家庭教師のトラコ6話あらすじネタバレ
「トラコ」こと、根津寅子(橋本愛)は、里美(鈴木保奈美)のバッグをひったくろうとした男の子を引き留めました。
彼を警察に突き出すつもりでしたが、里美は少年から理由を聞き出そうとします。
少年は、寅子が仕込んだ子役ではなく、児童養護施設の一人でした。
彼の施設へ送り届けると、施設長からは、普段は鮮明な良い子とのこと。
寅子は少年が施設を救いたかったからなのでは?と推測。
また、自身が施設で育ったことを里美にそっと告げました。
実は少年の施設は、資金難に苦しんでいて、閉鎖寸前の負債を抱えていたのです。
助けるには3000万円の資金が必要と知った里美は、夫に相談してみることに。
上原家にて、夫の利明(矢島健一)に新頭取就任が決まって、祝福ムードに。
副頭取に初めて女性を起用したことで、利明に対する世間の評価もうなぎ上り。
就任パーティーを開くことを告げると、守の義理姉で、利明の長女、椿(長見玲亜)は、3000万円のストラディバリウスをお披露目したいと言い出し、長男の憲一(塩顕治)も、3000万円で手に入れたお気に入りの絵画を会場に飾りたいと言います。
さらに、利明は、1本300万円のロマネコンティを10本振舞うつもりだと豪語。
守は自分が、お笑いライブをして観客を笑わせると言いますが、受験勉強に専念したほうが良いとさらりと邪魔者扱いする利明。
そこで、里美はお伺いを立てて、利明の機嫌が良いのを見計らって、児童養護施設への寄付を相談。
さらに、イメージアップに繋がると言葉を付け加えると、融資部に検討させると利明は答えるのでした。
守は自立のために、実家を出てアパートを借りると言い出します。
「この家で暮らせるのがどれだけ幸せか」と里美は反論。
自立をしたい守と、彼と少し歩み寄れたものの、まだまだ支配的で、自分の面子を保つのに必死な、里美は対立。
本当に、利明は援助してくれるのか?と問う寅子。
里美は、「主人は愛情深い人だから。守を認知して、すぐに自分と籍を入れてくれたし・・・」と言い張るのですが、寅子は「じゃあ賭けませんか?人は愛情とお金どちらで動くのか?」
中村家に後日行くと、知恵(加藤柚凪)が無邪気に大きくなったらパパと結婚したいと言います。
しかし、寅子は現実の厳しさを教えるため、あえて、知恵に朔太郎(細田義彦)と、真希(美村里江)がプラモデルと、真希は「必要経費」だと言い張って、本を買うので、お互いに、喧嘩をしているところを知恵に見せました。
「パパと結婚すると苦労するかもしれないわね」とサラリ。
「知恵、やっぱり保育園のみんなと同じで、お金持ちと結婚する」
「切り替えが早いのね、知恵ちゃん」
万福亭の高志(阿久津慶人)と、智代(板谷由夏)親子を訪ねる、寅子。
智代は、オリンピックでマラソンを走る目標ができたと朗らかに笑います。
高志は医師になると将来の夢を志し、寅子は学費を稼ぐために角煮定食の値上げを提案します。
翌週、里美は利明から融資を断られてしまいました。
回収できない施設を助けても仕方ないとドライな利明。
「お前こそ自分がやるべきこと考えたらどうだ?就任パーティの準備とかあるだろう。少しは頭取夫人の資格を持ったらどうなんだ?」
冷静に圧を感じさせる態度をとる夫にぐうの音も出ない、里美。
守の教育費や自分の貯金だと足りないと、寅子の前で嘆きます。
どうしたら施設を救えるのか?悩む里美に、寅子は椿のストラディバリウスを偽物とすり替えて売ったお金で施設の救済に当てると言い出しました。
「テレビの格付け番組でも一流の品を芸能人が見抜けないじゃないですか。世の中に出回る名品のほとんどは贋作なんですよ」
寅子のやんわりとしたゲスいアドバイスを感心して聞く里美。
翌日。
業者に頼んで、寅子はストラディバリウスから、高級ワイン、絵画のシャトーモリ―まですべて偽物にすり替えました。
「全部すり替えるのはやっぱりまずい!夫は目も舌も肥えている」
その日の夕食で、寅子はすり替えた高級ワインを利明に提案。
「ん?これは・・・予想以上に良い味だ」
さらに、守の兄、憲一も、絵画を見抜けず、長女の椿も、ストラディバリウスだと見抜けない状況。
取り替える直前に寅子は、里美の心の不安定な心理を察知しながら、本物を売ったほうが児童養護施設の子供たちを救えると促します。
しかし、里美は慈善事業をしている知人を頼るし、やはり、こんなことしたくないと業者の前で拒否。
知人に電話を掛けるものの、断られてしまいます。
憲一に頼むものの、厚労省に頼んでほしい、自分は金融庁に勤務しているからと断ります。
椿も、お金を集めている人が猫ババしているかもしれないと言って、里美を避けます。
しかし、最終的に守はバイト代の一部を、里美にあげます。
養護施設の子供たちのために役立てること、自分は未来のスターだから今のお金はレジェンドになるための近道だと力を貸してくれました。
その日の夕方、智代と真希にも養護施設の件を相談し、2人から、お金をもらいました。
守からもらったバイト代を含めると6万3000円・・・。
寅子に現状を吐露しますが、今日は高志を教えるのでと断られてしまいました。
その日、里美は地元のお赤飯を持って、男の子に渡しました。
