PICU9話あらすじネタバレ
志子田(吉沢亮)は、すい臓がんの治療を拒否し続けていた母、志子田南(大竹しのぶ)を説き伏せて、彼女に頭を下げて、一度、東京の病院で検査を受けることにようやく納得してもらいました。
受付の女性が車いすを貸し出してくれたおかげで、体の負荷を減らし、検査を受けることに。
羽田空港に降り立った、志子田と南は、PICU科長、植野(安田顕)から紹介してもらった東京中央記念病院の腫瘍内科医、原口裕二(平原テツ)の元でした。
しかし、南は、武四郎だけに検査結果を聴いてくるよう、頼みました。
進行のペースがすごく早く、全身に転移。
3時間ぐらいで薬が切れる症状があることを担当医に伝えた、志子田。
寛解も手術も無理で、本人の意思を尊重する状態です。
武四郎は悲しみを抑えながら、医師の言葉を生みます。
次は東大病院で診てもらうことにする、志子田。
タクシーで移動中、南は景色を指さして気を紛らわせますが、志子田はつらさを内面に隠して、会話を続けました。
観光バスに乗り、東京ツアーへ。
スカイツリーなど観光名所を案内するバスガイドの、スミス・桜。
南に対して、新人研修医時代から母にしたいことを次々と口にする、志子田。
それを見て、南は母の勘で察します。
志子田は母と過ごす時間が残り少ない事をやんわりと伝えるのでした。
親子水入らずの東京旅行へ行き、旅館に泊まる、志子田。
「俺はもっと母ちゃんを幸せにしてやりたい、頼むよ、俺を一人にしないでくれよ。」
「武四郎がもっと小さかったら一人にしたくないって思ったかもしれないな。あんたもう立派な大人だよ。あんたもう大丈夫」
「勝手に決めんなよ」
「母ちゃんはずっと一人で決めてきたから」
「俺のためでも?治療できない」
「うん・・・ごめんね」
「なんで治療できないか教えてくれる?」
「あんたのお父さんね・・・あんたのお父さんは物凄く優しい人だった。あんたもちょっと似ているかな。周りにいろんな人がいて・・・こんな優しい人がいるんだなと思った。こんな優しい人の遺伝子をこの世に残さなきゃと思って。結構不妊治療したけど、なかなかうまくいかなくてね。お父さんに謝ったら、僕の好きな人の事をそんな風に言わないでって・・・不妊治療やめたら、あんたが生まれたよ。嬉しかったなぁ、私はこの子を産むために生きてきたんだなって。大好きな人と大好きな人の子を育てていくんだって・・・考えたらあの時はお母さんの人生で一番幸せな時だったかもしれないね。お父さんは職場で倒れて、咳が止まらなかった・・・まさか若いからね、肺がんって医師に言われて頭真っ白だった。何もできなかった。抗がん剤治療始まったら本当に苦しそうで・・・血を吐いたこともあったし、抗がん剤で髪が抜けた。あんなに優しい人が人が変わったように、私に怒って当たり散らした。若かったからね、死ぬのが怖かったと思う。あんたも可愛い盛りだったし・・・」
「それが理由?」
「母ちゃん今は昔ほど、抗がん剤の不作用もきつくないし、緩和ケアをしてもそれで寛解する人もいる」
「母さんはそれができないほど悪いでしょ。色々わかってるよ、何度も考えた。先生にも色々聞いたよ。お母さんだって死にたいわけじゃないよ。でもね・・・お母さんはね、病院じゃなくてあの家で、武四郎の事を頭に焼き付けながら逝きたい。いつも通りに…」
「勝手すぎるよ」
「わがまま言ってごめんね。でも自分の死に方は自分で決めたい。武四郎、愛しているよ」
「俺だって、大好きだよ、母ちゃん」
そして、母、南は札幌に戻って、1週間もたたないうちにこの世を去りました。
葬儀には、植野(安田顕)をはじめ、桃子(生田絵梨花)、矢野悠太(高杉真宙)、河本舞(菅野莉央)らも参列。
南は桃子が無事出産できるように、赤ちゃんの服を当時、東京土産に買っていました。
そのプレゼントを見て思わず胸が詰まる、桃子。
南の症状を知っていて、何も武四郎に告げなかったことを詫びる、桃子。
志子田は気にしないでほしいと優しい笑みを浮かべるのでした。
出勤した、武四郎。
そんななか、PICUに重症の患者の女の子紀來が搬送されてきました。
