未解決の女Season3~警視庁文書捜査官~最終回「最後の告発」あらすじネタバレ
「善良な市民」と名乗りながらも、何者かへの復讐を密かに願う男(杉本哲太)。
絵画講座に通う食堂の店員、広橋芳乃(大原優乃)が行方不明となっている事件。
謎の男からの手紙には、広橋芳乃が絵画講座の講師、大倉英行(福山翔大)によって、殺害された可能性があると綴られ、この風景画を撮影した写真も添えられていました。
その手紙を読む古賀。
(古賀)私の心の中は解決してもらって良かったという満足感が半分。残りの半分の感情は憤りです。私の通報だけでこれほどすぐに事件を解決できる力を持ちながら、警察は何故、多くの未解決事件を放置するのか。
(手紙の兼村)未解決事件とは捜査遺棄事件であり、警察が負けを認めた事件です。みっともないとは思わないのですか?
(陸奥)だからこそ再び、もし、捜査をしなければ私が犯人を殺す、また我々を脅しています。
(鳴海)一度、自分の思い通りに事件が解決したから勢いづいたのね。前よりもはねが強くなって字に高揚感がある
(古賀)で、お次はどんな事件なんだ?
(陸奥)こちらにまとめてあります。
陸奥は、いつものようにホワイトボードに事件の経緯をまとめました。
(陸奥)4年前に行方不明者届けが出された北区の飲食店従業員、広橋芳乃さんについてです。広橋さんが当時入っていた絵画サークルの講師、大倉英行さんが、広橋さんを既に殺害した可能性があるので調べろと言っています。
(宗像)既に殺害した?
(草加)王子北署の4年前の捜査資料によると、広橋芳乃は、2021年10月から半年間、大倉英行が講師をするカルチャースクールの絵画講座に通い、その後、講座の仲間らと大倉の主催する買いがサークルに在籍していた。しかし、1年後の2022年11月14日、勤務先の定食屋を出て自宅マンションに戻る途中で行方不明となり、両親が行方不明者届けを提出している。
(夏目)あと、手掛かりにとこの写真も同封されていたんです。
(宗像)湖の絵か?隠し撮りみたいな写真だな。
(夏目)しかしこいつの通報いつまで続くんですかね
(草加)何度もこんなことして何が善良な市民だよ
(陸奥)もしかするとこの通報者には未解決事件の解決だけでなく何か他の目的がある。
(古賀)あのなお前らの考察なんてどうでもいいんだよ!6係は引き続き2係と組んで、この事件を捜査しろ!
(鳴海)じゃあ腹黒さんはこの先も、通報者から依頼が届いたら言われた通りに捜査するわけ?
(古賀)そんなの当たり前だろ?実際、この人物からの通報で事件が解決してるんだよ。警察ならどんな事件でも解決するべきだろ。
(宗像)そうです。一般市民からの通報に基づき、捜査をすることは何も恥ずかしい事ではありません。
(鳴海)あなたがいつまで経っても一課長になれない理由が分かったわ。この通報者は警察を逮捕しなければ自分が犯人を殺すなんて言葉を使って巧妙に操ろうとしている。そんな見ず知らずの人物の言いなりになるなんて、あなたって根っからの歯車体質なのね!主体性がなく、言われたことだけをやり、永遠に人の上に立つことが出来ない!生粋の指示待ち人間よ!
(古賀)歯車体質…生粋の指示…待ち
(宗像)魔女め、室長になんてことを
(鳴海)この件で腹黒上司の言うなりになるのはごめんだわ。メジェド係長、あなたの意見なら聞いてあげてもいいわ。どうする?
