緊急取調室2025

緊急取調室2025 2話 鈍色の鏡

緊急取調室2話「鈍色の鏡」あらすじネタバレ

再開発計画を巡る国家プロジェクトの幹部2名に続き、番組内で犯人を挑発した人気キャスター、倉持真人(山本耕史)の父、磯貝信吾(竜雷太)が、倉持の寝室で寝ていたために、犯人に倉持と間違えられて殺されました。

警視庁では捜査会議が行われました。

倉持真一が襲撃され、父の信吾が殺される前に、倉持が携わる再開発計画に携わる関係者が殺された経緯を確認しました。

(松本康明)本件は極めて特殊な経緯を辿っている。先入観を捨てて全容を把握してくれ。

(今西)7月11日帝都大学教授、榎本浩が帰宅途中に襲撃を受け、殺害された。その後の15日新興の電力会社、SHIN・C・E・Pの常務取締役吉田晴信も自宅マンション駐車場で殺害。凶器は作業用ペンチでした。

(松本)被疑者逮捕の経緯について梶山管理官から説明を

(梶山)えーヒントになったのは東和テレビのキャスター、倉持真人氏の父親が殺された第三の事件です。当初は同一犯だという説が有力でしたが第一、第二の事件とはペンチの形状が違っていました。この点に注目して検死した結果、シンセップ広報部渉外課長補佐、辻本裕太が警察発表前に凶器状況を知っていたことを確認。身柄確保調査を行ったところ

辻本は第一、第二の事件の被害者を殺害したことは認めたが、磯貝信吾は、倉持の別居中の妻、利律子を倉持の自宅前で目撃したと供述。

その日の収録が終わった倉持は、社長賞をもらい、現場で社員達に温かく迎え入れられました。

(飯塚)倉持君おめでとう!君がプライベートを晒して思い切った放送をしてくれたおかげで、視聴者の反響が凄まじい!

(倉持)いやこの社長賞は抜擢してくれた局長と自由にやらせてくれたプロデューサーの井沢君、君の手柄だよ。視聴者も飽きてくる頃だ、来週はメインをエレジナ共和国のテロ取材に絞ろう

ここで、井沢に次の企画をこっそり耳打ちする倉持。

(井沢)待ってください。お父さんの事件捜査がこれからじゃないですか

(倉持)その後なにか分かりましたか

倉持を見守る渡辺と監物は、今回引っ張って来た辻本裕太(角田晃宏)ではないことを告げました。

(渡辺)詳細はまだお話しできません。ただ、磯貝さん殺害について今回逮捕した者の犯行ではありません。

(倉持)どういうことですか?

(監物)倉持さんはお父さんを殺した犯人を知っている、そう供述している人間が出てきましてね

(倉持)一体、誰がそんなこと…

被疑者が多数乱立するなか、真壁有希子(天海祐希)、監物大二郎(鈴木浩介)、玉垣松夫(塚地武雅)、小石川春夫(小日向文世)、梶山勝利(田中哲司)、菱本進(でんでん)は、倉持と利律子から自白を引き出すことにしました。

(梶山)皆さん出番です!

