Tシャツが乾くまで最終かあらすじネタバレ
瀬尾咲子(蒼井優)に嫌われないように気を遣っていた瀬尾充(松山ケンイチ)。
しかし、充がまた何かの拍子に失踪してしまうことを恐れる咲子は、充に別れを切り出しました。
(咲子)有難う、今まで有難う。別れよっか。別れた方がいいと思う。充だってそう思う…
(充)いやだ、絶対別れない。
咲子は充が途中まで乗っていたバス事故で妻の園田あずさ(夏帆)を亡くした園田樹生(中島歩)。
コインランドリーでいつものように会い、咲子は充が別れる気がないと愚痴をこぼすのでした。
(咲子)あ、今晩は。ちょっと乾燥フィルターが破れました。しょせん網ですからね、薄くてぺらぺら。別れようと思ってます。居心地悪いんですよ。もう嫌われないようにし仲行けないって言うのがひしひし伝わって来て、で、それが付き合い始めみたいな愛らしい奴じゃないんです。義務みたいな。私は私でずっと怯えてます。次何時いなくなるんだろう?明日か明後日か
(樹生)どうしました?ちょっと?へぇーあれって敗れるんですね。うわやっぱり。でしょうね。人間関係ほど不可逆なものないですよ。知って、知る前になんて戻れませんって。
(咲子)充がいなかった1年と、自分からいなくなった数日、どっちも私、大丈夫でした。寂しさや不安はありましたけど、友だちいて、家あって仕事あって、久々に元夫に会ったり、あとやっぱり、園田さんいてくれたから大丈夫だったんです。なんで家族とか夫婦とかいう形にこだわってたんでしょう。親と不仲でも夫いなくても全然孤独じゃないじゃん。で、気づいちゃったんです。充と離れたことで。いずれまた突然失踪されて遅かれ早かれこうなってたわけですし。
(樹生)そうですねー瀬尾さんの離婚歴は墓場まで持ってけそうでしたけどねー10年くらい隠してたんですよ。うわ、凄!コツとかあるんですか?夫を騙すコツ。
(咲子)園田さん話しやすいの分かった。女友達みたいだからだ
(樹生)それ誉めてます?
(咲子)ううん。凄く有難い存在です。
(樹生)ううんって。それはどうも。
(咲子)なんの契約もしてないし嫌われても縁切れてもどうとでもなるというか嫌ですけどね、こう…こんな感じで毎週ここで会ってなんでもない話をするのが続けばいいなとは思いますけど。
(樹生)あずさと充さんみたいな感じでね。家の外に拠り所があるっていうのは心地いいもんなんですね。この1年で学びました。まぁ僕は好きにしろとしか言えないので。別れたいなら分かれればいいですよ。
(咲子)別れてくれないんですよ。絶対に別れないみたいで話し合いにもなりませんでした。どうしましょ。
(樹生)面倒くさ
毒舌を吐くことが多いものの、充を見守って来た喫茶「ひこうき」のアルバイト従業員、矢野直人(高橋文哉)。
(直人)咲子さん
(咲子)充は?
(咲子)聞いた?
