こっち向いてよ向井くん7話あらすじネタバレ
美和子(生田絵梨花)との再会をきっかけに、元サヤ状態だと思い込んでいた、向井(赤楚衛二)。
しかし、美和子に自分達の今の関係を思い切って尋ねると、「…元カレ」とショッキングな言葉が。
向井は美和子の家で過ごし、キスをするなど、友達以上の関係だと思い込んでいました。
「ごめん、曖昧だったよね。向井君が嫌ならもう会うのやめる?甘えちゃっていたよね。私も再開して楽しかったから。」
ずるい、ずるい、ずるいよ、美和子…まぁこんなもんだよ、大人の恋愛なんて。好きとか好きじゃない、元カレとか元カレじゃないとかいちいち確認しないよな。
「嫌じゃないよ、また会おう?」と向井。
家で、母、公子(財前直見)からタコ焼き器を近所の近藤さんにあげる為に、用意してほしいと頼まれた、向井。
タコ焼き機が無事、見つかり、かつて、美和子と買った鹿の角が。
その日、家を出て、洸稀(波留)と元気(岡山天音)の店でお酒を楽しむことに。
「なに?」
「毎度毎度、恋愛相談ってのも難なんで…中学生みたいだし。」
「まぁ彼女とその後どうなの?聞いてあげても良いよ。」
「うわーえぐいっすね、その展開!その元カノ最低じゃないですか。」と元気。
「元カレのままは嫌なんでしょ?」と洸稀。
「でもさ、坂井戸さんも似たようなもんだよね。」
「私達はお互い納得しているよ。向井君に彼女は線を引いているところがあるね。」
「俺達すごく仲良くやっていたんだ。これで付き合ってないとかマジ鬼。美和子のなかで俺の存在が大きくなればアップデートするよね?」
「そういう状態じゃない。楽しいってことじゃ踏み込めないってことじゃないかな。向井君だから付き合えないってことじゃないの?向井君が本当に元を返上したいなら…」
「俺は触れ合って一緒にご飯を食べて、それだけで良い。でもなんで…もういい、もうなにもしない」
「それは現実逃避。失うのが怖くて身動きがとれないのは分かるけど…」
「わかった、もう美和子とは合いません。」
「元カレ呼ばわりされて、短絡的な判断は良くないよ。」
「僕のこと分かっていないくせに、正論で横っ面引っ叩くの、坂井戸さんの良くないことだよ。」
美和子は父からまたしても親戚の叔母の遠山に連絡をしていないことや、法事のことで連絡が。
「遠山のおばさんは、結婚していなくて子供がいないから寂しいんだよ。結婚していないと孤独なんだ。」
美和子は父の考え方の違いにモヤモヤ。
結婚しない、子供のいない女性は孤独で寂しいのは本当なのか?
そんななか、単身赴任中の父、隆(光石研)が向井家に帰って来て、母の公子(財前直見)と、妹の麻美(藤原さくら)はつんけん…。
隆は幼馴染とのお見合いを向井に進めます。
今はコンプラ違反やマッチングアプリ、セクハラ防止などで男女が付き合いにくくなったと語る、隆。
また彼は、麻美と元気の事を知らず、二人が気軽な夫婦喧嘩をしていると呑気。
洸稀(波留)を頼りますが、洸稀と環田(市原隼人)の関係にも進展が!
環田は、妻の為に、女性は育児などで多忙になるからと気遣いをしたものの、結局離婚してしまったことを洸稀に相談していました。
元気は、優しく麻美に謝ります。
元気と共に、ビールを飲み、家族のなかの気まずさを共有。
「芽衣ちゃんにはあの後、話して辞めてもらった。仲直りしよう?」
麻美にはその思いが薄っぺらく聞こえて、無視。
美和子からメールで「また会いたい」と通知が。
美和子の家に後日、夕方、会社帰りに訪ねた、向井。
「やっぱごめん、ちょっと待て。俺の事…元カレって言ったのは、シェーバーの彼が忘れられないから?まだ好きなの?」
「少なくとも嫌いにはなってないと思う。でももう過去だよ。シェーバーも送り返したし合ってないよ。」
「なんで別れたの?」
「彼に、結婚しようって言われて…」
「え?どうして…嫌いじゃなくて結婚しようって言われてどうして別れるの?」
「結婚したくないから。」
「なんで?」
「結婚必要ないから、結婚しなくても幸せになれる。幸せなの。」
「ごめんちょっとよくわからない」
「私達なんで10年前別れたんだろうね。」
「あの頃、おれは就職したてで余裕なくて、今はそういう時期だと思い込んでいて、美和子との約束すら破った。そういうのの積み重ねかな」
「それだけじゃないの…あの頃、向井君は結婚を意識していたよね?戸惑っていたよ。その価値観の違いを埋める為に私たち向き合おうとしなかったね。」
「俺、美和子に守るってなに?って言われた事覚えているよ。俺は美和子に不甲斐ないって思われたんじゃないかって…」