(玉垣)いよいよ来ましたね

(小石川)インタビューをするつもりのほうがいいんじゃない

(菱本)じじいは見物させてもらうよ

菱本は前回、辻本ら、再開発工事の関係者に暴力を伴うコンプラ違反な取り調べをしようとしたことで、小石川に注意されたばかりでした。

(真壁)だめ。いつだって総力戦!あの夫婦にデュエットしてもらおうじゃない

(利律子)倉持の父を殺したのは私です。夫もそれを知っています。

そういった利律子は、真人は妻を庇い、何も知らないふりをしているのでしょうか。

かつ確実に真相をあぶりだすために、倉持夫婦の同時聴取を始めます。

ここで、倉持は18時には仕事のため、警察署を後にしたいと申し出ました。

(倉持)おそらくここを18時にはでなければいけません。リミットは必ず守ってください

(小石川)ただしあなたに何らかの容疑が掛かった場合、しばらくお帰りになれません。

(倉持)大丈夫ですか?ぶしつけな聴取をされるなら放送で扱わせてもらいますよ

(小石川)倉持さんあくまで万一の話です

(倉持)まぁいいでしょう。で、誰が言ったんです?僕が被疑者を知ってるなんて

(小石川)他でもない、あなたのお父さんを殺した被疑者自身です

(倉持)誰なんです?報道ではまだ取り扱っていませんが

(小石川)詳細は明かされません

(玉垣)あの、ほんとは倉持さん誰が被疑者なのか心当たりがあるんじゃないでしょうか

疑惑の夫婦を相手とった同時、聴取は捜査をさらに難航させることになります。

利律子を取り調べる真壁。

(利律子)返り血を浴びた服は捨てました。

(菱本)そうかいそうかい。で、動機はなんだい?なんで殺した?

(利律子)義父はジャーナリストだったことを押し付けて暴言もひどかった。時代錯誤のDVをする舅。情状酌量の余地ありますよね

倉持の父、信吾は年を重ねたことをきっかけに介護のため、息子の世話になろうと倉持家に転がり込んできました。

そして、利律子にモラルハラスメントというべき時代錯誤な暴言ばかり口にして家庭内の空気を悪化させていました。

(信吾)【竜雷太】よくこんな贅沢なものを毎日出せるな。世界には一個のパンを分け合わなきゃいけない子供たちが沢山いるんだぞ。

利律子が出て行くときもこんな言葉を浴びせていました。

(信吾)おい!息子は報道という大事な仕事をしているんだぞ。仕事なんか辞めて、支えるべきじゃないのか?給料が目当てで結婚した奴には無理か。

利律子の証言によると、信吾はまるで老害ともいうべきような態度で、男尊女卑がひどい男でした。

小石川と玉垣に取り調べられている倉持は、妻の利律子の犯行を信じがたいと訴えていました。

(倉持)そもそもこの聴取に法的拘束はないし、私は遺族として協力するために来ただけです。オンエアの準備があるので失礼します。

取り調べの途中で帰ろうとする倉持を玉垣が穏やかに引き留めます。

(玉垣)待ってください。まだリミットまで時間があるじゃないですか

(倉持)私の精神的リミットはとっくに超えました。

そこで、小石川は観念したふりをして被疑者が誰かを伝えることに。

(小石川)倉持さん負けました。さすがの駆け引きですね。数々の取材で史恵医事課から財界、文化人から犯罪者まで多くの人間と渡り合ってきただけあります。被疑者が誰かをお伝えします。あなたのよく知っている方です、倉持律子さんです

(倉持)利律子が?

(小石川)おや驚かれていますか

その頃の真壁と菱本は、利律子の取り調べを続けます。

(真壁)倉持さんあなたが被疑者だと聞いて驚いていらっしゃったそうですよ。つまり、あなたの証言は信ぴょう性がないということになりますね。警察を振り回して楽しんでるだけなんじゃ

(利律子)違います

(菱本)おかえりいただこう。祥子もないのに警察に引き留めたんじゃまた何言われるか分からない

菱本は今日のところは利律子を帰そうと真壁に提案しました。

副総監(大倉孝二)からお咎めを受けることを恐れていました。

(利律子)証拠ならあります。スニーカーです。

(真壁)スニーカー?

捜査を攪乱させるために男性用のスニーカーを履いて家に入りました。義父を殺した後、持ち帰ってマンションの避難梯子のケースの中に隠しました。

(真壁)そこまで自白するならなぜ殺したか言うべきではないですか?倉持さんは尊敬する父親を自分の妻に殺されたんですよ。それがどれほどのショックか分かります?もう倉持さんに愛情がなかったっていうことなんですかねー

真壁は皮肉気味に、あえて利律子を煽りました。

(利律子)ほんとは私、家に戻りたかった。また夫と暮らしたかった。だから義父がいなくなれば家に戻れると思ったんです。

倉持は小石川と玉垣に不満をもらします。

(倉持)信じられません。利律子はどう言っているんですか?犯行を認めてるんですか?私は被害者の息子です。聞く権利ありますよね?

倉持は利律子が殺したかもしれない動機を小石川と玉垣に教えてもらえず、帰ろうとしていました。

(倉持)こんな不誠実な事情聴取には付き合えません。言っときますが、駆け引きで言っているわけではありませんよ。

(小石川)駆け引きではないというのがもう駆け引きでは?

