよりも、幸せになってほしいと苺にこぼしたシーンや、茜と祖父が暮らす家に上遠野(北村有起哉)と高橋(佐藤寛太)が家宅捜査に入るところでは、自分のしたことが明るみになることで泣きじゃくり、パニックになる茜を支えようとする2話の振り返りは号泣でした。
一方で、母(内田滋)は心に闇を抱えていることが伝わり、苦しかった。
茜を一般的な母同様、愛しているし、茜が傷物のリンゴを踏みつけたときは食べ物を粗末にしないことを教えていたし、けっして彼女も「悪」ではなかったのです。
しかし、茜の父である自分を捨てた男に似ていることから、茜に熱々のジャムを味見させるところは後味が悪いなと思いました。
何処にでもいる子どもと同じようにお母さんが大好きな子を、自分自身の恋愛に失敗した複雑な気持ちをぶつけるとはひどすぎましたよね。
茜をお腹に宿して実家である青森のリンゴ農家に戻ってきたシングルマザーの彼女にとって、愛していたにもかかわらず、裏切られた男との間に授かった茜の顔は、どうしても「彼」を思い出してしまい、茜につらく当たった原因なのがひしひしと伝わりました。
大人になった茜(志田未来)が、今なら母がわざと自分に熱いジャムを味見させたことも、母と同じく、純粋に愛していた男に裏切られた悲しみや怒りが共感できると痛感したラストは、考え深かったですね。
美食探偵明智五郎特別編マル秘裏メニューは、今後、まだまだ続きます。
来週もお見逃しなく!