ナイドクター9話あらすじネタバレ
朝倉美月(波留)は、成瀬暁人(田中圭)が里中悟(古舘祐太郎)、本郷亨(沢村一樹)、高岡幸保(岡崎紗絵)と深澤新(岸優太)、桜庭瞬(北村匠海)ら、ナイトドクター達は、深澤の妹、心美(原菜乃華)の容体の異変に対応。
美月と深澤が付き添いで、心美が同じ高校に通う同級生の岡本勇馬(宮世琉弥)とのキャンプデートを楽しんだ直後の出来事でした。
緊急手術で安定したものの、間もなく退院できそうなタイミングだけに、深澤はショックを受けます。
数日後、美月が幸保と桜庭と心美の心配をしていると、本郷亭(沢村一樹)が深澤の休職を告げました。
深澤は心美の面倒を見なければいけないので、仕方がないという成瀬(田中圭)に幸保と桜庭は賛同。
美月は深澤の看病疲れを心配し、仲間達に心美の見舞いに行くことを提案。
家族がいる人といない人で、抱えている環境が違う、家族がいない深澤にとって、他人の優しさは支えになるのではないかと言葉を続けました。
心美は、このままだと留年確定かもしれないと不安を吐露。
そんな妹に心を痛める深澤。
翌日、美月達が心美の見舞いに行くと、深澤と揉めていました。
心美が臓器提供ドナーの登録がしたいと相談し、深澤に同意を求めたからでした。
深澤は案の定、猛反対し、病院中に彼の怒号が響き渡りました。
もしも、自分が死んだ時、誰かの役に立ちたいという心美。
兄ゆえに、唯一無二の家族の心美を思って、声を荒げてしまいました。
成瀬は2人が話し合って決めることだからそっとしとおくことを美月たちに勧めました。
目の前で繰り広げられたドナー提供問題に、美月や桜庭は複雑な心境を抱きます。
桜庭は、自分の臓器のドナー提供者が、美月の母であることを成瀬以外に黙認していました。
深澤が心美を叱責した時、「誰かがお前からドナーを受けて生きることになる。何のためにそんなことをする必要があるんだ」という言葉に、自分が今、生きている環境を痛感。
そんな夜、病院近くで総合格闘技の試合があり、負傷した選手たちが次々に運ばれるため、美月達は多忙に。
心美とまたドナー登録の件で距離が出来てしまった深澤。
心美は思春期特有の反抗期と、兄の頭が固いので話が通じなくて苛立ちを感じるのでした。
深澤も妹を思いながらも、つい、父親のように説教してしまい、複雑な気持ちを胸に抱きます。
美月と幸保がようやく休憩をとっていると、深澤が来ました。
深澤は、美月に心美を説得してほしいと頼みますが、美月は母親がドナーだったことを話して断りました。
深澤が心美のことを考えて反対する気持ちも分からなくないけど、心美にも考えがあるのだから自分が首を突っ込んで追求することができないときっぱり。
美月と幸保は格闘技選手たちのアフターケアに対応。
仕事に戻った美月達と入れ替わりで桜庭が来ます。
桜庭にも心美との口論の原因を話した深澤。
「臓器提供の意思表示をするのは心美自身だ、もしかして自分の為なのではないか?自分の為に言っているんじゃないの?」
「兄なら自分の体を第一に考えて当然だよ。あいつがもしも死んで体を傷つけられるのは耐えられない。あのカードに名前が書いた途端、心美の死を待つ人がいるとぞっとする」と口にした時、桜庭が掴みかかりました。
「そんな言い方はないだろ・・・自分の為って言うのは心美ちゃんの為を思っているんだよ。心美ちゃんの気持ちをちゃんと聞いたらどうなんだ」と桜庭は反論。
翌日。
美月は深澤に、桜庭が深澤の分の仕事を引き受け、ナイトドクターの一同で、桜庭を心配していることを伝えました。
桜庭にまず、夕方出勤した深澤は謝りました。
「桜庭は桜庭なりに俺を思って言ってくれたはずなのに、聞く耳持たずに逆切れして・・・」
「違うよ、むきになったのは俺のほうだよ・・・俺はレシピエントなんだ。亡くなった方の心臓をもらって生きている。心美ちゃんみたいに意思表示してくれる提供者がいなければ俺はこの世にいなかった。だから、深澤の言葉に感情的になってしまった、ごめん」
そう言って仕事に戻る桜庭ですが、途中でレシピエントである罪悪感とこの先も向き合い続けなければならないと、本郷に弱音をぽろりと吐くのでした。
その頃、深澤は妹の心美と向き合うことに。
「ちゃんとお前の気持ちを聞きに来た。俺はどうしても理解できない。お前はまだ16歳で、これから先絶対元気になって高校にも通えると思う。どうしてこんな後ろ向きなことを考えるか分からないんだ」
「後ろ向きになんか考えてないよ、自分の為だよ、自分の為に少しでも誰かの役に立ちたかった。ずっと苦しかった。お兄ちゃんが私のことばかり優先して優しくしてくれるたびに申し訳ない気持ちになった。先生や看護師さんたちもそう、一生懸命治療してくれても私は良くならない、もらってばかりで迷惑をかけている、どんな形でもいい、誰かの役に立ちたかったの」