(倉持)それが遺族に対する態度ですか?失礼だよ!

倉持は声を荒げます。

少し休憩を挟んでいる間、倉持夫妻に疑問を抱く真壁達の推論が展開されます。

(真壁)倉持とよりを戻したかった?

(菱本)まぁ分からんではないが

(真壁)また菱やんは女に甘い。利律子には仕事もある。たかだか夫とよりを戻すために殺人なんてしないでしょ。

(梶山)たかだかですか?理屈で考えるのは危険では?なんらメリットのないことのために罪を犯すのが人間です。

(真壁)本当に利律子が倉持と暮らすためにやったんなら、必死で犯行を隠すんじゃない?捕まったらおしまいだから。なのに彼女は警察が疑惑を固めていない段階で、自らやりましたと言ってきた

(小石川)しかしスニーカーの件は被疑者しか知りえないよね

(真壁)被疑者を庇っていることもあり得る

(玉垣)人が罪を被るのは闇バイトのようにお金がもらえる時が多いですが…。

(菱本)ヤクザなんかの世界じゃ義理や名誉!

(小石川)逆に政治の世界では重要な事項を隠ぺいするのが目的、というのが目立つね

(真壁)女性の場合は子供、大事な人を守るため

(玉垣)あの体で犯行だなんて

(真壁)ハンデのあるなしで判断するのはおおかしいんじゃない?

(小石川)そうだね、平等とは残酷なものだからね

(真壁)彼がDMのコピーを渡しに来てくれた時、あの立てこもりの時、私はカメラをたたき落として最大限に憎らしい顔をした。行き過ぎた行動だった、後で反省した。あれを見て、ほんものの警察官?そんなふうに思うはずがない!

(小石川)背筋が凍るね

(菱本)おばはんを陥れようとしているのか?

(真壁)スニーカーを隠した話は捜査のかく乱ってこと?

真壁達はますます、倉持夫妻という人間が分からないと困惑します。

(真壁)スニーカーの件は捜査のかく乱ってこと?

(梶山)証拠がないと引き留めることが出来なくなります。どうしますか?

(菱本)あんたの言ったスニーカーはなかったよ。

(利律子)そんなはずありません

(真壁)そろそろ本当のこと言ってくれませんか?倉持さんと暮らすためにお父さんを殺した?私は信じられません。

(利律子)どうして?

(真壁)職場に伺った時あなたは颯爽としてた。店に伺った時も店に休暇届を出すと言っていました。それほど仕事を大事にしていたあなたがばれたら仕事を失うような馬鹿な真似はしない。私も仕事をして生きてきたので分かります。

(利律子)刑事さん結婚していますか

(真壁)結婚はしていました今は1人です。

(利律子)だったら私の気持ちが分かると思います

(真壁)倉持さんとはいつ結婚されましたか?

(利律子)5年くらい前、夫が店に来てくれました。遅くまで営業していたので深夜まで仕事をする倉持にはちょうど良かったんでしょう。ある時、徹夜する彼にデリバリーをしたことをきっかけに付き合うようになりました。お互い40すぎていたので子供は考えず自由に気楽に暮らそうと七しました。

(真壁)それは羨ましい関係ですね 何故、別居したんです?

(利律子)それは前にも話しました。義父の暴言です

(真壁)夫婦の別れの理由は一つではなく、いろいろな事情が絡んでいるはずです。あなたは以前、悔しいといっていた。私ずっと気になっていたんですよねーお父さんのことについては距離を置いていた発言をしたのに悔しいと言った。あれは何故ですか?

