海のはじまり

海のはじまり1話 彼女の忘れ形見と出会った夏

海のはじまり1話あらすじネタバレ

水季(古川琴音)は一人娘の海(泉谷星奈)を連れて海岸を歩いていました。

「どこからが海?」

「海がどこからはじまっているか知りたいの?うーん、難しいな。」

「終わりはあそこ?」

「あー水平線ね。あれは終わりじゃない。終わりに見えるだけであの先もずっと海。終わりはないね。ずっと海で、その先にまた海岸があるの。ここみたいに」

「ふーん」

「いるよ、いるから大丈夫。行きたいほう行きな。」

海は母親が後ろにいるかどうか振り返りました。

それを察した水季は娘を安心させる言葉をかけていたのでした。

東京の印刷会社で働く、月岡夏(目黒蓮)。

彼には化粧品メーカーで働く恋人の百瀬弥生(有村架純)がいます。

仕事熱心で、会議では積極的に発言し、社員の好感度を得ていました。

その夜、2人は家路のアパートに着き、野菜炒めを作ります。

「休み、一週間とれるんだよね?」

「うーん」

「ねぇねぇねぇ、そのうんとううんの間の返事やめれる?その曖昧なの万能じゃないからね。」

「夏休み希望通せないかも、人少ないから。ん?!これ美味しい。いや、弥生さん作ったのも。どこ行く?休みとれたら?」

「たまには海とかベタなところに行こうよ。じゃあ…山」

「海か山の2択なの?」

夏のアパートで夏休みの予定を合わそうと話していると、夏のスマートフォンに着信がありました。

「もしもし、うん?え…?なんで?死んだの?」

電話に出た夏の表情が思わずこわばります。

翌朝、夏は実家へ帰省します。

突然の訪問に朝食中の父、和哉(林泰文)、母、ゆき子(西田尚美)、弟の大和(木戸大聖)は何事かと驚きます。

事情を話さない夏の様子になにかを察した夏の家族たち。

「え…なんでわかったの?」

「親の勘」

「怖いね」

「怖いよ、悪さできないように備わっている。」

「やっぱり?」とゆき子。

「ああ」

「誰の?」

「聞いてない」

和哉とゆき子は誰か夏の大切な人の葬儀だと察して見守ります。

自室で喪服を出す彼に、大和は黒いネクタイを渡すのでした。

葬儀場に来ていた夏は、故、南雲水季義葬式場」と書かれた案内板の前で立ち止まります。

大学時代の友人、真山純希と再会した、夏。

「何年振り?」

「8年振り」

亡くなった南雲水季(古川琴音)は、大学時代に交際していた夏の恋人でした。

「海ちゃんこっち」

朱音は棺のいる母親を見る海を席へ連れて行きました。

焼香の列で水季の母、朱音(大竹しのぶ)と、父、翔平(利重剛)に挨拶をした夏。

そこに一人の幼い女の子である、水季の娘、海(泉谷星奈)を見かけます。

「あの子のこと、誰の責任とかでっかい声で話しているの聞いたよ。南雲さん、自分一人で生きていけそうな気がしてた。」

「一人でできなかったからあんな事に。」

その頃、弥生は仕事中に葬儀のことを夏からメールで知り、残念に思いながらも、仕事に専念します。

大学時代、真山と夏は同じ大学で、水季も同級生でした。

同じ居酒屋で、みんなから離れて座り込む水季を具合が悪いのと勘違いした、夏。

「あの大丈夫ですか?」

「え?なにが?」

水季はスマホゲームをしていました。

当時大学1年生で、そこから2人は出会ったのです。

「山登りすきなんですか?」

「山岳部の歓迎会」

