共演NG特別編あらすじネタバレ
遠山英二(中井貴一)と大園瞳(鈴木京香)W主演の「殺したいほど愛している」。
紆余曲折を経て、クランクアップ。
新たな不倫写真を受け取った是枝(追田孝也)と戸沢(岩谷健司)は内心、ひやひやした気持ちでいましたが、特に報道されることなく、ショーランナーの市原(斎藤工)がもみ消してくれたおかげだと思い込んでいました。
ふと、テレビ東洋に現れたスポーツ関東の記者、中川(橋本じゅん)は、市原に独占インタビューがしたいと申し出ます。
美和(小嶋藤子)は、「ころ愛」のDVD特典として、市原(斎藤工)が制作裏話を語る内容を収録したほうがいいと意見するのでした。
中川はそれを許可し、そもそもの話が市原にインタビューするが目的だったと話します。
市原へのそのインタビューは、「ころ愛」の最終回放送当日に行われることに。
名前がクレジット表記され、企画などすべての責任を担うのがショーランナーの仕事だと語り始める市原。
アメリカではずいぶん前から、「ショーランナー」の仕事は知名度があるとのこと。
かつて瞳と英二が共演した過去ドラマは、市原にとっては名作だったこと、だからこそ、25年ぶりにどんなラブストーリーを演じる2人を見たかったのだとも。
それに対し、話題作りのために、瞳と英二をわざとキャスティングしたのでは?と突っ込む中川。
共演NGだからキャスティングは厳しいと業界側が思い込んでいるだけだ、口では良いドラマを作りたいと言いながらタブーには一切触れない、そこから風穴を開けたかったと答える市原。
今度は、「25年ぶりに2人の車が共演NG製作記者会見の時に衝突した あれは市原が仕組んだことか」と聞く中川。
あれはまったくの想定外だった、でもあの瞬間から既に瞳と英二のなかでは「ドラマ」が始まったと答えます。
制作発表では、自分を含めた記者たちにタブーな質問をさせた真意を問う中川。
共演NGの2人をキャスティングしておいてドラマ以外の質問はNGってそういう忖度こそが「NG」だと思ったからと答える市原。
今度は、瞳が英二と別れて間もなく、記者たちから過去に質問攻めにされた当時の映像を「ころ愛」制作発表時に流したのは何故かを聞きます。
「当時の記者は熱愛報道や破局を騒ぎ立て、マイクをタレントに突き付けた。大園さんはそんな心無い記者たちの行動にただ一人で当時、立ち向かった。あの日を境に大園さんは女優として生きてゆくことを決めたのだと思う。」と市原。
「久しぶりに恋愛ドラマを演じるからその気持ちを瞳に思い出させるためだった?でもそっれだけじゃないでしょ?英二の反応も見たかったのではないか?」と投げかけた中川。
市原は確かにそのケミストリーも見たかったと答えます。
さらに、自分達の過去を制作発表後、舞台裏で当時、お互い愛し合っていたけど別れたことを怒鳴り合って本音を言葉にした瞳と英二。
当時の思い出したくない映像を流され、トラウマを思い出した瞳と、映像が流れ、困っている瞳をフォローした英二。
中川は、あの制作発表で主演2人を市原が晒し者にしたのも同然だ、瞳と英二が「ころ愛」を降板してもおかしくない状況だったと突っ込みます。
寧ろ役者魂に火がついたとでもいうのか?