「心美・・・」
「去年、ドナー提供のことを知ったんだ、調べれば調べるほど、私でも誰かの役にいつか立てるんじゃないかなって医者になったお兄ちゃんみたいに。そしたら心が軽くなったよ、少し。こんな自分でも好きになれる。だから私は、堂々と生きていたいからこれを書いたんだ」
心美はノートに描き、ドナーについてちゃんと知識を深め、調べていました。
心美の優しさや、前向きに生きるからこそ、誰かの役に立ちたいという意志を理解した深澤は、もう一度、ナイトドクターで働きたいと皆に頭を下げるのでした。
その頃、急患が運ばれましたが、血液型がO型血液が不足していました。
そこで、深澤が成瀬に頼まれて、O型の血液型をとってきます。
そして、緊迫した患者の手術の中、輸血も担当。
本郷は「あの輸血パックがなければ患者は助からなかった。お前の行動が誰かを救ったんだ」と珍しく、深澤を褒めました。
翌日。
深澤と仲直りした心美。
美月は、深澤と共に、心美を見舞います。
桜庭からもらった恐竜のぬいぐるみを2人に見せた心美。
「持っているといいことがあると言われて渡された」と笑顔の妹にほっとする二人。
屋上でバーベキューをし、ビールを飲むナイトドクター達。
深澤は心美の気持ちは以前より理解したが、踏ん切りがつかないと口にします。
「あのさ、参考になるか分からないけど・・・」
美月は切り出し、母のドナーカードをみんなに見せます。
「うちのお母さん、どんなに仕事で疲れていても、欠かさず早起きして作ってくれた。お母さん、常に人のことを考えて生きていた。お父さんと一緒にお母さんのドナー提供に同意のサインしたけど、お母さんが亡くなって、体だけ誰かに持っていかれた気がして寂しくて・・・しばらくしてサンクスレターって言って、レシピエントの人から手紙が届いたの。そう思ったら悲しかった過去が変わっていった。優しかったお母さんがどこかで見守ってくれている気がして、寂しい気持ちは次第に和らいだよ。だから私はこのカードを残してくれたお母さんに今は一番、ありがとうって伝えたい」
思わず、桜庭はみんなに、美月の母がドナーなことを伝えず、美月の言葉に涙をこぼすのでした。
そして、深澤は心美のドナーカードに名前を記入。
「献血をすることで誰かが助かることがある。臓器は献血と違って特別感があるけど、人は普段、色んなものをもらって生きている、これでお前は堂々と胸を張っていればいい、だっていつか、誰かの命を救うかもしれないから。でもすでに十分役に立っているけどな、俺が頑張れるのは心美がいるからなんだから。それにそれを使う時は絶対来ないぞ?だってお前は必ず良くなるんだから」
その夜、星崎から連絡が。
受け入れを求める星崎ですが、いつもは受け入れを承諾する本郷が、その患者の受け入れを拒否しろと指示。
・・・大動脈解離で、助かる見込みがない患者だからなのか?それとも別の理由か?
次週、お楽しみに。
ナイトドクター9話感想・みどころ
深澤兄妹の葛藤と、レシピエントとして、美月の母にドナーをもらった桜庭の苦悩に胸が詰まる思いです。
誰かによって生かされているからこそ、ここにいる自分、そして、命の危機にある誰かが、託した命・・・感慨深い展開でした。
深澤は、まだ高校1年生の心美がたった一人の家族であるがゆえに、思わず頑固親父のような強い口調で、妹の意思をちゃんと聞かず、頭ごなしに否定してしまいました。
しかし、桜庭にドナーを提供した母をもつ美月の言葉に、自身の考えが間違っていることを痛感、反省できてよかったです。
自分を見つめ直すことが決してできなくない桜庭と深澤。
不器用な若いナイトドクター2人と、死ぬ前にではなく、生きて誰かの役に立ち、堂々と胸を張って生きると決意した少女の心の強さ・・・。
心美は、自分が兄の人生を犠牲にし、いつも自分を気にかけてきてばかりなことや、医療従事者を思い、臓器提供を決めるとは、なんてしっかり者で、逞しい女性なのでしょうか。
元々、自立心が強いし、行動力もある心美ですが、入院している間に、誰かの為に自分ができることをずっと考えていたなんて、心美が自分の妹や娘だったら、深澤のような気持ちに余計なってしまいそうでした。
美月の母親って、美月と同じようにいつだって周囲や家族を気にかけるお節介なところが本当に似ていますね。
情熱的で、患者のことを思い、不器用にも一生懸命動く、美月を見ていると、親の良い遺伝子を受け継いだなとも思うし、美月にとって医者は天職だったと思いました。
反省した深澤が患者の為に輸血パックを取りに行き、そこで急患で運ばれた患者が助かる・・・命の数珠繋がりが、どこかの誰かを現実に救えている現状もあるのではないでしょうか。
命のバトンを感じさせた9話でしたね。