「病室で念仏を唱えないでください」4話
緊急オペを終えて、スタッフルームでくつろいでいた松本(伊藤英明)をはじめとした、救命医たち。児嶋(松本穂香)が駆け付けてくれた甲斐もあって、その患者の手術は成功しました。
しかし、疲労困憊の吉田(谷恭輔)や、研修医の田中(片寄涼太)からは、「すべての患者を受け入れたい」という松本の考え方を反対されます。
松本のこの考えは、医局の玉井(萩原聖人)や、同期の三宅(中谷美紀)、整形外科医の藍田(堀内健)も同意見でした。
それでも食い下がらない松本は、「全ての命を漏らさず救済する千手観音のように・・・」などと持論を展開させます。これにより、双方は激しい言い争いになってしまいました。
その頃、手術を成功させた、児嶋(松本穂香)は、心臓外科医として名医と知られつつも、何かと松本たち救命医を見下し、敵対関係にある、濱田(ムロツヨシ)から、今後は自身の第一助手になってもらうから、救命医のヘルプをしないようにと指示され、困惑。
同じ頃、あおば台救命救急センターに、階段から転落した、長沢(本並健治)という患者が運ばれてきます。彼は、術後の後遺症もあると言われ、早急なオペが必要だと田中と吉沢が判断。
ですが、後ほど駆け付けた彼の家族で、妻の奈穂(中島ひろ子)と、娘、沙織(美山加恋)から手術を中止してほしいとの訴えが。
ある日、事務帰りの松本は、小学生の男の子、品川凱斗(斉藤絢永)と出会います。
一人でブランコを漕いでいる凱斗の手に、虐待を疑う傷跡が見られました。
松本がやさしく問いかけるものの、「転んだ」と言い張ります。
虐待を受けた子どもの典型的な返答にみられる彼の返事に、一刻も早く、保護と適切な処置を病院でとろうとする松本。
しかし、その様子を目撃した見知らぬ主婦に、松本は不審者扱いされ、警察に通報されてしまいます。
その夜、あおば台病院に、小学校教諭の植木(松角洋平)が担任している女子児童、愛羅(石田凛音)を連れてやってきます。その子は、凛音は凱斗の姉、愛羅(石田凛音)でした。
あおば台病院では手術を終えた松本照円たちが待機室で寛いでいました。
いっぽうで、濱田(ムロツヨシ)が、児嶋(松本穂香)に対し、第一助手にすることを決めたと言いますが、喜ぶ彼女に対し、今後、救命医である松本達を手伝うなと忠告。
児嶋はどうしていいかわからず、固まってしまいました。
長沢という凝固剤を飲んでいる患者が運ばれてきました。長沢の妻、奈穂と娘は駆け付けますが、彼の手術を止めてほしいと言ってきました。それは若い医師たちが、容体が深刻で、植物状態になる可能性が高いという声を聞いたからでした。
松本から長沢が意識障害や脳死の可能性もあると言われ、ますますパニックになる奈穂。
そんな彼女の態度にいらついた娘は、沙織は手術を任せます。
その後、松本は長沢が助からない可能性が高いと他の研修医師と話していた田中(片寄涼太)を怒鳴りつけ叱責します。患者の家族の気持ちも考えずに、医者だからといって「植物状態になる」などと軽はずみな発言をし、奈穂と沙織を不安にさせたからでした。
松本はその日の帰り・・・公園で小さな男の子が一人、ぽつんといるのを見て声をかけました。その子は腹部と手に、虐待を受けていることがわかりました。
そこへ通りすがりの中年女性が松本を不審者として、通りがかりの警察に通報。
松本は医師で僧侶なのだと警察に事実を訴えますが、身分証明書を運悪く病院のロッカーに置き忘れていたことに気付きました。そこで、僧侶の照明として、お経を読みます。
そこへ、通りがかった、児嶋も、凱斗が被虐待児であることにいち早く気付き、松本とは違い、凱斗が話しやすいように彼が着ているアニメのシャツの絵柄について触れました。
すると、微かに笑顔を見せた凱斗ですが、まだぎこちなく不安があらわれていました。
松本の誤解は解けたものの、凱とは警察が保護。
後日、凱斗の小学校の担任、植木が登場。凱斗のことで松本に礼を言いに来たのでした。彼の話によると、凱斗は母親と内縁の恋人から暴力を受けているとのこと。
凱斗から目を背けてはいけないと思う、松本。
いっぽうで、奈穂と沙織の家族、長沢。
見舞いにきた沙織が語り始めたのは、奈穂が長沢の介護を極端に嫌がる理由は、夫、長沢が遊び人で、あの運ばれてきた日もバーで飲んで階段から落下したからでした。
長沢は昔から浮気癖があり、家族の溝をつくってしまっていたのです。
田中は、沙織に自身は今まで医者として何度もこういった家族を目にしてきた、介護放棄する家族とか心苦しいケースも見てきたと語る田中。
長沢の容態は深刻で、血栓が危ないDIC状態を引き起こしていることに田中が気付きました。それを知った松本は田中の成長を少し感じます。