市原は相変わらず落ち着いた口調で言葉をつづけました。
「制作発表で苦い経験をし、尚且つ、制作発表終了後の舞台裏では、お互いに当時から本気で愛し合っていた本音をぶつけ合った英二と瞳だからこそ、再び2人が共演する、こんなにワクワクするドラマは見るほうも演じるほうもないのではないかと思った」
なぜ、英二と瞳だけでなく、他のキャストまで共演NGのメンバーを集めたのかも明らかに・・・。
「ショーランナーの仕事は料理人に似ていて、料理を作る時は一切、妥協しない 最高の料理を提供する。”主役”というメインディッシュはもちろん”前菜”から”デザート”まで全て」
それに対し、中川が、「食い合わせがまずい食材もあなたという料理人の手にかかれば美味しくなる?」と突っ込みます。
「例えばかつて師弟関係の出島と小松は?」
小松と出島が共演すれば、衝突は先読みしていたはずだ、ましてクランクインの大事な日に役者としての価値観をぶつけ合い、現場の空気が凍った当時を振り返る中川。
「あの2人が共演すれば何かしら起こると想定の範囲内だった でも出島も小松も心底憎み合ってはいない、お互いのプライドが邪魔しているだけにすぎない それは大園瞳と遠山英二も同じだ。」と淡々と答えた市原。
市原は瞳と英二、小松と出島には似通った部分があることを見出していたのです。
次に、中川は、佐久間純と篠塚美里の不倫を知っていてわざとキャスティングもしたことを問います。
正直にそれを認めた市原は、「犯罪でない限りスキャンダルとドラマは無関係 自分の信条」とのこと。
さらに、中川はあくまでも推測だと前置きし、初回のラストシーンでキスまで当時、撮影しておいて、視聴率が伸びなかった 焦った市原が話題欲しさに自分に佐久間と美里のことをリークしたのではないか?と追及。
市原に中川が連絡し、りりこ(瀧内公美)とも連携をとっていたこと、市原が喉から手が出るほど視聴率を欲していました。
そもそも、美里と佐久間のことは他の週刊誌が先に目を付けていたけれど、それが世に出る前に中川に情報提供をして、「ころしたいほど愛している」での被害を最小限に食い止める必要性があったと答えた市原。
世間は大騒動になったし、美里と佐久間も撮影時に過呼吸を起こすなど現場が混乱したことを思い出す中川。
美里と佐久間を救うには、かつて熱愛スキャンダルで痛い目をみた瞳と英二しかいなかったと答える市原。
実際、英二と瞳は佐久間と美里をフォローし合いました。
さすがに4人そろって記者会見するのはやりすぎでは?と当時を振り返る中川。
それに対し、市原は「美里と佐久間は犯罪を犯したわけじゃない、そんな2人を社会から抹殺しようとする風潮だからこそやりすぎだと思っている。遠山は瞳との過去の恋愛スキャンダルで美里と同じ思いをさせてしまったことを引きずっていていつか取り戻したかったのでは?」
出島が登場し、必死で美里と佐久間を助けようとするものの、無力な英二をフォロー。
梓(小野花梨)も、小松(堀部圭亮)いがみ合っていた共演NGアベンジャーズたちが撮影現場のギスギスした関係から一変して、和解し合った結果になったのです。
今度は、出島の病気を知っていてキャスティングしたのでは?と追及する中川に対し、市原は、出島に病気があることを知っていたなら最初からキャスティングしない、寧ろ、出島が自分の役で演じる最期の姿を演じたいとの要望を受け入れたと答えます。
市原に、間宮と瞳がかつて、英二の後に交際関係だったことを知りながらキャスティングした真意を問う中川。
間宮の登場で役柄ではなく、本当に3人の関係に変化が起きたことを思い出したと言葉を続けます。
最終回の英二と瞳の雨のラストシーンは、瞳と英二が「演技」をしていると思えなかった、あの場面は、2人の25年ぶりの本音だったのではないか?と最後の質問を市原にぶつけた中川。
「あなたがこのドラマで本当にしたかったことは、かつて殺したいほど愛し合っていた瞳と英二がお互いの気持ちを復活させ、それを話題にしたかったのでは?」と突っ込みます。
