まんぷく 第107話のあらすじ
これまで無闇に即席ラーメンの麺を作り続けていた立花萬平は、息子・源の指摘を受け、麺の勉強をするために図書館へ行くことを決めた。
萬平は、麺に含まれる水分保有量を低くし、グルテンとデンプンをα化する方法習得する。
一方、モデル・木ノ内秀子に触発され画風が変わった香田忠彦。
神部茂を除く他の家族は、何の絵かわからない新しい絵に首を傾げるばかり。
そんな香田家に、塩軍団だった岡幸助と森本元がやって来た。
2人は今井鈴に会いにきたと言うが、本当の目的は吉乃だった。
まんぷく 第107話の感想
ラーメンを完成させることができないのは勉強が足りないからではないかと源に指摘された萬平さんは、麺の勉強が必要であることに今頃気がつきました。
源や幸に注意するように、福子に図書館に行って麺の勉強を注意してもらった萬平さんは、翌日、図書館へと向かいました。
図書館から帰宅した萬平さんは、勉強してきたことを福子に報告します。
生麺を茹でるとコシが出て、もちっりとした状態になるのは、麺に含まれているグルテンとでんぷんがα化するからだということを萬平さんは知りました。
しかし、福子には何のことだかさっぱりわかりません。
福子でなくても、ちょっとわかりにくい…。
私達の身近なものでα化するものと言えば、お米。
お米を炊いてご飯となった姿が、グルテンとでんぷんがα化された状態だと萬平さんは教えてくれました。
それを知ったうえで、今、萬平さんの問題になっているのは、麺の水分量でした。
麺を茹でα化すると、麺に含まれる水分保有量が30%から50%以上にあがってしまい、乾燥時間を長くしてしまっているのです。
では、麺を茹でずにα化するためにはどうしたらいいのか。
麺をα化するためには、もうひとつ方法があありました。
麺を蒸すこともα化することだと萬平さんは学んだのです。
蒸すと水分保有量は30%からほとんどあがらず、また数値も低いため、乾燥時間は短くなることを萬平さんは知りました。
萬平さんはすぐに、麺を蒸す作業に取りかかりました。
麺を4分無視、福子は麺とスープエキスを混ぜ合わせます。
蒸す作業は萬平さんがしていたのですが、熱々に蒸された麺を萬平さんは触ることができず、福子が代わりに混ぜ合わせる作業をしました。
そんな手の離せない忙しいところに鈴がやって来ました。
鈴は、福子が最近顔を見せていなかったので様子を見にきたのです。
でも、恐らく、香田家の事件を話したくてしかたなかったのでしょう。
香田家では、秀子のことが原因で克子と忠彦さんに離婚の危機が迫っていました。
でも、秀子は忠彦さんの新しい才能を開花させただけに過ぎず、それ以上のことは何もなく、離婚の危機は過ぎ去って行きました。
結果的ですが、事件と呼びたいのは、秀子が「夢のマンボ」に合わせて突然踊り出したことです。
そして、それに触発され自分の殻を破った忠彦さんは、すっかり画風が変わってしまいました。
鈴も克子もタカもさらなる新作に首を傾げていましたが、とても素敵な絵だったと感じます。
鈴は、香田家の事件をひととり話し終えると、萬平さんの即席ラーメンの研究の進捗状況について福子に尋ねました。
萬平さんは、今まさに、麺を常温で保存できるまで乾かすという工程に入っていました。
でも鈴は、乾燥した麺にお湯をかけてラーメンにするなんて考えることができませんでした。
鈴は、スルメに水をかけてもいかに戻らないと言います。
言われてみれば、同じ乾燥でもスルメはいかに戻りません。
それほど、即席ラーメンは想像ができない商品でした。
付き合いきれないといった雰囲気で鈴が帰って行くと、福子と萬平さんは麺が乾くまでのぽっかりとできた時間を利用して、久しぶりに2人で商店街へと出かけることにしました。
どうやら、福子の出勤時間と重なったようで、萬平さんは意外にも、初めてパーラー白薔薇に足を踏み入れます。
いつも福子から話を聞いていたマスターとしのぶさんはとても嬉しそうです。
しかし、前日に即席ラーメンを完成させるという歴史的な日にはならなかったので、マスターは残念そうです。
萬平さんは福子が働く姿を見るのも初めてでした。
萬平さんは何だか複雑そうな顔をします。
そんなところに世良さんがやって来ました。
世良さんはマスターのライスカレーがお気に入りのようです。
世良さんは萬平さんに即席ラーメンの進捗状況を尋ねます。
身近な人間で、世良さんだけは、相変わらず即席ラーメンには大反対でした。
世良さんは萬平さんのことも応援し、発明の才能があることも実績があることも十分に知っていました。
しかし、即席ラーメンには需要も市場も、勝算もないと現実的なことを萬平さんに言います。
さらに、スルメにお湯をかけてもイカに戻らないと言うのです。
ついさっき鈴が言ったばかりなので、こんなに身近に同じ例えをする人がいるとは、思わず声に出して笑ってしまいました。
福子も驚きはしたけれど、きっと可笑しかったのではないでしょうか。
世良さんにそれだけのことを言われても、萬平さんは傷つくことなくラーメン作りを止めないと宣言します。
萬平さんには自分が作ったラーメンを美味しそうに食べている人達の顔がもう見えていたのです。
世良さんはそれを妄想だと言いますが、萬平さんを信じる福子、マスター、しのぶさんと3対1で押され気味です。
マスターは、ライスカレーを汚く盛り付けるといった奇襲をかけます。
一方、香田家では、帰宅した茂は忠彦さんの新作を見ると、見てるだけでウキウキする気分になると高評価を出し、忠彦さんを喜ばせます。
忠彦さんは“ウキウキする気分”になる絵を描き、それが茂に伝わっていたので、一層、嬉しそうでした。
確かに、この“ウキウキする気分”というのは「夢のマンボ」のウキウキとしたリズムに繋がるところがあると感じます。
そんなところに、なんと、岡さんと森本さんがやって来ました。
吉乃には2度と会わせないと言ったからには、茂もそんな簡単に迎え入れません。
何しに来たかと聞くと、2人は鈴に挨拶に来たというのです。
2人が鈴に会うのは9年ぶりのことでした。
しかし、2人の目的は鈴ではなく、吉乃だと茂ははっきりと言います。
鈴も克子もタカも、吉乃本人も何のことかはわからないけれど、2人を夕食へ誘いました。
さて、夕食時、一体どんなことになるのでしょうか。
そして、どんなことになったのか…、乾かした麺。
乾かした麺は前よりもパリパリになり、いい音がしました。
さらに、現代の即席ラーメンに近づきました。
乾いた麺にお湯をかけ、3分待ちます。
3分という目安を萬平さんはどうして思いついたのか。
この3分というのが、現代にも引き継がれているのかと思うと、この思いつきは素晴らしい思いつきではないでしょうか。
果たして、グルテンとでんぷんはα化され、麺にもお湯にも味が付いているのか。
できあがり具合は明日のお楽しみとなりました。
あれは恐らく成功に違いありません。