(直人)別れる気ないみたいですね。
(咲子)それさなんでかな。話し合いにならないからさ、とりあえず事を勧めようと思って。
喫茶店のtableで離婚届を書き始める咲子に迷惑そうな顔をする直人。
(直人)好きだからじゃないですか。それここで書くんですか?家でやってよ
(咲子)ごめんね
(直人)謝るなら家でやってくださいよ。
(咲子)直人君大変だったよねー充みたいな人と殆ど2人きりで仕事して、突然1人にされて。
(直人)俺も瀬尾さんみたいな人間なんです。俺も小学生の時は不登校だったり、中学生の頃は部活転々とした利、高校生の頃はバイト何度も飛びました。女の子と付き合っても長く続いたためしがない。同じ人とずっと一緒にいられないんですよ、周りのちゃんとしてる人間からは、我慢と努力が足りないって言われてきました。人間関係は我慢と努力…それが出来ない君はダメな子。だからこの先、転々としながら1人で生きていくって覚悟を決めてたんですけど。
(咲子)充っぽい。充の横、居心地良いよね。分かる。
(直人)大変だったらすぐ辞めようって感じで働き始めたんですけどね。新卒の会社3日で辞めたのに。
(咲子)続いてるね、もう4~5年。私でも結構の最短記録3か月だよ。
(直人)離婚のスピード比率と比較しないでくださいよ。瀬尾さんと似た者同士ってことですよ。俺も咲子さんも。
(咲子)私と充は似てないと思うけどお互い全然違うとこ見てる。だからすれ違った。
(直人)俺、咲子さんのこと好きですよ。瀬尾さんのほうがもっと好きですけどね。2人のこと好きだし、理解も出来るから余計イライラしました。自分もしたいのに出来ないことするから、いいなって。
(咲子)これ先書いちゃうから埋めてよ。普通ないんだって、私が書きすぎて慣れているだけ
(充)書かない!書いたことない。さっちゃんってホント我が儘だよね。結婚生活うまくいくわけない。もう次はないかもよ。さっちゃんと結婚する人なんて現れないと思うよ。
(咲子)もうね、家族に拘るのは辞めたの。戸籍が別でも一緒に住んでなくても、会うのが月1とか週1でもいい、おたがいに居心地が良くて丁度いい距離感でいられる人とだけ一緒にいる。充ともそうなりたい。だから家族、やめよ?
(充)さっちゃんやっぱり園田さんの旦那さんと不倫してるんでしょ。俺と園田さんのことも不倫だったと思ってるんだ。
(直人)なんでそうなる。なんで乗っかるんだよ。
(咲子)はい、不倫してまーす。ですでーす、思ってます。後は書いておいて。直人君、ついでに承認のサインしておいて。お邪魔しましたー。
(直人)嫌ですよ。承認って判子いります?
(充)今日帰って無言でさっちゃんの顔めがけてこれ飛ばしたら嫌われるかな
(直人)嫌われないよ、無理無理
帰宅した充はわざと咲子を挑発して、別れたくないゆえに試し行動をしました。
(咲子)お帰り。直人君が早く帰れって?大丈夫、かぼちゃ入れてないよ。
(充)さっちゃんなんか好きにならなきゃよかった。さっちゃんと出会わなかったら結婚なんかしなかった。向いてないって分かってたのに、間違った気の迷い。さっちゃんが家を買おうなんて言うから逃げられなかった、最悪。
(咲子)じゃあ嫌いになっていいよ、で、気持ちよく別れよう。間違って結婚しちゃったなら離婚したらいいじゃないかな?じゃあ別れてあげよう!逃げ放題。
(充)そうやって無駄に明るくて元気で
(咲子)結構落ち込んだりするけどね、持ち直すのが早いだけね。
(充)どこ連れてっても楽しそうにするし、なんでも美味しそうに食べるし、なんでも一生懸命だし良く笑うし。
(咲子)人混みとトマトは苦手だけどね。ありがと、褒めてくれて。別れたくなくてごねてるんじゃないでしょ?
(充)別れたくないだけだよ
(咲子)喧嘩でもして本音吐かせようとしてるって魂胆?わざと私のこと怒らせようとしてるよね。これ、まだ出してない。まだ夫婦、嘘はダメだよ。この数日、充も居心地悪かったでしょ?離れて楽になろうよ、なに意地張ってるの。
(充)別れたくないだけだよ。嫌われたかっただけ。嫌いになって別れたほうが楽になれると思っただけ、お互いに。
(咲子)申し訳ないけど、嫌いにはならないよ。今生の別れじゃないよ。家族を辞めてもっと楽な関係になろうって言ってるの。だから安心して別れて。
(充)空いてるとこ書けばいいの?さっちゃん、こんな折れ線だらけで受け取ってもらえる?カレーのシミついてるし。5回目でも初めてのことあるんだ。
(咲子)そうだね。さすがにこんな状態で出すの初めて。充が初めてだもん。こんなに好きになってこんなに長く一緒にいたの。
こうして、充はやっと、離婚届にサインしました。
翌朝、充が咲子の家を出て行く準備をしました。
(咲子)ねぇこっちが捨てるので、こっちが持ってくのね?郵送先は?新しい家の住所
(充)うん。決めてない。
(咲子)だって充が自分で出て行くって
(充)うん、大丈夫、慣れてるから別に家とかすぐなくても全然。
(咲子)説得力が凄い。あ、Tシャツとスウェットくらい置いておきな。帰ってきたら便利でしょ。後下着も旅行とか行くとすーぐコンビニで買えばいいやって、そのせいで見て!靴下とパンツコンビニのやつばっかり。ちょっと置いてきな!勿体ないから。
(充)実家みたい。普通の実家ってどういうのか知らないけど、実家から一人暮らしの家に戻るまでのお母さんみたい。わかんないけど。
(咲子)充の服、洗濯機に入れっぱのもあるかも。フィルターあれで乾燥機壊れちゃってるみたいだけど
(充)じゃあ洗濯しちゃお
(咲子)コインランドリー行く?
