家庭教師のトラコ5話あらすじネタバレ
「トラコ」こと、根津寅子(橋本愛)は、下山知代(板谷由夏)が胃癌にかかっていることを知っても冷静な態度を通します。
手術を1週間後に控えた智代に、「高志(阿久津慶人)には、もう伝えたんですか?」と聞く寅子。
智代は「伝えなきゃねと言いつつ、9月の公開模試を受けたいからと言い出す高志に、受験勉強により一層、精を出す息子を見るとどうしても伝えにくい様子です。
「来週2~3日お店を休もうかなって思って。頑張ってずっと働いてきたから町内会のみんなと旅行に行きたいと思って。母さんがいないと寂しいとか思っている?」
高志の前だとつい、いつものように明るく振舞ってしまう、智代。
「高志には病気のことを黙っていてもらえますか?」と寅子に頼む、智代。
そんな智代の微妙な変化に気づいた高志。
「先生、何か知らない?お母さん嘘つくとテンション高いんだよね」
寅子はいずれ分かるから焦らず、待つように返事を返すのでした。
その夜、智代は珍しく弱気になります。
貯金がほとんどなく、保険にも加入していません。
今、死んだら高志にいくら残せるか?絶望的になる智代の前で、寅子は高志が大学を卒業するまでの金額、つまり智代は安心して死ぬのに必要な額は、4630万と、智代に告げました。
「4630万円を手に入れる方法、一緒に考えましょう」
中村家の知恵(加藤柚凪)の家庭教師の仕事に向かった真希(美村里江)。
フリーでジャーナリストの仕事をすることになった彼女は、自分の環境変化で以前よりも笑顔が。
夫の朔太郎(細田善彦)も自分が稼いで、真希にライターの仕事をさせるように手助けすると言い出したことで、が吹っ切れたように気持ちが切り変わりました。
知恵になぜか元気がないことに気づく、寅子。
最近読んだ絵本に影響され、いつかママも死んでしまうのではないかと不安を口にする知恵。
「知恵ちゃんと違って最初からパパとママがいない人もいるよ。だから今、ママとパパがいることを幸せに考えよう」
彼女をフォローする寅子ですが、知恵は「先生のママとパパはお元気ですか?」と質問。
父は既に亡くなり、母のことは分からないと自身の生い立ちを簡単に話し伝えるのでした。
上原家では守(細田佳央太)は、母が亡くなったことは知らなかったし、里美は殺されても元気だと言います。
里美は、成績がさらに上がり、里美(鈴木保奈美)は上機嫌。
お礼になにかプレゼントをしたいと言われた寅子は、「ママと養子縁組をしていただくってのは?」と答えて、里美をうろたえさせます。
寅子が母親をターゲットにして、行動が過激になっていくことを心配する福多は、自分の里親に会ってほしいと頼みます。
福多は里親に実親以上に大切にしてもらっており、死ぬ前に孫の顔を見せたいから、親友だと寅子を伝え、自分の親に会わせたいとのこと。
自分の里親は本当に優しい人で、寅子も会ったら緊張がほぐれて優しい気持ちになるのではないかと提案する福多。
寅子はなんで自分がそんな気持ちにならなければいけないのかとひねくれます。
また、もしかしたら、寅子が福多の里親に養子にしてもらえたかもしれなかったと、寅子の過去を匂わせます。
寅子は「無理」と言って取り合いません。
なにやら昔の出来事が引っかかっている模様です。
結局、智代が用意できそうな金額は父が残した店の火災保険4000万円を覗けば187万円しかありません。
寅子は「こうなったら別れた旦那さんに相談するしかないですね」と、智代に提案。
もしものことがあったら、高志は満男が育てることにもなると追い討ちをかける、寅子。
そこで、智代は元夫の満男(丸山智己)の元を訪れ、事情を伝えました。
満男の母も、病気の体で無理をせず、自分たちを頼るように告げました。
智代の死を前提に話し、高志の天候や、高志の部屋の模様替えをしたほうが良い、母親がタイミングの悪い時に癌になったと口々に言い合います。
満男と母親に腹を立て、「4630万、用意してあるから大丈夫」と明るく振舞って、帰宅。
黒猫が通り、思わずヒヤッとする智代ですが、四葉のクローバーを見つけ、何かを感じます。
しかし、高志は満男から母の病気のことを聞いてしまい、寅子に訴えます。
「おかみさんの金額は186万、厳しいですよ。今からでも保険を見つけるとかしないと。高志のほうはあたしに任せてください」
