未来への10カウントあらすじネタバレ
高校時代にボクシングで4冠を達成する輝かしい功績を打ち立てながらも、その後は度重なる不運に見舞われ、今では完全に生きる希望を桐沢祥吾(木村拓哉)。
彼は、ピザの配達アルバイトで食いつなぐ一方、「いつ死んでもいい」と口にする日々を送っていました。
そんな彼は、なんとか元気づけようとしていたのが、高校時代に桐沢とともにボクシング部で汗を流した親友、甲斐誠一郎(安田顕)です。
バーで前日、ジャッキーチェンとブルースリーの話をした甲斐と桐沢。
だが、あの頃とはまるで人が変わり、頑として明るい未来を想像しようともしない桐沢。
毎日、何もない一日を生きていると愚痴をこぼし、いつ死んでもいいと人生に希望を見いだせないでいるのです。
彼の今後を本気で心配した甲斐は母校、松葉大高校ボクシング部の元監督、芦屋賢三(柄本明)に会いに行こうと朝、電話で提案。
芦屋はかつての桐沢と甲斐は2人のコーチで、今は胃癌で胃を半分切る手術を受けて、引退。
妻の珠江(市毛良枝)と2人暮らしで、桐沢に母校のボクシング部の監督になってほしいといきなり頼んできました。
もちろん、本人は至って後ろ向きですが、芦屋から土下座までされた桐沢。
むげに断ることができず、監督ではなく、「臨時コーチ」として母校に舞い戻ることになりました。
松葉台高校は今や、昔と違って東大合格者も出す進学校。
生徒の水野あかり(山田杏奈)と、西城桃介(村上虹郎)はボクシング部の生徒を集めようと奮闘するもののうまくいきません。
芦屋が監督を辞めてから、ボクシング部は見る見るうちに弱体化していたのです。
しかも、校長の大場麻琴(内田有紀)は部活承認に必要な部員数を満たしていないことを大義名分に近々、ボクシング部をつぶそうと画策。
そんななか、突然、顧問に任命された折原葵(満島ひかり)も、ボクシングに対する思い入れや知識がまるでありません。
結婚して大場麻琴(内田有紀)となった桐沢の母校、「松高」の校長は、なんと監督である芦屋の一人娘でした。
教頭の猫林(生瀬勝久)や、折原葵(満島ひかり)と会う桐沢。
ボクシングの廃止を検討している麻琴ですが、厳格でボクシング部をずっと監督として支えてきた父、芦屋と口喧嘩が絶えません。
そこで、一時的な「臨時」コーチとしてボクシング部の生徒たちを5月いっぱいまで限定で指導することに。
その矢先、桐沢がかつて4冠を達成した人物だったと知った部長の伊庭海斗(高橋海人)、ボクシング部唯一の女子部員、あかり(山田杏奈)、2年生の玉乃井竜也(坂東龍汰)、友部陸(佐久本宝)、マネージャーの西山愛(吉柳咲良)らが挨拶。
古文講師の葵は、ボクシング部の顧問ですが、ボクシングの知識はゼロで、シャドーボクシングすら知らない様子。
彼女に呆れつつも、ボクシング部のあかり、玉乃井、伊庭、友部、西山はなぜボクシングに対して情熱を感じられないメンバーばかりです。
かつてボクシング部の顧問だった間地真実(八嶋智人)はボクシングの知識ゼロな葵に顧問を交代させた張本人。
不満を訴える葵ですが、間地はどこ吹く風です。
ボクシング部の生徒たちは図書館でスマートフォンや学校に置いてあった新聞記事を通して、桐沢の学生時代のボクシングの功績を知り、驚愕。
やる気のない彼をコーチとしてボクシング部を成長させるため、利用しようと結束。
その後、ボクシングジムを経営している甲斐を訪ねた桐沢。
今のボクシング部の生徒たちは、漫画に憧れたとか親に運動しろと言われたとか甘えたことばかり言っていて、一人、あかりだけが強くなりたいと言っていると愚痴をこぼします。
話をひとしきり聞いた甲斐はボクシングに対して意欲も情熱もない桐沢に苛立ちを感じます。
そこで、公開スパーリングを申し込みますが、やる気のない彼を見て「リングの上で腐ってんじゃねぇよ!」と一喝。
実は網膜剥離の症状があることや、妻(波留)をガンで亡くしたことがきっかけで、ボクシングへの情熱を失っていた桐沢。
桐沢のつらい過去と今の状況を友人として熟知する甲斐は、コーチの芦屋に電話。
その後、娘の麻琴は怒り心頭でいつまでもボクシングにこだわる父、芦屋と大喧嘩に。
我が子よりも学校の生徒の方が可愛いのかとたしなめつつも嫌味を言う妻、珠江(市毛良枝)に対し、「何を言っているんだ!当たり前だ!」と怒号を上げる芦田(柄本明)。
どうやら、麻琴と芦田の溝の原因は、生徒ばかりに目を向ける様子や、妻や娘に対して気に入らないことがあれば威張る態度が原因でした。