(充)一緒に干そう。晴れてるし、全部乾いたら行くね
全部乾いたら出て行くという充
あずさの元バイト先の古書店の店主、宮内幸次(リリーフランキー)。
彼らもまた、咲子、樹生、充の決断を見守ります。
樹生の家では、樹生の妹で会社経営者の実樹(斉藤飛香)が来ました。
(樹生)実樹ちゃんのお土産なんだろねー東京ってこういうのどこで出来るんだろ
(翔)花火だ。花火したい。
(実樹)あ、確かに考えずに買ってきちゃった。
(樹生)出来るところ調べておくね
(実樹)翔ちゃんどこか行きたいところある?
(樹生とあずさの一人息子翔)(久保田薫)水族館。まだパパと行ってない
樹生は幼い頃の母親の理不尽な発言のトラウマで、水族館が苦手です。
(実樹)あずさんんい水族館のこと話した?
家を出て行くまで、充と咲子は思い出を話します。
(充)花火大会?え、でもチケット使ってないじゃん
(咲子)行こうとして行けなくてその席じゃない違うところから見た
(充)花火見れたなら良かった。この席人混み通らなくても行けるんだよねー、うん、別ルートあって席も隣との感覚あってゆったりしてるから。そういうところならさっちゃん行けるかな。まだ引っ越してすぐ乾燥機なかった頃、2人共帰り遅くなって洗濯物一緒に取り込んで、その時、ビルの向こうで花火がちらっと見えたの覚えてる。危ないよって言うくらいちらっと見えた花火見ようとしてたから、やっぱり花火好きなんだなって。見たいんだなって思ったんだよね。
(咲子)このチケット私と?
(充)花火、綺麗だった?一緒に見れなくてごめんね。
(咲子)綺麗だった
咲子は、花火大会のチケットを充があずさと見に行くとずっと誤解していましたが、実は自分とだったのです。
(充)帰りは?人混み大丈夫だった?園田さんと行ったの?チケット取れなくても探せばあるとこあるよね。勿体なかったな。
その頃、実樹は翔の遊び相手になりました。
(樹生)翔、パパと水族館行こうか。じゃあそろそろ準備しよっか。お外でご飯
(翔)ちょっと待って。じゃあこれ履いていい?
(翔)買った時、ちょっと大きかったよね。
(実樹)足、ちょうだい、翔ちゃん大きくなってちょうど良くなったね
(翔)ママの楽しみ。最初ちょっと大きいのがちょうど良くなるの。
(実樹)翔ちゃんがいっぱいご飯食べて。大きくなるのママ楽しみだったんだね。じゃあママに見せておいで
(樹生)ママ見てー
(樹生)よくサイズ大きいの買ってくるからさ、名がつく使えなくていいからサイズ丁度いいの買いなよ制服じゃないんだからって言ったんだよ。中学校の入学式、ちょっと大きい学ラン着て出るんだろうなぁ楽しみとか言ってはぐらかして。靴はさ、大きすぎると危ないから。履けるまで飾っておいて、たまに履かせてみて。それそれで楽しそうだった
(実樹)うん、言いそう。そんな似てないけど。自然と丁度良くなっていくのが嬉しかったんだろうね。
(樹生)けちくさいなって思ちゃってた。一緒に楽しめば良かった。
翔があずさに似た人懐こい笑顔で樹生の元に来ました。
(翔)ねぇねぇパパ聞いて。ロマンスカー乗りたい
(樹生)まだ何も言ってない。うん、ごめん聞いて。
樹生は涙ぐみながら、笑顔で息子と目を合わせて笑うのでした。
咲子と樹生は洗濯物を干します。
(咲子)まだ指輪してる。
(充)長野にいる時、父親がやってた畑手伝って、その時外せってそのまま。
(咲子)お父さんの具合悪いって聞いてあいにいったんだよね?