(陸奥)私は…この人物が本当にしたいことは何なのかを確かめたい。そのために捜査をしたいです。ということで室長、我々、6係で捜査を開始いたします
(草加)じゃあ久々に動くぞ。
(夏目)気合入った
(古賀)ああ、宜しく。歯車体質、生粋の死し待ち人間、一課長になれない
(宗像)室長、室長、しっかり、カムバック。
鳴海は陸奥が危険な目に遭いかねないと思い、引き留めました。
(鳴海)あなたは…たまには係長らしく、ここで指示を出したらどう?この間から少しも休んでないでしょ。あなたが心配なの。
(陸奥)有難う御座います。でも健康管理はばっちりですから。それに今度こそこの通報者の本当の狙いを。わぁ…なんだろ、心配されるなんて私はまだまだだなという気持ちと、それよりも、鳴海さんに心配されて嬉しいという気持ちもあります。
(鳴海)少しね、少しだけよ
(陸奥)あの、事件が無事に終わったら、お茶でもしませんか?美味しいお店調べておきますから。
(鳴海)なによそれ、そんなこと調べなくても私が知ってる。私が桜田門に何年勤めていると思ってるの
(陸奥)やったぁ。楽しみ。
鳴海理沙(鈴木京香)、陸奥日名子(黒島結菜)、夏目征也(宮世琉弥)、草加慎司(遠藤憲一)ら、6係の面々は捜査を開始します。
警視庁捜査一課特命対策室室長、古賀清成(沢村一樹)と室長補佐の宗像利夫(皆川猿時)も、若手の今津雅也(草川直弥)と共に、6係に口を挟みながら協力するのでした。
陸奥が夏目と連携を取りながら調べると、大倉はアパートも引き払っていたとのことが分かりました。
(陸奥)え?絵画サークル講師の大倉さんも行方不明?
(夏目)はい、2年前から家に帰らず勤め先にも来なくなって、豊島区のアパートも母親が引き払っていました。ずっと連絡が取れなくて母親も生きているのか死んでいるのか分からないそうです。ただ、この湖の絵は大倉が描いたものだろうと言っていました。前からよくこういう風景がを描いていたと。
(陸奥)そうですか、1つ収穫ですね
(草加)係長、広橋芳乃さんの実家が分かりました。向こうです。
すると、大蔵も何故か2年前から行方不明になっていることが判明しました。
そんななか、芳乃(大原優乃)を早く見つけてほしいと切望する彼女の母、広橋泰子(戸田菜穂)と父親、兄の思いも受けた、草加と陸奥。
(芳乃の母、泰子)【戸田菜穂】王子北署からは関係者を事情聴取したけど誰も不審な点はなかったって。それ以来、
(泰子)王子北署からは何の連絡もなかったんですけど。なんで急に。
(陸奥)実は新しい情報が寄せられたんです。
(芳乃の兄、広橋裕也)新しい情報ですか?どんな情報ですか?
(草加)いや、詳しい話は出来ないんですけども、絵画スクールの講師の方が事情を知ってるんじゃないかって話なんです。ご存じですか?大倉英行さんという方なんですけど。
(泰子)知りません!でもその講師の方にすぐに話を聞いてください!
(陸奥)それがその大倉さんの行方も2年前から分からないんです。仕事も辞め、電話番号も変わってしまっているようで。
(泰子)警察は信じてくれませんでしたけど芳乃は事件に巻き込まれたと思ってます。もう…どんな姿でも構わないので。
(芳乃の父 広橋)済みません、その大倉という人は何歳ですか?
(陸奥)現時点で36歳です。
(広橋)そうですか…芳乃は大事な娘です。何も言わずに疾走するはずじゃないんです。
一方、芳乃のアルバイト先の定食屋を訪ねた、夏目。
店主の岡本明日美に話を聞きました。
(岡本)芳乃ちゃんですか。良く働くいい子でね。前の職場は人間関係で辞めたって言ってたけどうちでは楽しそうに働いていましたよ。これもね、芳乃ちゃんが描いたの。
(夏目)うわーオシャレですね
(岡本)このね、値段のところだけ張り替えて今も使ってるのよ。
(夏目)じゃあこのチキン南蛮定食食べていっていいですか?その前にこのメニュー写真撮ってもいいですか?
芳乃が作った食堂の手書きメニューを見た鳴海は、特徴的なその文字に興味津々です。
広橋佳乃が通っていた大倉の講座の受付の津々井誠と、生徒にも話を聞きました。
(津々井誠)大倉さんの講座の受講者のリストです。2年前に急に連絡がつかなくなりまして仕方なく講座を閉めました。
(草加)2021年の秋に、広橋芳乃さんの名前ありますね。
(陸奥)この時の受講者の連絡先を全て教えていただけますか?
