ライオンの隠れ家9話あらすじネタバレ
愛生(尾野真千子)とライオン(佐藤大空)がペンションから連れ去られました。
「ライオンがいません。ライオンがいません」
美路人(坂東龍汰)はパニックを起こし、状況を理解した洸人は慌てて、直江港のフェリー乗り場へ向かいますが、いませんでした。
すぐにXこと、柚瑠木(岡山天音)に連絡しました。
「橘祥吾が連れ去ったみたいです。」
「分かりました。落ち会わせます。」
洸人(柳楽優弥)から、2人がいなくなったと連絡を受けた柚瑠木(岡山天音)。
新潟のフェリー乗り場で愛生たちが降りてくるのを待ち構えますが、そこに現れたのは祥吾(向井理)の息がかった樺島(後藤剛範)でした。
「危ねぇだろ!そこどけっつってんだ。そこどけってつんってんだろ」
「2人を降ろしてください」
柚瑠木は立ち向かいますが、父親から母親と共に、虐待を受けていた影響で、パニックを起こしてしまいました。
一方、洸人はライオンが別れも告げずいなくなったことに困惑する美路人(坂東龍汰)にどうやってペンションから今すぐ出ようと説得するか、思い悩みます。
「みっくんすぐにここを出よう」
「ライオン、どこに行きましたか?まだお別れ行ってないです」
「ライオンはお父さんと一緒に帰ったみたい」
そして、ライオンが忘れていったぬいぐるみがありました。
「これを一緒に届けに行こう。ライオンにぬいぐるみを届けに行こう」
「はい」
美路人を納得させた洸人は、美路人と共に佐渡嶋を出ました。
その頃、祥吾のいる旅館へ樺島(後藤剛範)に案内された、愛生とライオンこと、愁人(佐藤大空)。
「お帰り、愁人、疲れただろう」
ライオンに声を掛ける省吾ですが、父親からのDVの影響で怯えていました。
「どういうこと?話がしたいんだけど」
樺島が訪ねてきた時、愛生は必死に息子を守ろうと身を徹して、樺島から庇います。
「祥吾さん、離婚従っているから一度会ってほしいそうなんです。」
柚瑠木を恫喝したとは思えないくらい、普通の声のトーンで愛生に連れ去る事情を説明した、樺島。
「君と愁人に手を上げて悪かった。先に書いてくれ。どうしてあんなことになったのか自分でも分からない」
「あなたと出会えて愁人が生まれて思い出ができたからあなたを責めて訴えようと思わなかった。偽造死を選んだのは最後に残った愛だったんだと思う。」
愛生はその後、柚瑠木に電話しました。
「もしもし、橘です。夫と離婚することを条件に、一時的に戻ってきました。でも離婚届を出す条件に、最後に家族で過ごしたいということで離婚届を出すまでは戻れません。何かあったら連絡します。柚瑠木さん、本当にありがとう」
柚瑠木に今まで助けてくれたお礼を言う、愛生。
その頃、地元に戻った祥吾と美路人は、かすみ(入山法子)の店へ。
そこには、フリーになった記者の工藤楓(桜井ユキ)と、天音悠真(尾崎匠海)も着ていました。
「無事が分かって良かったですね」
「そうですね」
「でも最後に時間がほしいってなんすか。せめていい父親で終わりたいってことなんすかね」
天音は、祥吾の心境を推測しようとしていました。
「まぁいざ離婚ってなったら迷いが出るもんなんだよ」
「いやいや工藤さん別れる夫婦の気持ち分かんないでしょ」
「私バツ2だよ」
「マジすか」
「そのプライドは安全ですか?安全ですか?」
「大丈夫、ライオンはママと一緒にいるから」
「はいどうぞ。愛生さんって亀ヶ谷と橘都市建設の怪しい繋がりは知ってるの?」
「詳しくは知らないと思います。」
「橘都市建設というよりは、橘祥吾は亀ヶ谷議員の件で絡んでいるっぽいっすよ。」
「うーんいち平社員が政治家と繋がってるの?」
「そこには複雑な事情があるみたいなのよ」
「複雑な事情?」
「橘祥吾は児童養護施設出身で、会社の後を継ぐために橘家の養子に引き取られたの。でも、橘春一は、病弱で入院していたんだけど、お兄さんの春一さんが病気から回復して、どこにも居場所はなくなったみたい」
橘祥吾が、ストレスの多い環境で育ったことに同情しながら、洸人は複雑な心境でした。