(充)うん、会いにっていうか見てみようって気になって行ったんだけどねd、でもサービスエリアでまた急に逃げたくなって、後からバス事故のこと知ってわけわかんなくなってどこへ行けばいいか分からなくなって元々目的地だったあの家に。動けなくなったの初めてだな。
充はあの日、自分がバスを降りて長野の実家へ行ったことを振り返りました。
(咲子)どうだった?親と暮らしてみて
(充)年は取っていたけど、何も変わってなかったよ、無関心。長年経っても無関心。人って変わらないんだなって思った。うん、でももう他人だと思ってたから距離感は掴めてた。客観的に親のこと見れて良い機会だったよ。これいい、顔見て話さなくていい。最後だし聞きたいことがある?顔見て話すの恥ずかしいようなの。
(咲子)よく1年持ったね。ええーそうだな?やっぱなんで私のこと好きになったの?ずっと気になってたもん。
(充)えー今?確信したのは何回目かのご飯の後、夜遅くタクシー拾うのにちょっと外で歩いて、渡ろうとしていた短い横断歩道が赤になって。深夜で人も車も通らないのに、さっちゃんちゃんと止まってた。
(咲子)充は渡ろうとしてたの?
(充)俺も普段は止まるんだけど。大概みんな渡るから一緒にいる人がいるなら割っちゃう。この人渡るかなどうしようかな。俺達青になるまでちょっと飲み過ぎましたねみたいな、中身のない会話してた。それだけそれだけなんだけどね、寝る前とか朝起きて顔洗う時とか、さっちゃんのこと思い出してたかな。さっちゃんはなんで
(咲子)えーなんだったかな。もう忘れたってやつ。
(充)ずるいよ
(咲子)シーツとか。全然洗濯してないから
(充)最後いつした?
(咲子)じゃあ洗わなきゃね。
シーツ、ブランケット、枕カバー、ブランケット、全部干しました。
一緒にいた時、毎日、帰りたくなる家にしたいとかつては思っていた2人。
お互いに一緒にいたいという気持ちや好きであることは変わらず、霧吹きを振りかけて、洗濯物が乾かないようにしました。
(咲子)うん乾いてる
(充)乾燥機の調子が悪いから新しく買い替えようとかコインランドリー行こうとか言ってたけどさ、2人で一緒に干せばよかったんだよねー
(咲子)自分でやる
(充)カーテンつけるよ、さっちゃん届かないでしょ
(咲子)脚立買った。
(充)なんだ、大丈夫なんだ。着替えもう少し置いて行こうかな
(咲子)どっちでもいいよ。排水溝の掃除は歯ブラシを使う
(充)そっちから言われるとなんか。明後日届くからね、洗濯機のフィルター新しいやつ。ソファーで寝ちゃだめだからね
(咲子)一人暮らしで風邪ひいたら困るからね
(充)役所の届け通らなかったらまた新しいの持ってくるからね
(咲子)スマホ持った?
(充)持った。忘れ物あったかな。
涙ぐんでお互いが一緒に居なくても大丈夫だと確信する2人。
(充)もう大丈夫か。じゃあ行ってきます
(咲子)行ってらっしゃい
樹生は翔の手を繋ぎ歩いていると、充を見かけました。
(樹生)スイカ
(翔)おじさんどこ行くの
(充)ちょっとね
(翔)バイバーイ
あずさの元アルバイト先の宮内(リリーフランキー)を訪ねた充。
(宮内)何の用ですか?
(充)こんにちは。園田さんの事で伝えたいことが僕が勝手にどうなんだろうって悩んだんですけど
(宮内)施設に絵本持ってくる本屋さんの話?
(充)気付いてたんですか?