(津々井)はい。
(女性の受講者の一人)広橋ちゃんね!静かでおとなしそうな感じの子だったんですよ。でもね、年頃の男女だからこんな可愛いでしょ。
その後、大倉を知る、薬剤師の里見怜太に話を聞きました。
(怜太)大倉先生、住んでいるところ絶対言わないでくれって言ってたんですけど警察じゃ仕方ないですよね。
(陸奥)現在どこに住んでるかご存じなんですか
夏目は鳴海にメニュー表を見せました。
(鳴海)へぇこれを広橋さんがね
(夏目)はい、絵を習っていただけあって上手ですよね。
その後、陸奥と草加は大蔵の居場所を特定して、6係に駈け込んできました。
(陸奥)鳴海さん!大倉英行さんの現在の居場所が分かりました。
(草加)前の家にはしつこく訪ねてくる人がいて、それで密かに引っ越したらしい。絵は最近も個人で教えていたそうだ。
(陸奥)立川市桜町5丁目。神社の近くです。
陸奥と草加は早速、大倉の今の家に向かいました。
夏目は陸奥と草加と連携を取りながら張り込むことにします。
(陸奥)ここですね?電気がついているから在宅中でしょうか?
(夏目)夏目です、近くの駐車場に赤い車が止まっています。
(陸奥)了解です。念のため、所有者を調べてもらってください。訪問しますか?
(草加)張り込みましょう。まだ本人の姿見てないし顔を確認したほうがいい。
(陸奥)住んでいる人がどんな人かわかりませんが。
夏目は赤い車が停められているのを特定しました。
(草加)動きがありませんね。住んでいるのがどんな人物か行動に怪しい点がないか、夏目と手分けして近隣住民に話を聞いてきます。
(陸奥)おかしいですね。人が住んでいるのは確かなんですが。了解です、私はここで監視しています。
その矢先、草加が大倉の居場所を突き止めた近隣住民に聞き込みをするなか、単独で張り込みを続けていた日名子が大倉らしき男と遭遇しました。
(近隣住民)あの家に住んでるのは2年程前だったかしら。話したことないんですけど、たぶん、一人暮らしだと思います。
(草加)最近見かけたのはいつですか
(夏目)陸奥係長、奥にあるアパートの大学生が赤い車に乗って外出する大倉を何度も見たことがあるそうです。
(陸奥)では草加さんとこちらに戻ってください。ご本人に話を…とりあえず引き留めます。大倉英行さんですね?警察ですが、少しお話が。
陸奥が大倉を引き留めて声をかけると、彼は鈍器で日名子を殴りつけました。
(大倉)あいつの仲間だな?出て行け。
陸奥は大蔵に、誰かと間違えられた挙句、「善良な市民」と名乗る謎の男(杉本哲太)が彼と争うのを意識が遠のく中見ていました。
病院に搬送された陸奥。
(陸奥)鳴海さん?
(夏目)陸奥係長!あ、良かった、陸奥さん生きてた。
(草加)良かった、本当に良かった。済みませんでした!自分が傍を離れたばかりに
(陸奥)痛!状況を、状況を教えてください
(鳴海)何してるの。無理はしないで
(草加)自分達が聞き込みから戻ってくると、しかしその血痕は係長のものではなく、家の中まで血が流れててそれが表の駐車場まで続いていました。
(夏目)室内は既に誰もいなくて、凶器と思われるものも落ちていませんでした。けど、大倉の車もなくなっていて。
近隣住民への聞き込みから草加と夏目が戻ると、陸奥が倒れているところを発見しました。
さらに、大倉の家の中は何者かと争った形跡と血が落ちていました。
(夏目)凶器は
(鳴海)先生を呼ぶわ
(陸奥)いいえ、私を殴ったのは大倉英行です。顔を見ました。スパナのようなもので、あいつの仲間だなと…その時、緑の上着を着た男の人が見えて、それに一瞬気をとられてしまい、不覚でした。大倉英行とその男性が揉み合いになりながら家に入っていくのが見えて。
(鳴海)今の話、古賀達に伝えて来てくださる?デカ目くんも急いで。情報を有難う、係長、今はゆっくり休んで。ご両親もシンガポールに向かって
(陸奥)怖かった。係長なのに情けないです。でも、怖かった…ああ、怖かった。