職場復帰する洸人は牧村美央(斎藤飛鳥)と共に、ライオンがこっちで暮らしたほうがいいのか、もうすぐ、ライオンが小学生になることを話しました。
「なにメモってるんですか?」
「もしライオンと姉がこっち来た時に受けられる支援ないかなって」
「あ、ライオンくんの保育園調べました?」
「春から小学生なんだよね」
「じゃあ貞本さんのお子さんと同じところは」
「ライオンがこっちに住むかわからないだけど」
「こっちの人キャラ濃いですよね」
「それ僕も入ってる?」
「私なんて5人兄弟にもまれて逞しく育ちました。」
「みんなで一緒に住む…悪くないな」
その頃、愛生たちは、祥吾から昔行った公園に行かないかと提案されました。
「良かったね、愁人。洸人が持ってきてくれたのかな」
「洸人とみっくんにまだお別れ言ってないよ」
「ママがパパとお別れしたら連れて行ってあげる」
愛生はそっと、息子を安心させるために囁きました。
そこへ、祥吾が入ってきたので、慌ててライオンのぬいぐるみを隠す、愁人。
「愁人、明日、遊園地化動物園に行かない?ああ、昔3人で行ったところは」
居場所が分からないまま、小森家に戻るしかない洸人と美路人。
このまま元の2人の生活に戻ってしまうのか、悶々とした感情を処理できずにいました。
美路人はライオンの件で、職場での仕事も進みません。
しかし、洸人が迎えに行くと、観光のシンボルになる絵を描く1000人の画廊の一人として大きなオファーがきました。
「みっくんがその中の一人に選ばれたのですが、旅の疲れもあってか、描きたくないとのことで。みっくんのペースに合わせてゆっくりとご検討いただければ」
しかし、美路人は大きな仕事を引き受ける気がありません。
ライオンがいないことでストレスを抱えていました。
寅吉(でんでん)の店で夕食をとる、洸人と美路人。
「そうか。離婚したらこっち来るんだろ。会える良いな」
その頃、愁人は距離感はぎこちなくも、祥吾にお茶をあげました。
「自分でやる」
「パパの…」
「ありがとう」
祥吾は息子にしたことを改めて反省しました。
しかし、翌朝、祥吾は離婚届を出す寸前の愛生は、祥吾からとんでもない頼みをされました。
親権の記入欄を書く際、母親の愛生が愁人の親権を持つことを訂正しました。
「愁人は僕が育てる。愁人には二度と手を上げたりしない。ここに置いて行ってくれ」
「はぁ?そういう問題じゃないでしょ」
しかし、祥吾は無視して離婚届を出しに行こうとする愛生の腕を掴みました。
「僕には血の繋がった家族がいない。君には弟がいるじゃないか。僕には血縁がある家族は、愁人しかない。…頼む」
「そんなことできるわけないでしょ」
「愁人の親権を譲らないなら離婚はできない」
その頃、刑事の高田(柿澤勇人)は、松脇奈美子という愛生のダミーで殺された亀ヶ谷議員の元秘書と、樺島が付き合っていることを知りました。
その話を、かすみ(入山法子)の店で話していると、かすみから提案がありました。
「亀ヶ谷議員のパーティーです。ここに、橘祥吾も来る」
愛生は祥吾の頼みを全力で断りました。
柚瑠木は愛生に電話を夜、かけるものの、愛生は祥吾から、暴力を受けて、地下室に閉じ込められました。
翌朝。
愛生と祥吾を助けに、柚瑠木と連絡を取り、愛生と愁人を助けに向かいます。
「向こうでなにかあったはずです。あんな人間に対して手を緩めるべきじゃなかった。橘祥吾は、相手の自由を奪い、支配下に置くことで愛情を保とうとする人間です。最低の人間です。家族に依存することでしか自分を保てない最低な男です。」
「最低、誰でもそうなることがあるのかな。僕も弟の為って言いながら、結局は僕も自由を奪ってきたような気がしてそれもある意味弟への依存なのかなって」
「違います!あなたとは違います。彼のいない間に動きましょう。」
「これは?」
「偽造死を計画した時に作った橘祥吾の家の合鍵です」
工藤楓と、天音悠真は亀ヶ谷議員のパーティーへ潜入。
