DOPE~麻薬取締部特捜課~3話あらすじネタバレ
「俺もお前と同じだ。人には言えない秘密が。ドーパーを殺したい理由だ。妻が刺されて死んでいた。そこにドープが落ちてた」
「俺に力を貸してくれないか?お前の未来予知使えると思うんだ。俺は心煩を探す。そして必ず殺す」
「逮捕するべきです。逮捕して裁きを受けさせるべき」
「妻が殺されたんだぞ。子供もいた。今頃、ランドセル背負ってる頃だ。俺たちは子供が生まれてくるのを楽しみにしていた」
「陣内さんが犯人殺しても意味がありません、奥さんは喜ばないんじゃないですか」
「そりゃ喜ばないですよ。死んでるんだからな!」
「でも復讐したら陣内さんも犯人と一緒になるんですよ!」
「…分かった。悪かった。ドープか、俺の家族が殺されたのもドープが原因か。お前は自分の母親がドープに依存したのを正当化したいだけじゃねぇのか!」
陣内の心の傷の深さと境遇の違いを知った、才木は複雑な心境でした。
その頃、夜景を見ながら、黄昏るジウ(井浦新)。
「まるで月と太陽。日は夜を知らず。月は昼を知らない」
母の美和子を見舞う、才木。
「水野先生が退所していいって。」
「帰っていいの?」
「先生がいいって」
「そうじゃなくて!優人と結衣は…」
子供たちのことを思い、退院を躊躇する、美和子。
才木が病院内で警報が鳴り、安田という男性がドープで倒れていました。
一方、DOPE使用者の更生施設にいた美和子(真飛聖)の退院が決まり、安堵した才木ですが、施設内で突然死した入所者の所持品からDOPEが発見されました。
その間に、ジウが美和子にドープを渡します。
「退院おめでとうございます。娘さんと暮らせますね」
そんななか、不安な心境を抱えて退院した美和子。
「結衣」
「お母さん!おかえりなさい」
「ごめんね、長い間」
「お母さん体はどう?」
「大丈夫、ゆいは?」
「大丈夫」
「母さん今はとにかく新しい生活に慣れることが大事だから。焦らずゆっくりやろう」
「夢みたい」
陣内(中村倫也)の過去を調べようと、才木(高橋海人)は、椿(忍成修吾)の協力を経て、陣内の妻、香織(入山法子)の事件の捜査資料を開きます。
「警察の方が資料を確認することはできません」
「君、やっぱりそうだ、特捜課の新人じゃないか」
「すいません」
「いいんだ。陣内は元同僚だし、当時私も捜査に加わっていたんでね」
「陣内香織、当時30歳、職業ジャーナリスト」
「フリーランスで時折、記事を書いていたようだ。ジャーナリストと呼べるかどうか。もう7年になる。4月13日だ。今でも覚えてる。凄惨な事件だった。外から帰ってきた陣内の奥さんは強盗目的で侵入していた犯人と鉢合わせた。ナイフでめった刺しにされていた。陣内はああ見えて繊細な人間だ、あの事件の後、荒れていた。自分を罰するかのように自暴自棄の生活になり…警察を辞めた。意外だったよ、あいつがまとりになったのは。才木君、最近、陣内に代わったことはないか?」
事件の捜査に関わっていた椿は、その後の陣内を気にかけていました。
「変わったことですか?」
「内密にしてほしんだが、陣内がドープを使用している噂がある。まとりになったのは、ドープを入手しやすいからだと」
「何かの間違いじゃ」
「陣内が心配なんだ」
「ドープを憎んでたのに」
捜査中に、思い当たる出来事があった才木は口をつぐみます。
「もしあいつにおかしなことがあれば教えてほしい、頼む、この通りだ」
しかし、陣内にDOPEの服用疑惑が浮上します。
椿は才木に陣内を見張るよう、頼まれました。
「本物だろうな?初めての取引だ。用心深くて当然だろ」
そして、密売人のジャヒドの拘束に挑む、陣内たち。
「ちゃんとしたルートから来た。触ったくらいで何がわかる?」
「全部、ドープ依存者更生施設で落ちてたのだ。俺は、触ったものでわかるんだよ」
密売人のジャヒドを騙した、山田ニコラス(フェルナンデス直行)。
「入手経路調べないと!救急車呼びます。」
「死んだ?」
