嘘解きレトリック4話あらすじネタバレ
久保親子は、市松人形が遺体の傍にある女性を見つけました。
久保(加藤諒)は父と一緒に、日本人形と横たわる女性の遺体に唖然としてました。
九十九夜町、早朝の目抜き通りで、祝左右馬(鈴鹿央士)と浦部鹿乃子(松本穂香)が駅に向かっています。
汽車に乗り、「探偵のお仕事ですか?お出かけ?幕の内弁当なにがいいかな」
はしゃぐ鹿乃子。
「家賃を払えず、朝だけどね、夜逃げをしているだけだよ」
「別の鞄を持つの難しくなるだけだよあの人」
「人の鞄を盗んで包んでいるってことですよね?」
そんな時、左右馬が不審な男に気付き、鹿乃子の嘘を聞き分ける能力で置き引きを暴きました。
「あの済みません、お荷物お間違いないですか?風呂敷で包んでたら間違いだったって気付きませんよ」
男は逃げますが、居合わせた女性に足を引っかけられて転び、周囲の人達に取り押さえられるのでした。
その女性は、端崎馨(味方良介)の姉、雅(北乃きい)。
「間抜けな泥棒ね」
「ああ雅姐さん、お久しぶりです」
「まったく締まらないわね、左右馬くん。この方は?」
「助手」
「え?助手?左右馬くんの助手なんてろくな仕事ないのよ。」
「端崎雅です、宜しく。夜逃げかぁー相変わらず太祖がないね左右馬くん。あるお屋敷で取材するんだけど一緒に行かない?」
左右馬たちが夜逃げ中だと知った雅は、取材旅行に同行しないかと2人を誘います。
雅が、「魔境探報」という怪談雑誌の記者と聞いた鹿乃子は怯え、左右馬も断ろうとします。
「所詮、怪談だよ。」
「心霊か…面倒くさい」
「今月分の家賃払ってあげる!」と雅。
その言葉に即座に招致する左右馬なのでした。
「どういった事件ですか?」
「人形殺人事件よ。」
「人形に殺されたんですか?人形が殺したんですか?」
「両方よ」
雅が取材するのは、「人形屋敷」と呼ばれる綾尾家。
生まれつき体の弱かった一人娘の成長を祈願し、娘の成長に合わせて作った人形を娘と同様に育てる風習を大切にしています。
「娘さんと同じように洋服を着替えさせたり、同じ食事を作らせたわ。彼女には妙な噂が合って、お産婆さんも、医者もいないのに生まれた噂や、足が悪いはずなんだけど普通に歩いているところを見た人もいるのよ。」
雅は興奮して、雅の様子を伝えました。
しかし、屋敷には現在、主人夫妻が海難事故で亡き後、一人娘の品子(片岡凛)が継いでいます。
自分と同じように、人と違うことで奇妙に思われた品子の境遇に、共感する、鹿乃子。
そんななか、現地に到着した左右馬ら一行を柴田(佐戸井けん太)が案内します。
「イネの件を調べにいらしたとか?私の遠縁の娘です。親父さんが遺した借金がどうにもならなくなって2年ほど前に私を頼りに来ました。あ、イネの兄です。イネには女中の口を紹介しました。」
通りすがりにイネの兄とすれ違い、イネの周辺について説明する、柴田。
柴田によると、女中のイネ(松浦りょう)が品子の「人形部屋」を覗くと、誰かの死体を発見。
「イネさんは間違えたのではないでしょうか?死んだ人間と人形を…」
「イネは私がそれを確かめている間に死にました。目を離したすきにいなくなって。イネが死んだとされた時のイネの兄は気の毒で見ていられなかった。イネは兄の世話を良くしていたのです。あれがイネを発見した久保くんです。久保くーん!」
そこで、河川敷で釣りをする久保(加藤諒)に気付き、声を掛ける、柴田。
「あの日、父と山根を釣っていたら、女性の叫び声がしました。一緒にいた人形のような大振袖の。道がないんです。草木をかき分けて道を進むしかないんです。」
「振袖来た女の子にはそんなことは無理ですわ。品子ちゃんは家にいて、私と刑事の寺山さんといました。」
イネは慌てて柴田の家に飛びこんできましたが、柴田が刑事の寺山清一(正名僕蔵)とその部屋へ行くと死体だと思われていたのは人形で、その後、イネが岩場に落ちて命を落としました。
品子は事件当時、寺山と柴田と一緒にいました。
「刑事の寺山さんが言うには、イネは人を死なせたことを気に病んで自殺した。イネは人形に祟られた。人形に呪い殺されたんだ。」
柴田と別れた後、人形屋敷と呼ばれた品子の家へ向かった3人。
左右馬、鹿乃子、雅が品子と対面することになります。
間もなく高齢の家政婦の女性が出迎えました。
「このお屋敷長いんですか?」
「いえ、まだ1年です」
「綾尾家のお父様はうちの祖父の盟友なの。人を傷つけるような記事を書いちゃいけないわ。絶対に嘘は書かないって条件で取材させてもらった。」