「答えてたよ、向井くんちゃんと答えてた。」
10年前ー。
「美和子の事ずっと守ってあげたい!」
「守るってなにから?守るって…なに?向井くん、ねぇ向井くんってば」
「え‥な、なにからだって守るよ…」
「俺そんな風に答えていたんだ。それで?あんまりにバカっぽくて幻滅した?」
「違うよ。」
「じゃあなに?やっぱり不甲斐ないって思った?能天気さに呆れた?」
「違うよ、ダメだこりゃって思った。」
「じゃあなんていえばよかったの。23歳の新卒のガキだった俺に何が言えるの?俺は美和子と結婚したいと思っていたから守りたいと思った。あの当時、美和子はバカにされたとかむかついたかもしれないけど、あの時言ってよ!」
「見下されるなんて思っていない。明確な答えも求めていない。向井君、結婚することが幸せになる方法なんだって思ったら…すごく遠く感じた。」
「じゃあ、なんて言うのが正解だったの?」
「わかんない。わかんないから…一緒に考えてほしかった。もっと私の話も聞いてほしかった。話したかった。守るって結婚ってなんだろうねって一緒に…でも、ああやって笑ってごまかすのも向井君の優しさだってわかっているから、そういう優しいところも好きだった。今私は、あの時、選ばなかったほうの適当な優しさを当てにしてここにいるんだと思う。」
「ずるくない?」
「うん…ごめん。俺はどうすればいい?」
「分かんない…から…このままでいよう?」
美和子は向井に不意打ちにキス。
「ずるいって…」
「嫌いになった?」
「俺が美和子のこと嫌いになるわけないじゃん。」
その後、近所の商店街で揚げ物を売る店員に、うちの息子と会うのはどうかと持ち掛けた、隆(光石研)。
そのことを向井から聞くと、公子は激怒。
「息子の意志も聞かないで、相手に失礼だからね。」
「俺は、息子のために…」
「それはお兄ちゃんの為じゃない。お兄ちゃん、結婚したいとか彼女を探してほしいってお父さんに頼んだの?」
「頼んでない。」
その後、隆は偶々、飲みに行った店で環田と出会いました。
「僕は彼女の為にしてあげたいって思ったことは僕のエゴでした。それで僕は離婚したんですが、元妻は僕とは価値観や生き方が違うって言われてしまいましてね。」
「家に居場所がないみたいで…孤独死はあれだなぁ、一人で死にたくない、嫌われたくない。」
「僕の後悔を言うなら、もっと感謝の気持ちを伝えるべきでは?あとはまぁ付き合っていた頃に掛けていた言葉を口にする機会もなくなっていたかもしれません。」
後日。
向井は洸稀に3500円のうな重を奢って、相談。
「パートナーの友だち程嫌なものはないって以前、教えたよね?」
「どうしたらいいかわからなくて…面目ない。いい年して」
「年は関係ないよ、自分の言葉や結果がどう相手に響くか、読めないことが不安になりもする。」
「美和子にとりあえずここにいようと言われてそうすることにしたんだけど、いつまでここにいればいいんだろうって、美和子が何を望んでいるのか、どこに行きたいのか、行きたくないのか、どこにも行くことができない。」
「向井君の行きたいところに行けばいいんじゃない?」
「俺が行きたいところと美和子が行きたいところが違ったら行けない。」
「臆病だね、でもそれは向井君の優しさだね。ただの優しい人は止まり木として利用されちゃうよ。」
美和子も既婚で子持ちの杉に相談。
「私がいけないんだよ、私がずるいんだよ。みんな強いよね、何か強くないと今の時代上手に生きていけない気がして。スギちゃんみたいにカッコよくなれない。」
「かっこいいかなぁ?」
「私はダメなの。」
向井家で食事をしても、晩御飯は気まずさが。
「地獄の晩餐」を乗り切った、元気、隆、向井。
元気の店へ行く3人。
「俺はさ結婚してほしいんじゃなくて、お兄ちゃんに幸せになってほしいだけなんだ。それが大きなお世話なんだよな。幸せ=結婚が昭和能脳なんだろ。昭和の常識は令和の非常識。難しいんだよ。」
父の言葉に彼の優しさを受け取る、向井。
「あんなデリカシーないけど、みんなが幸せになってほしいと思っているのよ。悪気がないのがうざいのよ。」
「確かにね、元気も同じような感じだわ。」
「だからねお母さんがお父さんを怒るの。それが夫婦の役目、ただの面倒くさい親父だもん。何にも言わないで聞いてあげているお父さんの会社の人達もいる。だからお母さんが怒るの。」
「あめとむち?」
美和子と公子も親子の会話で、隆を思いやります。
「幸せ=結婚じゃない。結婚したら色々苦悩がある。それを乗り越えられるように勧めるかどうか、考えてほしいんだ。」