「あーあれ山岳部だったんだ。いや、そうなんだ、全然興味ない、海派です。山上るんですか?」

「登らないです。」

「山岳部の募集あるって」

「入学して最初にできた友達が入りたいだけ」

「付き添ったんだ。そっちは?」

「新歓って色々なサークルあるけど、沖縄料理が食べれるところがあるから食べに来た、人に合わせて興味あるとこ探せるの凄いですよね。」

「よくないですよね自分で決められなくて人についていくとか」

「すごいよ、人に合わせられるのすごいってことですよ。自分より他人のこと考えちゃうだけでしょ?良い事ですよ。」

「でもよくはっきりしろっていわれる」

「ああ確かに。曖昧な返事ばっか。はいかいいえで答えることなんてそんなないですよ。ほんと尊敬します。人に合わせるの苦手だから。こう見えてマイペースで。」

「見えてます、マイペースに」

「見えている通りだね。」

そこから徐々に距離を縮めて行った夏と水季。

「自分の選択肢を自分で狭めちゃダメ」

海と会話していた際に印象に残っていた言葉。

そして今、夏は水季と海に出かけた動画をスマホに収めていました。

葬儀場のロビーにいる、津野晴明(池松壮亮)と海が会場から出てきた後、海に胸を痛めながら見ていました。

彼女に絵本を渡した津野。

「おばあちゃんのお手伝いに行くからいい子にして待っていられる?」

「うん。ねぇまたママに会える?」

「火葬の時に会えるよ。」

「ママにまた会える」という言葉に胸を痛める、夏。

「あの…」

「絵描く?」

「描かない。あ…水季さんの娘さん?」

「海!さんずい」

「あ、漢字。何歳?」

「6歳」

「そっか、6歳」

「うん。」

「さっきのお父さん?あ、さっきここに?」

「津野くん?津野くんがパパなわけないじゃん」と無邪気に笑う海。

「ああ、お父さんいないよね。ごめん」

「いるよ」

「ん?」

「いるって言ってた。ママが。いるでしょ?あっ…俺?」

「パパ」

「まぁいるけど」

「でしょ?見て。」

「海ちゃん。こんにちは、楽しそうね。今は楽しくていいのよ。おばあちゃんのところで元気でね。」

海に声を掛けた女性。

口々に、「可哀想」と海を憐れむ声。

「可哀想じゃないよ。聞かなくて良い、ああいうの。忘れられなくなる。」

夏は海にイヤホンを渡します。

「耳にこう、近づけて。昔の…水季。」

海のことを気遣い、夏に撮った水季の動画を見せると、海は微笑みました。

夏は水季と過ごした大学3〜4年生の冬を思い出しました。

「親に心配かけるのイヤで名前ある会社の方が安心するから。波風立てずに生活できたらそれでいいから。」

「偉いね。ちょっと書いてほしいものがある。これ!」

なんと人工中絶の同意書でした。

「どういうこと?」

「こういうこと。私、浮気とか全然していない。でも夏くんに同意してほしくて。ちゃんと病院行ったよ。まだ早いから大丈夫だって。どんなに遅くてもえっとね、ちょっと待ってメモしておくから」

「そうじゃなくていつわかったの?」

「妊娠しているって?」

「1週間くらい前かな」

「誰かに相談した?」

「病院の先生には相談した。」

「ごめん」

「いや違う、違う違う違う、これってもう事故っていうか、あ、事故は違うか。事故は言い方良くないか。いやびっくりだよね。でも謝るのやめよう、これはお互い悪くない。どっちも誰も悪くない!」