陸奥は、大倉に殴られた恐怖感と、係長として責任を果たせなかった悔しさでいっぱいになりました。
情けない気持ちと不安が入り混じり、陸奥は鳴海に抱き着きました。
(陸奥)ごめんなさい、ごめんなさい。
(鳴海)いいの、いいのよ。後は私達に任せて。
その頃、6係では、古賀と草加の他に、第3強行犯捜査、殺人犯捜査第5係係長、桑部一郎(山内圭哉)、第3強行犯係捜査殺人は捜査第5係、春日部栄太(井上翔太)、越坂部澪(武田玲奈)も捜査に加わります。
(桑部)血痕は大倉か陸奥係長が見た緑の上着の男のものであり、どちらかが負傷し、2人ともあの場から消えた。
(古賀)いいか?大倉はアイツの仲間だな?と言ったんだ。あいつというのはミスターグリーンジャンパーのことだろ。俺が思うに、ミスターグリーンジャンパーにしつこく追われ、恐れていた。で、ミスターグリーンジャンパーは偶然か必然か大倉を見つけ、これはチャンスだとばかりに、家に侵入し、大倉を刺した。
(桑部)なら何故、大倉は消えたんです?遺体はなかった。
(古賀)ミスターグリーンジャンパーが遺体を運び出し、車で逃げたと考えるのが順当だろう。
(草加)自分が到着するまで5分もかかってない。大の男を引きずって駐車場まではこっぶに時間はなかったはずだ。
(今津雅也)なら刺された大倉が必死に外に逃げ出したとか?
(夏目)それをミスターグリーンジャンパーが追った?いやでも、怪我して車に乗り込む大倉に、ミスターグリーンジャンパーが追い付くのはおかしいですよ
(草加)もしかして怪我をして血を流したのはミスターグリーンジャンパーのほうなのか?
(古賀)とにかくだ!現場で傷害或いは殺人未遂事件が起こったことは間違いないんだ。
(越坂部)係長!大倉の家の2階の引き出しに大倉宛の手紙がありました。あの通報者と同じ丸文字です。
(鳴海)見せて!
越坂部から封筒を受け取る、鳴海は文字の筆跡を確認します。
(鳴海)大倉英行、お前が広橋芳乃を殺したことは分かってる。このまま逃げられると思うなよ。犯罪者には必ず罰を下す。自首しないなら法の代わりに私がお前に罰を下す。前の2通の手紙と同じ人物が書いてる。消印は3年前、あて先は以前の住所。つまり通報者は3年前から広橋芳乃を殺したのは、大倉英行だと確信し自首を迫っていたことになる。
(古賀)そして最近になってこの事件を再捜査するよう、6係に手紙を送ってきたってことか
(鳴海)もしかすると、大倉と揉み合っていたのは、美登里の上着の男、その人物が通報者で、善良な市民なのかもしれない
(古賀)ミスターグリーンジャンパーが通報者?そうだ、俺はこいつの歯車に成り下がったんだ。
(夏目)ミスターグリーンジャンパーは前から大倉に自首しろって迫ってたけど2年前に逃げられて、そこから自力では大倉を見つけられなくて…だから僕達を使って大倉の居場所を調べさせたってことですか?
(古賀)そして俺達の後をつけてあの家に辿り着いたってことか。
(越坂部)だとしたら前に通報した報奨金の事件は何なんです?
(鳴海)1度目の事件は実験だったかもしれない。まずは課題を出して私達の力を試して、そしてこれなら使えると思って2通目の手紙を出したのよ
そこへ、春日部刑事が、「ミスターグリーンジャンパー」なる「善良な市民」の身元を特定しました。
(春日部)デか目!緑の上着の男、特定したぞ
(夏目)ミスターグリーンジャンパーが?すいません、よいしょ、拡大します。
全員で、夏目と共に映像を解析すると、なんと、元警視庁警視監の兼村が映っていました。
(鳴海)見たことあるかも
(古賀)いやいや俺も知ってるよ、こちらは元警視庁総務部長警視監兼村俊郎さんだよ
(桑部)キャリアじゃねぇかよ。なんで知ってるんだよ
(古賀)キャリアだもの
なんと、「善良な市民」の正体は元警視庁警視監の兼村(杉本哲太)。
(鳴海)警視庁総務部長なら6係の係長と違ってキャリアの出世コースよね。なのに3年前の5月31日に退職してる。
(古賀)そうそう!突然、辞めていったんだよ。なんて勿体ない!