「俺は数年前の事が今では通用しなかったり、理解していない事いっぱいあるんだ。」と向井。
「まみんが何を言っているか分からない」と元気。
「俺は取り残されていないっていう意識が自分は30代だからって思っているからなのかな。」
「だとするとだ、自分が何をしていないか分かっていないと迷子になる気がする。自分の人生の舵は自分がとらないと…そこだけは譲れないだろう?」
そして、美和子との関係に答えを出す、向井。
「美和子との10年間の思い出に囚われてどこへも行けなかった…。俺はダメだなって思った。美和子はいつまでここにいるの?もう十分俺で休んでんじゃないの?結婚すれば幸せになれるってロジックがわからなかった。俺ともシェーバーの彼とも別れたのは美和子にとって大きなことだよね。」
「なんで女の人は独身でいると、結婚しないと肩身が狭い思いをしなきゃならないの?結婚しないと幸せになれないなんてどうして…父親に囚われているの。結婚って長い者に巻かれている感じがする。私は遠山のおばさんみたいに結婚しなくても幸せになれるって体現したい。結婚を幸せの指標にしたくない!結婚とか子供とか関係ない。私は私の人生を切り開きたい。なのに結局一人でいるのが寂しくて…私だって一人で生きていけるはずなのに。」
「美和子、どっち向いているの?美和子自身がどうしたいかっていうのが抜けていない?美和子の選択肢がないよ。」
「どういう意味?」
「どうしていいか分からないからここにいようと言われてもわからなかった。元カレから今彼に昇格できるかなとも思ったけど全部分からない。美和子が行きたい場所に行くために向き合う相手は…少なくとも俺じゃない。あー、俺には分からない。でもここにいるのは違う。それだけは分かる。だから…もう美和子とは終わりにする。終わりにしよう?」
「…向井くん」
複雑で寂し気な表情の美和子を遺し、向井は涙をこらえて別れを告げるのでした。
こっち向いてよ向井くん7話感想・みどころ
向井が美和子との今の関係にとても疑問を抱く気持ちは共感。
美和子も、父親からの悪気ない価値観の違いと偏見に苦しめられた、恋愛迷子だなって思いました。
自立して人生を楽しみたいし、結婚や子供にとらわれたくない気持ちはとても共感します。
結婚=幸せ、結婚も子供もいない女性は孤独でさみしいなんて美和子の父親、考え方を変えた方がこの先の美和子との親子関係が良好になるんじゃないかな。
でも、そんな美和子、ずるいですよね!
向井に10年前に、「守るってなに?」の答え…「守るって、何にもからだよ」と咄嗟に応えた向井に対し、「ダメだこりゃ」って…。
向井は当時23歳で、美和子との結婚を真剣に考えていた、でも美和子は自分と結婚することこそが「正解」なのか、2人にとっての本当の幸せなのかどうか一緒に考えてほしかったとのこと。
それって、「私の気持ち察して」という女の子が同性に嫌われがちな面倒くさいタイプですね。
でも、向井も美和子も言葉足らずだなと思いました。
そんな2人が、本当の自分軸で生きるがゆえに葛藤し、何が自分にとっても相手にとっても幸せなのかって問題、30代の私にはとてもよくわかります。
向井の父が今日はゲスト。
安定の穏やかで頼もしい父親役が多い、光石研さんの柔らかい空気が最高でした。
息子の為を思って少々、世話焼きがすぎる彼は確かに「うざい」。
でも、根本的には我が子への愛情があって、結婚=幸せではなく、自分の人生の舵は自分で取り、息子にとって本当の幸せを願う温かさに感動しましたね。
そして、心配なのが元気と麻美。
麻美も父親の隆に似た「うざさ」と不器用さを併せ持つ元気をそろそろ許してあげてほしいな。
洸稀と環田の距離感も進み、環田は女性を気遣う優しい人ながら、元妻はなんと、麻美のように、結婚というかたちにとらわれず、自分らしく生きることを優先する人だったとは!
環田は自分が良かれと思ってしてきたことが、価値観の違いを生み、離婚に至ったことを冷静に受け止めていると思いました。
彼にはきっと次の幸せが訪れると思うんですよね、洸稀と。
そして、美和子との10年間に縛られ、元カレと言われ、都合よく利用される男を潔く、また、美和子を傷つけないように言葉も選んで脱却した向井くん。
その後ろ姿は本当に美和子がずっと大好きだった切なさも相まっていましたね。
「美和子はどこへ行きたいの?美和子が行きたいところに行く相手は少なくとも俺じゃない、終わりにしよう。」
向井、成長しましたよね。
彼女との思い出による呪縛と、お互いに「わからない」状態で曖昧な関係を続ける優しすぎる止まり木から卒業した向井を応援したい7話でした。