ザ・トラベルナース最終回あらすじネタバレ
ゆくゆくは自らの手で日本の医療を改革しようとする、薬師丸(山崎育三郎)。
この崇高な志を成し遂げるべく、過去には医療ミスを起こすも保身に走り、看護師、八木めぐみ(若村麻由美)に責任転嫁しました。
晴れて西東京総合病院の院長に就任した後も、政治家、灰原和男(大和田伸也)と裏取引をするなど、クリーンな院内改革の裏で不正にも手を染めてきた、薬師丸卓(山崎育三郎)。
なんと、兼ねてから腕を買ったトラベルナース、那須田歩(岡田将生)のみを病院に残し、目障りな九鬼静(中井貴一)をはじめとする、現役ナースを一斉解雇したのでした。
その矢先、西東京総合病院がランサムウェア攻撃を受ける非常事態が発生しました。
医療システムダウンし、患者情報を集約した電子カルテも閲覧不能になりました。
ある男性(志尊淳)が、西総合東京病院の様子をパソコンで見ていました。
かつてない混乱が院内に広がって患者の心と命を守り、奮闘する、歩。
「薬やアレルギーの情報も全部電子カルテだ」
「認知症のある方にもケアをお願いします」
「それも電子データに入ってます」
歩は患者女性の対応に急ぎます。
「八木さん、お変わりありませんか?」
「なにかありましたか?」
「患者さんを不安にさせるので内緒でお願いします。ランサムウェアの攻撃で電子カルテにアクセスできません。大丈夫です。八木さんのこともちゃんと診させてもらいます」
「私、ここにいていいんでしょうか?」
「何処にも生かせませんよ。八木さんがここを出る時はオペが成功したあとです」
その頃、薬師丸は、新しい看護師(田中敦子)とこのランサムウェアの攻撃の状況で気が立っていました。
「責務を果たしてください!」
「でも私達は代行で…」
一方、歩も、消化器外科の大貫太(マキタスポーツ)と会話もぎくしゃくしてしまいます。
「ランサムウェアなんて冗談じゃないぞ。カルテもなしに仕事になるか!患者の名前も病気の名前もわからんだろ」
「外来は予約のある再診に絞るようにしましょう」と、小山衛(渡辺大知)。
「わかってるよ」
「救急の受け入れは停止して他の病院に搬送するようにしてください」
歩も大貫に指示を出します。
「分かってると言ってるだろ。ナースが指示をするな。」
「手術とかどうするんですぁ?CTやMRI画像も見られないんですよね」
半田一(松本大輝)が横から口を挟みました。
「もうオペは全部延期!決まってるだろ!」
「ナースと連携をとって今いる患者を守るようにしましょう」と小山。
「今いる患者って誰を優先すればいいんだ!ああっ!」
薬師丸は上層部と共にこの緊急事案に対応するため会議を行っています。
「まずはこの件を口外しないように全職員に箝口令を出してください」
「復旧の見通しは?」
「今のところまだ何も」
「なんとかするのがあなたたちの仕事でしょ!」
「なんとかするって言われましてもね」
そこへ歩が会議室に飛び込んできました。
「現場が混乱しています!重症患者、重篤患者、手術直後の患者を優先するよう、全ての病棟に通達してください」
「何だ君は!なんでナースがここに!」
「職員への一斉伝達メールも使えないんです」
職員と幹部は歩に反発します。
「院内アナウンスでもなんでもできるでしょう!近隣の病院には状況を知らせてるんですか?透析患者や感染患者などもここでは対応できません」
「すぐに手配します」
「復旧の見通しは立ちそうなんですか?海外では身代金を払うケースも多いです」
「その手に屈したら病院が元通りになっても世間から非難されます」
「非難って…!」
保身に走る薬師丸に苛立つ、歩。
「困ってるのはあんた達じゃない!患者なんですよ」
「今システムエンジニアが作業にあたっています」
そのシステムエンジニアとはタクシーに乗り、パソコンを動かすあの男、阿部湊(志尊淳)。
「ランサムウェアの影響で全ての患者さんのデータが届くように指示を出してください」
「困っているのはあんたじゃない患者なんですよ。」
かたや病院の近隣では、歩と決別した静を中心にクビになったナース達が診察を受けられず、露頭に迷った外来患者の対応に乗り出します。
「病院で治療が受けられなくてね」
高齢患者2人が、静のおむすび屋にやってきました。