長沢は意識障害が大きく、いつ何があるか分からない状態。そこで、奈穂は厳しくも愛のある言葉で、夫を叱咤激励するのでした。ホステスから電話がかかってきた、遊び歩きまわっていた長沢が今はこんな意識障害など重症になるなんて情けないなど。
しかし、長沢は奈穂の呼びかけが届いたのか、目を覚ましました。奈穂と沙織は家族の回復を心から喜びました。
そこへ急患で、凱斗の姉、愛羅が運ばれてきました。担任の植木が彼女をタクシーで運んだのです。
愛羅は児童養護施設に凱斗と共に引き取られていたのですが、久々に登校したと思ったら腹部の痛みを訴えたのです。
松本たちが診ると、なんと愛羅は・・・・・子宮外妊娠。さらに、ショックで意識を失った愛羅は、松本たちが必死に手術を試みるものの、息を引き取りました。
やがて、凱斗と愛羅の両親が。彼らは、愛羅が交通事故死したと思っていたのですが、愛羅の担任、植木が「お父さん、愛羅さんに何をしたか分かっているんですか!」と声を荒げて指摘。
植木は愛羅が悲しすぎる死に方をしたことで、愛羅に対し、「助けてやれなくてごめん、ごめんな」と何度も号泣して謝っていました。
愛羅は母親の内縁の恋人から性的虐待を子宮外妊娠するまで受けていました・・・・。
その様子に、愛羅と凱斗の内縁の夫は激怒!「あいつ・・・喋ったのか」今にも怒り出しそうな彼を、松本はさらに、人として憤りを感じ、思わず彼の頬を殴りつけました。さらに、凱斗と愛羅の実母もスナック経営で顧客重視、どうしようもないほどの子ども達を大切にしていないこともわかります。
そして、松本は救命医としての一線を越えてしまい、どうなる照円?!謹慎処分に。次回も見逃せません!
病室で念仏を唱えないでください4話感想・見どころ
一刻も早く手術が必要な長沢となぜか手術を拒否する家族・・・。脳の後遺症により、家族へのDVを恐れての拒否なのか?はたまた、もっと違うわけがあるのか必見です。
いっぽうで、児童虐待の疑いがある品川姉弟の行く末も心配ですね。現実でも後を絶たない児童・幼児に対する不当で理不尽な行動の数々・・・。初めて、照円たちがひどい扱いを受ける子ども達に目を向けます。
本日の4話は、助けたい2人の子どもの命と、なぜか、手術が必要なはずの夫で父である男手術を拒否する家族の真実に迫ります。
全ての命を助ける千手観音のようになりたいと願う照円の優しさは時に情熱的すぎてみんなを振り回すけど、松本のような救命医がいなかったら、見捨てられる患者も出てくる可能性も。
奈穂の取り乱し方が尋常でなくて、植物状態や脳死、意識障害などハイリスクな夫の介護がどれだけ精神的に追い詰められるかが伝わりました。娘の沙織はとても冷静で、松本達の話を聞いたり、母をフォローしている様子。大人びていましたが、大人びすぎていてつらかったですね。
さらに、もう一人のキーパーソン、凱斗くん・・・現実でも未だ改善されない、幼児や児童への虐待。両手と腹部に大きな痣を持つ彼が、松本に声をかけられて本当によかった。
凱斗の手を握り、この手は人を助けるための手・・・松本の言葉がとてもずっしりときますね。
また、児嶋(松本穂香)は子ども目線で、虐待を受けていて、松本とは違い、自分の状況を必死に松本達に隠そうとしている凱斗の気持ちを汲み取るのがうまいですね。
長沢が奇跡的に回復して良かったですね。もう・・あの目が覚めた瞬間は、本当によかった。
愛羅が母親の内縁の恋人は、子宮外妊娠をさせられていたことがわかりました。そして、愛羅は息を引き取ってしまいました。
愛羅ちゃんの衝撃的でつらすぎるラストに視聴者の皆さんも、「凱斗と愛羅の母親と義理父最低」「人間の屑」「愛羅ちゃんが幼い年齢でどれだけ心も体も傷つけられたか」などと反応が。私も最後の心が苦しい展開に複雑な心境です。
凱斗と愛羅の義理父が「あいつ(愛羅)が自分を誘惑してきた」としれっと軽々しく言うシーンには、このけだもの!!!!!って心底思いました・・・松本の怒りに共感できます。児童虐待ぜったい許せないですよ。
植木が愛羅の死を知り、「助けてやれなくてごめん」と何度も詫びるシーンも切なかったです。
愛羅の苦しみや松本に亡くなるまで途切れ途切れに自分の状況を隠し、お父さんは悪くないなんて言ったこと・・・愛羅ちゃんがどんな気持ちで、親とも人ともいえない愚か者夫婦を庇ったか・・・微かな希望と、心がつぶされるような絶望・・・ドラマのエピソードとはいえ、こんなに展開が最後とは予想外でした。次週、人としての怒り、心が動いて、虐待親を殴った松本が謹慎処分に。来週も、人を助ける手をもつ松本の動向にこうご期待!