男の子はこの施設がどうなるか心配でした。
再び、里美は利明にお伺いを立てて、寄付を問います。
しかし、守のことを出来の悪い息子だと罵倒し、上原家にふさわしい優秀な人間に育てろとモラハラ状態。
寅子は、里美から相談を受け、本当に利明は里美に愛情があるのかというと違うことを伝えました。
ふと、偶然ワインを持った憲一と椿が、利明が出世のために、女性を副頭取に就任させたことを知り、ショックを受けました。
愛人がいるのは薄々気づいていたことを、指摘する寅子。
それでも愛人(遊井亮子)の存在は一時の気の迷いだと誤魔化す里美。
ついに寅子が愛の鞭を振るいます。
「私は最近どんどん嫌いな言葉が増えている・・・愛だよ。あんたはタクシーに乗れない人達や病院に並ばずに行けない人たちのつらさにも気づかない、愛だ、愛だって唱えているけど、結局、あんたこそお金が一番大事なんだろ?人は愛で動かない、お金で動くってあんたも気づいているはず。結局、ママもご主人のお金の方が大事なんじゃないんですか?」
寅子に一喝され、里美は思わず、自分の愚かさに気づきます。
守は母のことを気遣い、自立を本気で考えていると告げました。
「守には勉強に集中しなさい、あなたはこの家にいることがどれほど幸せだって気づいたほうがいい」
守ともまたギクシャクしますが、守は母と2人暮らしをする生活を優先。
里美は上原家の人達がどれだけ人でなしかを痛感。
就任パーティーの日。
里美は蓄積された怒りを爆発させ、ワインを、ヴァイオリンを、絵画を破壊。
「自分たちは贅沢に着飾って、無駄なお金に使い込んでいる。こんな人達と一緒に暮らしたくない」
椿、憲一、利明に大きな不満をぶつけ、上原家を守と共に、去って行きました。
守は暴れた母を背負って、陽気に振る舞いながら、状況を回避。
そして彼は、母を背中に背負いながら、里美から生まれたことが誇らしいと言うのです。
里美はこの子をずっと守る意味で、「守」と名付けたことを伝えました。
親子は再出発し、離婚届けを捺していないので、利明に借金と自分の出費で、施設費用を賄いました。
そして、児童養護施設の維持に成功。
守と細々と2人で暮らし、人のお金に頼らない自立した女性の生き方を貫くことを決めた、里美。
寅子はその決意と目の輝きの違いを応援します。
その日の夜。
寅子が赤ワインを嗜んでいると、福多(中村蒼)からこのまま、家庭教師を普通に続ければいいと提案されます。
寅子は家庭教師を続けている真の目的のため、それを却下。
福多は寅子と今の関係になる前、出会った頃を思い出しました。
既に家庭教師をしていた寅子と財務省で働く、福多。
しかし、寅子はなんとヤクザのような出で立ちの男から追いかけられていたのです。
家庭教師のトラコ6話感想・みどころ
愛かお金どちらが本当に大切か?という今回のストーリー。
夫婦の形、モラハラ、ステップファミリーである里美と守の肩身の狭い立場、裕福な暮らしに慣れすぎて、当たり前の幸せに気づけないこと・・・。
メッセージ性が今日のエピソードも沢山ありましたね。
利明は普段、冷静に淡々と話しますが、里美と守のことを長男と長女同様、自分たちと違う世界に生きる人として扱っていることがひしひしと感じます。
利明にとっては優秀で、自分の思い通りになる椿と憲一だけが「家族」であり、里美と守は上原家にふさわしくない馬鹿息子と田舎者のホステスだった女性。
自分の世間体のために、評判のために、認知して、形だけの家族でしたね。
利明は守と里美に普段から本当に冷徹ですが、今日は彼と彼の背中を見て育った、椿と憲一の人間的な性根の悪さがより一層、目立っていたと思います。
本物のストラディバリウスや絵画、高級ワインを見分けられないほど、目が節穴で、馬鹿舌だった上原家。
守と里美をバカにする資格すらないくらい、人への優しさの著しい欠如や、お金だけで繋がる絆をずっと続けている、利明と実子たち。
どうしようもない人間に別れを告げ、金と欲と見栄が詰まった忌まわしい上原家を後にした、里美と守の背中がとても誇らしかったです。
また、守が里美に彼女の子供に生まれたことを誇りに思うと、腰を痛めた母を背負いながら口にした言葉の深みが感じられました。
利明と守には、本当の愛がちゃんとあり、二人三脚で再出発していく答えが出たことは救いでしたね。
そして、寅子・・・。
寅子が嫌いな言葉はどんどん関わる人によって増えていき、彼女自身、貧困から這い上がって、真の目的のために、家庭教師になった生い立ちが次週、明るみになりますよ。
根本的に甘ったれが嫌いで、家庭教師をした家族たちの心の弱さ、自分の目の前にある本当に必要なことに気づかない鈍さにイライラする気持ちも分かります。
寅子は母親からは何らかの事情で見捨てられ、父親は亡くなる・・・そして、愛を知らずに育ちながらも、同じ施設で育った福多とは唯一、信じられる同志。
福多の優しさは寅子にとって時にうざったく、時にありがたくもある。
そして彼女が一体なぜ、家庭教師の道を選んだのか?なぜ、福多と成人後に再会してから、ヤクザにしか見えない複数の男から追われているのか、次にヴェールが暴かれるのは、根津寅子です。