西総合東京病院で診てもらえなかった高齢患者を静は自身が働くおむすび屋で、受け入れます。
その頃、看護師寮では、塔子、吉子、福美、パク、たま子が、西東京総合病院で起こるランサムウェアの攻撃について状況を把握しようとしていました。
「ランサムウェア?!ってなにそれ」
「サイバー攻撃の一つ。病院のネットワークをハッキングして、で、システム復旧と引き換えにお金を要求されるの。」
物知りな吉子がみんなにてきぱきと説明しました。
「え?病院止まっちゃってる?」
「大事件じゃないですか!」
福美とパクは驚きを隠せません。
「だから早く下に来て!あなた達を呼んでって静さんが」
「なにこれおむすび野戦病院」
福美たちが一階に降りると、九鬼とたま子のおむすび屋では、電子カルテ故障により、西東京総合病院で受け入れられなかった患者たちが既に治療を待っていました。
「ああ皆さん手伝って下さい。患者さんの症状を見て、緊急の患者さんにはすぐ適切な病院を紹介しましょう。病院のリストはこの手帳の中にあります。で、まず落ち着いていただくためにとk別価格のおむすびセットをお勧め下さい」
「金とるんだ」と柚子。
「勿論ですおむすび屋ですから」
たま子は吉子たち西東京総合病院を薬師丸に寄って解雇されたナース達に、静が応援を頼んでいることを促すのでした。
吉子(安達祐実)、福美(野呂佳代)、パク・インジュ(キム・ヒョンユル)柚子(森田望智)、塔子(寺島しのぶ)は、薬師丸から解雇を言い渡されたことで、対応にあたります。
静は途中で配達で見れなかった患者の様子を見に行くことに。
「静さんまさかこの事態予想していたんですか?と福美。
「とんでもないまさかここまでとはね」
「静さんがおむすび屋さんをしたのこのためだったんだ。だからおむすび配達していたのも訪問診療の為だったんですね。」
「そんな大げさなためじゃないですよ。病院に行くのが億劫だったり、なかには訪問看護師を受け付けない患者さんもいます。おむすび配達していれば何かあった時に気付けますから。勿論、おむすび代はいただいておりますよ」
「ボランティア精神すごすぎです」
「でも病院が心配だな。」と、塔子。
「そうですね。でも向こうには歩くんがいます」
静は歩と対立した日のことを思い出しました。
「繰り返すようですが、歩君、ナースは人を診て人を治す」
「わかってますよ!」
「わかってるなら今の君はどうですぁ?病気ばかりを見ていませんか?しっかりと患者さんを診て下さい!でなければ八木さんを救うことはできません」
「患者を診ているから言ってるんです。八木さんは手術しなければあと1ヶ月で命を落とします。今はまだ病気を治さないと!八木さんの過去とか苦しみとかそれを治してあげたい静さんの言うことはわかります。病気を治してから心を治してからいいと思います。人を治すだけじゃなく病気を治せるナースに僕はなります。静さん、僕を信じて下さい!」
歩の成長に、静は微笑みました。
「おそらく私はクビになります。あとは歩君に託して見ましょう。かのフローレンスナイチンゲールは言っております。私は命ある限り患者を死に追いやる者と闘い続ける。お手並み拝見と参りましょう。しっかり戦ってください」
歩が薬師丸の元へ寝返ったのではなく、真剣に患者と向き合うナースに成長したことを、静は喜んでいたのでした。
薬師丸は、灰谷が、ランサムウェアの原因だと指摘し、彼の顔色を窺いながら、状況を伝えました。
「ランサムウェアなんでこんな病院が狙われるんだ」
「原因は灰原先生、あなたです。このサイバーテログループは、過去にも不正の隠ぺいなどで話題になった企業をターゲットにしています。今回は入院を装って逃げ回る政治家と、それを匿う病院がターゲットにされたんです。短時間で解決できれば傷は最小限で済みます」
「ははは。身代金を払うつもりか?そんなことしたら余計叩かれるぞ」
「先生」
「私に金を出せというのか?冗談じゃない」
「セキュリティーの脆弱性を露呈した病院は信用を失います。国からの指導が入り、先生にご利益のある話もすべてご破算になりますよ。」
「知るか。私には関係ない、今すぐ退院するぞ」
「私が破滅すればあなたも同様です。」
「関係ない」