早速、捜査に乗り出した特捜課は、DOPEの密売人、ジャヒド(植野行雄)との接触に成功します。
薬物を確認した特捜課が、逮捕まであと僅かなところで、ジャヒドは隙を見てDOPEを使ってしまいました。
「あの密売人の能力だ。電流を操るエレクトロニクスだ」
電流能力を手に入れたジャビドは、ニコラスを襲撃します。
「おい、デンキナマズ、当ててみろよ」
陣内が気を引き付けているうちに、才木と葛城(三浦誠己)は、ニコラスを助けます。
綿貫光(新木優子)が腕力の異能力で、反撃し、ジャビトは逮捕。
夜に才木の歓迎会をする、麻薬取締部特捜課。
「ドープ依存者更生施設で、ドープが使用された。」
「更生する人たちを狙うなんて許さない」
「泉」
「泉さんって?」
「才木君の前にいた人だよ」
その後、酔いつぶれた才木を送るよう、頼まれた陣内。
「才木君お酒弱いんですね」
「陣内さん、才木君、家まで送って。陣内くん教育係でしょ」
「俺が?嫌ですよ。ちょっと葛城さん!…まじかよ」
そして、才木を解放しながら自宅まで送る陣内。
「おい、大丈夫か?」
「ううっ…陣内さん、すいません、俺ドープをなくしたい。特捜課にはいいって嬉しかったです。ドープを簡単になくす闘いの一番前にいるんだな。俺、陣内さんが言うみたいにドーパーを母に重ねているかもしれないです。陣内さんに助けてもらって、俺も、結衣と母を守りたくて、でも…陣内さんを思うと…」
「ついたぞ、鍵は?危ない危ない、鍵どこ?」
すると、美和子が顔を出しました。
「ゆうと、ちょっとゆうと、済みません」
「才木の同僚の陣内です」
「すいませんでした。ご迷惑おかけして。どうぞ、今お茶を」
「お暇しますんで」
「あの子、皆さんとうまくやれてますか?転職したって聞いて。あの子には私のせいでずっと苦労掛けてしまって。だから幸せになってほしいんです」
ドープを使用し、逮捕された美和子はパトカーに乗せられていきました。
「お母さん。お母さん」
「頼りたいときに私がいなくて、結衣の親代わりになって…本当は自分だってつらかったはずなのに。優人と結衣は…陣内さん」
「はい」
「どうか優人のことよろしくお願いします」
元ドープ依存者だった、美和子の息子を思う心に触れた陣内の中で意識が変わり始めようとしています。
翌日。
「つらそうだなあんな飲み方したら二日酔いにもなりそう」
「わかるわかる、陣内さんが教育係だと嫌だよな。俺もわかるよ」
「なになに俺の悪口?最悪だよ許さないからな」
「才木の母ちゃんどんな人なんですか?」
「お前には教えない」
椿から電話を受け取る、才木。
「陣内の動きはどうだ?」
「特に変わったことはありません」
「ちゃんと見張ってるのか?もし、このことが明るみに出たら陣内だけの問題では済まされない。特捜課の存在が世間にばれて厚労省に批判が集中する。当然、特捜課はつぶされる。最近のドーパー犯罪の動向には現場に特捜課が必要だ。私は陣内の処遇を決めることができる。罪を償うことになるが、悪いようにはしない。君にしか出来ない役目だ、頼んだぞ」
「今まで以上に、陣内さんの動きに気を付けます」
喫茶店にて、椿は戸倉(小池徹平)と本郷(佐野和真)を呼びました。
「こんなところに呼び出してなんなんですか」
「特捜課の新人が、陣内の妻の事件を調べに来た」
「ドープ使用の疑いがあると陣内を見張らせている。アイツはまだあの件をあきらめていない。近いうちに適当な理由をつけて消す」
「そこまでする必要ありますか?」
「あいつは異能力者だ。先手を打たなきゃこっちがやられる」
その頃、ジャビドを調査する麻薬取締部特捜課。
「ジャビド・ブヤン、国籍はバングラデシュ、去年、技能実習生として日本に入国した」
「結局うちに回ってきたんですね」
「まったく口を割らないらしい。日本語が分からないの一点張りでした」
「あれはペラペラだったよ」
「技能実習生が何故、麻薬の密売に手を染めたんでしょうか」
「生活に困って犯罪を起こす例はあるけど」