(鳴海)エリート中のエリートの退職には不祥事が絡むことがある。例えば女性問題とか勤務時間中の株取引とか。ほらね。暴力行為を認めて依願退職してる。
(古賀)魔女、自ら捜査に?
兼村の大家に聞く、鳴海、草加、夏目、古賀。
兼村は3年前からソファーや家電を業者に回収させる謎の行動をとっていました。
(大家)兼村さん3年ぐらい前にソファーやら家電やらをまとめて業者に回収させていたらしいんですよ。引っ越しでもするかと思ったんですが、まだ普通に住んでいます。
(古賀)勤務先とかって分かります?
(大家)はい。探偵社だそうです。
(草加)なんだこりゃ
(夏目)うわぁ引っ越した後みたいだ
(草加)身辺整理して出て行ったのかな
鳴海は兼村が書いた、「拝啓、私は善良な市民です。」の書きかけの手紙を見つけました。
(古賀)やっぱり元兼村警視監が通報者だったのか
(夏目)でもなんで文が途中までなんですか?
(鳴海)現在の在の字、この土の部分の一画目が三画目よりも長くなってしまった。そこが気になって最初から書き直したのね。完璧主義者なんだわ。
(草加)兼村警視監を徹底的に調べる必要があるな。
(草加)在職中の情報は警察内部に残ってるはずだ。
(鳴海)日記…。ああこれが本当の善良な市民
鳴海たちは兼村の黒い日記帳を読みました。
(兼村の日記)世の中というものは本当にままならないものだと思う。私が一体何をしたというのか。世界が悪意を持って私に不幸を与えたのならそれを受け入れるしかない。
夏目は兼村を知る部下の警察官、船津に聞き込みをしました。
(船津たける)【伊藤俊介】ああ、兼村さんね。兼村さんキャリアだけど話しやすい人だったよ。でも知り合いが4年前に疾走しちゃってね。よく行く食堂の女の子だったかな。
(夏目)え、それで?
次に、草加と越坂部は、兼村の勤務先の探偵事務所、「レッド探偵社」の男性、赤堀巴継に話を聞きました。
(赤堀巴継)兼村は弊社の社員です。この事件はご遺族の葉山さんからの依頼で兼村が担当していました。さすが元警察だけであって優秀な探偵ですよ。新しい目撃証言も揃え、再度、西新井中央署に相談するよう、勧めたそうですが、警察の反応は薄かった。悔しがってましたよ。警察は実に頼りなくて非情だとね。
(越坂部)やっぱり
兼村は芳乃が失踪してから、当初は家出扱いで彼女の失踪を調べていました。
そこで、大倉が引っかかり、取り調べ中に彼に乱暴に掴みかかったことで依願退職をしました。
芳乃を捜しながら、大倉を独自で追求していました。
そのことを入院する陸奥日名子に話す、草加、越坂部、夏目、鳴海。
(草加)兼村は王子北署の生活安全課に、自分の知り合いなのっで念入りに捜査をと個人的に頼んでいます。しかし王子北署は一通り調べ、通常の家出と判断し、捜索を打ち切っています。
(越坂部)それで無理を言って調査資料を見せてもらった兼村は、大倉の証言が曖昧だと怪しんだ。それだけでも曖昧なのに大倉を直接訪ねて聞き込みをした。さらには大倉の態度に腹を立て、彼に掴みかかってしまったとか。
(夏目)感情的すぎません?定食屋で働く広橋芳乃さんに恋とかしちゃったんじゃないですか。
(陸奥)さぁ…兼村さん、一度研修でお会いしたことがありますが、その時晴伊勢沈着なイメージでした。
(越坂部)その時の責任を取り、兼村氏は依願退職。そして探偵社に就職し、仕事の合間に大倉を調べ始めた。その捜査は次第にエスカレートし、脅迫状まで送るようになった。
(夏目)そこまでします?いや絶対、恋愛感情ありましたよ。
(陸奥)兼村さんは大倉さんを殺すつもりなんでしょうか。
(越坂部)あの手紙を見ればそう考えるのが妥当ですね。
(陸奥)いけません!それでは私達が、兼村さんを殺人犯にしてしまうことになります。
(草加)いや逆に俺達が殺される可能性がある
(鳴海)大倉の家に行ってみる。手紙の写真に写っていた湖の絵が飾っていたというから直に見てみたいの
(陸奥)私も一緒に
(越坂部)だめですよ。現場は暫く控えたほうがいいです。
(陸奥)そういえば思い出したことがあります。広橋さんのお父さんは大倉さんの年齢を気にしていましたよね?
