ミステリということ勿れ１話あらすじネタバレ
立ち入り禁止のテープが張られ、どこまで事件が発生。
そんななか、秋に、大学生の久能整(菅田将暉)は、朝から自宅アパートでカレーを作っていた。
カレーは好きな整は、野菜にこだわりながら楽しく料理をします。
そこに、アパートの大家が大隣警察署の刑事、藪鑑造（遠藤憲一）と池本優人（尾上松也）を連れて現れました。
昨夜１０時に行動を藪に問われた整は、１人でカレーを作っていたと答えました。
すると、藪は付近の公園で寒河健（藤枝喜輝）の遺体が発見されたことを整に伝え、警察署に任意同行を求めます。
整は藪、そして、青砥成昭（筒井道隆）の聴取を受けました。
公園で殺害された寒河江は整と同じ高校の出身で同じ大学に通っていることが判明。
整は寒河江とは大して親しくなかったので、詳しいことは分からないと答えました。
さらに、寒河江が殺された時刻に整と争っているのを見た目撃者もいます。
そのため、整は容疑者となってしまったのでした。
しかし、藪たちの追及には淡々と無実を訴え、目撃情報も本当に自分なのか、刑事は自分を疑うのなら、警察が見た自分は服装をしていたか？と理屈を並べて返していきます。
やがて、整は明日も取り調べに応じる条件で解放。
刑事の風呂光聖子（伊藤沙莉）に預けていた携帯電話を返してもらいに行った整は、彼女がワードで退職届を打っているのを目撃。
そこで、上司から、「ペットロスぐらいで休むな、甘えるな、これだから最近のお嬢ちゃんは」と理不尽な叱責をされている彼女がペットロスであることを知ります。
また、池本が間もなく父親になるという話も整の耳に入りました。
翌日、整が警察署に行くと、藪から指紋をとるように命じられた風呂光と池本が取調室にいます。
パソコンのログインが当初、うまくいかず、苦戦するものの、なんとかログイン。
整は池沢から、風呂光のペットロスの件を知り、彼女を言葉でフォロー。
ペットは自分が死なれる姿を風呂光に見られたくなかった、だからこそ、風呂光の知らないうちにペットは亡くなっていたのではとそっと寄り添いました。
さらに彼は自分の祖母が亡くなる寸前の出来事を少し話してから、風呂光の飼い猫も自分の亡き祖母も、大切な人の前で弱いところを見せずに亡くなったのではないかと独自の持論を展開。
猫の習性だけでなく、風呂光のことを信頼していたからこそ、風呂光の知らないところでひっそりと終生を迎えたと指摘。
池本にも間もなく出産を迎える妻への労わりをアドバイスしました。
ごみを出す時、几帳面に分別をする池本の妻。
そんな妻の体を労わり、ごみ捨てはゴミを集めるところからスタートして分別して袋を取り換えるなど作業が一人で行うのも苦労することを伝える整。
池本の服装の乱れを指摘し、妻と仲直りすることを指摘しました。
藪はそんな整が犯人に違いないと青砥に告げます。
取調べ室三日目、整は所内での立ち位置に悩む風呂光に希望を与えました。
彼女自身が、捜査一課のなかで、女性蔑視を藪や池本などから受けていることに苦戦していることを指摘。
風呂光は自身は昔からずっと雑用係やいじられキャラ的な立場で生きてきていて、自分の存在意義に葛藤していました。
男の警察でキャリアがあるといえば、隠ぺいなどが多いことがある、その環境のなかで、１人女性の刑事がいることは、藪や池本がやりにくいだけだと優しくアドバイス。
警察の悪事に加担していないからこそ、鉄の結束が乱れ、どれだけ虐げられても集団で闘わない女性刑事の生きづらさを指摘。
だからこそ、個人だとおじさん刑事たちに排除されがちだが、男性刑事が警察内で不正をしないか見張れる存在が、風呂光なのではないかとフォロー。
「あなたはあなたのままで良いんですよ」その言葉に風呂光は少し背中を押されたような気持ちになりました。
そこに藪が来て、寒河江を殺害した果物ナイフが発見され、整の指紋が検出されたと伝えました。
藪は強引にも整の家宅捜査することを開始。
なぜか整は自分の家を家宅捜査されることを嫌がるので、ますます怪しむ藪。