「こいつを受け入れた会社は?」
「タカノフィールドという農業法人です。所在地は栃木県、社長は高野よしひろ。主な業務は油脂、家畜飼料の製造、販売。原料は所有する畑で栽培しています」
「ちゃんとした会社ですね」
「まずはタカノフィールドについて聞き込みだ」
早速、ジャビドの勤務先を訪ねます。
そこで、社長の高野に聞き込みをします。
「間違いありません。うちの会社で雇ってました」
「いつからですか?」
「去年の8月です。仲介業者の紹介先で」
「外国人社員が多いんですか?」
「人手不足で。バングラデシュのダッカに8人兄弟がいると言っていました。仕事覚えも早くて同僚ともうまく付き合っていたんですけど、それが急にいなくなってしまって」
「外国人を雇うのもコストがかかるだろうし…仕事以外の日本語も教えなきゃいけなくて大変ですね」
「どうして我々がジャビドを調べているか聞かないんですか?何をしたか気にならないんですか?」
「大体、予想がつきますから」
「うちで作る家畜飼料は国産にこだわってます。この部屋です、彼らと住んでました」
間もなく、陣内達は、社に戻り、ジャビドについてさらに身辺調査をしました。
「ご苦労さん、なにかわかったか?」
「新しいことは何も。ただあの社長はなにか隠してますね。いきなりまとりがきたら大抵の人間はビビるでしょう」
「まとりが来るのは想定済みか」
「課長、DEAから返信がきました」
ジャビドは偽名で、技能実習生をしていることが判明しました。
「ジャビド・ブヤンは偽名で、の本名はルイス・ロドリス。コロンビア国籍。中南米を拠点にする麻薬カルテルロスティグレイスのメンバーで、国際指名手配されています。」
その後、ジャビドの正体について、情報分析官の棗(熊井啓太)が更に詳しく分析して、陣内達に伝えました。
なんと、ジャビドは、巨大麻薬組織カルテルロスティグレイスのメンバーで国際指名手配されている危険人物でした。
「日本に潜伏するために偽名で働いていたってこと?」
「いやもっと闇が深そう」
「タカノフィールドの取引履歴を洗ったのですが、頻繁に中古の農機を輸入しています。3年間で10台以上」
「え?いや、倉庫には3台しかありませんでしたよ」
「どこから輸入してるんだ?」
「ベトナムの修理工場を経由していますが、輸入元はブエナベントゥラ」
「コロンビアじゃねぇかよ」
「過去に似たような事件がありました。国際的な犯罪組織が道路舗装に使うロードローラーに覚せい剤を仕込んで、博多港に密輸した事件です。押収された覚せい剤は108㎏、末端価格は87億円、その事件とよく似た手口です」
「次の取引はいつ?」
「今夜、横浜第二フトウに届くことになってます」
「柴原、余波まで農機の積み込み車両を確認。農機の中のにおいも探ってくれ」
その夜、柴原(豊田裕大)が積み込み車両の状況を確認して、陣内と才木に伝えます。
「どうだ?」
「農機の中までプンプン臭います。やっぱりドープもあります。他にも相当の量のコカインも」
「わかった、そのまま泳がせて」
そして、ジャビドの同僚たちもドープの密売に関わっていました。
才木は未来が見え、慌てて、陣内と光を援護。
案の定、社長の高野がドープを飲んで反撃してきました。
「俺は高野を拘束する」
「陣内さん!殺さないでくださいよ」
トラックでやってきたジャニスの同僚を確保した、綿貫光と陣内。
才木は高野を落ち着いて説得させます。
「落ち着いて銃を置いてください」
しかし、才木は次の瞬間、発砲を繰り返します。
なんと、高木が異能力で才木を操っていたのです。
それにいち早く気付いた、綿貫。
「死ね」
銃弾が才木にあたろうとした瞬間、陣内が発砲し、光が高木を取り押さえました。
葛城がタカノフィールドがドープに手を染めるまでに至った経緯を陣内達に説明しました。
「高木フィードは元々、クリーンな農業法人だった。それが不景気で経営悪化した際に、スペイン語講師を名乗る男から声を掛けられたらしい。」