(宮内)みんなが好きな絵本をかっさらっていくなかで、あずさちゃんだけはまず本屋さん聞いてって話しかけてくるんですよ。絵本は良いのって聞いたら絵本の内容はずっと変わらないけど、私が今話したいことは明日になれば変わっちゃうからって。
(充)そういう人でしたね。
宮内がかつて、児童相談所にいたあずさに本を届けていた業者だと話します。
(宮内)履歴書見てあの子だと分かりましたけどねー黙ってました。気持ち悪いと思われたらショックでした。そのくせ勝手に父親気分で旦那には随分と意地悪しちゃいました。
(充)園田さん、再会できて喜んでましたよ。打ち明けておけば、もっと思い出話とか
(宮内)喜んでたってあなたが知ってるからそう思うんですよ。相手の反応が想像できずに自分の過去を語るのは怖いでしょう?
(充)園田さんとどんな話をしたんですか?
(宮内)それは内緒ですね。死んでもプライバシーは守られるべきだと思いますよ。
(あずさ)気付いてたんですね
充が帰った後、とうとう宮内にもあずさの幻影が見えてしまいました。
(宮内)言ってよーあれあれあれ、あの男の子はどうなったんだっけ。他にもそいつのことが好きな人がいて、バレンタイン争奪戦になりそう
(あずさ)いやいやこっちのセリフなんですけど。よく覚えてますね、小学4年生。よく覚えてますね。私、家族でも友達でもなんでもない名前の内観系の人と話すの好きなんです。何話してもいいので。だからずっとあってない娘さんの話を私だけにしてくれたんでしょ。楽しかったから子供の時ね、あの時間があったから寂しくなかったの。必要で大事な時間でした。
(宮内)お互いにね
コインランドリーにいる樹生は充と会いました
(充)こんにちは。
(樹生)やっぱ来た。第三金曜日なのにすみませんねこっちの園田で。なんだよ気持ち悪い。。
(充)僕もこっちの園田さんに会えるかなと思ってきたので。奥さんに水族館のことって
(樹生)最近になって妹から聞きました。じゃ一緒には?
(充)行ってません。翔くんが3人で水族館に行きたがってるから妹さんに預けて、まずは夫婦2人で練習しに行くんだって。すごく楽しみにしてました。
(樹生)練習。苦手なものが共有できてればうまくいくもんだと思い込んでました。そっちの夫婦もそうか。
(充)さっちゃん、洗濯物干すの苦手なんですけど
(樹生)家じゅうのあらゆる布を洗濯して一緒に干しながら語り合ったんですよね?教えませんよ、女の友情って意外に固いので。心配なんですか?
(充)うわ筒抜けだ。女の友情。さっちゃんは大丈夫です。直人くんが心配です、寂しがり屋なので時々お店に遊びに行ってください
(樹生)やだよーどこ行くんですか?
(あずさ)行けなかったね水族館
(樹生)実樹が申し訳なかったって相談されて、すぐ仕事休みとればよかったって。
(あずさ)ああーいいのいいの。翔のためっていうのもまぁそうなんだけど、私が2人で行きたかっただけだし、そういうことあれば翔、預けやすいじゃん。樹生の水族館嫌い、ラッキーって思った。最低だね。
(樹生)分かったよ。あずさとあの人の関係。でもやっぱり嫌なもんは嫌だわ。ごめん、ただの嫉妬。ごめん
その夜、咲子と樹生と翔は、咲子の家のベランダで花火をしました。
(樹生)あれなんか作ってるんですか
(咲子)翔くんが小学校で使うものを作ってるんです。翔くん何色が好きですか
(樹生)黄色です。今、黄色ブームで。有難う御座います。あの僕はこういう感じの関係が続ければいいと思ってるんですけど
(咲子)了解です、頑張ります。え、嫌がると思いました?
(樹生)なんか中途半端な関係じゃないですか?他人に説明しにくい
(咲子)だからあの人達も言わなかったんでしょうね。言えなかった、言いにくかった
(樹生)でも瀬尾さんと知り合えてこの感覚を知れたのは良かったです。あずさと充さんにも2人なりのちょうどいい距離感があったんだなと思えたので。
(咲子)月1のお喋りで。じゃあ、翔くんも寝ちゃったし、恋バナでもしますか?あずささんとの恋バナです。園田さんのどこを好きになったんだろう
(樹生)まだそういうのないです。たぶんあれですよ、全部、全部好きってやつ。だから全部で好きって
翌日。
咲子、千鶴(臼田あさ美)と宮内が直人の店に来ました。
(千鶴)咲子って離婚特集組みたいとか言ってる。うち結婚情報誌なのによそでやれよって思って
(咲子)良いじゃん、需要あるじゃん
(宮内)それいいじゃん。いやいや結婚情報誌で離婚特集やったらこれアガるでしょ。
(直人)どの目線で話してるんですか
(宮内)本屋だもん
そこへ翔と樹生が来ました。
(咲子)翔くん
(直人)翔おいで
(翔)さっちゃん。おじさんは?