「あの、私、フリーの記者、工藤と申します」
「その前にこれ外してもらえませんか。2人だとここだと何なので」
「これ、亀ヶ谷議員の秘書、松脇奈美子さんとあなたですよね?」
「知らないな。」
「警察にこの事を報告するので」
「あんた調子乗ったな」
しかし、樺島は暴力的な気質で、楓の首を絞めて、車で連れ去ろうとしていました。
運よく、高田が現れ、楓を助けました。
祥吾はパーティーを体調不良と言って欠席し、代わりにパーティーには春一が勤めることに。
洸人は、祥吾の家に行きます。
「愛生の弟ですよね?」
「姉とライオンを迎えに行きました。」
「あなたには関係ないでしょ」
「関係はあります。家族なんで」
「家族…」
「僕にとっては大事な家族です。もうこれ以上2人の幸せを奪わないでください。」
「あなたが言う幸せってなんですか?愛生が愁人を幸せにできると思ってるんですか?私のほうが経済力もあって環境も整えてあげられる。愛生は思い付きで行動して警察沙汰になるような無計画な女ですよ。そんな奴に僕の息子は任せられない」
「でもあなたは2人に暴力を…」
「僕はただ2人に安心して暮らしてほしい」
「愁人は僕の子なんだ。僕には愁人しかいない」
「あなたがどんな大層な人間か分かりませんが、何の覚悟があって言ってるんですか。こういうことはやめてもらえますか?どうぞお引き取り下さい」
洸人は、祥吾から経済的な格差をつけられ、洸人は彼に言い返す言葉も出ません。
洸人は自分の無力さに打ちひしがれて、柚瑠木と共に失意を感じました。
美路人は先に職場を出て、1000人の画廊の港にいました。
クラクションを悔しさに鳴らす、柚瑠木。
「昔ここ何もなかったのにね」
「色んな絵があります」
「ごめん…ライオンと一緒に帰ってこれなかった。」
「帰って来れなかった?ライオンはいつ帰ってきますか?」
「もう会えないかもしれない…」
「なぜ、会えませんか?」
「みっくん、ごめん」
洸人は自分の無力さに打ちひしがれて、泣いてしまいました。
これまでの蓄積されたストレスも重なり、洸人は涙を流し続けました。
「なんで謝るんですか?お兄ちゃんは何も悪くありません」
「ごめん…ダメなお兄ちゃんでごめん。」
「し、深呼吸します。吸って吐いて、吸って吐いて吸って吐いて」
「描きます」
兄を慰めた後、美路人は画廊の仕事を受け入れることにしました。
ライオンの隠れ家9話感想・みどころ
洸人と柚瑠木は、祥吾から愛生とライオンを助けようと動き出すものの、彼はもうなんという寂しい人間でしたね。
孤独で、誰もいないことでの焦りや不安は少し、共感できる部分がありました。
それでも、家族に執着し、支配下に置きながら、思い通りにしようとする行動は許せません。
離婚届を出して、冷静に話し合うかと思いきや、彼の根本的な加虐性のスイッチは、愛生に家族がいること。
またしても、支えてくれる家族というものがどういうものか分からない彼は、コンプレックスを愛生に刺激されたように感じたのでしょう。
愁人の身にも彼の牙が向かないか本当に不安です。
洸人はそんな祥吾にも寄り添うように接していて、本当に愛のある人だと思いました。
祥吾からライオンこと、愁人を育てる環境について経済的格差をつけられましたね。
愁人を育てるにあたって、どちらが最適かで立ち止まってしまう洸人に胸が詰まりました。
市役所務めで、障害のある弟と暮らす自分には愁人をどこまで幸せにできるのか悩みますよね。
相手を論破し、弱みを見つけて物を言ったり、愛生のことを身勝手な女だと罵る祥吾は、根っからのモラハラ気質。
人を立場で下げることでしか、自分を保てない悪い意味での弱い人間ですね。
ラストで、ライオンに会えないストレスから立ち直れなかった美路人が、兄の初めてこぼす弱音を聞き、前を向く背中に勇気づけられました。
洸人に深呼吸するように優しく手を添える美路人は洸人が思っているよりも、大人になっていましたね。
小森兄弟と愛生と愁人、そして、祥吾にも凪のような生活が送れることを願いたい9話でした。