(利律子)何が言いたいんですか

(真壁)あなたに提案があります

その頃、玉垣は取り調べられている状況でも、倉持が仕事の連絡を入れていることに感心しました。

(倉持)エレジナの現地中継をもってこよう、そう井沢に伝えておいて。またかけ直す

(玉垣)いやぁー凄いですね。こんな状況でも準備を進められるなんて

(倉持)毎日ニュースに触れてたら大概のことでは驚かなくなりますよ

(小石川)利律子さんが動機を語りました。あなたとまた暮らしたかった、そのためには暴言を吐く慎吾さんを殺すしかなかったって

(玉垣)悲しいですね。何か他に方法はなかったんでしょうか

(倉持)利律子は本当にそんなこと言ったんですか。あなた油断なりませんからね

(小石川)事実です。刑事が事情聴取で駆け引きすることはありますが、嘘をつくのは許されません。ご自分で確認されますか。こちらの映像も先方に映っています。

(倉持)大丈夫なんですか事情聴取中の人間を対面なんかさせて

(小石川)そのためにはその日あったことをもう一度確認させていただかなくてはありません。

利律子と倉持は中継を繋ぎます。

(小石川)けして褒められる方法ではありませんが

(利律子)謝って済む話じゃないけどごめんなさい

(倉持)君が自分から罪を認めたのか

(利律子)ええ。証拠になる洋服やスニーカーについても警察に説明しました。早く私を逮捕してください。倉持を仕事に行かせてやってください。あなたから先に話して本当のことを言って

(小石川)本当のことを言ってください

(倉持)わかった

そこで、梶山にまた倉持律子の件で電話がかかりました。

(倉持)大筋はこれまでにお話ししたことと変わりません。父は僕の部屋で寝ていたところを何者かに殺害されました。暗かったので被疑者の顔は見えませんでしたが、あとで利律子に似ていたと気づきました。そんなはずがないと打消し誰にも言えなかった。妻を信じたかったのかもしれません。黙っていたことについては謝罪します。夫婦の場合庇ったとしても罪にはならないですよね

(小石川)よくご存じですね。夫婦の場合罪に問われない場合もあります。

(真壁)利律子さん今度はあなたが話してください

(利律子)あの日、家に行ったのは放送後に炎上したので心配になったからです。午前0時を過ぎたからだったと思います。電気が消えており、夫はまだ帰ってきてないんだと思い、しばらく待っていたら、勝手口に夫が現れたんです。夫は妻の私も見たことがない怖い顔をして隣の空き家にゴミ袋を投げ入れました。他人の家にゴミ袋を投棄するような人じゃないのに

(倉持)おい何言ってんだよ

(小石川)供述中です

(利律子)パトカーの音が聞こえて放置してはいけないと気がして、持ち帰りました

(真壁)現場近くで小太りの人物が目撃されています。その袋にはなにが入っていたんですか

(利律子)言っていい?

(倉持)もういい黙れ

(利律子)申し訳ありません。今言ったことが事実です。

倉持は妻と口裏を合わせているような態度です。

(真壁)お座りください。せっかく別居中のご夫婦が再会されたのですから

(小石川)さて、困りましたね。お2人の供述内容が全く異なります。

(利律子)全くおめでたいわね。私が罪を被ってくれると思ったんだ。調子に乗って噓八百並べ立てて、あなたは攻撃されることには強いけど、おだてることに弱いのよ。私は彼を警察に呼び出すために自白しました。お義理父さんを殺したのは倉持です。

(利律子)倉持が捨てたゴミ袋は血が付いた手袋、レインコートとスニーカーが入っていました。私もう気が動転して、屋上のごみ箱に捨てたんです。翌日の番組でこの人が涙をこらえながら、父は自分の部屋で寝ていたために殺されたと言った時に、やっとわかりました。お父さんはあなたの部屋に間違ってはいるとは思えない。

(倉持)妻は妄想癖があるんです

(利律子)義父はこの人の部屋に入るのが嫌いだった。壁に埋め込まれた鏡でオンエアの為に自分を360度確認しているあなたを…!

信吾は倉持がメディアに映る自分を確認するため鏡を見る息子が気に入りませんでした。

(信吾)鏡なんか見てうっとりしやがって。それでもジャーナリストの端くれか。恥を知れ

ここで、真壁は倉持信吾が認知症で息子の部屋を間違えたのではなく、息子の部屋を元々嫌っていたことに、真実の異なりを感じました。

(真壁)信吾さんが部屋を間違えたのではなく、倉持さんが信吾さんを移動させた。そう思ったんですね?もうお調べになっていたと思いますが義父は睡眠薬を送ってました。高齢で体重も減っていたので

(倉持)お話にならない。足の悪い私が父を運べるわけがない。もう時間だ。オンエアに間に合わせるのは約束ですからね

(梶山)倉持さん、まだ10分あります。報道において時間を正確に合わせるのは貴重ですからね。2つか3つぐらいのニュースは扱えるのでは?