九鬼はおむすび屋で、患者たちの応対を福美たちとしながら、阿部湊に電話をかけていました。
「もしもし湊くん?」
「西東京総合病院がランサムウェアの攻撃を受けています。」
「本当ですか?」
「犯行声明が僕に送られて間もなく僕に連絡が入りました。静さんの病院だと聞いて驚きましたよ。」
「静さんどなた?」
福美、たま子、塔子は、静とスマホでリモートで通話する、阿部湊の容姿端麗さに反応し、静の周りに集まりました。
「阿部湊君は、ITシステムの専門家です。厚労省派遣された初動対応支援チームの阿部です。僕とチームで西東京総合病院の復旧にあたっています。」
「静さんとはどういう知り合いですか?」
「静さんのフローレンス財団から援助をもらってナースになったんですが、今はこの職に就いています。」
「湊くんは多才でね。私が厚労省に紹介したんです。」
「静さん3日下さい。3日で病院の記憶を取り戻して見せます。」
「分かりました。」
その頃、八木はこの緊急事態に人手不足で、手伝うことを申し出ました。
「那須田さん、私も元看護師です。何かできることがあったらおっしゃってください」
「八木さんは安静が必要です。でも…人員不足なことは事実です。川尻さんの様子を見に行ってくれませんか?」
「わかりました」
「川尻さん良かったですね。もうすぐおうち帰れますよ。ちょっとお腹見せて下さい」
「ううっ…」
「お腹痛いですね」
しかし、医者を呼ぶものの、誰もおらず、ナースステーションももぬけの殻。
そこで、八木は他の職員と話す、薬師丸を呼び止めました。
「サイバールームの状況は?」
「復旧中です」
「先生!薬師丸先生!来てもらえませんか?術後の患者さんの様子がおかしいです。医師を呼んでください。
「医師ならいるでしょう」
「医師も看護師も不足しています。もし手遅れになったら…!ああっ!」
八木は癌の痛みが起こり、倒れてしまいました。
川尻はなんとか鎮静剤を点滴してもらい、危険を回避できました。
歩は八木がいないことに気付き、彼女を抱き起します。
「八木さん!大丈夫ですか?」
「なんでもありません、」
「痛むんですね?ちょっと失礼します。腹水の貯留急いでオペしないと」
「オペはしません、私はこのままで」
「那須田さん、502の島田さんが意識不明です。対応をお願いします」
別のナースに呼ばれるものの、歩は手術が必要な八木を放置できません。
「次にそれを言ったら怒りますよ。自分も苦しいのに手伝ってくれたじゃないですか手を握って患者さんを励ましてくれたじゃないですか。あなたは命の大切さを誰よりも分かっているはずです。そのあなたが命を諦めちゃダメなんです」
「那須田さん、行ってください…患者さんを救ってください。最期に那須田さんに会えて良かった」
「絶対に死なせません!誰かオペ室の準備を!誰か八木さんを運んでください!誰か!」
そこへ、九鬼、福美、柚子、吉子、塔子、パクが現れます。
「部外者のナースは立ち入り禁止です」
「ナースステーションを開けなさい!」
塔子は薬師丸が手配した新たな看護師(田中敦子)に命令し、ナースステーションを使わせました。
八木は緊急で腹腔鏡手術をすることになりました。
この事態に薬師丸に直談判する歩。
「失礼致します。八木めぐみさんの緊急オペを行います。執刀医は院長です!」
「今それどころじゃないです」
「八木さんのオペは院長じゃなきゃ成功しません。」
「既に手術適応外です。ましてやこの状況のなか満足にオペはできるわけがない」
頑なに医師でありながら、患者と向き合うことから逃げ続ける、薬師丸に、歩の怒りは頂点に達しました。
「八木さんをまた見捨てるんですか?また看護師を切り捨てる気か。八木さんはまだ外科医としての院長を信じています。あれほどひどい目に遭っても信じたいと思ってるんです。治してほしいって患者が待っているんだよ!あんた医者だろ!」
「私はもう医師ではない」
「このオペをしないと一生後悔してますよ」
「私が執刀します」
「ナースが執刀できるわけない」
「医師もナースも関係ない!目の前に患者がいれば救うだけです」
薬師丸はナース達が懸命に患者と向き合う姿を眺めていました。
そこへ九鬼がやってきます。
「院長?」
「大したナース達です。」
「はい」