結婚して家を離れた麻琴は、父の性格や、ボクシングへの執着に日頃からうんざりしているので、桐沢は5月限定の臨時コーチであることを伝えて、怒りのあまり電話をすぐ切ります。
ビルの屋上でのピザ屋のデリバリーを届ける桐沢は、質の悪い不良グループに絡まれます。
頼んだピザの注文は合っているものの、わざと頼んでいないと因縁をつける不良たち。
脱力し、彼はやられっぱなしの後、喧嘩の仕方を不良グループに教えて、ピザの代金を受け取り、帰宅。
翌朝、桐沢は松葉高校へ行き、ボクシング部の生徒たちと向き合うことに。
そこで、1年生の生徒にスパーリングを桐沢に見せてほしいと懇願し、伊庭(高橋海人)は、桐沢に自分の相手になって対決してほしいと申し出ました。
手加減して勝負の相手をするものの、伊庭は本気で勝負を挑んできました。
自分たちは本当に強くなりたいと言って、熱心にぶつかってきました。
そこで、伊庭のお腹に少し強烈なパンチをお見舞いした桐沢。
思わず手加減なしだった瞬間に葵は反論するものの、伊庭は桐沢の技に感動して、初めてボクシングができたと歓喜。
結果、肋骨にひびが入っていたため、葵に責められる桐沢。
しかし、玉乃井や友部、あかり、西山は葵に自分たちが無理やり桐沢に公開スパーリングを頼んだから、今回の件は校長に報告しないでほしいと頭を下げます。
ところが、顧問として報告義務があるので学校へ行き、教頭の猫林にまず伝えようと言いよどむ葵。
桐沢がいないと困ると懇願する生徒たちを思い出す桐沢。
しかし、校長室へ案の定、呼び出されてしまいます。
そんな彼を見かけた教員の一人、坂巻勝夫(オラキオ)は桐沢を以前どこかで見かけたことを考えていました。
校長室に呼び出されたものの、桐沢はコーチ料として時給2500円で指導することを猫林と麻琴から報告を受けるのでした。
そして、ボクシング部に来ると、1年生のニューフェイスが。
江戸川蓮(櫻井海音)、天津大地(阿久津仁愛)、森巧己(大朏岳優)の姿がありました。
桐沢は、ボクシング部の部員の人数が満たしたことをきっかけに、彼ら1年生と、あかりや伊庭など上級生の本格的なコーチに就任。
そんな彼らの姿に「あおはる」だと涙を浮かべ、そんな彼女に、「青春?」と聞き返す桐沢。
優しい人柄の彼女とボクシングに熱を持っていた男、桐沢の再生と希望の始まりです。
未来への10カウント1話感想・みどころ
妻をガンで亡くし、網膜剥離でボクシング界から去った桐沢。
彼がなぜ、意欲やボクシングへの情熱を無くしたか前半は見えず、人生を終わらせたいぐらい、自分がいつ死んでもいいと思うぐらい無気力になっている何かがあるとは思いましたが、壮絶ですね。
しかし、桐沢はもともと持っているボクシングの確かな実力を武器に、ピザアルバイト先の不良グループにやられっぱなしのふりをして、のちに戦い方を教える予想外の行動。
彼をずっと身近で見守ってきた甲斐の厳しさと内面に秘めた温かさ、ボクシング部の生徒たちの「強くなりたい」という思いを見て、ぎこちないけれど、桐沢のなかで少しだけ何かが芽生えた瞬間は今後、楽しみです。
ボクシング部の生徒たちは、伊庭とあかり以外は、親に運動不足を指摘されたり、漫画に影響されたなどあまり物事に真剣に取り組もうとしない気だるさがあるところを感じました。
伊庭とあかりが、強くなりたい理由が絶対、奥深いというか生き方を変えようとしている情熱が匂わせで伝わってきます。
とくに、あかりは、護身術と葵はさらっと受け流したけれど、自分の身を守りたいという理由とボクシングを続けたい何かに、どうか家庭内での虐待が絡んでいないことを願いたい。
伊庭のボクシングで自分自身を変えたいきっかけが気になりますね。
ボクシング部のコーチとなった桐沢にとって、頭を殴るスポーツであるボクシングに反対する桐沢の母校の校長、麻琴。
父の芦屋が「娘よりも生徒が可愛い」という妻の珠江への横暴な発言や、麻琴は父親にしつけと称されて頭を殴られることがあったのかなって思いました。
あくまで推測ですが、ボクシング部を廃部にして進学校にしたいと思う麻琴の背景に親子の確執があるのは確かです。
桐沢はボクシングの知識ゼロで、なおかつ、ボクシングに興味を持ち始めた日和見がちな顧問、葵。
葵の「あおはる」発言とそれを「青春?」と突っ込みを入れる桐沢の掛け合いが笑えました。
桐沢が、それぞれ何等かの理由を抱えた弱小ボクシング部をどんな姿に成長させていくことができるか次回も楽しみです。