未来への10カウント

未来への10カウント8話 桃介(村上虹郎)と桐沢(木村拓哉)それぞれの苦悩と再生

未来への10カウント8話あらすじネタバレ

松葉台高校ボクシング部で№1の実力がありながらも、素直になれない性格が災いし、桃介(村上虹郎)。

一方、これまでの人生で様々な辛酸をなめていたコーチ、桐沢(木村拓哉)が静かに発した言葉に触発されたボクシング部員たち、あかり(山田杏奈)、伊庭(高橋海人)、友部(佐久本宝)、玉沢(坂東龍汰)らは桃介ともう一度向き合うことに。

しかし、不貞腐れて学校を出た直前、桃介は倒れてしまいました。

病院に連れて行った桐沢(木村拓哉)と、葵(満島ひかり)は、医師の長谷川の診断結果、桃介は脳動脈瘤があり、破裂の危険性を伴っていること、ボクシングを続けることは彼自身の命に危険がある状況だと知らされました。

まだ高校1年生の彼に降りかかる思いもよらない災難に、心を痛め、葛藤する葵や桐沢。

すぐ、ボクシング部の生徒たちに西条の病気のことについて話しますが、玉乃井、あかり、西山、伊庭、友部などはもう一度、桃介と一緒に頑張りたかったとやるせなさを口にしました。

桐沢は、自身も網膜剥離でボクシングを引退した経験から、西条がボクシングを続けたい気持ちが痛いほどわかっていました。

しかし、生徒たちには「現実を受け止めろ、生きていりゃこうゆうこともあるんだよ」と厳しく突き放すしかありません。

一方で、桐沢は亡き妻、史織(波留)の兄、井村和樹(石黒賢)の後押しでかつてコロナの影響で閉店をせざるを得なくなった焼鳥屋を再開するかどうかの決断にも頭を悩ませている桐沢。

そんななか、翌日。

西条は明るく振舞い、笑顔を浮かべ、演劇部に入部したことをみんなに伝えます。

早々と切り替える桃介の様子が気がかりな桐沢や葵、そして、部員たち。

ボクシング部のみんなにせめて、挨拶ぐらいはしてほしいというのです。

葵は、若くして大病を患い、命の危機に直面しながら生きている西条が明るく振舞って現実を受け止めようとしていることを理解しなくてはならないと諭します。

桐沢は練習に集中できていない生徒たちに自分を信じて、インターハイで勝つことだけに目を向けてほしいと叱咤。

「俺を信じろって桐沢先生、言ってたけどな・・・」

「もう桃介君のことは忘れようよ、最初からいなかったと思えばいい、今できることに集中しよう」

生徒たちも桐沢に叱られた後、何とか気持ちを切り替えようと悩みます。

翌日。

元あったお店の近くに焼鳥屋として使えそうな建物がある、と桐沢の焼鳥屋の常連客だった大須賀と、亡き妻、史織の兄、井村から焼鳥屋を再開する話を受けます。

大沢の好意や、井村が桐沢を思っての思いやりに、葛藤する桐沢ですが、1週間以内に「やきとり大将」をやるかどうか決めてほしいとのこと。

ボクシング部のコーチと、仕込みから何から完全に自分で準備しなきゃならないこと、「やきとり大将」を再開すれば、コーチを辞めなくてはならないことで悩んでいました。

その心の鬱屈をボクシングにぶつけ、甲斐のボクシングジムでストレスを発散する桐沢。

芦屋(柄本明)の元を訪ね、状況を説明した甲斐ですが、芦屋は折れません。

桐沢は自分にとって息子同然で、期待している、桐沢は自分の夢を叶えてくれるような存在だと強調する芦屋。

相変わらずの圧力に反論できない甲斐と、夫をなだめる麻琴の母、珠江(市毛良枝)。

そんななか、両親と甲斐の会話を聞いていた麻琴(内田有紀)は、子供の頃から抱えていた我が子の自分よりも桐沢を大切にする父親への複雑な気持ちをお酒で紛らわせました。

そして、科学教師の間地(八嶋智人)や、猫林共闘(生瀬勝久)、英語教師の大野倫子(富田靖子)、数学教師の日比野(馬場徹)、保健体育の坂巻(オラキオ)がいる飲み会で、愚痴を吐いて泣き出しました。

必死で教師たちは、校長のありえない変貌ぶりに対応し、子守唄を歌って寝かせました。

翌日、麻琴は泥酔した失態を覚えていません。

桐沢は麻琴に、焼鳥屋のオファーを受けていること、ボクシング部のコーチは本来は教職員がやるものだからという規定なので、そこを何とか自分が引き続きやることを許してほしいと頼みました。

