黄昏流星群 最終話
放送日:2018年12月
フジテレビ木曜ドラマ
黄昏流星群 最終話のあらすじ
瀧沢完治は若葉銀行へ戻ると、不正融資の調査委員会の委員長を任されることになった。
そんな中、同期で融資部長の井上英樹が自殺を図ってしまう。
一方、妻・真璃子は家を出ると、娘・美咲の元婚約者・日野春樹の母・冴の世話をして、春樹を支えていた。
冴はホスピスに入ることになり、春樹から手を引いて欲しいと冴から言われると、行き場所を失った真璃子は完治が暮らす自宅へと戻った。
自宅に戻った真璃子は妻として完治を支え、復縁したかのような様子を見せていたが、不正融資について解決すると同時に思いがけない決断を下した。
完治の前から姿を消した栞は、糖尿病の症状が少しずつ進んでいた。
黄昏流星群 最終話の感想
寄り添ってくれる人
不正融資を図っていた井上さんが飛び降りました。
てっきり亡くなってしまったのかと思いきや、あの高さから落ちて命に別状なし。
さすがに亡くなるとなるというのは、最終回であまりにも重くなり過ぎるので、生きていてくれて良かったです。
一方、姿を消したきりの栞は、糖尿病による網膜症が進行しており、父親が糖尿病だった同僚の茅野緑に病気について知られてしまいました。
食堂で働く代わりにと、栞は洗いざらい緑に話すことになったようです。
そして真璃子は、冴の入院に付きそうも、「あの子の人生にあなたは必要ない」と言われ、身を引かなければいかなくなりました。
行くところを失った真璃子は自宅に帰ると、帰宅した完治と鉢合わせます。
そんな真璃子に、「今から行くところがある。付き合ってくれ」と完治は言いました。
真璃子は、井上さんの病室を完治と一緒に訪れます。
井上さんは銀行員でありたかったがために、不正融資に加担せざるを得ませんでした。
「銀行員でありたかった…」その言葉に、完治も大変な思いをしてきたことが、真璃子に伝わったのではないでしょうか。
完治が仕事から帰ると、調査が進んでいない様子を真璃子は心配しました。
「私に話しても仕方ないか」と真璃子が言うも、完治は話をして楽な気持ちになりました。
世の中にはそう簡単に家族や友人に言えないようなことがあります。
話すことができれば井上さんのような人を減らすことができるのでしょうが、現実世界でもなかなか難しいもの。
完治と真璃子のように共有することで支え合える関係はとてもいいものですね。
食堂で働く栞は、手にも麻痺が出てきているようです。
そんな時、テレビから完治の声が聞こえてきました。
栞は、恋をする女子学生のような顔をしていました。
「私の恋が終わりました」、栞は遺影の母親に話かけます。
1人で誕生日を祝う姿はとても寂しいものでした。
これでは完治の遊ばれただけになってしまいます。
この年齢でそれはとても悲しい…。
しかし、完治もまた月を見上げ栞を思っていました。
栞を忘れたわけでなかったのだと安心します。
井上さんから「奥さんを大事にしろ」と言われたことを思い出すと、完治はさらに栞のことを思い出します。
「僕には僕を支えてくれる友人がいる。栞さん、あなたに寄り添う人はいるんですか?ひとりぼっちじゃないんですか?願わくば、貴方にも寄り添う人がいて欲しい」
居場所もわからず、メールを送っても既読スルーされてしまい、完治には為す術がありませんが、本当は自分が寄り添いたいと思っていることでしょう。
雨降って地固まる…?
不正融資の調査に追われる完治。
帰宅すると、真璃子が料理を用意して待っていてくれます。
真璃子も事情を知っているからというのもありますが、こんな時、真璃子の存在が本当に有難いと感じます。
真璃子の一言で、完治は井上さんの奥さんを訪ねると、事態は大きく動きます。
井上さんが子供と遊んでいるところを撮った動画に、井上さんを追い詰める金田常務の声が入っていたのです。
電話の向こうの声まで録音されてるなんてそんな都合のいいこと…と思ってしまいましたが、これが不正融資の問題を解決へと導きました。
完治も真璃子と一緒に解決を祝って乾杯をします。
「すまなかった。ありがとう」泣き出す完治。
今回のことで、どれだけ家庭を顧みていなかったのか、真璃子が支えてくれていたのか、気づくことができたのかもしれません。
雨降って地固まった完治と真璃子。
夫婦として改めてベッドを共にし、夫婦仲が元に戻ったのかと思いきや、翌朝の食事の前に真璃子が完治に見せたものは予想外にも離婚届!
真璃子が言うように、このまま完治を支えていくのもありだったのに、完治の心の中に別の人が住んでいることがわかり、完治とは別の新しい人生を歩いていく決心が真璃子にはついていました。
そして、真璃子も好きな人がいることを報告します。
完治はビックリ!
それもそうでしょう。
まさか真璃子にもそんな相手がいるだなんて考えてもいなかったはずです。
「あなたの心の中に別の人が住んでいる。それがよくわかった。あなたとは別の新しい人生を歩いていくことにします」
「どんな人間に出会うかで人生は灰色にも薔薇色にもなる」
「チャレンジしないでどないしますの」
「自分がどうしたいか、ただそれだけのこと」
真璃子や井上、川本、居酒屋の大将の言葉を思い出すと、完治は本店執行役員の椅子を辞退しました。
残りの半生、自分の新しい可能性を探ることにしたのです。
完治と真璃子は離婚をすると、完治が家を出ることになった様子。
完治と真璃子の別れは意外にもあっさりとしたものでした。
ドラマ中のすべての不倫が実る異常さ
それから3ヶ月後。
栞は左目の視力がさらに落ちていて、低血糖発作で倒れてしまいました。
病院に運ばれた栞は財布を持っておらず、緑が栞の部屋に財布を取りに行ってくれることになりました。
そこで緑が見つけたものは、週刊誌に載っていた完治の写真の切り抜きと名刺でした。
ある日のこと。
若葉銀行から真璃子の元にガキが転送されてきます。
送り主は千葉に住む緑から。
そのハガキを読んだ真璃子は、完治に電話をかけ、電話口でハガキを読み上げます。
それを聞いた完治は走り出しました。
栞は自分が糖尿病になり完治に負担をかけまいと離れていったのです。
完治が栞の目の前に現れると、栞は手で顔を覆い、泣き出しました。
変わらず完治のことが好きだったのです。
そして、とても会いたかったのでしょう。
完治と栞の再会から3年後。
2人はどうやら結婚をしたようです。
完治の退職金を使ってカフェをオープン。
夫婦は顔がよく似てくると言われますが、2人の笑顔はとても似ていて、すっかり夫婦になっていました。
冴から春樹が笑顔でいられるように見守っていて欲しいと言われた真璃子は、春樹との関係を順調に紡いでいるようです。
どこに辿り着きたいのかわからないほどのドロドロとしたドラマでしたが、最後はそんなことが嘘のように皆幸せになりました。
ただ、完治と栞、真璃子と春樹、美咲と戸波先生、皆不倫で、それが皆実ったという事実がなんだかとても複雑な気持ちにさせます。