まんぷく 第90話のあらすじ
池田信用組合の借金の担保となった立花家の売却準備が始まった。
萬平は梅田銀行に出向き、担当者に話を聞いてもらうことにした。
その内容とは、理事長職をと引き換えに、組合員から融資金を取り立てず、池田の産業発展を梅田銀行が続けて欲しいというものだった。
まんぷく 第90話の感想
担保の売却準備が始まりました。
福子は、トシちゃんの前でだけ「本当は恐い」と涙を流しながら弱音を吐きます。
組合員から融資金の回収をするという噂も立ち、生産開始の見通しが立たない、約束していた融資はどうなったと、織田島製作所の社長達は焦りを見せます。
しかも、萬平さんの姿が見えないことから、見捨てたのかとさえ言う始末。
これまで萬平さんの何を見てきたのでしょう。
萬平さんのことをそんな風に言うなんて、憤りと悲しさが込み上げます。
もちろん、萬平さんは行方をくらましたわけでなく、自分のことよりも組合員を心配し、梅田銀行へと向かっていました。
さすがにこれだけの大きな騒ぎになると、茂の耳にも立花家が差し押さえになった話が入っていました。
どうやら、萬平さんのことを大好きな茂に話せば大騒ぎになると話していなかったようです。
萬平さんのこととなるといてもたってもいられない茂に反し、忠彦さんは、福子は肝が座っていると言いますが、本当の福子のことを身内の誰一人も知らないどころか、気づいていないのはなんだか寂しいことです。
立花家では質素な食事で、福子と鈴、子供達が食事を取っています。
話題は子供達と鈴が一緒に暮らせないということでした。
鈴は、自分がいたら邪魔になるから克子の家に行くと言いますが、福子は子供達相手にも関わらず、鈴は借家が嫌なのだと正直に話します。
このままでは福子と鈴が揉めてしまいそうというタイミングで電話が鳴りました。
嫌な予感がすると鈴が言いますが、そう言うのも仕方ありません。
立花家にかかってくる電話はいつも良くない知らせばかりでした。
しかし、今回ばかりは違いました。
電話の主はパーラー白薔薇のマスターからでした。
妻のしのぶさんががぎっくり腰になっているところに、沢山のお客さんが押し寄せているので、福子に手伝って欲しいという依頼でした。
出来ればもう1人手伝いが欲しいと言うので、福子は鈴を連れて行くことにします。
一方、梅田銀行に出向いた萬平さんは、頭取・副頭取・担当役員に話を聞いてもらえることになりました。
しかし、3時間ほど待つようにと矢野さんから言われます。
バカにしているのか?、そんな風に思わざるを得ませんでした。
さらに、自分を飛び越えて頭取に話をしたいだなんて気分がいいものではないと嫌味のようなことを言われる始末。
矢野さんで話が済むなら萬平さんだってここまでするはずがありません。
3時間には萬平さんも驚きましたが、組合と池田町の将来のために、その時間まで待つことになりました。
場所はパーラー白薔薇に戻り、鈴はやる気満々でウエイトレス業をこなしていました。
福子のことを心配したトシちゃんが来てくれました。
さらに、立花家の差し押さえを聞いたのか、世良さんも心配をして来てくれました。
鈴のことを「お母さん」と呼ぶ世良さん。
そう呼べるほど、世良さんとの付き合いも長くなりました。
世良さんはウエイトレスが似合っていると鈴に言いますが、鈴は「世を忍ぶ仮の姿」と返します。
パーラーを手伝うにあたっても、武士の娘なのに女給は嫌だと言っていたばかりです。
世良さんは尋常小学校時代からの知り合いが借金の申し入れの代わりにくれたという中国明朝時代の皿を萬平さんのために持ってきてくれました。
換金すれば5,000円になると言います。
鈴は、借金のかたに置いて行ったのなら偽物に違いないと言います。
その勘は当たりました。
ぎっくり腰であまり動けないはずのしのぶさんがやって来て、まじまじと皿を見ます。
なんと!、パーラーの戸棚からもその皿が出てきたのです。
それはデパートの安売りで売られていた皿だったのです。
世良さんも騙され残念ではありますが、萬平さんが憲兵に捕まった時に、ただラーメンを食べただけとしらを切ったことを思い出すと、萬平さんを助けたいと思う気持ちがあるだけで嬉しい限りです。
マスターはその皿に山のようなライスを盛ります。
この大変な時に笑いを誘うシーンでした。
そして個人的に、山盛りのご飯を観て、RAMAIというスープカレーのお店のキンタマーニというライスのことを思い出しました。
ひと時心が和んだ後、シーンは梅田銀行へと戻ります。
萬平さんは、頭取・副頭取・担当役員の前で、不況であろうと頑張り、伸び代がある企業が池田にあることを知って欲しいと話します。
そのためには融資金の回収はできません。
萬平さんは理事長職を退任し、融資金を取立てない、梅田銀行から新理事長を派遣という条件を提案しました。
萬平さんが理事長だから池田の産業が伸びてきたと思うのですが、今は梅田銀行に有利な条件を与え、組合を残し、池田の産業を伸ばしていくことを優先に考えたようです。
これからの組合を梅田銀行の思うままにしていいという条件で、果たして、融資金の取立てをしないという条件を飲んでくれるのでしょうか。
これからも融資が継続される保証がないのも不安です。
博打のような萬平さんの決断が梅田銀行をどう変えるのか楽しみです。
そして、どうか矢野さんが改心してくれますようにと願うばかりです。