しかし、桐沢は規定だからダメだと断ります。

内心は、桐沢が父に気に入られていて、自分が大人になっても父からの愛情に飢えている鬱屈がくすぶって見え隠れしているのでした。

残されたメンバーで、京明高校へ挑むことになったのですが、西条がみんなをのぞき見していることに気づいた桐沢。

西条の体調を気にかけ、血管のこぶは大きくなっていないものの、激しい運動は無理と医師の長谷川に言われたことを告げる西条。

「コーチ・・・なんで俺なんや、なんで俺やねん。ボクシングできひんってなんでや・・・演劇部なんか楽しくないわ、女の子とちゃらちゃらしとるだけや、ボクシング部に戻りたいです」

本音をついに告げて、泣き出す西条。

そこで、桐沢は自身が網膜剥離でボクシング部を辞めることになった自身の過去と重ね合わせ、西条の気持ちに共感。

「どうにもならないことが人生にはあるんだよな、どうしたって抗えないことが、俺はそれを何度も思い知らされたよ、生きていく意味も分からないくらいに・・・ボクシング部のコーチになるまではな、救ってくれたのは部員のみんなだし、お前もだよ。この年になって学んだよ、人は何があっても立ち上がり、希望を持つことができる。お前にはまだまだ時間が残っているんだよ、まだ聞いたことないだろ?試合終了の10カウント」

「時間がたてば、このくやしさはなくなる言うんですか?」

「時間が解決するんじゃない、この時間の中で誰かに出会って、自分で何かを変えていける。今はいいよ、腐っていて。泣きたかったら思い切り泣けばいい、でも絶対に自暴自棄になるな、西条桃介!お前ひとりじゃないからな!」