渡辺が来て、管理人が処分したごみを掘り出したことを伝えました。

(渡辺)あった!管理人が不法投棄をゴミとして処分寸前だったものを掘り出しました。

(真壁)ここから調べますよDNAや指紋も!

(倉持)一致しなかった場合、私だと断定できませんよね!

(利律子)やっぱりあなたの口から本当のことは聞けないの?お義理父さんが店に来たって言ったでしょ

義理父の信吾は、利律子の店に来て、家政婦に殺されるのではないかと恐れていました。

また、息子の倉持真人の本当の顔を知っているかのような口ぶりです。

(信吾)真人が家政婦に休みを出した。俺はあいつに殺されるかもしれないな。冗談だよ。まぁ殺されても悔いはない。だがあいつが嘘で塗り固められた人生を生きていくのはぞっとしねぇな。

意味深なことを言っていた信吾。

(利律子)冗談だと言っていたけど、なんか言ってよ!車椅子の人気キャスターさん!

倉持を煽る利律子。

(利律子)真相は必ず暴かれる

まるで、利律子は夫の知られざる秘密を握っているかのような態度です。

(倉持)うるさい!

(梶山)東和テレビにご連絡致しました。本日は泊まっていただくことになります。お荷物を確認させてください。

梶山が車椅子にぶら下げている倉持のリュックに触れると、倉持は拒否

(倉持)触らないでください!

(真壁)今は任意ですが、拒否されるならこちらにも考えがありますよ。その写真を大事にされる気持ちがあったにどうして

真壁は中学の卒業式で父と写るポートレートを大事にしている、倉持に心を痛めます。

すると、倉持は馬鹿にしたように笑いました。

(小石川)なにかおかしいですか

(倉持)ふふ(笑)これは偽物ですよ。被害者遺族に相応しい小道具があったらいいと思ったので昔の写真を合成しました。どこかで処分するつもりでした。

(小石川)全て計画の上でおこなっていたんですね

(倉持)いつから僕を疑っていたんですか

(真壁)あなたがDMを託すと言った時です。カメラを壊した私を本物の警察官だと言ったことはおかしいと思いました。

(小石川)報道では凶器は作業用ペンチとして発表されましたが、実際に使われたのは圧着ペンチという特徴のものです。工事中止が犯行動機なら同じものを使うはずなのに、でも事情を知らないあなたはふつうのペンチを使ってしまった。

(倉持)ふふ(笑)警察発表を真に受けるなと、プロデューサーには注意していたのにな。テレビのスタジオには死角があります。カメラに映らなければ存在しないという世界です。でもここには死角がないんですね。

(小石川)倉持さんどうやって信吾を移動させたのですか?手段と動機を教えてください

そういった倉持はなんと、車椅子から介助なしで、支えに捕まりながら立ち上がりました。

(倉持)日本で最初の車椅子キャスターを作ってはどうか、そう会社に訴えたのは僕自身です。事故で左右の足首を損傷しましたが、杖を使えば立ち上がれるようになっていました。でも車椅子のキャスターのほうが通りがいいと思ったんです。りつこは本当の姿で勝負したほうがいいと。いつしかだんだんすれ違うようになりました。そんな時に現れたのが父です。父は有名なジャーナリストではありませんでしたが、命を懸けて取材していると自負していました。家庭には金を入れず、母は愛想をつかして離婚。それ以来会うことはありませんでしたが、80を超えて蓄えがそこを突着たのかうちに転がり込んできたんです。父に脅されていた。

父の信吾に車椅子に座っている虚像の姿を毒々しく指摘し、弱みを握っていました。

(信吾)お前の報道は何だ。子供騙しか。俺が指導してやる。

利律子は倉持から出て行くように言われ、価値観がぶつかります。

それで、倉持夫妻は別れることになりました。

(倉持夫婦が衝突する回想シーン)

(倉持)君が出て行ってくれ、別れて暮らそう

(利律子)お義理父さんに出て行ってもらわないの?お義理父さんじゃなくて私、どうかしている?なにか特別な理由でもあるの?