(草加)はい、36歳だと伝えるとどこかほっとしていた顔をしてて。芳乃は自分の大切な娘だからと。
(夏目)へぇなんででしょうね
(陸奥)鳴海さんもしかして神様
(鳴海)まだよ
鳴海、今津、夏目は大倉の家を訪ねました。
(鳴海)はぁまだ2万歩超えてる。こんなに歩いたのは久しぶり。
鳴海、今津、夏目、草加は大倉が前の家を逃げ出した際に書いた絵を発見
(夏目)8文字?なんでしょう?これ
(鳴海)恐らくこの絵のタイトルよ。大倉は前の家を逃げ出した時、自分で描いたこの絵をきちんと持ち出して、大事に飾って眺めていた。2022年11月24日って?
(草加)広橋芳乃さんが行方不明になった10日後だ。もしかしたら、湖の近くに彼女の遺体を遺棄したのだろうか
(夏目)え?で、その近くを絵に描いたってことですか?
(鳴海)分からない。でも、悪趣味にも芳乃さんの眠る湖を絵に描いて、それを大事に飾っていた可能性を前提とすると、この絵を飾っていたところに住んでる。
(夏目)絵の名前が八文字だから湖の名前も88文字なんじゃないですか?えっと、琵琶湖、いや違う。霞ケ浦、猪苗代湖、8文字だなんてそんな長い名前の湖あります?
(草加)いや、アメリカにある。確か…チャーゴグガゴグマンチャウグガゴグチャウバナガンガマウグっていう湖。
(鳴海)文字数じゃなく八文字という言葉自体に、この湖の名前のヒントがあるかもしれない。八文字、ハチモンジ…はちもじ狸?確か江戸時代の百科事典、和漢三才図会には、タヌキはその毛並みから、ハチモンジと呼ばれていたと書いてあったような気がする。あと、シーボルトの日本動物誌も。
草加は鳴海の知識から、スマホで静岡県の湖、田貫湖を特定しました。
(草加)あった。静岡県の田貫湖。
(夏目)これが室長が言ってた神様か
(鳴海)こんなの神様じゃないわ。ただの当てずっぽよ。
(夏目)大倉は広橋芳乃さんを殺してその場所を絵に描いて、兼村さんはその大倉を殺そうとしているって、2人共、広橋さんへの感情重すぎじゃないですか。
(草加)鳴海、歩きすぎたか!
(鳴海)ああー!本当の文字の神様が降りてきた。
ついに、鳴海の「文字の神様」が降りてきました。
そこで、一同は田貫湖へ向かいました。
(鳴海)やっぱりね、大倉はここから見た風景を描いたのよ
(夏目)大倉の赤い車ありました!
その頃、別荘に大倉を監禁した兼村が問い詰めていました。
(兼村)さぁ早く本当のことを家。
(大倉)吉野と付き合ってたけど重くて、別れようって言ったらもう死にたいって。
(兼村)嘘をつくな!