「1週間不安だったよね。ごめん気付かないで。一人で1週間も…不安にさせてごめん」

その言葉に涙ぐむ、水季。

「まぁ…うん、不安かどうかって聞かれたら不安だったかな。」

「ごめん、ごめん、ごめん。」

自分に責任を感じ、謝る夏。

「他の選択肢はないの?これしかないって決めつけているなら考えてから決めてほしい。」

「考えたよ、考えて決めた。」

「でも…」

「夏くんはおろすことも生むこともできないんだよ。私が決めていいでしょ?」

「わかった」

水季の言葉に、夏は同意書に名前を書きます。

「ねぇ…クリスマスどこ行こうか?」

涙が一筋、頬を伝う夏に、明るく振舞う、水季。

「病院ってさ、お金払って痛い思いするところだよね。何か食べる?食べちゃいけないものとかないって。」

大学に通うと、水季が大学を辞めた事を同級生から知った、夏。

慌てて電話する夏。

「どうしたの?大学辞めて。体調悪い?」

「元気だよ。学費高いから就職しようと思って。夏くんに説得されなくても私変わらないし影響されないし」

「急に一人で勝手に決められても」

「急に一人で勝手に決めなきゃいけないこともあるんだよ。」

「会って話したいことがあって。」

「別れよう。別れよ、別れてください」

「あ、何?やっぱ体調良くないの?あのあと病院は?」

「夏君より好きな人できちゃった。その人の事夏君より好きでずっと一緒にいたいんだよね。」

「誰…?」

「内緒。秘密。」

その大切な人とは、お腹の子供、海を意味します。

「ふざけないで、会って話そう。」

「だから夏くんの言葉で意志変わったりしないんだって。」

「そうだよね。あ、その人に伝えたいことある?夏くんより好きな人に。」

「なにもないよ。うん、お幸せに。」

「はい。わかった伝えておく。」

「あのさ…」

「絶対幸せになるし、する。」

「勝手だよね。本当にいつもずっと。」

「うん、マイペースなんだよね」

「我儘じゃなくて頑固で薄情。覚悟しておいてって伝えておいて」

「めっちゃ悪口言われてる。はーい」

「ごめん」

「なにが?」

「体、本当に大丈夫?」

「うん」

「うん、なら良い…元気でね。」

「うん、バイバイ、元気でね。」

そして現在。

「ありがとう。」

動画のお礼を言う、海。

「ママとお友達なの?」

「うん、8年も会ってない。」

「海ちゃんお待たせ。おばあちゃんところ行っていいよ。お片付けしているから。」

津野と対面する、夏。

「水季さんの同級生の月岡といいます。」

海のペンが落ち、それを拾おうとした矢先、夏と水季のことを知る津野は複雑な表情です。

「あの水季さんの同僚の津野です。」

「どちらにお勤めですか?」

「知らないんですね。」

「大学の時に会ったのが最後なので。」

「この7年のことほんとうに何も知らないんですね…。」

重々しい口調でそう言って去っていく、津野。

葬儀場で、朱音に声を掛ける、津野。

「お母さん…」

「津野さん、お母さんやめてほしいんだけど。」

「月岡さんがいらっしゃいました。」

その言葉に深刻そうな表情を見せる、朱音(大竹しのぶ)。

朱音は海の手をひきながら、月岡夏の元へ。

「月岡さん?」

「はい」

「あの…水季の母です。」

「はい。」

「えっと、この度は…」

「私の連絡先です。気にならなければ気にせず捨てて下さい。」

「あの、何か…」

「ちょっと…」

海の手をひき、話し合う事にした朱音。

「水季の人生は終わりましたけど、私達は生きて行かなければならないし、この子の人生なんてはじまったばかりなんです。終わったことにいつまでもくよくよしているわけにいかないし、この子の未来を考えなきゃいけないんです。」