(倉持)たった一人の父親なんだよ

(利律子)そんな月並みな言葉で納得できない!

利律子も真壁と菱本に信吾と夫の真一の関係性について語りました。

(利律子)義父は毎日、倉持のニュースを見てはあれこれ文句をつけていました。何故、出て行ってもらわないのか?と倉持に言ったけど…。倉持は何かを隠していることは明らかでした。打ち明けてくれないことに失望して家を出ました。

倉持は父に歩けることを理由に弱みを握られていることを打ち明けます。

(倉持)脅されていたんです、父に

(倉持と父、信吾の回想シーン)

(信吾)お前、杖を突けば歩けるんだろ?車椅子のキャスターで御座いなんてテレビ出てるってのはまやかしじゃないか。やっぱりお前は…嘘つきだ!始まりからしてインチキだったもんだな

(倉持)今頃

(信吾)偉そうな面をしてテレビに出ているからだよ、真に立派なジャーナリストになれるよう、傍で窘めるのは俺の務めだ。おいおいおいおい、本当は歩けることをばらされたくはないだろ?ん?

(倉持) 僕は28歳で、東和テレビに中途入社しました。海外を飛び回っていた父からネタをもらい、特ダネとして持ち込んだ。自分で取材したと嘘をついて。ジャーナリストとして引退していた父は僕に嫉妬していたんでしょう。限界でした。

真壁はあまりにも幼稚な動機に、倉持に聞き返しました。

(真壁)それが動機?

(倉持)足のことを暴露されたら、番組もこれまで調べてきたネタも全て台無しになります。あ、真壁さん、あの立てこもり事件、老いた夫が妻の死を悼んで起こした行動となっていましたが、実は田部は病院に金銭を要求していたんです。

(拘置所の面会で田部に取材する倉持と立てこもり犯の田部の回想シーン)

(倉持)つまり病院を訴えない代わりに院長を脅迫していた。そう考えてよろしいですね

(倉持僕は独自取材で、真相に迫り裏付けを待つばかりだった。現代人はネットやSNSを見て分かった気になってしまう。半分以上はガセやフェイクニュースなのに!そんな世の中に問いかけ、限界に超える報道を僕は目指しています。情状酌量の重要な証拠です!記録撮っています?

真壁は倉持のひねくれた正義を一喝します。

(真壁)そんなことが望めると?!あなたは実父を殺し大事にしてきた報道を怪我したんですよ!自分の手で!

(利律子)これで終わりね

(菱本)しかしあんたも罪になるよ

(利律子)畏敬業務妨害でしたっけ

(玉垣)その可能性はあります。でもそこまで分かっていてなんでそんなことを

(利律子)あんなうそつきがテレビに出ているなんて

(菱本)そうかねぇーほんとうは倉持を楽にしてやりたかったんじゃ 嘘をついた時間が長ければ長いほど奴はぶっ叩かれる。だから早く罪を認めてほしかった。せめてあんたが見ている目の前でな

菱本の温情に沿った問いかけに、戸惑い、結婚指輪を外す、利律子。

(玉垣)これは警察では預かれません

(小石川)利律子さんに伝えたいことは

(真壁)お父さんを手にかけることに躊躇いはありませんでしたか?

(倉持)防犯装置を壊してから、睡眠薬で熟睡しているあの人をおぶって移動した時、軽かった。この足でも十分に背負えた。こんな年になってまで息子に嫉妬していた人間なんだと知ると、最後の迷いも吹っ飛びました。用意していたペンチ…圧着用ペンチではなく、作業用ペンチで殴りました。あらかじめ指紋のつきにくいレインコートを着て、サイズの大きいスニーカーを履いて足跡を残し、鏡を割って争った工作もして…。

(渡辺)【速水もこみち】帰宅して7分でアリバイを

(監物)【鈴木浩介】歩けたとはな

ここで、人情深い真壁は、信吾が本当に息子を愛していなかった、嫉妬でいじめていただけだったのか問いかけました。

(真壁)お父さん本当に嫉妬だったと思います?負ぶっていた時に軽かったと仰っていましたね。眠っていた子供が急に重くなることがあります。しがみついていた力が抜けるからでしょうかね。

(小石川)信吾さんは眠っていなかったのでは?台所に食器が洗って伏せてあったとあります。家政婦の時田さんによれっばそれまで洗い物などされなかったそうです。

小石川は時田の証言を元にした、事件当時の信吾が食器を洗った証拠写真がついたコピーを見せました。

ここで小石川も、信吾が息子に殺されることを想定したうえで、寝たふりをしていたと指摘します。

(真壁)あなたが作った親子丼、最後の晩餐だと思ったのかも

(倉持)彼は僕をこき下ろして否定したんですよ!

