ミステリと言う勿９話あらすじネタバレ
整（菅田将暉）は天達春生（鈴木浩介）に招かれて参加したミステリ会が行われている山荘にて、幼い頃の整に出会った恩師の美吉喜和（水川あさみ）が、心療内科医をしていた時期に患者からストーカー被害に遭った挙句、その山荘の暖炉前で殺害された痛ましい過去を知りました。
喜和だけでなく、患者も夾竹桃（きょうちくとう）の毒性の煙で死亡。
最近、都内でもストーカーによる連続殺人が発生していると言う風呂光に、整は山荘に来る前、天達から「参加者の中に一人だけ嘘をつく人物がいるから見てほしい」と頼まれたことを話します。
すると、風呂光は天達から整と逆のことを頼まれて、ミステリ会に参加していることを告げます。
整と風呂光は喜和の事件に裏があると睨むのでした。
翌朝、目が覚めた参加者たちは、雪かきをします。
ふと、喜和が死んだ日も雪かきをするほどの景色だったと振り返る天達。
整が天達にその詳細を尋ねると、天達は第三者の侵入の形跡はなかったけれど、雪かきをした後があって、喜和が殺される前に何らかの後処理をしたのだと思っているとの事。
ふと、風呂光はみんなの様子を何者かが覗いているかのような視線に気付きましたが、自分の胸に秘めることに。
そんなとき、風呂光は夾竹桃の枝が数本折れていることに気付きました。
雪かきを終え、整と風呂光がガレージ道具を片付けていると停電が発生し、電動シャッターが開かなくなり閉じ込められてしまいます。
整は橘高勝（佐々木蔵之介）がガレージに張ったテントの中から懐中電灯を持ち出して、利用。
ここで風呂光と会話しているうちに、整はまだミステリ会は完全に終わっていないし、誰かが自分と風呂光をわざとここへ閉じ込めたのではないかと推測。
風呂光が天井にぶら下がる電灯をつけようと踏み台に乗りますが、背が小さい彼女は無駄でした。
整は山荘に繋がるドアを天達に開けてもらい、解放されます。
停電の原因は送電線が雪の重みで切れてしまったためでした。
復旧は夕方までかかりそうとのことで、整、風呂光、橘高、「アイビーハウス」の家主、蔦薫平（池内万作）、デラ（田口浩正）、パン（渋谷兼人）らとりあえず昼飯を食べることになり、天達は整がカレー作りが得意だと口にします。
そこで、整はカレー作りを頼まれました。
参加者を観察する整は、ある異変に気付きます。
まだゲームが実行されていると指摘し、ワインをみんなで呑まないほうがいいと言い出す整。
また、「ミステリ会」で嘘をついている人は橘高だと指摘。
冬以外にしか来ていないならマットはいつもある、マットがあった時を知っている彼に違和感があるとのこと。
話をするとき、複数回鼻を触っている橘高は、心理学的に嘘をつく行動である「ピノキオ効果」があることを指摘。
風呂光も、５年前の喜和の事件に過剰反応して、天達を庇っていたことを追求。
橘高はまるで現場を見ていたような口ぶりだったとさらに追及する整を否認。
さらに、巻き戻したいとまで言っていた・・・その意味深な言葉に深い理由が隠されていると言葉を続けました。
「巻き戻したいと思うことは犯行は泊められるってことですよね。橘高さん、自分の行動の何を変えたいですか？」
事件当日。
喜和から橘高のオフィスに電話があったのです。
若宮という人で用件があり、喜和は若宮のことを橘高に伝え、「若宮」と名乗る人物に喜和が山荘にいることを教えてしまったのでした。
もしかしてそれがストーカーだったのではないかと考えを巡らせ、橘高は急いで山荘へ。
喜和と犯人は既に死んでいました。
５年間、喜和が亡くなった原因を作ったことを後悔して言えなかった橘高。
途端に蔦は「裏切り者」と怒りをぶつけます。
ミスを隠そうとしていて、自分の足音と同時に雪かきをして、犯人の足音まで消してしまったのでした。
そして天達は、橘高が何か隠していると思い、ミステリ会を開いたとの事。
最近、ストーカー事件が多発している話題になり、パンとデラは自分達が西東京署の刑事だと正体を名乗りました。
デラの本名は奥寺、パンの本名は小麦です。
さらに2人は、喜和の事件の関係者が、橘高だと事前に調べていました。
橘高に常に同行していたパンとデラは橘高を見張っていたのです。
天達はそれを知った上で2人を招待していたので、思わず憤慨する橘高。
実はストーカー事件の件で、犯人に被害者の居場所を教えている人がいて、橘高が趣味の小旅行で買うストラップを買った日と重なるのです。