「すみません、あのなんで僕に…」

「海ちゃん、さっきのお部屋でちょっと待っていて。」

海に席をはずしてもらい、朱音は説明を続けました。

母子手帳から水季と夏が書いた人工中絶同意書を見せます。

「一度はこうしようとしていたけど忘れない為に持ち歩いていた。ほんと変わった子で。親でも何考えているか分からない子で…気づきませんでした?あの年の子ですよ。」

「6歳って…」

「もうすぐ7歳になります、小学校1年生です。」

「すみません、何も知らなくて…」

「ええ知らないでしょうね。男の人は隠されたら知りようがないでしょうね。妊娠も出産も知らないで父親になれちゃうんだから。」

「津野君、月岡さんって夏君、あの人が夏君…」

「そうだよ。」

朱音と夏。」

「そういうのないですよね。海の父親やりたいとか思わないですよね?ですよね、わかってます。押し付けようとしているわけじゃないんです。」

「いやあのちょっと…」

「水季が勝手に生んで勝手に育てた子なので、大丈夫です。ただ…想像はしてください。この7年の水季のこと。想像はしてください。今日1日だけでも」

「夏くん!」

悪気なく、自分の名前を呼んだ、海に、水季の声が重なる夏。

水季に似た愛くるしい笑顔の海に胸が詰まる、夏なのでした。

東京に帰ってきた、夏は、弥生に勘付かれます。

「珍しいじゃん…既読もつかないで。」

「一人だとどうにかなりそうで…」

「何も考えないほうが良いよ。大学のときの同級生で…病気だったみたいで。知らなくて…」

「そっか、つらかったね。つらいね。」

「何も知らなかった。つらいなんて思っていいほど何も知らない、何もできない」

その頃、海は祖父母の家で退屈そうにしていました。

遺品整理をする朱音と翔平(利重剛)。

「あ、スマホ…解約しなきゃね」

「ママのスマホ持っていても良い?」

「持っていてもいいけどあとで返してね?」

「うん」

優しく孫に語り掛けるのも精一杯の茜。

翌朝。

精神的なショックで出勤できない夏をアパートに置いて、出勤する弥生。

実家で、弟の大和(木戸大聖)と会話する、夏。

「母が死んだ時まだ小さいから分からないと諭された事のあるよね。でも言葉の意味が分からないより、感情で分かるから泣いていたな。」

その言葉に海の気持ちを考えようとする、夏。

海は宿題をやっている時に朱音に注意されました。

「海ちゃん、ママもずとtスマホ見ることがあったから。大人の真似しちゃだめよ。」

「はい。」

しかし、海は祖母の朱音が買い物に出かけている間、夏の家を突然、訪問しました。

「一人できたの?」

「うん、練習した。何度もここまでママと一緒にきた。一人で来れた。」

「そこ暑いから。」

海は何も分からず、夏に生前の元気だった水季の動画を見せました。

「ママ、公園行こうよ。」

「ママは季節のなかで夏が一番好き。」

「冬眠ってなに?」

思わず動画で涙ぐむ夏に、動画をもう一回見せてほしいとせがむ、海。

その動画は、夏と水季が海岸に行ったときの記録。

「海、好きー!海大好きー!海ー!大好きだよー!海ー!大好きー!」

自分の名前を呼ばれているようで、嬉しそうにする海と、夏に水季と出かけた思い出が走馬灯のように蘇り、泣く、夏。

「海もママ大好き。」

「はい、終わり。」

「終わり?」

「うん。海が海でこういうのこれだけだから。」

「終わるとどうなるの?」

「終わりは終わりだよ。もうないってこと。帰ろう。先に連絡するから。」

「ママ終わったの?ママ終わっちゃったの?」

「死んじゃったんだよ。」

「死んだらどうなるの?」

「ごめん、わかんない。死んだらどうなるかわからない。水季、お母さんじゃなくなるわけじゃないから終わったんじゃないよ。」

「夏君は?夏君、海のパパでしょ?夏君のパパいつ始まるの?」

海のはじまり1話感想・みどころ

大学時代の恋人だった、水季の忘れ形見である、海。

一度は人工中絶しようとしたものの、夏に「夏よりも好きな人ができた」と言って、一人で育てていた、水季の葛藤と母としての決意が伝わりました。

「夏よりも好きな人」は、海のことという胸がかきむしられるような真意でしたね。

夏と違って、個性的で自分らしさを軸にして生きる水季と、優柔不断で曖昧な、夏。

そんな夏だからこそ、頼り甲斐ある弥生は、海の親にはなれなくても、一番身近な夏の存在として、支えになっていくことでしょう。

海の母、朱音としては夏の存在、夏と一人娘の事で想像以上の苦悩や親子の衝突があったことを察します。

海への接し方も、祖母というよりは、少しの間、ワケアリの子供を預かっている女性という印象でした。

海を大切に思う反面、娘が一人で生み育てることを決意し、遺されてしまった女の子にどう接したらいいか分からない戸惑いが表れていると思いました。

海が夏に、水季と夏がかつて海岸に出かけた動画を見た時、夏の大人としての心情をまだ計れない海が見ていてつらかったです。

人が死ぬことがまだ完全には理解できていない海が、無邪気に笑い、動画に映る母を再生している様子は夏の気持ちになると、胸が詰まりますね。

海に夏と出かけた水季が「海、大好き!大好きだよ」と連呼するシーンは号泣ですよ。

「夏くんは海のパパでしょ?」

水季から何度も聞かされただろうこの現実に夏がどう向き合うのか?

夏の父としての「はじまり」に期待と不安が高まる1話でした。

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