紀来は、父親が来た瞬間、自分はもう家に帰れる、大丈夫と気丈に振舞います。
シングルファザーの家庭で、彼女は、24時間近く発作状態にありました。
父に対し、植野は、紀來の顔をちゃんと見ていたかとやんわり訪ねました。
父親は虐待はしていない、自分がシングルだからそう思われるのかと不安視していました。
点滴を外し、呼吸困難に。
父親に迷惑をかけない為の行動でした。
武四郎は何も知らない紀来が、両親の事を聞いても穏やかに応えました。
「紀來ちゃん、体がつらいことを我慢しなくていい、もしも、紀來ちゃんに何かあって、何も知らないことのほうが悲しいから我慢しちゃだめ」
その後、紀來は入院生活を続けながらも、父と温かい面会をすることができました。
紀來の父は、娘の回復を願って、手を握ります。
午後…。
志子田らPICUチームは、その女の子と並行して、命の危機が迫る、圭吾(柊木陽太)の治療にも最善を尽くすことに。
圭太の幼馴染の少女、優里(稲垣来泉)も志子田になんとか圭吾を治してほしいと涙ながらに懇願します。
圭吾は、延命措置だけで命を繋いでいる状態でした。
そのことを知らない優里は、病室にお見舞いに来て唖然とします。
「函館に帰ってきたのは元気になったからって言ったじゃん?圭吾死んじゃうんでしょ?なんで見捨てちゃったの?お医者さんなら治してよ」
「ごめんね・・・本当にごめんなさい・・・」
深々と頭を下げる、志子田。
優里はその後、札幌にいる祖父が迎えに来て、帰っていきました。
植野は志子田をフォローしますが、志子田は心がいっぱいになります。
「医者って何なんですかね・・・分からなくなりました。圭吾君、本当にあのまま函館に帰してあげてよかったのでしょうか」
「我々にはそれしかできなかったと思うのです」
志子田は重い気持ちを抱え、植野は、渡辺(野間口徹)から連絡がありました。
もしも、植野がPICUを辞めて、渡辺の勤務先に異動すれば、ドクタージェットを使うことを許すと言ってきたのです。
しかし、植野が科長室へ戻ると、志子田の辞表が。
母、南の死、そして、圭吾にできることを全てやり尽くしてしまった結果から、優里を傷つけたことが志子田を苦しめているのです。
PICU9話感想・みどころ
本日のエピソードは心にずしっとくるものがありましたね。
武四郎の母、南の癌の症状が、全身に転移している描写は個人的に自分の背景と重なり、つらかったです。
親子最後になるかもしれないという覚悟をして、医師に検査してもらうだけでなく、東京観光を楽しむ、志子田親子の心情がとても伝わってきました。
予測はしていましたが、志子田の父もやはり、癌だったことから、南が検査を頑なに拒んだ背景も切なすぎますね。
自立して子供達の為に奮闘する彼を見て安心する南の顔がなんとも言えません。
志子田も何度も涙を流しながら、母の決意を受け入れた顔も、芯の強さと平常心を保ちながら運命を受け入れようとしていましたね。
もっと幸せにしてやりたいという彼の優しさが毛布で母、南を包むように温かかったです。
母を亡くしても武四郎の周りは本当に人に恵まれていましたね。
彼の人柄は、南が言っていたように武四郎の父親に似ているのかもしれません。
新たに搬送されてきた子供、紀來がシングルファザーの家庭で、父親の負担にならないよう、ずっと症状を我慢していたのはつらい。
父親が見舞いに来ることを知るなり、医療器具を外そうとしたり、大慌てで混乱する様子を見て当初、心配になりました。
しかし、父親が彼女の事を心から愛していることが救われました。
そして、圭吾。
圭吾はもう延命機器で繋がっている状態…同級生の優里にはつらいものがありますよね。
志子田に、「嘘つき、先生、治してくれるって言ったじゃん」って涙ながらにぶつけてしまうのも分かります。
圭吾は函館に転院しますが、彼や家族、そして、優里がさらなる悲しみに襲われないことを願います。
そして、圭吾のことで責任を感じた、志子田の突然の辞表。
ドクタージェットを使うには、PICUから去らなければならない植野の複雑な心情…どうか、PICUの物語では、誰一人、悲しい涙を流すことがない事がありませんように。