(樹生)いません、おじさんはいません。
(千鶴)そういえば普通に働いてるけどさ今後君どうするの?
千鶴はずっと充の店でアルバイトをする直人が、充から店を譲り受けて店長になったと知りました。
(直人)あ、店貰ったんですよ。店長やってます。ま、ふらっと瀬尾さん帰ってきたら、雇ってあげようかなって思ってます。
(千鶴)みんな充君好きだねー
(直人)なんかくせになる良さがあるんですよね
(千鶴)やだ怖いそれで共鳴してるの。
(咲子)はい、喫茶ひこうきです。いつも有難う御座います。済みません、金曜定休日なんです。
充は、小さな男の子と会いました。
かつての幼い自分と少年を重ねた充。
(充)大丈夫、大人になると帰る場所増えるから
あの頃の自分の心を癒すように、少年の背中を押す、充。
一方で咲子はあずさの幻影を見ました。
(あずさ)こっちの園田です。初めまして。ちょっと緊張する。旦那さんあずささんとのなれそめ聞いたところで
(咲子)園田さん。初めまして。
(あずさ)えーちょっと恥ずかしい。絶対盛ってる
(咲子)あれですよね?園田さんの会社の受けつけに?
(あずさ)ですです。受付嬢やってて
(咲子)連絡先わからなくて園田さんの部署の内線に電話して、食事の約束してってあれ盛ってますよね?
(咲子)あれは盛ってますよね?
(あずさ)マジです。使える職権は乱用しようと思って
(咲子)ちょうど聞きたかったんです。園田さんのどこを押す気に?
(あずさ)仕事中、受付嬢なんてみんなスルーで、いい人でもちょっと会釈するぐらいなんですけどね、でも樹生はちゃんとこっち見て、おはようございます、お疲れ様ですって言ってくれたの。これ聞いて聞いて、ポイントなんだけどね、私にだけ言うんじゃなくて隣にいる同僚の女の子にも、エントランスに立ってる警備員さんにも言うんですよ。さっちゃんは?
(咲子)ほとんど一目惚れみたいな感じで、短い横断歩道で、ぴたっと。
(あずさ)分からない、詳しく。
咲子にしか分からないあずさとの優しい時間は、あずさと充が話していた時のような感覚でした。
咲子は一人で快適に暮らしていました。
(咲子)はいはい、お母さんも気を付けて。人来たから切るねー
かぼちゃを使わず、料理をする咲子。
そこへ、インターフォンが鳴り、充が帰って来ました。
2人はお互い離れて暮らし、「家族」「夫婦」をやめたちょうどいい距離感を維持できる良き理解者となりました。
Tシャツが乾くまで最終回感想・みどころ
こんなに「好き」すぎて、一緒に洗濯物を干しても乾くのがイヤだから霧吹きをかけてしまう程なのに、2人にとっては家族を解消したほうがベストでしたね。
2人共、「夫婦」「家族」といった同じ空間で縛られたような人間関係が苦手なのが分かります。
息をしやすい選択肢が出来て良かったと思いました。
樹生もあずさが目の前に現れても泣かなくなりましたね。
いつでも近所に、ちょうどいい距離感で助け合う咲子という友達が出来たから。
翔の少し大きめな靴を買ったあずさの母心と、遺影の母に靴を見せる翔の場面は涙腺が緩みました。
目の前にいる成長を喜んでくれる母親にいっぱい見せたかったでしょう。
翔も、咲子や実樹、直人、千鶴、宮内など父親の樹生以外の大人達に愛情たっぷり見守られて、元気いっぱいに過ごせて良かった。
そして、咲子含むみんなの潜在意識のなかに、あずさが生きていることが、夏の風鈴が鳴るような涼やかで優しい涙が出る共通点でしたね。
それぞれが、家族とか夫婦とかしがらみや関係から解き放たれて、コインランドリーで月1話すだけの仲間同士という幸せを見つけたのだと思います。