橘高は5年前、喜和の死や親の介護によって趣味が楽しめないことを含め、ストレスがたまってストーカーを利用。
ストレス以外にもう一つ動機があると言う整。
橘高さんはみんなを夾竹桃を燃やして、みんなを殺した後、自分の足跡が残らないようにして去る
さらに、自分の存在を知られない為に帰って、暗渠を使って山を下りれば、橘高さんは山荘に存在していないことになる。
携帯電話を家に忘れたのも、わざとでした。
最後に、爽竹桃を利用した男女混合の殺人事件のニュースを「ミステリ会」の時に話題にしたのも、「予行練習」だったとの事。
警察に問いただされても家にいることになるし、天達が妻を５年前に亡くしたことでみんなを巻き込んで心中しようと計画していたとの事。
「橘高がそんなことをするはずがない、お前は誰だ」と激しく怒る蔦。
「天達にはざまあみろって思ったんだよ。あんないい女と余裕がある。付き合って、成功して・・・それに蔦だって俺が親の尻拭いている間に、道楽三昧。」
介護で心の余裕がなく、仕事にも身が入らなくなった橘高は、天達や蔦に露骨に嫉妬していました。
橘高は本来、精神的ストレスの犠牲者で、ケアが必要な人だった。
本当に悪いのはストーカーで、橘高さんは犯罪に巻き込まれた犠牲者。
橘高は天達や蔦に殺されるのではないかという思い込みの恐怖を抱いていたことも指摘。
「みんながお前を殺すわけないだろ」と天達や蔦。
橘高は整の寄り添う繊細な優しさに思わず大きな涙をこぼすのでした。
その後、そんな彼に寄り添う天達と蔦は、認知症で1人家に取り残された橘高の母の面倒を見ることに。
温かい友の存在にようやく救われ、更生の為に警察へ逮捕されていく橘高。
風呂光は事件解決の報告を青砥（筒井道隆）と池本（尾上松也）に報告。
彼らから、整と一晩過ごすうちに恋をしたのでは？とからかわれ、セクハラだと憤慨する風呂光。
翌朝、風呂光は偶然、倒れたライカを目撃。
よく整と一緒にいるライカを知る風呂光は、池本と青砥の指摘通り、自分でも曖昧な感情で整のことが異性として気になっているところを痛感。
慌てて、ライカを介助した看護師たち。
そこで看護師の一人が「千夜子さん、千夜子さん」と呼び掛けていることに違和感を感じる風呂光。
その頃、整はようやく事件解決後にカレーライスを味わい、上機嫌。
次週、ライカの悲しい秘密が明らかになりますが、予告編から涙が止まらないほど意味深です。
ミステリと言う勿れ9話感想・みどころ
親の介護に時間を奪われ、何もかもできなくなって、趣味を楽しめないだけでなく、5年前には大切な人の死を自分が原因で防げなかった橘高の後悔が伝わりました。
元々、優しい男性だったはずの橘高は生活環境のストレスと５年前に恋心を寄せていた整の恩師、喜和の居場所をストーカーに教えてしまったことで、彼女を亡くすきっかけを作った罪悪感にずっと苦しめられてきたと思います。
整が言うように、全てはストーカーが悪い・・・橘高は悲しい犯罪に巻き込まれてしまったことを口にした際、心が詰まりました。
もしも5年前の喜和のことを天達や蔦に話していれば、仲間と一緒に談笑して、ミステリ会も賑やかで思い出話に花を咲かせるような状態だったでしょう。
喜和のことでずっと心の傷を負い、彼自身も介護で精神的に追い詰められ、自分自身を失ってしまったことで新たな事件が起きようとしていたところを防げたことが救いです。
ミステリ会の中では唯一の常識人で、蔦の行動に天達を庇うなど正義感も持ち合わせていた彼が悲しき黒幕だったとは。
明るく無理をして振舞い、人に甘えることができない生活を続けていた橘高ですが、天達や蔦が橘高の高齢の母のアフターケアをしてくれることにも、橘高が前へ進むきっかけになると良いですね。
今回は誰かの命が失われることなく、整の冷静で穏やかな推理で、切ない終わり方で解決。
ライカと偶然、事件解決の翌日に対面した風呂光。
倒れたライカは看護師に介助されている間、千夜子と名前を呼ばれ、彼女が自分には「千夜子」という姉妹がいると嘘をついていたことに気付いた場面・・・ライカの過去がそれだけでも闇深いことが少し匂わせですよね。
過去作の「炎の天使」でも、ライカは炎の天使と名乗る香音人と下戸に親の殺害を依頼した可能性があるんですから。
次週の予告編では思わず目を背けてしまいそうなライカの核に触れる部分が！
次回も目が離せない9話です。