ふと、青砥（筒井道隆）から、藪が妻と息子をひき逃げ事故で亡くしたことを知りました。
犯人は未だ不明。
一方で、青砥がえん罪事件で人からネットで叩かれていた過去の闇を指摘。
連続幼女誘拐事件の犯人だと思われていた人物はえん罪だったのです。
それでも、青砥は犯人は自分が逮捕した人物であると未だに信じている模様。
ここで、整は、AとBという架空の人Cという第３者が目撃していれば、AにはAの真実が全て、BにはBの真実がある、真実は人の数だけある、でも事実は一つだと持論を再び展開。
家宅捜査から戻った藪は整に、寒河江が裕福なことを整が妬んでいたのではないかと指摘。
整のパソコンからは、寒河江からお金を借りていた借用書のデータが見つかったのでした。
整は否認し、寒河江の家は確かに裕福ではあったが、彼が人気者だったことは気にしていたと伝えました。
帰り道、風呂光は池本が妻と仲直りしたことを知り、ホッと胸を撫でおろしました。
池本はそれまでゴミを細かく分けて捨てたりなど、家事を妻ばかりに押し付けていた自分を反省。
家事に協力的になった結果、妻と和解できたとのこと。
風呂光は整の優しさに触れ、彼が罪を犯すとは思えないと口にするのでした。
翌日。
警察に出頭した整は、風呂光と池本に対し、誰かが自分に罪を着せようとナイフを盗んだ可能性もあるから、協力してほしいと言い出しました。
ついでに住んでいるマンションの大家の件も調べてほしいと頼みました。
玄関の窓も鍵も異常なしで、大家も人を入れたことがない結果が。
整に彼女や恋人がいて、その犯行の可能性も指摘する池本と風呂光。
それに対し、整は彼女も友人もいなくて、快適に過ごしていることや、１年前に合鍵を作っていたことを伝えました。
もしかしたら自分の合鍵を何者かが持ち去った可能性がある、自分の鍵を拾ったのは誰なのか捜査してほしいと頼むのでした。
またその日は逮捕されず、家に帰された整。
しかし、風呂光が捜査した結果、整が１年前に作った合鍵を拾った主は予想外。
ふと、取り調べのなか、３年前の学生時代の夏、寒河江が免許を更新したことを切り出した整は、その時期に、藪の妻子が寒河江によってひき逃げで殺されたことを言い出しました。
それは図星で、藪と池本と風呂光、青砥は絶句。
さらに、藪が整を最初から犯人にする為にはめていたと指摘。
凶器の果物ナイフが見つかったマンションには、口煩いおばあさんの住人がいて「そこ」じゃなくて、「あそこは」と口をすべらせたこと、家宅捜索の時、整の家に押入れとパソコンがあることを知っていたのは藪一人。
すなわち、整の家に入ったことがあったからこそ知っていた情報。
寒河江が３年前の夏、藪の妻子を殺したことを知っており、藪に協力していたことや、藪が整を犯人にする為に、彼の家から果物ナイフを持ち出したことや、犯人しか知りえない状況を指摘。
藪は寒河江を殺し、３年前の復讐を果たしたのです。
青砥は藪に彼がした罪を口にするなと止めますが、藪は真実を話しました。
藪は青砥を見に、整の大学に行った時、整が大学の敷地内で落とした鍵を拾った藪。
降板に鍵を届けてから、鍵の型をとり、その鍵で整の家に侵入して、コンビニ袋と果物ナイフを盗み、ノートパソコンに証拠を保存。
そして、整に無実の濡れ衣を着せたのです。
青砥を殺した日、藪を煽り、「どうせお金が欲しいんだろう」などと心ない発言をした彼を感情的に刺しました。
青砥は寒河江が素直に罪を認めたのなら、そのまま逮捕をするつもりだったと言葉を続けました。
そんな藪を精神的に追い込むように言葉で静かに畳みかけました。
恐らく藪は家族を顧みず、仕事に没頭したこと、仕事をしている時だけはイキイキしていて、忙しさを理由に家族と向き合うことを避けていた、さらに、家族が亡くなった後、現実と向き合うことがなくて、２人の死に目に病院にすら駆けつけなかったと言葉を続けました。
藪が「自分達を殺してくれた犯人である寒河江を俺が殺したことは天国で喜んでくれるはず」と言った言葉を全否定。
怒りを整にぶつける藪に対し、自分は結婚も子育ても経験はないが、藪の息子の気持ちを思って言っていると反論する整。
