家庭教師のトラコ9話あらすじネタバレ
寅子(橋本愛)は、歩道橋から突き落とされました。
そんな事態になっているとは知らない、中村家の真希(美村里江)、上原家の里美(鈴木保奈美)、そして、下山家の智代(板谷由夏)は、子供たちが目覚ましいほど、勉強に集中していることを喜ぶ半面、寅子が子供たちの信頼を失う行動をとったことから、強い怒りを感じていました。
しかし、寅子のことを気にかける3人。
その頃、寅子は病院のベッドで目を覚まし、打ち所が悪かったら死んでいたかもしれないことを看護師から聞きました。
さらに、歩道橋から突き落とされるのを目撃した人がいるので、警察が事情を聞きに来ると叱咤寅子は、10億円をゆすりとった里美の元夫、利明(矢島健一)のことが脳裏に浮かび、警察が来る前に病院を脱走してしまいます。
一方、寅子の「相棒」福多(中村蒼)はホテルで見合いをします。
相手の女性、日向子(片山友希)は福多となら、幸せな家庭を作れそうだとすっかり祖に着ですが、好きな女性のことを聞かれた時、彼の頭に浮かんだのは寅子でした。
そんな福多のスマホに、児童養護施設「なつぞらホーム」の園長から電話がかかってきました。
寅子はなんと、変装して、家庭教師を再開。
新しい生徒の少女が、タラレバ娘で、親もいい加減な人なので、寅子は辞めてしまいます。
以前のように、教え甲斐や情熱を亡くしてしまった寅子。
そんななか、寅子の実母が見つかったことを福多から連絡を受けます。
寅子は福多と久々に電話で話して詳細を聞くと、寅子の実母、香苗は心臓の病気で入院中で、心配な状況にいました。
寅子は今更会う気はないと突っぱねます。
福多も財務省の経歴を利用して、お見合い相手と結婚し、相手の企業で雇ってもらうことになると、自分に嘘をつくのでした。
福多からさらなる母の状況を聞いた寅子は、家庭教師を辞めてもっと手っ取り早い稼ぎ方をすると言って電話を切りました。
寅子は一度だけ、母の病室を見舞おうとしますが、彼女なりの心情から踵を返して引き返そうとしていました。
そこで、一人の松葉杖をついた野崎光造(西岡徳馬)と出会いました。
数日後、福多はスマホのニュースで、寅子が不動産王の野崎光造と婚約し、資産額30億円という内容に驚愕し、ますます寅子の身を案じるのでした。
「犯罪じゃないし、手っ取り早く稼ぐ方法だよ。ガキ相手にまどろっこしいことやっていられないし、私も幸せになることにしたの。じゃあね」
「寅子、本当にそれでいいのかよ」
お節介がすぎる福多との電話を切り、野崎との婚約指輪をまさに今買おうとしている寅子。
寅子の事情を夜に、真希、智代、里美に報告。
自分で寅子のことをさっさとやってと言う3人に、かつて児童養護施設にいた時、自転車に細工をして、寅子が里親に引き取られない状況を作ったことを話ました。
また、寅子が今まで母親たちを振り回したのも、彼女自身の母親の面影を重ねたからだと説き伏せました。
福多は寅子の母のことが書いてあるメモ用紙を万福亭に置き去りにして帰ってしまいました。
里美は、思わずその名前と場所を見て、自分の今の勤務先だと気づきました。
翌日。
里美は、寅子の母の香苗(片岡礼子)を見て、万福亭でかつて、角煮定食を食べていた親子だと知りました。
さらに、香苗は源氏名が「マリア」で、かつて上原里美と銀座のクラブで働いていた元同僚でした。
また、真希も、中学生だった当時、幼い寅子が母親の失踪で悲しんでいるところに遭遇したのです。
寅子はその頃、後妻業に奮闘。
上辺だけ取り繕い、野崎光造の息子と娘にそれを指摘されるものの、怯まない寅子。
しかし、里美、真希、智代の登場に焦る寅子。
3人の母は、寅子を奥へ連れて行き、本当の自分に蓋をして、無茶をする寅子を諭します。
「あなた達に私の事とやかく言う権利ないでしょ」
「あるわよ!!!だって私達はあなたの人生に関わってきたのよ。あなたが7歳の時、うちのお母さんと角煮定食食べてくれたよね」と、智代。
「あなたが小さい時、中学生だった私が、あなたを交番に連れて行ったのよ」と、真希。
「あなたのお母さんのマリアちゃんは、店でもすごく人気のキャストだった。あなたが生まれた時、すごく喜んでいたのよ。この子は天使みたいだって。でもあなたのお父さんは事故に遭ってしまって、マリアちゃんは音信不通になって、新しい人と出会って、精神的に不安定になったの。だから連絡がとれなかったの」