高志が夜に爪切りをすることを軽く注意し、夜を詰めるは世を詰めるのと同じだと伝えます。
寅子は高志に3つの選択肢を提案することに。
お父さんとお祖母ちゃんと暮らす、智代の僅かな遺産と店を売った資金で自立する、私立受験を諦めて店を継ぐとのこと。
翌日。
智代は保険を利用できないことを理由に、自分の秘伝の角煮を他店で買ってほしいと申し込みますが、なかなか思うようにいきません。
そこで、真希と里美に友達が癌になって、金銭的に余裕がないこと、保険に入っていないことを告げ、相談。
4630万円必要としていて、里美の経済力で何とかならないかいうものの、他人を担保にするのを旦那が嫌がるからと断られました。
良い医者だけは紹介できるという里美。
取材があるという真希と、銀行の頭取と会わなければならないという里美にこれ以上のことは言えない、智代。
高志には何も残せないと落ち込む智代に対し、寅子は店を燃やして火災保険をあてにするというのです。
店に帰ると、高志は調理師免許をとって店を継ぐと言い出します。
高志のことを心配し、高志と口論。
「やりたい仕事を見つけて、夢を見つけたいって言っていたじゃない。あんたはあんたのことだけ考えればいいのよ。まだ子供なんだから」
「俺は母さんのことを思って考えているんだよ。おじいちゃんが残してくれた店も角煮定食の味も台無しにするの?・・・母さんなんか、勝手に死ねばいいんだ」
絶対に言ってはいけないとわかっていながらも、つい、売り言葉に買い言葉で、またしても智代とすれ違ってしまいました。
その様子を冷静に見る、寅子。
優しい性分で不器用なこの親子の行く末を寅子は厳しい目で見つめます。
高志は父、満男の家にまた家出。
その日の夕方。
智代はかつて、インターハイにまで出て、マラソンを仕事にしたいと思っていたけれど、うまくいかなかったこと、父が脳溢血で他界したこと、それでも、高志がいるから元夫の満男の母とも反りが合わなくても、ここまで頑張り続けてくれたと愚痴と本音をこぼします。
「神様はいるのかな?先生・・・なんで助けてくれないのかな?こんなにつらいのに」
「神様はつらい人を放置するのが趣味なんです。世界中で苦しむ人がいると何もしない」
「じゃあ、祈っても無駄ってことか・・・先生、契約終了になっても、高志のことはあの子が元夫の元へ行っても引き続き助けてやってください」
寅子はその夜、智代の定食屋から出ましたが、案の定、智代が家に火をつけて危険行為をしようとしていることを察知して戻りました。
「生きていても何もかもだめだ。4000万円も手に入るし・・・高志は父親の元へ行って自分のために幸せになったほうが良い。こうするのが一番いいんですよ、高志のために。止めないでください」
「止めませんよ。食用油巻いても火はつきませんよ」
相変わらず、冷静で厳しい目で人を見る寅子。
「私には嫌いな言葉が4つある、また一つ増えた。それはついてないだ。それって結局自分は悪くない、つらいのは神様のせいにしているだけだろう、いるかいないかわからないものに頼るより、こんな死に方したら、高志のほうがもっとついていない。死ぬなら子供に最後まで生き様見せてから死ね!とりあえず遺書も書き直しましょうよ、こんなんじゃ全然高志に伝わらないから、特別に添削しますよ」
寅子の激高する姿に、彼女の素顔を知った智代。
また自分のしたことの愚かさに気づいたのでした。
翌日。高志は福多に神社で会います。
高志は親に言ったことを悔い、神社に手を合わせました。
そんな高志の思春期特有のモヤモヤに共感し、智代に謝ることを提案する、福多。
病院で手術中の智代を待つ寅子は、後々やってきた高志。
彼は手紙を寅子に詠んでほしいと頼みますが、寅子が智代の口真似をするのを嫌がり、自分で遺書を読みました。
「どうして世界中の母親から私を選んでくれたの?初めて逆上がりや自転車に乗れたり、初めてできることが沢山あってお母さん疲れたの吹っ飛んだよ。寅子先生に一度怒られてこの遺書、書き直したんだ。寅子先生と授業を受ける高志は楽しいって言っていたけど、寅子先生は何度も添削されて厳しいよね。寅子先生に怒られてお母さん、気づいたの。母さん高志のために生きようと思っている。どんなにつらいことがあってもめそめそしない、それで笑って死んでいきたい。高志の進学や就職、結婚を一緒に祝いたい。子供ができたら、パパにそっくりだねって笑いたいよね。これからも生きて、生きて、生きて、あんたと笑って過ごしたい。どんなにつらくても高志と過ごしていきたい。病気と闘うよ。人生は不安だらけで嫌なことばかりだけど面白いこともたくさんあるよ。だから一緒に笑って生きよう」