(大倉)芳乃が俺の愛が重いって別れようって言われて、最後にスケッチ旅行をしようって誘った。殺して…埋めた。その場所を絵に残した。ずっと忘れないように。俺を殺すのか?なんでだよ…警察も諦めてるのにずっと永遠に俺を追い回して。あんた一体何なんだよ。
大倉は芳乃から、愛情が重いと拒絶されたことを機に、彼女を旅行に誘い出して、橋の上で首を絞めて殺しました。
(大倉)愛してる、愛してる。
兼村は大倉を責め続けます。
(兼村)そうだな、彼女にとっては、ただの常連のおっさんだ
(大倉)気持ち悪いんだよおっさんが。芳乃は永遠に俺のものになったんだよ
そこへ、草加、鳴海、古賀、春日部、今津、夏目が来ました。
(古賀)ナイフをおろしてください、兼村元警視監
(夏目)怪我?あの血はあなたのものだったんですね
陸奥が訪ねてきた時の室内の血は、大倉と兼村が揉み合った時に出来たものでした。
(兼村)ああ。逃げられまいとして返り討ちにされた。こいつの車にGPSを付けておいて正解だったよ。特対6係のおかげでようやくこいつを見つけることが出来た。ありがと、お疲れさん。
(古賀)よくも俺達を歯車にしてくれたな。
鳴海は広橋芳乃が実の娘であることから、命懸けで大倉を特定した、兼村の経緯を皆の前で、説明しました。
(鳴海)兼村さん、私は最初、筆跡を隠したあなたの字が既製の丸文字系フォントを真似たものだと思った。でも違った。この字は、広橋佳乃さんの字を真似たものだったんですね。広橋佳乃さんはあなたの実の娘さんだった。エリートの両親の元に育ち、子供の頃から努力を重ね、順調に進学した。大学生の時、恋人が出来た。でもある時彼女に言われた。子供が出来たと。あなたはこう答えたかもしれない。警察庁にキャリアとして入庁が決まってる。今は無理だと。それなのに…出会ってしまった。
(草加)今、芳乃さんのご両親から証言もとれた。
広橋佳乃の母、泰子と兼村はかつての恋人でした。
定食屋の従業員だった芳乃と偶然、定食屋の客としてであったか兼村は、泰子とも再会してしまいました。
(芳乃)いらっしゃいませ、メニューをどうぞ
(兼村)へぇどれも美味そうで迷うな。
(明日美)あの子が描いたんでしょ。
芳乃の絵画教室の道具を定食屋に届けに来た、泰子。
(泰子)芳乃、絵の教室通うって言うのに家に忘れて帰ったでしょ。娘がいつもお世話になってます。
(岡野明日美)こちらこそ。お母さん食べていったら。
(芳乃)そうじゃん!生姜焼き定食めちゃウマだから。
(泰子)せっかくなので
(芳乃)有難うお母さん。この席。芳乃、お母さん、用事を思い出しちゃった。先、帰るね。
泰子は大学時代の恋人で、芳乃の実父だった、兼村を拒絶しました。
今の夫と芳乃を育てていることや、芳乃が生まれたことを告げた時、キャリアを優先した兼村が、芳乃と会うことを禁じるよう告げたのでした。
(兼村)もしかして
(泰子)あの子にはちゃんと父親がいます。妊婦だった時にお腹の子とちゃんと家族になろうと言ってくれた人。さよなら、二度と芳乃に近づかないで
鳴海は兼村の動機を語り続けます。
(兼村)そう、嬉しかったんだ。あの時、生むなと言ったくせに逃げたくせに、あの子に会えて嬉しかった。
兼村は芳乃と定食屋の店員と客として表向き会話したことを思い出しました。
(芳乃)サークルで月に何回か絵を習ってるんです。いつか自分の店とか持って自分の絵とか飾りたいな。
(兼村)へぇー。おお、いいね
そこで、兼村は大倉が覗いていることを発見しました。
やがて、兼村は芳乃が店を休みがちなことを定食屋の店長、岡野明日美から聞き、胸のざわつきを感じました。
(兼村)今日も休み?