間もなく品子が姿を現しました。
独得の雰囲気を持ちながらも、愛想の良い品子。
「はじめまして、綾尾品子です。あ…間違えた、ドアをきちんと開けてからご挨拶しなきゃいけなかったわ。」
世間知らずの品子を微笑ましく見守る、鹿乃子、左右馬、雅。
「私は体が弱くて、ずっとお友達も外の世界も知らずに過ごしてきました。お父様とお母様が亡くなり、うちに勝手に忍び込んで写真を撮ろうとした記者もいました。怪奇だとかお人形のせいで、人が死んだと言われたし、イネさんは本当に良くしてくれた。イネさんも人形に呪い殺されたって言われるんです。人形に憑りつかれた人形娘を取りに来たなんて言われた事もありますよ。」
その言葉に、鹿乃子は自身と品子が重なります。
「化け物鹿乃子!」
フラッシュバックする幼少期の記憶。
「化け物なんかじゃ、ない」
その後、人形部屋を確かめる為、品子の部屋を訪れるか話します。
「品子が夕飯をとる以外はあの部屋は入ってはいけないのです」
「でも、柴田さんと寺山さんは入れたよね」
「品子さん雅さんに心を開いていますね」
「雅姐さんは人に取り入るの上手いから」
「そんなこと言わないで下さいよ。雅さんのおかげで品子さんも話せるようになった。品子さんが少しでも偏見を持たれないといいですよね。」
「離れには、以前は姉やと婆やがいました。食事と入浴以外は、両親すらも品子の部屋に入る事はできなかったんです」
「え?ご両親も?」
「品子の健康の為だと言われました。」
そして人形部屋に通された3人。
「こうやって昼の御膳を置いてあげるんです。」
品子は丁寧に人形を説明しました。
「品子さん、人形を倒してもいいかしら?」
雅は記者として事件の状況を探る為、人形を遺体と同じように横たえさせました。
「イネさんの傍にあった人形ってどこの人形なの?警察の人も聞きに来たでしょ?」
「あの人形はどこにあるか分かりません」
「もしかして盗まれたってこと?」
「でもそれ言ったら、イネさんが泥棒になっちゃう。記事に書かないと約束してくれますか?」
「うん、書かないと…」
「それにしてもこの風習何処から伝わるものかしら。お母様のお国とか?その辺が分からないと得体の知らない風習がどこからくるのか記事にできないわ。」
「何も知らないんです。お父様もお母様もそれを教えてくれずに亡くなりました。気味悪いって言われても、お父様とお母様が品子の為に、残してくれた風習だから守ります。」
自身は、「気味悪い」と言われても、メンタルが強い品子を尊敬します。
夕食はお人形と同じお膳で、とる3人。
「あ、私の箸がない!」
雅の箸がないことに、鹿乃子が箸をとりに行きました。
「お勝手で行かせてください。ただでご飯を食べさせてもらっているんですから。」
「いいんですよ、お客様ですから。」
品子に気遣い、ご飯をとりに行く鹿乃子は、品子が双子ではないかという現象に遭遇します。
「まきや須美はひと月に一回届けてもらいます。お野菜やお魚は2日に1回」
「あ、有難う鹿乃子ちゃん!美味しそう!コロッケだ」と雅。
「品子さんって双子ですか?」
「いいえ、双子じゃないです」
やっぱり品子は嘘をついていないと確信する、鹿乃子。
「じゃあ私達もいただきましょうか。」
「そうやって喋っていたら気味悪くないのに」
「品子さん少しずつ外の世界へ出てみてはいかがですか?私も思い切って村を出ました。」
自分も人と違うことで苦しんでいた環境から、左右馬に救ってもらったように、品子も優しい人の理解があればと願う、鹿乃子。
「親子の絆推しで記事に載せるわ。そうすれば風評被害も収まるかも。品子さん、また人形部屋を写真に撮ってもいいかしら。そもそも人形殺人事件なんてひどいわね。誰も殺されていないし」
「いいですよ」
「誰も殺されていないのにひどい風評ね。」
「そうです、うちは誰も死んでないし、イネさんは自殺だから。」
ふと、鹿乃子は愛想の良い品子が嘘をついていることを見抜き、ショックを受けます。
人形が倒れたように誰かが死んでいてイネは自殺じゃないってこと?嘘を聞いたのに、左右馬に合図できなかった…。
品子の何かを隠すための嘘にショックを受ける鹿乃子。
「美味しそう!よく働いていますね」
「食べる?」
女中に絡んで情報を聞き出そうとする、雅。
一方、嘘をつく品子の様子に胸がざわつく、鹿乃子は左右馬と話します。
「鹿乃子くん雅姐さんとお風呂に行ってくれば?虫の声も聞こえて夜風も気持ち良いよ。善ききかな善きかな。家賃に美味しいご飯にお風呂」
わざとふざける、左右馬。
