ファイトソング9話あらすじ・ネタバレ
花枝(清原果耶)と芦田(間宮祥太朗)の別れから2年経過しました。
聴神経腫瘍の手術を無事、終えた花枝は、朝、土手をランニング。
退院後の体力作りを日課にしていました。
そして、花枝との恋の取り組みをきっかけに試行錯誤を重ねて作った新曲「ファイトソング」が完成した芦田。
「ファイトソング」は受賞するほど大人気になり、次の作品作りに励む彼はもう立派なミュージシャンに成長。
体を鍛えている最中に、2年前、芦田と出会った時にも同じように体を鍛えていて、お互いの第一印象の変化に微笑みました。
「芦田さん弱かったけど強くなったなぁ。今一生懸命頑張っている」
「花枝、昔から変わらないなぁ。俺の新曲のファイトソング聴いてくれているといいな、どうしているんだろう」
花枝を子供の時から支える慎吾(菊池風磨)。
相変わらず、直美(稲森いずみ)の家で暮らしていますが、花枝は手術の影響で耳が2ンン前よりは聞こえにくくなっていました。
日常会話はでき、一見問題ないけれど、花枝は会話を聞き返すことがあるようです。
施設の年長、穂香(莉子)が携帯で打った文字を花枝に見せることでコミュニケーションをとっています。
その方法は2年前に、花枝が「サンシャインクリーニング」のクライアントで理解者となった葉子(石田ひかり)にしていた方法と同じです。
花枝は仕事先でも、携帯の音声読み取り機能で新規クライアントの金田夫婦の声を聞きとったり、紙に書いた文字を目で見て理解する方法をとります。
芦田と薫(東啓介)、弓子(栗山千明)も穏やかな音楽人生活を送っていて、新曲を3曲出す多忙さを極めていました。
花枝はその日の午後、グラフィックデザイナーの仕事をしている葉子から、「親しい友人」としてインタビューを受けます。
花枝も葉子の温かな様子に安心し、インタビューに参加。
夜。
芦田は車で薫と乗っていた時、偶然、花枝を見かけ、思わず車を降りて花枝を追いかけました。
しかし、耳の手術後に耳が聞こえにくくなっている花枝には雑踏の音で分かりません。
翌日。
花枝は元々いた道場で子供たちに指導をすることを恩師の道場長から頼まれました。
その頃、慎吾の恋愛面について追及する凛(藤原さくら)に対し、慎吾はこのまま花枝を温かく見守りたいと答えました。
慎吾が花枝に告白などをして拒絶されることを怖がっていると直美が指摘。
もしも、自分が迫(戸次重幸)が女性で自分が同性愛者だとすると例え話をし、そこでフラれたとしても立ち直れると涼やかな顔で答えました。
そのたとえに実際、密かに直美に片思いしている迫はがっかりするのでした。
花枝にたとえふられても、気にすることは無いとフォローする彼女に、それでも慎吾は内心、不安を隠しきれません。
不意に直美は、花枝の本心を聞く為にまだ芦田に恋の気持ちがあるかをボードに書いて読んで確認。
花枝は「良い恋をさせてくれてありがとう」という気持ちがあると言いました。
その気持ちはないし、耳の病気のことを芦田が知ることにもなって、のちにショックを受け、芦田自身が自分を責めることにもなりかねないのが嫌だとの事。
勉強することあるし、車の免許もとりたい、空手もまた挑戦したいから今目先のことを考えて恋どころではないと答える花枝。
夕方、慎吾は自分の子供時代のことを思い出しました。
夜の仕事をしている母親を思いやる優しい子供だった慎吾は、母親に捨てられた挙句、母親の関係者である悪い男から暴力を受けたこともありました。
「お前は捨てられたんだ」と言われ、男に対し、「お母さんは俺にいつもありがとうって言っていたしそんなはずない。」と刃向かってトラブルに。
その場にいたもう一人の母親の知り合いの女性が男の慎吾への暴力を止めてくれました。
しかし、その経緯で慎吾は直美の施設で暮らすようになり、凛や花枝と友情を育みながら家族としての新しい幸せを経験。
そして今、大人になった慎吾は、花枝への片思いの恋ももう少し頑張れば良い方向へ向かうかもしれないと気持ちをリセット。
かつて行った神社に花枝と参拝に行った後、「今日は花枝、俺を男として見てくれないか」と言い、まず始めは団子屋へ。
その団子屋は、花枝が施設に来て間もない頃、環境の変化で家出した子供の頃の花枝はこの団子屋にいました。
そこを慎吾が声を掛けて、直美からもらった小遣いで団子を食べさせてくれた場所です。
スケッチブックに花枝への恋愛感情をゆっくり伝える慎吾。
「俺は花枝のことが好きだ。花枝を女の子として好き。俺はずっとずっとずっとずっと花枝のことが大好きだ。今まで怖くて伝えられなかった。いつものチャラい感じとは違う、本気なんだ」
花枝は自分と凛と慎吾は、家族を超えた温かい関係でい続ける、だから慎吾の気持ちは、本気なのか伝わっていません。