「それがロスティグレス」
「高野は技能実習生を装ったメンバーを雇い入れ、密輸を手伝い、手数料を受け取っていた。それがドープに手を出し、テレパシーで相手を操れる力が覚醒したらしい」
「会社が順調にいっていればこんなことにならなかった」
「経営難の会社なんて腐るほどあるけどな」
「ドープ依存者更生施設での密売は認めたんすか?」
「それが、否定している」
「ジャビドが密売で使ってたドープ同じでしたよ」
「ジャヒド周辺をもう一度洗い直しましょう」
「ジャビドが留置場内で死亡した。急性心筋梗塞で倒れたらしい」
その頃、歩く泉(久間田琳加)とジウ。
彼らはジャビドの死に関わっているようなオーラを仄めかせました。
「幹部達がビジネスを拡大するべきだって騒いでる。ジャオランが弱体化してる今がチャンスだって。なんか面倒くさいね、みんなジウのこと何もわかってない。ジウのこと本当に理解してるの私だけ。白鴨もそろそろ潮時かもねー」
「我々はどこから来たのか?何者なのか?我々は、どこへ行くのか」
カジノにいる本郷を追求する椿。
「景気悪いな」
ガラの悪い金髪の男性が、本郷に声を掛けました。
「来週の火曜日、組事務所にがさ入れだ。五反田のデリヘルで近々、摘発に動く話だ。なんだもうネタはねぇよ」
「がさ入れの情報もらしちゃだめだろ」
「あんたに金盗られるからでしょ」
「俺とお前はそういう仲だ。内部告発でもするか?ブタ箱に行くのかどっちかな」
なんと、椿は本郷を脅していました。
陣内は香織の墓に花を手向けます。
「いつも悪いな」
「香織さんとは長い付き合いだからな」
「陣内、椿がお前をマークしてる。押収品横領の疑いだそうだ」
「俺が疑われてるの?捜査一課は暇なのか?」
「陣内、5億円盗難寺家円と香織さんの死を結び付けるな。椿には気をつけろ、あいつは手段を選ばない」
才木はその事件を調べています。
「日付は7月10日、亡くなる3日前に書いた記事…1年前、新宿中央署が南米系麻薬カルテルのロスティグレスから押収した麻薬売買の資金五億円が祥子保管庫の金庫から強奪された。犯人として逮捕されたのは秋元和夫と角田康という無職。事件翌日に出頭してきたが、大金の行方はいまだ分かってない。警察発表も曖昧で証拠保管庫のずさんな管理も明らかっだ…ロスティグレスや関連組織の捜査が行われていないことも不自然であり、本当の犯人は警察内部の人間ではないか?まさか、警察内部の仕業?」
新宿中央署が過去に夜の店ロスティグレスで、無職の男が5億円を横領しました。
警察の捜査がずさんだったと批判。
黒幕は警察内部の人間なのではないかと言われています。
案の定、陣内は香織が殺された原因はこれではないかと探りを掛けていました。
その警察官は案の定、椿でした。
DOPE~麻薬取締部特捜課~3話感想・みどころ
陣内が抱える家族を喪った痛みと、ドープ依存者の母の更生を応援する才木の境遇の違いに、胸が詰まりました。
大切な家族を亡くした陣内の計り知れないドープ依存者への怒りに共感する部分もありました。
一方で、才木のように、家族がドープ依存者から普通の生活に戻っていく背中を後押ししたい気持ちもわかります。
才木の母、美和子がようやくドープを断ち切る生活をスタートさせようとしているなか、ジウが接近して、ドープのようなものを手渡す場面は、怒りしかなかったです。
何故、ジウはドープを社会に拡散させようとするのか?その動機が知りたくなりました。
今回は、技能実習生の隠れ蓑の元、ドープ密売人の男と彼が働く企業を一斉に取り締まった陣内達。
それぞれの能力を活かした、爽快で、見事な連係プレイでしたね。
そして、もう一人の要注意人物は、椿。
味方のふりをして、陣内が異能力者であることや、彼の妻が狙われるきっかけになった、5億円事件のキーマンでしたね。
彼は部下の本郷を脅迫したり、裏の顔が暴かれていくなかで、陣内達が彼のさらなる真相に辿り着くことを期待したいです。