「ナースは人を診て人を治す。あなたが言っていた意味が少し分かった気がします。」
「そのために、私達はカルテ以上に患者さん本人を見ていますそして患者さんだけではなく院長、あなたを治すことがこの病院にとって一番の改革だと私は考えています…いつまで突っ立っとるんじゃい!さぁ白衣を着て早く患者さんのところへ」
九鬼もまた、歩と同様、命を簡単に切り捨て、自己中心的な病院改革のことしか頭にない、薬師丸を一喝しました。
その頃、めぐみの手術は困難を極めていました。
「これより八木めぐみさんの腹腔動脈合併膵体尾部切除を始めます」
「腫瘍の癒着が強固で腹腔動脈の根部が露出できません」
「ブルドックでクランプすれば」
「これじゃあ膵のトンネリングが難しい。」
その頃、阿部がサイバー指令室でスタッフに指示を出していました。
「ランサムウェアの種類が特定され、バックアップファイルにアクセスできれば暗号化されたファイルは元に戻ります。隔離されたファイルを急いで共有してください」
手術室では、困難を極める八木めぐみの手術に歩含めたオペ看護師が混乱していました。
そこへ、薬師丸が来ました。
「那須田さん、手を貸してください」
「良いんですねそれは医療行為です。僕はナースですよ」
「構わないでしょう。患者の命を救うためです」
薬師丸は歩と九鬼の患者を救う誠意に心を動かされ、改心することにします。
そして彼は、ナースプラクティショナーの歩の力を借りながら、八木の手術を執刀しました。
同じ頃、阿部湊も、ランサムウェアの攻撃を留める方法が分かりました。
そして、八木は緊急手術の末、意識を取り戻しました。
「八木さん、オペは成功しました。申し訳ありませんでした…!」
「八木さん、ごめんね、ごめんね!」塔子も呼びかけます。
歩と九鬼は静かにその様子を見守ります。
「歩くん」
「オペをしてくれて有難う御座いました。」
「ラウンドへ行ってまいります」
歩と九鬼は、薬師丸に礼を言いました。
翌日。
阿部湊のおかげで、病院のシステムが少しずつ復旧していきました。
「ああ湊君」
歩と一緒にいた、九鬼は阿部を呼び止めます。
「おかげさまで多くの患者さんのデータが見れるようになりました。まだ応急処置が必要です。これから本格的に病院を治していきます。那須田歩さんですか?初めまして。サイバー復旧課の阿部湊と申します。人を診て人を治せる那須田さん、九鬼さんからお話は聞いています。期待していますよ」
「湊君は病院を治せるナースになりましたね」
そして、薬師丸は自身が謝罪したテレビを見ていました。
そこへ愛川が入ってきました。
「失礼致します。お疲れのようですね。」
「愛川さん。因果応報です。全ては私の未熟な改革が招いた結果です」
「いえ。院長が実行されたチーム主治医制やタスクシェアなどそれのおかげで助かった患者さんが沢山いらっしゃいます。八木さんも院長のおかげで」
「愛川さんお気遣い有難う御座います。これから灰谷議員について特捜部の任意聴取を受けることになります。その件に関して私にできることはないのですが。その後あの時の遺族に会って全てを話します。もう医療の世界に戻ることはないでしょう。」
「院長は何をやってもきっとまたそこを改革していると思います。またその改革で誰かを助けていると思います。私はそう信じています。お昼まだでしたらこれ、九鬼さんから」
九鬼のおむすびを薬師丸に渡して去っていく塔子。
普段、パン派の薬師丸は、静のおむすびを食べ、涙を流すのでした。
真心と患者の為に尽くす九鬼と歩の愛が伝わったのです。
歩はフィリピンのクライアントと電話し、オファーを受け入れることに。
「フィリピンからオファーを受けたので明日立ちます」
「他のみんなは私が何とか取り持って復帰させたけど、院長が代わるからまだどうなることやら」と、ナース紹介所の西千晶(浅田美代子)。
「歩くん、また占い出てるよ。信頼している人と別れるって」
「何言ってるんですか。別れ大歓迎ですよ」
「信頼もなにもないですよ」
「とうとう、歩ちゃんが静さんの元を離れる時が来たか」
その後、看護師寮でしばし別れと再出発の挨拶をする、歩と静。
「静さんはどうするですか?」
「今まで通りおむすび屋を。目指せ2号店ですかね。」