結果、智代はステージ1で、手術を得て助かることができました。
「学校じゃ学べないことを教えてもらった気がした」
高志の成長に温かい気持ちになり、涙する智代。
「俺、3つの選択をずっと考えたけど、ずっと母さんといたい、どんなことがあっても母さんと離れたくない」
「先生、4630万どころか、何億残しても私死ぬことできないよ。このこと精一杯一緒に生きていきたい。沢山思い出を作っていきたい。こんな答えだけど良いですか?」
「いいんじゃないですか」と、寅子。
家にて。
寅子が本当は彼女に地球儀を残して去って行った彼女の実母のことを気にかけているんじゃないかと話を振る、福多。
「今頃死んでいるんじゃない?」としれっとわざとひねくれる寅子。
「またお前は相変わらずだよな、子供の頃から」
福多は、寅子が母親に仕掛ける作戦をもっと過激にすることを企んでいました。
翌日。
寅子はあえて小さな子役の男の子に、わざと、里美のバッグを奪わせました。
そして、幼い彼の万引きに、何か事情があるのではないか?という里美。
寅子はこういう子ほどつけあがるだけだから警察に連れて行くと言って、男の子の手を引っ張っていきます。
自分が子役の子を仕掛けておきながら、里美の心理を操っていました。
家庭教師のトラコ5話感想・みどころ
今回は家族の病気と、「いつまでもあると思うな、親と金」。
寅子の言葉の重みは今日もガツンと響きましたね。
「私が嫌いな言葉は4つだけどまた増えた。ついてないだ。今、あんたが死んだら、高志のほうがもっとついてないんだ。神様とかいるかわからないものに頼ってつらいのを神様のせいにするな」
寅子は心の奥底では、人を思って叱るので言葉に愛を感じましたね。
高志も当初、寅子と出会ったときはあんなにも気弱なだったのに、眼差しも含めて人間的に成長しましたね。
自分が進学を諦めて母の店を手伝うなんて、まだ小学生ながらも彼なりに母を助けようとしますが、智代の言うこともわかるなぁ。
まだ学びが必要な高志が、一人で大きな定食屋を経営してやりくりできるとは私も思えません。
高志の優しさと未熟さ、智代の親心がぶつかりましたけど、高志にとって本当の幸せは母親が生きていることですよね。
智代の元夫で、満男と満男の母、相変わらず「毒家族」だな。
智代が亡くなることを前提にするかのように、着々と高志の生活環境を変え、金の力で何とかしようとするいやしい根性が垣間見れましたね。
いくら元夫でも、癌になったことを知れば、智代のことを気にかけたり、普通に育児に協力することを言うはずだけど、智代が元義母と元夫の元を去っていきたくなるのもわかります。
また、智代のことを「いらない存在」のように扱い、高志の転校だの、部屋の模様替えだの相手のことを考えず、高志だけいれば彼らにとっては心地が良いのかなって思いました。
高志はそんな祖母と父を見ても、母を思い、未熟ながらも成長していく良い少年ですよね。
寅子に添削してもらった智代の遺書には、我が子と一緒に生きていきたいという母親の強い、強い愛情が伝わりました。
一緒に生きていきたい、4630万円よりも、高志と一緒に沢山笑って過ごしたい。
涙しながら、息子への一番大切な気持ちと、一時的に血迷って、店と自分ごと自滅させようとした愚かさに智代が気づけて良かった。
寅子以外の家庭教師が、智代を担当していたら状況はあまりいい方向へ進まなかっただろうな。
寅子のように曲がったこと、甘えが徹底的に嫌い。
自分にできることが目の前や周りにあるのに、強がっていたり、自分の本当に悪い点を顧みず、言いわけばかりする人をとにかく嫌う、寅子。
自分の力で、母親が自分を児童養護施設に預けたことや、父親が亡くなった過去から、何らかの方法で家庭教師として這い上がってきた寅子にとって、弱音ばかり吐いて責任転換する人から発せられる言葉は確かに「嫌いな言葉」だなと思います。
次週、いよいよ、後妻となり、夫と夫の実子にお伺いを立てながら暮らす、里美。
息子の守と健全な関係を保てるようになった里美ですが、お金がある暮らしはもちろん、夫から見た自分の事実に気づいていない面を、寅子にガツンと言われてしまいそうですね。