西条は桐沢の優しさが身に染みて、自分の現状に苦悩し、泣きながら帰宅。

その後、桐沢は葵の一人息子、圭太(川原瑛都)のサッカーの相手をし、愚痴をこぼします。

焼鳥屋とボクシング部をどうしたらいいか迷っているのに、生徒に偉そうな態度をとってしまったと反省。

そんな彼に、圭太は無邪気で大人びた返答をします。

「大人がいろいろ大変なのはわかるよ、でも僕8歳だから。なんか小腹が空いちゃった」

偶然通りがかった焼鳥屋で、彼にねだられて、焼鳥を食べる桐沢と圭太。

圭太が「ねぎまのネギなら美味しいじゃん焼鳥なら。」という言葉に、桐沢にある考えが浮かびます。

伊庭(高橋海人)は、西条を誘い、一緒にハンバーガーを食べます。

西条に、リングの上で京明高校の練習試合で、告白して振られたことを話す一方で、西条の現状を気に掛ける伊庭。

「西条、お前演劇部辞めるのか?」

「これから演劇部辞めるのか?」

「本当にボクシング続けたいなら、帰宅部に戻るんじゃなくて、ちゃんとやれよ」

桐沢は焼鳥屋の件で井村に電話し、彼の中で答えが出ました。

「決めたよ・・・店をやる。非常勤講師もボクシング部のコーチも続ける。朝早く起きて仕込みして、5時半までに部活やって夕方6時に店をやりたい」

麻琴は桐沢の体の負担を心配しますが、桐沢は公民の授業を非常勤講師として展開し、生徒たちを勉強に夢中にさせます。

ボクシング部のコーチとして放課後は指導に当たります。

ふと、西条が演劇部を辞めたことを報告し、ボクシング部のみんなと同じように激しいボクシングはできないけれど、桐沢のサポートとして、練習相手になると頼みました。

「俺は裏方に徹する、京明に勝ってインターハイにみんなが出るには俺が必要や・・・コーチのサポート役にさせてください、お願いします」

西条のことをあかり、伊庭、玉乃井などみんなが今では受け入れてくれて、温かい空気が生まれました。

生徒たちが帰宅した後、葵と桐沢は西条のことを部員たちが思っていたことを話し合いました。

「高校生の生徒たちのこと、ジェネレーションギャップですね、わかんない時がありますよ。桐沢さんだってそう、桐沢さん人見知りあるし・・・」

「人見知りではないですよ、あの、うちでご飯食べていきませんか?圭太に焼鳥をおごってくれたこともあるし」

「あんなの大したことないですよ」

結局、桐沢は葵の家で、葵の妹、楓(滝沢カレン)や葵の息子、圭太と夕食を食べることに。

楓が圭太を寝かしつけてから、桐沢と葵はワインを2本開けて楽しみます。

「桐沢さん、私、好きになっちゃいました・・・ボクシング。頑張ってるあの子たちを見たら、最初はコーチやるの嫌だったけど、だんだん応援したくなって。君はなぜテニスをするのか?なぜサッカーをするのか?は成立しないけど、君はなぜボクシングをするのかは成立する。だって相手のことを恨んでいるわけでもないのに本気で殴り合うから。ボクシングは文字通り叩き合うけど、サッカーやテニスとは違うよね。でも、でも・・・美しいんですよね、ボクシングって。見ていて、ああ美しいなぁって思っちゃう。自分がこんなに変わるとは思わなくて、どうしてこの子たちはボクシング部にいることがわからなかったけど、殴り合うこと、殴ることで打ち勝つことをみんな知ったんだなって、だから桐沢さんこのままコーチを続けてください、1年で辞めるなんて言わないで?」

「実は、焼鳥屋を再開することにしたんです。助けてくれる人がいてもう一度頑張ってみようかなって思って」

「ちょっと待って、ちょっと待って・・・コーチは?」

「非常勤もコーチも焼鳥屋も続けます」

「良かった・・・良かった・・・お店はいつから?」

「準備やもろもろあるし」

「私、食べに行きます。ほんと、桐沢さん最初会った時と全然違うわ。さっき、圭太にやったゲームしましょう?私自身あるし」

桐沢と葵は互いを見つめ合うゲームをします。

「桐沢さん、お願いが・・・圭太の、お父さんになってもらえませんか?」

なんと、次週は最終回!桐沢はどうなる?!

未来への10カウント8話感想・みどころ

桐沢と西条は出会うべくして出会ったコーチと生徒なのかもしれません。

今日の8話は、桐沢が抱えた過去の痛み、かつての桐沢と同じように病気が原因で、ボクシングを続けることができない西条が今感じている痛みがひりひりと前半は伝わってきました。

しかし、桐沢はボクシングのコーチを続けたいという思いは捨てきれず、コーチ、焼鳥屋、非常勤講師の3足のわらじで奮闘。

桐沢の誠実で一生懸命な頑張りの背中を見守りたくなりますね。

桃介も高校1年生にして、脳動脈瘤を抱え、自暴自棄になりつつあるものの、同じ痛みを持つ桐沢の「お前は一人じゃない!この時間のなかで誰かに出会って自分を変えていけばいい」という言葉に突き動かされ、前に進めて良かった。

ボクシングをして体を動かすことはできなくても、自分の置かれた状況を受け入れて、桐沢のサポートにあたって、松葉台高校ボクシング部のみんなを支えていく頼もしい仲間になった西条にも希望が見えた瞬間ですね。

麻琴がなぜあんなに頑なにボクシング部で桐沢を解雇させたいか、京明高校に打ち勝ち、学校の評判を上げることに必死すぎるのか内面性が見えてきましたね。

麻琴は父親、芦屋の愛情不足、厳格な父が我が子である自分には目もくれず、桐沢ばかり息子のようにかわいがるので、子を持つ親であり、妻になってからも麻琴の中では大人だからこそ、少女時代には言えなかった不満や複雑な葛藤がため込まれてしまったのでしょう。

父の愛情を独占しているように見える桐沢に嫉妬している麻琴が、泥酔して他の教師に愚痴を吐いている様子は切なかったです。

あんな日頃から怒鳴り散らして空気を悪くし、娘よりも息子を望んでいた芦屋も、もう少し家族の気持ちを考えてほしいものですね。

そして、ラストでは桐沢と葵の距離が一気に縮まり、葵がほろ酔い姿で、桐沢に「圭太のお父さんになってもらえませんか?」と本音を告白する様子は可愛すぎました。

正直、芦屋と麻琴のモヤモヤから解放されて、2人の恋が一気に急上昇するドキドキ感を楽しめました。

葵というか、酔っている満島ひかりさんが可愛すぎてあんなウルウルしたほわっとした視線で見つめられたら恋の沼に落ちますよね。

桐沢は新しい家族と前に進むのでしょうか?しかし、桐沢の体にも異変が!最終回は寂しいけど、桐沢と松葉台高校の生徒たち、葵などそれぞれの出会いと別れに注目の8話でしたね。

data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">
data-ad-format="rectangle" data-full-width-responsive="true">

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください