合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~6話ネタバレ
6年前、アメリカで暮らす貴山(松下洸平)はクライアントと商談をしていました。
そんな彼の元に届いた母と妹の死の知らせ。
2人は就寝中、家に火を付けられ殺害されてしまったのでした。
警察によると、犯人が当時外務省の官僚だった父、勇作(小林隆)の可能性が。
そのことに強いショックを受ける貴山に対し、刑事はかなり強いストレスを抱えてノイローゼ気味だったとのこと。
火災によるショックで大脳がダメージを受けている、勇作。
内臓は動いているものの、植物状態でした。
その火事に自らも巻き込まれた貴山は父親を心底、憎んでいました。
放火殺人の疑いを掛けられたまま、植物状態で入院する父親に向かって、「どうして、母さんとかすみを殺したんだ!早く回復しろ…退院したら俺が殺す」
とんでもないことを叫んでしまった、貴山。
帰宅すると、涼子は、貴山と久実(白石聖)がロックバンドをして楽しんでいました。
涼子(天海祐希)もそんな貴山の過去を丹波(丸山智己)から秘密裏に知り、胸を痛めるのでした。
電話が鳴り、野崎たか子という依頼人が。
「八雲建設で働く彼夫は、社長に殺されたんです」
夫が電車に轢かれて亡くなったのですが、「いつか俺が社長に殺されるかもしれない」と前触れのようなことを口にしていたというのです。
幼い娘には出張に行っていると誤魔化します。
「パパはいつ帰ってくるの?」という娘のいたいけな言葉に葛藤し、なかなか真実を告げられない様子。
そして、夫から生前もらったネックレスを担保に、八雲建設の案件を受け付けた涼子と貴山。
その社長、八雲治(浅野和之)は一流店で舌鼓を打っていました。
美食家で、アジアへの途上国での寄付など、表向きは慈善家の顔が覗く、八雲。
車でおにぎりを食べながら待機する、涼子と貴山。
ふと、店の客(酒井敏也)に芸能人御用達だと言って、気を引かせ、引き続き尾行。
なんと涼子は、「鈴奴」という芸者のふりをして、八雲と現職国会議員で外務副大臣の増本幸次郎(石黒賢)の芸者遊びの相手をします。
ふと、もうすぐ選挙を幸次郎が控えていること、会社ぐるみで八雲は幸次郎を応援していることが判明。
ふと、泥酔した八雲と幸次郎は、鈴奴に扮した涼子に触ろうとしますが、想定内通りかわして、盗聴器をうっかり落としてしまいます。
盗聴器を表向きセクハラの証拠とした涼子はそそくさと逃げて、迎えの貴山の車で、上水流エージェンシーへ。
久実から大好物の香辛料入りドリンクでエネルギーをチャージした涼子は次の手を打ちます。
翌日。
貴山と共に増本幸次郎の選挙スタッフになりすまし、潜入。
増本のスタッフから、八雲建設を応援する代わりに、多額のお金を動かしていました。
その2人の関係を知った野崎は、口封じに殺された可能性が。
夕方。
貴山は病身の父親に掴みかかったことが6年前の父、勇作の件で関わった刑事に咎められました。
そして、父親とは面会禁止にされてしまったのでした。
涼子は野崎家を訪ね、カンボジアの学校を建設する事業に取り組み、それでも自身の家族とに時間をつくろうとしていたと、たか子から聞きました。
事件の前日、何か仕事で野崎が亡くなった手掛かりを探すことに。
急に、娘の部屋の壁紙を変えたいと言い出して、壁紙を変えた、野崎。
涼子は事件の証拠として、野崎が重要な機密データを壁紙に隠していたことが判明。
去年、八雲が増本から受け取ったODAの契約書、カンボジアに学校を建設する予定で、6億使うはずが、実際は6億も使われていなかったのです。
さらに、貴山の父、勇作は野崎と同じプロジェクトに参加していて、八雲の不正を知っていました。
野崎は貴山が一人で立ち向かおうとしている姿を心配します。
「野崎さんところは一人娘がようやく生まれたばかりじゃないか、巻き込むわけにはいかない。」
かつて、同じ子を持つ父であり、社長の不正を暴こうと決意した2人。
「その不正が告発されることなく、貴山勇作は妻子を殺した容疑を掛けられ、自身も植物状態になった、全部仕組まれていた。あなたのお父さんはお母さんと妹さんを殺そうとしていない…命を懸けて不正と立ち向かったのよ。」
涼子は貴山が父親の事をずっと誤解していたことを突きつけました。
「なんで黙っていたの…」
「すみません…僕は父をすつもりでした。どれだけお金と時間がかかろうが回復したら殺すつもりでした。父は明るくて優しい人でした。妹のかすみは僕と同じ猫が好きで…将来、獣医になろうとしていました。まだ18歳ですよ。でも…父じゃなかった。父も被害者だった。」
「きっと野崎さんはもし告発したらあなたの家族と自分の家族が同じ目に遭う、そう思ったんじゃないかな…だから言えなかった。でもまた同じ不正が起こった…もう見て見ぬふりはできない。」
その頃、丹波が絶妙なタイミングで情報を入手。
医療従事者のふりをした男が、貴山の父、勇作を医師に成りすまして殺そうとしました。
なんと医療器具を抜き、勇作は容態が急変。
頭の良い貴山は何とか医療器具を繋げて一命を取り留めます。
「済みません…僕は、増本先生に頼まれて…あなたが入院している貴山さんの息子だって知って…それで…」
医者のふりをしていたのは、増本の選挙スタッフの一人で、貴山と涼子が潜入捜査で会った男でした。
「こんな卑劣なことをして許されるわけないでしょ!絶対あいつらを地獄の晩さん会に招待してやるわ」
翌日。
八雲が増本をパーティーに招待した招待状をつくった涼子たち。
久実と有田(中川大輔)がウエイターのフリ。
ワインを嗜むものの、ドクツルタケの効果が表れた八雲と増本。
「植物状態…こんなこと許されると思っているのか?」
「ふざけるな…僕の父はお前らのせいで植物状態だ。十分、苦しんでください。」
涼子は真実を明かせば、解毒剤を渡すと提案。
実行犯は八雲だ、犯人は増本だとお互いに罪を擦り付け合い、ドクツルタケの神経症状に苦しむ2人。
「誰が誰がやったか正直に言え…」
怒りに震え、増本に掴みかかる貴山。
「貴山、あんたまで何かしたらこいつらと同じよ…」
実はドクツルタケの毒はなく、性力低下するキノコを前日に、有田と彼の友人らに摂ってきてもらったのでした。
「これで娘に言えます…あなたのお父さんは正しいことをしようとしていたんだよって…」と、たか子。
「娘さんの部屋の壁紙破いちゃったから…弁償させてください。」
涼子は依頼料としてもらった、彼女が夫からもらったネックレスをたか子に返しました。
その頃、病室にいた貴山は、父に掴みかかったことを謝ります。
「僕は子供の頃から人と馴染めないでしょ?そのことは父さんはいつも叱っていたから僕は父さんが怖かった時があったよ。それが嫌で…逃げるようにアメリカに行って、もっと話せば良かったね…家族のこととか…ね?色んな事…」
ふと、意識を取り戻しそうな父、勇作。
うっすらと勇作は目を開けました。
「伸彦だよ…父さん…」
上水流エージェンシーに戻った貴山。
勇作はまだ少し意識が回復した状態で、治療が必要だとのこと。
涼子は貴山に、「ウソをつかないって約束をもう破るんじゃないわよ。次は許さない。」
涼子は、久実が大好物の香辛料がたっぷりの軽食を作れるようになったことを話ました。
そして、酔っぱらってソファーで眠る彼女に布団をかける貴山。
その顔はどこか曇っていました。
合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~6話感想・みどころ
夫を建設会社社長の八雲に殺された野崎たか子のケースが、貴山の父、勇作の真実と関係しているのは予想外でしたね。
八雲はカンボジア学校建設も、実際には6億円も使っていないにもかかわらず、勇作と野崎を追い詰めたことに間違いはありません。
そんな八雲に支援してもらう形でお互いwin-winな関係を築いていた増本。
この2人には人の心がないのかと思うほど、自分たちだけが美味しい思いをすれば、勇作や野崎の命などどうでもいいのでしょうね。
勇作を殺すように選挙スタッフの男に指示した増本の人間性の醜さも明らかになりました。
涼子と貴山が仕組んだ口にした途端に神経症状が出るキノコが2人にとって良い薬になったと思います。
最後に、お互いに約束した「ウソをつかない」掟を破ったことや、リスクを顧みずに単独で突っ走った貴山を涼子が叱るシーンは愛があると思いましたね。
涼子にとっては、貴山はなくてはならない相棒…どんなにIQが高くてその場を上手に切り抜けられても彼にキケンは付きまといがちなのは分かります。
本日のエピソードでとても良かったのは、貴山の父、勇作が無事、意識を回復した事。
子供の頃からコミュニケーションが下手だった勇作に厳しく叱られることが多かった貴山。
父を怖がって距離を置き、6年前にアメリカに逃げたことを振り返り、大人になって親との向き合い方を見つけた貴山と意識を少し取り戻した勇作との間には誰にも立ち入れない強い結びつきがありましたね。
今回、実の父を誤解したまま退院したら殺害しようとしていた自身の愚かさに気付けて本当に良かったです。
しかし、貴山が涼子にまだ隠していることがありそうな表情が気になる6話でした。