「寂しくなりますね。別の道を進みますけどまたどこかで会いましょう。」
「別の道ではありません。お互いナースなのですから」
「帰ったらおむすび食べに寄ります」
「ぜひ」
2人は固い握手を交わしました。
そして、フィリピンへ旅立った、歩。
「海外の病院久し振りだな」
早速現場に来た、歩。
「院長を通してください」
「歩ちゃん!ようこそフィリピンへ!申し遅れました。ここは世界にいくつかある私が出資している病院の一つなんです。歩くん?」
「2,2号店?!」
静は2号店のおむすび屋兼ナースが働く医療現場を設立しました。
「え?ここ静さんの?」
「今回は少々事情があり、世界中から優れた人材を選ばなければならなくなったので、一応君にもお声掛けをしました。採用の公平性、今回の事案の機密性から公にできませんでした。」
「なんだったんですかあの握手。占いが外れた!」
「君が手を差し伸べたから、うん。ここの経営者の一人として君の面接ビデオをチェックさせてもらいました。ランサムウェア被害の際、医師、看護師の先頭に立って指揮をしていたと自慢していましたね?」
「別に自慢してません」
「いや、あれは自慢です。」
「それから君の履歴書も拝見しました。明るく社交性があり、どんな同僚とも打ち解けられる。あれは何の冗談なんですか。真実が一つも書かれていない履歴書って初めて見ましたよ。」
「打ち解けてたじゃないですか!」
「いや、それは周りのみんながあなたに合わせていたんです。」
「君との生活が私や他の人にとってどれだけストレスだったか」
「こっちのセリフですよ。何度も何度も美味しいご飯を作ったのにこの恩知らず!」
「恩着せがましい!でもご安心して下さい。ここでは一人暮らしをしていただきます。ペントハウスの景色の良いところ!」
「いえ。いいマンションをオファーされましたけど断りました。」
「え?なぜです?」
この近くで元ナースの方がやってる食堂を間借りしたんです。狭くて不便ですけど、病院でだけじゃなく、普段近くにいる人も診られるんで。静さんがやっていたみたいに。特にこの地域ではお金がなくて病院にかかれない人もいますからね」
「実に素晴らしい。しかし…その食堂の味が気になりますね。たま子さんみたいだったらどうします?」
「大丈夫ですよ。シニガン美味しいですよ。静さんのおごりじゃないんですか?」
「なんであなたは身なりだけじゃなくて心が狭いんですか」
ふと、幼い娘が倒れて助けを求める母親の声がし、歩と九鬼は息が合ったように向かいました。
彼らは人を診て人を治す、トラベルナースですから。
ザ・トラベルナース最終回感想・みどころ
サイバー攻撃を受け、電子カルテなど患者の情報が一切開けない緊急事態。
原因は不正を隠ぺいし、人間ドックなのに、入院治療で雲隠れする灰谷議員。
その灰谷に病院から出て行ってもらうようにやんわりと促し、同じ泥船に沈むかもしれない危機を伝えた、薬師丸。
しかし、灰谷は全部、状況を丸投げして知らん顔…そりゃそうですよね。
薬師丸がここぞとばかり少し正義を発揮したと思ったら、彼が八木を見捨てた場面には憤りが込み上げましたね。
サイバー攻撃を対処することは勿論大事ですが、ガンのステージⅢの患者をよくも見捨てて、立ち去れるなって思いました。
看護師としての志を忘れない八木を叱咤激励した歩の言葉に感動しました。
「あなた自身が命を諦めないでください」
この言葉は、消極的な八木にとって生きる希望に繋がったと思います。
歩が八木をフォローし、生きる力を与え、静は患者と向き合うことからすら逃げている薬師丸を鬼の一括!
「いつまで突っ立っとるんじゃい!」
八木って、同局のドラマ「相棒」の杉下右京に似ていますよね。
心ない者、命を軽視する者には容赦なく、厳しく鋭い言葉を投げ付けるところがまさに同じです。
九鬼の洞察力と威厳さ、医療従事者として高い志を持って、患者を救おうとする心意気に胸打たれました。
そして、歩と九鬼は別々の道を歩むのかと思いきや、九鬼が出資している医療施設兼おむすび屋2号でまた、バディになるとは。
九鬼と歩は憎まれ口を叩き合っても、人を診て人を治す、そのためには全身全霊で挑む同志ですね。
ナイチンゲールの意志を受け継ぐ、2人の頼もしい背中に胸が熱くなった最終回でした。