「鹿乃子くん言いたくないなら言わなくていいけどバレバレですよ」
「誰も死んでないのは嘘、双子じゃないのは本当でした。何か品子さんは隠しているんでしょうか」
「まあそうだろうね」
「品子さんの嘘は悪い嘘でしょうか?」
「悪い嘘?」
「悪いことを隠したり人を傷つけたりするような嘘です。」
「良い嘘もあるの?」
「ありますよ。人を気遣う思いやりのある嘘です。もし品子さんの嘘が悪い嘘なら、暴くべきですよね?」
「でも君は暴きたくないんでしょ?だから君は僕に咄嗟に合図できなかった。」
「暴くと、品子さんが困るんですよね。私、たった一人で耐えている品子さんの力になりたいんです。もし、品子さんの嘘が誰かを傷つける嘘だったら、どうしたらいいんでしょうか」
「君の好きにすればいいんじゃにゃい?君は良い嘘と悪い嘘があるって言ったけど、イネさんを庇っているから一見いい嘘に思える。けどもし、イネさんがよそでも泥棒をしていたら、そう単純な話ではなくなる。いい嘘か悪い嘘かは状況や立場によって変わるよ?自分が正しいと思う方向に動くしかない。君は人を傷つける為に嘘を見抜く力を使わないでしょ?だから好きにすればいいんじゃにゃい。僕達から見た品子さんの嘘がどう見えるかもう少し探ってみよう。」
翌朝。
「左右馬くん、おはよう。あの風習どう思った?」
「人形を育てる風習ですか?」
「品子さんの人形の風習だけど、私は死んだ子供の供養だと思ったわ。女中さんに聞いたところ、気味悪がられているのは短期間で使用人を入れ替えているからだって。そして、地元の人は雇わなかった。この村の人は風習についてよく知らないのよ。」
「要するに意図的に風習を村人が知らないのは、つまり綾尾夫妻が隠したいことがあるからだ。」
「綾尾夫妻が品子さんが双子であることを隠そうとしていたからじゃないかしら。品子さんは双子じゃないって言ってたけど、あれは嘘よ。双子は不吉だと言われていた。今でもそんなくだらない迷信を信じている人もいるなんて。」
「あんなに親切ぶってたのに。」
「私は親切心と猜疑心で両立されているの。」
「それは頼もしい限りです。雅姐さん…あれ…」
「おはようございます…寝坊しちゃって…え?!血?」
「鹿乃子ちゃん!」
なんと、障子に血痕が付着していました。
品子の部屋です。
「私、女中さんから鍵を借りに行ってきます。」
鹿乃子は、鍵を取りに行きました。
「雅姐さん、入れるところから入りましょう。女中さんも鍵を持っていない。この家には秘密があると思います。恐らくこの離れに。何も知らない女中さんに鍵を預けているとは思えない。昨日夕飯の時も、鍵は品子さんが一緒にいる時にしか入れないから品子さんを呼びに来たんだよ。」
「だったら先にそれを早く言ってあげなさいよ!鹿乃子ちゃん、無駄足じゃない!」
鹿乃子さんは品子さんに肩入れしているから中に入って何かあったら見せるの可哀想でしょ。」
左右馬はガラスをわざと割って、中へ侵入。
「どうして勝手に品子の部屋に入ってるんだ。ご飯の時以外はダメだって言っただろ!」
現れた品子は男勝りな口調で急に喋り出しました。
その変貌ぶりに何かを匂い感じとる、鹿乃子、左右馬、雅なのでした。
嘘つきレトリック4話感想・みどころ
嘘が見抜ける力のせいで、村八分にされ、自身の母親からも距離を置かれている、鹿乃子。
その彼女が心を開けそうな自分と同じような境遇の、品子。
自身の少女時代とオーバーラップしてしまった、鹿乃子だからこそ、品子を救えると思います。
綾尾家の当主として、両親から受け継いだ人形を我が子同然に育てる風習を大切にしてきた彼女は、とても聡明で繊細に見えました。
目の奥に心の傷を隠し持っていそうな彼女は、双子なのか人格障害なのか…。
社会から隔離されて過ごしていたとは思えない程、まだ精神的に未熟なところはあるものの、コミュニケーション能力がある、品子。
しかし、彼女が育った綾尾家の風習と周囲の死は、胸が切なくなる真相が隠されているのではないでしょうか。
そんなダークサイドなミステリーが目が離せない本日の4話。
北乃きいさんの姉御肌な女性記者、雅もこれまでにない役どころで、可愛くて良い意味でしたたかさが魅力的です。
「品子の部屋に勝手に入るな。」
男勝りの口調で、険しい表情の「品子」。
思うに、男兄弟と品子がいて、どちらかが両親に可愛がられ、一方が不遇な扱いを受けたように思えました。
事件のこととなるとはきはきした喋りになり、本当の彼女は内面に誰にも言えない闇を抱えていそうで、心配になる4話でした。