寒河江は模試の成績が下がったことで免許を父親に取り上げれたこと、さらに、免許を取り上げられていました。
さらに、彼は学生時代の先輩にお金を脅し取られた挙句、車も勝手に乗り回されていた事実判明。
つまり、３年前の夏、寒河江の車で、藪の妻子をひき逃げしたのは寒河江の先輩でした。
そのことを風呂光が特定し、藪は無実の人を殺したことに顔面蒼白。
整は寒河江が実際どんな人間だったかは分からない、ただ一つ言えるのは裕福であることを鼻にかけず、恋人もいて友達もいて、充実した自分を学校では演じていたのではないかと推測。
藪が綺麗な服を着ていたことや、彼のネクタイピンに誕生石のトパーズがあることを指摘した整。
「お子さんが好きな食べ物をお仏壇に備えていますか？奥さんがきっと生前から身の回りの服装を気遣ってくれたんでしょうね？仕事に情熱を注ぐのではなく、生前、ご家族が好きだったものを知っていますか？犯人を逮捕し、刑事として仕事を続けることよりももっと大切なことに時間をかける必要があるのではないかと思います。トパーズには探し物という意味があるようです。今のあなたに本当に必要なことを探してください。」と言葉を続けました。
整の言葉が心に刺さり、藪は泣きます。
やがて、整は完全に釈放され、池田、風呂光、青砥は、長い時間取り調べを受けさせたことを謝りました。
整の言葉に影響され、自分を見つめ直すことにした池田、風呂光、青砥。
整は釈放され、学校に行っていないことや、食べ損ねたカレーライスのことを気にしながら家路へ。
後日。
また新たな遺体が発見され、どうやら連続殺人事件のようです。
整はその頃、自作の歌を歌いながら、カレーを作っていました。
池本が訪ねてきたので、久能は違和感を覚えますが、彼は子供が生まれたことや、嫁の愚痴をひとしきり彼に相談。
彼は趣味の芸術展に行く時間で急ぎながらも、妻子と向き合うことを伝えるのでした。
風呂光もその後、訪ねてきて彼に相談事をしようとしますが、整は美術館へ。
しかし、乗ったバスでハイジャックに巻き込まれたり、美術館のチケットを家に置き忘れたことに気付きました。
風呂光は整がチケットを忘れてバスに乗ったことを知り、彼が乗ったバスの時刻を調べて後を追います。
整は金髪の個性的な男性、熊田翔（永山瑛太）や、会社員の露木リラ（ヒコロヒー）、バスの運転手、煙草森誠、サラリーマンの男（金子明夫）と共に、新たに起きた事件に巻き込まれてしまうのでした。
ミステリと言う勿れ１話感想・みどころ
屁理屈で最強の変わり者な久能整（菅田将暉）の存在感が凄すぎました。
人間洞察力が鋭くて、藪のネクタイピンについている彼の誕生石がトパーズであることや、それまで妻子に彼が向き合えなかったという背景などを指摘したシーンは引き込まれました。
池本についても妻と仲直りできるように、結婚もしていない、子育てもしていないなか、冷静に解決していて、大学生とは思えない人生経験があるのではないかと思いました。
また、風呂光が職場で肩身の狭い思いをしていることや、ペットロスに心の傷を抱えることも優しくフォローしていて、ミステリアスな中に優しさを秘めている謎多き大学生、久能整は目が離せませんね。
藪が妻子への復讐を果たして、１年前に整の合鍵を拾ったことをきっかけに、彼に罪を擦り付け、犯人に仕立て上げようとする身勝手な行動には胸が痛みます。
整は無実の大学生である自分に濡れ衣を着せた罪の重さ、家族とそれまで向き合えていないこと、本当の犯人について冷静かつ淡々と指摘したシーンは、厳しさのなかにある彼の優しさを感じました。
もうこれ以上、責めないでほしいというところまでビシビシと言葉を並べますが、真人間になってほしい、藪に時間をかけるべきことは何かを問いかけている描写は良かったです。
最後に、バスジャック事件に巻き込まれ、またくせ者ぞろいな金髪の謎の男（永山瑛太）やごく普通の働く３０代女性のリラ（ヒコロヒー）らに出会い、独自の視点と愛ある毒舌で、事件の鍵を解いてくれることを期待したい初回放送でした。