(岡野)病気でもしたんじゃないかって心配で。
(鳴海)そこからあなたのキャリアは変わった。あなたは元恋人の忠告を聞かずに、定食屋に通い続けた。芳乃さんは行方不明になった。あなたは王子北署で内密に調書を読ませてもらい、証言の怪しい大倉を疑った。
大倉を見かけた兼村は夜道に彼を呼び止めて、芳乃のことを尋ねました。
すると、大倉は芳乃を罵倒したので、思わず、父親としてかっとなり、大倉を殴ってしまいました。
それで、兼村は依願退職をしたのです。
(兼村)大倉さん。待ってください。広橋さんが暗い顔をしていたと何度も証言していますね?そんな証言をしているのはあなただけだ。何故そう思ったのか証言していただけませんか?お前まさか広橋さんを
(大倉)なんなんですか…しつこいな。は?広橋芳乃もしつこい系の女でしたよ、刑事さん。ああ、絵にも性格が出てた。依存体質で失恋したらいつ自殺してもおかしくない。
(兼村)嘘をつくな。
兼村は鳴海に犯行動機を説明し続けます。
(鳴海)あなたはキャリア官僚という立場を一瞬で失った、そして覚悟を決めたんですね。世界が覚悟を持って不幸を与えたのなら、それを受け入れるしかないと。
(兼村)ああ、その通りだ。大倉を追い込むために僕は準備を始めた。芳乃の文字を真似て脅迫文を描いた。でも結局、自分一人では追い切れず、あんた達を頼った。これで未解決事件は解決だ。ようやく僕は犯罪者を罰することが出来る。怖がるな!殺したくせに!お前だけは芳乃のところには行かせない、僕も死ぬ
(大倉)殺さないでくれ。芳乃を埋めたことも話すから…助けてください
(古賀)あんたの思い通りにはさせん!
(今津)室長、自ら
すると、陸奥は武術を活かして、兼村と対峙し、ナイフを取り上げました。
(草加)白いエジプトの神。
(陸奥)お久し振りです。兼村さん、管理職研修意外ですね。お気持ちは少しわかります。私も一度は警察の捜査に失望し、6係を頼りましたから。亡くなった女性は私の大切な親友でした。そして6係で働くようになり、未解決となった事件に心を痛め、苦しむ人や、そのせいで、道を誤ってしまった人を沢山見てきた。理不尽なことばかりだった。でもその中でも、警察にはまだできることがあるんだと。人々のためにやるべきことがあるんだと、私は特対で、この6係のみんなと一緒に働いて感じることが出来た。でも私は諦めません。あなたにも罪を犯させない。
その後、大倉と兼村は逮捕されました。
鳴海は、陸奥が無事だったことにほっとし、腰を抜かしてしまいました。
(陸奥)鳴海さん
(鳴海)メジェド
(陸奥)鳴海さん大丈夫ですか?
(古賀)今回のお前らの無謀な捜査を踏まえ、6係はついに、廃止となったと言いたいところだが、俺の裁量で特別に、許してやる。これからもしっかり働けよ。
(桑部)一課長から褒められてたぞ?ホシを挙げただけではなく、元キャリアの命を救ってくれて感謝してるって。大倉の自供で広橋芳乃さんのご遺体もあの湖から発見された。芳乃さんのご遺族が感謝してたよ。これは室長ではなく、6係の皆さんで。
(陸奥)良かったですね、約束通りお茶に行きましょう。鳴海さんが連れて行ってくれるお店ってどんなお店かなー
(草加)お前も行くのか?
(鳴海)草加さんも一緒に行きましょう
(草加)え、いいの?
(鳴海)きっと係長のおごりよ
(陸奥)まぁいっか、行きましょう。
未解決の女~Season3~警視庁文書捜査官~最終回「最後の告発」
非常に心が痛む最後の事件でしたね。
「善良な市民」と名乗る男は、元警視庁総務部長警視監で、娘をただひたすら遠くから気に掛ける父親だったとは…。
一度はキャリアを優先して、大学時代の恋人だった被害者、芳乃の母親の泰子に見切りをつけた兼村。
我が子が定食屋で健気に働く姿を見て、親子としてほんのわずかな時間を過ごした兼村と、彼が実父だと知らない芳乃とのやり取りに涙が止まりませんでした。
本当なら、親子として水入らずの時間をもっと長く過ごせたはずなのにと思うと…。
そんな芳乃に忍び寄る大倉がまさしく、心が崩壊してどうしようもない人間でした。
いや、大倉は人間じゃない。
芳乃のことを「しつこくて、失恋でもしたら自死しそう」だと兼村の目の前で言った場面では、兼村の怒りに凄く共感します。
私は親ではありません。
もし、自分が母親なら、兼村と同じように、大倉に拳を振り上げる手を抑えられなかったなって思いました。
日名子が自身の過去を織り交ぜながら、兼村に、これ以上の罪を重ねさせないために制止した場面は圧巻でしたね。
日名子を見つめる兼村の目は、我が子である芳乃を見ているような目で、だからこそ、大倉の殺害を踏みとどまることが出来たのかもしれませんね。