それでも、3人はひねく寅子の態度に、激怒。
「あなたは、自分のつらかった過去を世間にぶつけているだけよ。お母さんと向き合って、お母さんに本音をぶつけてきなさい!」
叱咤激励し、寅子は病室に行きますが、香苗は亡くなりました。
「ごめんね、寅子・・・そうやって書いて私は家を出て行った。あなたのお父さんを事故で失った時、寅子といるのがつらかった。お父さんは溺れていた私を助けて、亡くなった。私は新しい人と出会った。もう二度と、好きになった人を喪いたくなかったから。あなたに謝りたかったけど、その勇気がなかった。でも・・・私は・・・」
そして、万福亭に帰り、寅子は現状を明るく振舞いながら伝えました。
「全然気にしていないですよ。角煮定食、相変わらず美味いっすね。私は大丈夫ですよ。なんか言い訳がましい手紙をもらいましたけど、いつまでも悲しんでいられないですよ。死んだ人はかえってこないのだから。あなた達に、色々、諭されたから会いに行ったのに」
「私達に思いの丈をぶつけて、代わりに受け止めるから」
「なんで私を置いてったんだよ。私はずっと待っていたんだよ・・・私に謝ってほしかった。あの時はごめんねって謝ってほしかった・・・抱きしめてほしかった」
「よしよし、つらかったね」
「いっぱい頑張ったね」
「偉い偉い」
3人の母は寅子を抱き締め、頭を撫でるなどフォロー。
寅子は子供に戻ったかのように、大泣きしました。
そして、寅子は中村家へ行き、高志と知恵、守にもう一度、自分たちの家庭教師をさせてほしいと土下座をしました。
寅子は3人の成長を振り返るとともに、彼等の優しさを裏切ったことを詫びました。
「私はもう目の前にあるものを失いたくないんです。また家庭教師をやらせてください。今まで自分を演じてきたけど、これからはありのままの自分でいる・・・お願いします・・・」
寅子は野崎と決別し、もう一度、家庭教師の仕事に戻ることに。
3人の母は寅子に福多とも和解するよう、説得。
寅子は翌朝、本当の家庭教師になり、子供たちに奇跡を起こせるような人になると誓います。
しかし、福多は結婚に向けて準備中。
11月に式を挙げることになり、前に進む福多。
寅子は心機一転して、受験をやめると言い出す子供たちに混乱。
知恵は明日、受験だというのに、受験を辞めると言い出し、守は芸人も受験もやめて、就職すると宣言、そして、高志は理由は語らず・・・。
母を亡くした悲しみを3人の母に癒してもらった寅子は、本気で家庭教師として再出発を図った矢先に起きた、子供たちの変化。
寅子にとって、子供たちの本当の未来とは・・・。
家庭教師のトラコ9話感想・みどころ
寅子はこの世の中の生活に困る人達にお金を届けると独走していましたが、彼女の根本的なネックは、母親からの見捨てられ不安だったことが判明しましたね。
あんなに反抗的で、容量が良く、頭もキレている寅子ですが、本当は母親が恋しくて、寂しい思いを抱えた少女が、寅子の中に潜んでいたのだと思いました。
後妻になろうとしたり、子供たちの期待をわざと裏切るようなことをするのも、寅子自身が母親に振り向いてほしいからの愛を試す行動のように思えて切なかったです。
結局、寅子自身が子供達や3人の母親に説教できるような立場ではないですよね。
寅子はあれだけ愛に飢えていて、人の温もりを必要としていたので、彼女の暴走は母親に一番自分のことを心配して欲しかったのでしょう。
3人の母親に抱き締められ、叱咤されていた寅子は、10代の娘のようで、背中に寂しさを纏っているように感じました。
悲しみと心の傷を癒してもらった寅子の顔は初回放送やこれまでの時よりも晴れやかになり、表情も柔和になった変化も良かったです。
福多も、寅子のことを気にかけつつも、前を向いて歩いてゆく姿に、寅子自身が今度は幸せになる番なのはまさにその通りですね。
みんなにお金を配る事よりも、寅子自身の幸せを見つけて、これまでと違った人生を歩んでほしいものですよ。
寅子は母と訪れた万福亭を通して本当に愛情深い人達と繋がることができたと思います。
さて、子供達が受験を辞めようとした心境変化は如何なるものでしょうか。
生まれ変わって、自分のために生きようとする寅子と、子供たちの新たな一歩を次週は応援したい9話でした。