市原はそれに対し、「瞳と英二の本当の過去はドラマとは一切無関係。2人が久々に共演してまたお互いの気持ちが私生活で戻ることなど期待していない」と答えました。
中川はさらにまだどうしても聞きたいことがあると前置きします。
「あなたは共演NGばかりのキャスティングなのに対し、なぜころ愛を作りたかったのか?」と。
「日本のドラマを変えたかったからです。ここ数年配信系メディアを通して優れたコンテンツが多い 日本のドラマは遅れている そしてその差は今後もますます広がることでしょう 脚本、キャスティング、業界のしがらみ、あらゆる忖度や制約が邪魔をして優秀なクリエイターが挑戦できずにいる それを全て取り除いた状態で革命を起こしたかった テレビ東洋は弱小なテレビ局だけど、テレビへの愛がある局でもあります。真の革命は愛によって導かれるというチェ・ゲバラの言葉を意味しているテレビ局だからだ」と、「ころ愛」制作の真意を話し終えるのでした。
瞳と英二はそれぞれ新しい仕事が決まり、空港での別れ際に、お互い、心のどこかで「殺したいほど愛していた」気持ちを確かめ合い、悪態をついて別れたあの日・・・。
2人には「過去も今も好きだった」気持ちを大切にして、お互い認め合って別れたのです。
そして、後日・・・。
「殺したいほど愛している」の最終回放送まであと8時間・・・ネットで「ズバッている」ほど、視聴者の期待の声が多数みられました。
是枝(追田孝也)と戸沢(岩谷健司)は池田(岡部たかし)と梓(小野花梨)の不倫写真を捨てようと2人で密やかに相談。
その写真は、急に「ころ愛」撮影現場で、戸沢に渡してほしいと髪の長い女性から佐々木(森永悠希)に託された写真でした。
佐々木は髪の長い女性が池田の妻だったことを2人に話します。
「ころ愛」の撮影中に飲みに行ったときに酔いつぶれた池田を家にタクシーで送ったことがあって、その時、池田の妻、さやかに会ったことを思い出したのです。
そして、最終回放送まであと8時間なのに、池田と梓の騒動で最終回が放送できるかわからない状況にあたふたする楠木、佐々木、戸沢、是枝なのでした。
共演NG特別編感想・みどころ
出島と小松、瞳と英二は、役者としてのこだわりや価値観を強く持っていて、お互い心底、いがみ合っているわけではないのに、会うとプライドなどが邪魔をしてお互いに突っかかる話し方をしてしまうのは納得ですね。
市原はショーランナーとして、「最高の料理」を提供する為に、抜かりなく、頭がさえていると思います。
英二と瞳、他の共演NGアベンジャーズたちの様子を1話の回想シーンを振り返りながら、市原がいかにして「共演NG」という作品に特別な想いがあるのかが伝わりました。
橋本じゅんさん演じた中川の質問攻めがとにかく濃厚で、本当の記者のように見えました。
毒が入っていて、市原の腹を探ろうとしている目や、言葉選びをしていて、本日のエピソードが「特別編」として1話で完結しないのでは?と錯覚してしまいました。
市原が仕掛ける罠が生々しすぎて、でも逆にそこが「共演NG」だったキャストたちを繋げ、自分達の過去を振り返り、衝突しながらも役者として、精神的な面で前向きになっていく様子が伝わりました。
ラストは市原に気持ちよく製作裏話を終えた戸沢、楠木美和、佐々木たちが池田夫妻と梓のトラブルが殺人未遂に発展したことを知り、急きょ、「ころ愛」が放送できるかわからない危うい状況に動揺する場面で終わりましたね。
瞳と英二もそれぞれの別の仕事をする姿勢でいて、尚且つ2人のマネージャーのしおりと野本は新婚で子供も生まれて温泉へ・・・。
特別編は市原が如何にして、練って、キャスト達の深層心理を理解した上で、「ズバッた」作品に仕上げていく職人魂が伝わった特別編でした。
この後日談は残念ながらテレビ放送ではなくて、有料配信サイトパラビなのが名残惜しいですね。