ザ・トラベルナース4話あらすじネタバレ
寮で仕事のストレスを口々に吐き出す、ナースたち。
そんな彼女たちをたしなめる、静(中井貴一)。
翌日。
九鬼静は相変わらず、巧みな話術で患者を治療やリハビリに前向きさせていました。
末期の大腸がんの患者、四方田和子(岸本佳代子)が入院。
病院内にお菓子を配る程、一見、そんな病気と闘っているとは思えません。
和子の大腸癌は根治が難しいと言われる程、進行。
医師達は即座に、和子を緩和ケアに特化した病院に転院させるべきだと判断。
全身に転移の危険な恐れがあるとの見解。
しかし、担当医師の古谷(吉田ウーロン太)から精密検査の結果を、和子本人に伝えるよう、命じられた真都は、内心、納得がいかず、頭を悩ませます。
彼女の心模様を察した、九鬼静(中井貴一)はそっと寄り添おうとします。
間もなく、真都は、歩の同席の元、和子に病院の意向を伝えます。
ところが、和子は手術を強く希望し、返答に困る郡司をしり目に、歩が検討する余地があると答えたことで、背中を押された彼女は、治らなくても手術を希望。
あまりに懇願するので、真都は困惑。
ようやく、真都は友人と夜、ディナーできることに。
しかし、すぐにナースステーションから、和子が38度の熱なので、点滴の投薬の指示をします。
翌朝。
熱が下がった和子は、相部屋の患者が幼い息子のいる母親だと知り、複雑な心境に。
手術がいつできるのか彼女を気に掛ける、歩に聞きますが、歩には判断できません。
古谷は、病院側が一度決定したことをそう簡単に覆すわけにいかず、古谷は圧力をかけて、郡司に決定打だからと怒鳴り散らすのでした。
現状をなんとか打開しようとした歩は、郡司に一度、相談。
しかし、仕事のストレスから、普段は冷静な郡司が「ナースのくせに外科に口出さないで」と激怒。
看護師寮で、愚痴をこぼす歩に、女性看護師や、九鬼は受け流します。
「患者は見捨てられるのが一番怖いんです」
歩は、母一人子一人で生きてきて、目の前で瀕死の母を医師達が放置。
誰も助けなかった過去が、トラウマとして残っているのでした。
翌日。
和子の手術をしたい意向をどうしても叶えられないことに頭を抱える、郡司。
そんな彼女をフォローする、九鬼。
四方田は転院することになってしまいました。
「どこに行っても状況が変わらないのは、あなた自身が原因では?四方田さんには緩和ケアに移っていただけなければならないみたいです。馬鹿ドクターと同じ。患者さんの為にあなたの意志をなぜ貫かないんですか?」
歩は四方田に、啓介(元之助)というパティシエをする、一人息子がいることを知りました。
四方田が病院に持ってきたケーキは知人男性に頼んで、持ってきてもらった息子の店のケーキ。
彼女の真意を確かめた歩は、過干渉が原因で、息子と10年も絶縁状態でした。
息子は大学を辞め、結婚も失敗。
その際も、自分がお金を出し、支えてきたことを怒鳴り散らし、息子と大喧嘩に。
「二度と顔を見たくない」と言われ、今の自分の状況を知らせることもままならない、四方田。
治らないのを承知で息子に会うために手術を懇願していたことが発覚。
自身も母子家庭で育ったので、歩は和子の気持ちに共感し、彼女の息子に連絡を取ります。
しかし、それでも息子は頑なに会うことを拒否。
郡司は寮で、和子の為に何か治療方針を変えられないかと気づき、手術方法を歩と共に話し合いました。
翌日。
神野(六角精児)に歩と考えた、手術プランを提案。
根治にはならないものの、可能性はあると睨む神野。
郡司は神野に懇願し、神野を持ち上げた上で手術を担当。
しかし、容態が急変し、腹膜破裂の危機に。
晶理事長(浅田美代子)は病院の評判を気にして郡司を呼び止めますが、一刻も早く緊急性を要するので、手術室へ。
歩は和子の息子のケーキ屋を訪ねて、直談判に応じます。
「弱っている母を見たくないんですよ。今更会いに行ったところで僕にできることはありますか?店もご覧の通り忙しいのです」
啓介は母との関係から素直に向き合うことができません。
郡司と九鬼は手術へ。
出血口が見つからず、試行錯誤。
歩は、ケーキ屋へ行き、息子の啓介(元之助)に会いますが、自分が会いに行ったところで何になると頑な。
手術で根治はしないものの、10年ぶりに会って死ぬ可能性も覚悟するのかと不安視する啓介。
「それでもお母さんはあなたに会いたくて、手術を希望したんです。」
そこで、歩は彼の店のケーキを全部買うからと強制的に閉店に。
歩が説得したものの、啓介は行こうとせず、歩が啓介のふりをして、術後、意識もうろうとしている和子に寄り添いました。
「啓介・・・会いに来てくれたの?」
「うん、いつも僕の店のケーキ買ってくれてありがとう」
「ごめんね・・・ごめんね、啓介」
後日。
本当に息子の啓介が病院を訪ねてきました。
自分が訪ねてきた時は見違えるほど元気にしていると歩に伝えます。
今は、元気に死を待っている母の姿を見れて良かったと言う、啓介。
その頃、九鬼は、天乃(松平健)が追い出そうとしていた四方田和子の息子、啓介からのケーキを天乃へ。
「かつて一緒に働いていた仲間だが、今は俺が病院長で君はナースだ」
「人は歳月と共に変わると言いますがね…」
「元同僚の君がおかした過ち」
「その件は他言無用で…」
九鬼と天乃は元同僚…2人にしか共有できない暗黙の了解が闇に包まれていきました。
ザ・トラベルナース4話感想・みどころ
名店で、客足が絶えないケーキ屋のパティシエの息子、啓介は、母の四方木和子とは、「毒親」関係。
彼が母に会うことを拒否し、今はなんと死ぬのをわかっていて病気で弱っていく母を見たくないという複雑な気持ちになるのは分かります。
しかし、手術をしても根治はできず、「元気に死を待つ」というなんとも言えない状況に。
元気に死を待つ母を温かく支え、これまで10年も空いた穴を啓介と和子は少しずつ埋められていけたらいいですね。
歩が彼自身の過去から、患者に寄り添うナースに成長し、啓介のふりをして術後の和子に感謝を伝えるシーンは胸がいっぱいになりました。
プライドは高くても、誰一人、医師の助けを得られないまま、母を亡くした歩。
「患者は見捨てられるのが一番怖いんです」
この言葉が彼自身のトラウマに結びついており、母を思う優しさも込められていると思いました。
啓介の店のケーキを全部買うから、母親の元へ急いでほしいと説得する歩の人間性が素敵でした。
あんなに来なかった啓介が、数日後、和子の手術後に病院へ見舞いに来たことで希望がありましたね。
ラストは、元同僚で、やはり、医師であった九鬼と、病院長として我が物顔な、天乃の関係性。
九鬼の普段の行動や態度を見ても、絶対にナースではないなって思っていましたが。
郡司に対しても手厳しい態度をとり、彼女が上の言いなりになって、医師として患者を診る際に何が彼女に一番必要かを投げかけ方が上手い。
九鬼には言葉の奥深さが感じられる名言が多いですよね。
患者を隅々まで観察し、何を求めているのか、どんな治療や手術が本来、適切なのかを瞬時に感じ取れる。
「馬鹿ドクター」「馬鹿ナース」の言葉の毒の裏には患者優先の医療を率先する彼の愛が込められていると思った4話でした。