しかし、慎吾は本当に花枝が好きだと伝え、花枝はずっと苦しい片思いをし続けていたことに気付かなかったことを反省。
「慎吾のことが世界で一番大好きなのに、ごめん、慎吾」
「ありがとう、その言葉だけで充分だ。あ、ちゃんと用意してあるんだよ」
そこにはなんと、「俺の恋人になってください」という言葉がありましたが、慎吾は花枝が本当に好きなのは芦田だとわかっているため、敢えて隠し、「これからも変わらず宜しくな」と伝えます。
花枝と慎吾は幼き日のことを思い出しました。
花枝が施設を抜け出した時、慎吾は花枝に「俺がお前のことずっと守って傍にいる」と言い、心を開くきっかけを作っていたのです。
そして凛も、花枝と慎吾を一番近くて見守ってきたことを思い出します。
その夜、芦田は作曲づくりの途中で、花枝の名前を検索し、葉子の動画を見つけました。
そこで、動画のなかで花枝の病気のことを知ります。
2年前に花枝が聴神経腫瘍の為、「恋の取り組み」期間を作ったことや、新曲を聴きたいとねだった真相を知り、芦田は号泣。
翌日。
俊哉(窪塚愛流)とヒデ(若林時英)も花枝の病気を理解して接し、ホームクリーニングのアルバイトを今日も頑張る花枝。
しかし、出勤途中に花枝は歩道橋で芦田と再会しました。
離れた場所で花枝を見守っていた慎吾は、花枝に告白しようとしていましたが、2人の様子を見守ります。
芦田は花枝が耳が聞こえないことを前夜に知ったので、それを理解した上で花枝に話しかけますが、花枝は芦田を思い、何かを感じて走り去っていきました。
慌てて、花枝を追いかける慎吾と芦田。
思わず、花枝はビルのエレベーターに逃げ込みますが、芦田と慎吾も一緒に中へ。
そして、3人は間もなく、エレベーターに閉じ込められてしまいました。
次週、それぞれの決意を秘めた最終回です。
ファイトソング9話感想・みどころ
2年後、聴覚神経腫瘍の手術は無事終わったものの、聴覚を失った花枝が少し切なかった。
いつもと変わらない元気で明るい花枝ですが、2年前に彼女が葉子にしていたようにホワイトボードや音声機能を生かして人の声を聞き取っている様子は、これまでの日常が少し変わった彼女が一生懸命、環境に慣れようとしている努力が伝わりました。
しかし、自分が学生時代からお世話になった道場で子供達に指導したり、相変わらずハウスクリーニングの仕事に慎吾と勤しむ姿は、前向きな姿勢の花枝そのままでホッとしました。
2年前よりも人生経験を経て、スキルアップしていく花枝と、花枝に嫌われたり、長年気付いてきた関係悪化を恐れて、告白を躊躇していた慎吾も大きく踏み出しましたね。
慎吾の花枝へのスケッチブックに描いた告白はとても温かくて、微笑ましい。
花枝が慎吾の告白を半信半疑に思うものの、礼を言ったり、今まで彼の片思いに気付かず、芦田との「恋の取り組み」に夢中になっていた自分を反省する場面も良かったです。
最終的には慎吾はまた花枝に気を遣って、今のままの関係を継続することを選んだ姿はなんともいえない気持ちです・・・慎吾、本当にこのままでいいの?って思ってしまった。
一方で、慎吾は夜の仕事をしている母と2人暮らしで、幼い頃から思いやりのある優しい子どもがそのまま、誰にでも温かく接する男に成長して泣けます。
母親に捨てられ、そのことを母親の関係者に告げられた慎吾が、花枝に優しい愛を伝えることを恐れる理由に納得。
それでも施設を経て、花枝と凛に出会うことができ、慎吾自身も「愛する」こと、「誰かを愛すること」を学んでいき、立派に人間性が育っているのだと思います。
一歩ずつ踏み出す2人と、アーティストとして着実に成長している芦田。
彼の未来にも光が射して、2年前の不安定な時期と花枝と出会って以降、努力を重ねて得た今の顔は見違えるように綺麗ですね。
余裕があり、弓子や新たに芦田のマネージャーになった薫との絆も深まっている芦田ですが、偶然見かけた花枝に声を掛けるものの、耳の理由で花枝が聞こえないことを知らない芦田が切なかった。
でも、動画を見て花枝の病気のことを知って、花枝が「恋の取り組み」に、期限を設けた理由や、自分の曲「スタートライン」を聞きたいと言っていたことなど、芦田のなかでこれまでのパズルピースが一致して号泣する姿は、彼の温かい心そのものを感じました。
花枝と衝突せずに、動画を通して花枝が隠してきた2年前の真相を知ることができた場面は救われる部分がありましたね。
花枝の病気を理解したうえで、もう一度自分との関係を改めるか何かを伝えようとする芦田に、去って行く花枝。
追いかける慎吾と芦田。
そして次週、花枝、芦田、慎吾がエレベーターに閉じ込められた3人の本音のぶつけ合いが楽しみです。