心の傷が深い倉持は、父親に貶され続けたことが消えません。

(真壁)厳しく批判したり本当のことを明かせと迫っていたのは、本当にあなたを立派なジャーナリストにさせたかったからではありませんか?

真壁はそれでも、内に秘めた信吾の親心を倉持に問いかけました。

(倉持)父に最後にインタビューしておくべきでしたね

(玉垣)倉持の身柄は所轄に送りました。明日の午前10時会見を開くと一課長から連絡がありました。

倉持は所轄に身柄を送致されました。

(真壁)また大騒ぎになるかもねー

(玉垣)それでもニュースは続く。引継ぎがありますので捜査本部に行ってきます

真壁は利律子に倉持に何か伝えたいことはないか聞き返した記録を聞き返しました。

(真壁)倉持さんに直接あなたの想いを伝えませんか?

(利律子)私の想い?そんなものはない

(真壁)なぜリスクを冒してまで罪を認めたのか?本当に憎んでいたらこんなことしないはずです。私の夫はある日突然、事件に巻き込まれて亡くなりました。10年一緒にいたんですが知らないことが沢山ありました。生きているうちに聞きたいことは聞くべきです。夫婦は合わせ鏡のようなものです。あなたにしか倉持さんのインタビューは出来ません

真壁は捜査が終了するごとに記録データにラベルを張るのが習慣です。

「最後のインタビュー」と記録データに貼りました。

報道では、総理大臣の長内(石丸幹二)が取り上げられています。

(長内)警視庁の立派な操作に感謝します。改めて大型蓄電施設に関しては公聴会を設け、国民の暮らしやすい時代を作ってまいります。

事件解決後、磐城和久副総監(大倉孝二)は緊急取調室対策課の再運用を梶山に伝えました。

(磐城)緊急事案対応取調班の臨時運用を解く。

(梶山)はいほっとしました。失礼します。

(磐城)いやいやいやいやいや、ほっとしては困る。総監と検討した結果、今般の治安強化も鑑み、正式地緊急事案対応取調班の…

真壁達は夜、いつもの居酒屋へ行き、緊急事案取調班の再運用を磐城が決定したことに議論を展開させていました。

(真壁)再運用?

(梶山)長内総理から警察庁経由で総監に相談があったそうです。社会問題の早期解決の一環として我々の運用を強く望む、と…。

(小石川)自分の政権を安定させたいからでしょ

(真壁)総監はそれにのったってこと?

(菱本)ご立派だよなー上ほど上には弱い

(渡辺)くっついたり離れたりまたくっついたり…。

(監物)離婚と再婚を繰り返す夫婦かよ

(小石川)頑張りますか

(真壁)嫌がっていた割には本気出してるじゃない?

(小石川)筋を通すより大事なことがある、そう思ってるだけだよ

(真壁)はるさんいくらおごって

(玉垣)なんでいくら?

(菱本)筋子をばらしたのがいくらだよな

(小石川)どうせなら親子丼は?

(真壁)いくらとしゃけの親子丼7人前

(小石川)立派になれない俺らも筋を通したってことさ

(渡辺)と(監物)え、なんのことですか?訳わかんねぇな

(梶山)それより忘れていました。皆さん改めてよろしくお願いします

(真壁)(梶山)(小石川)(菱本)(玉垣)(渡辺)(監物)うぇーい!

真壁達、「キントリ」は、いつものようにみんなで手の平を重ね合わせ、絆を確認し合うのでした。

緊急取調室2025 2話 「鈍色の鏡」感想・みどころ

モラハラ気味な父を殺し、車椅子の悲劇のキャスターを演じきった、倉持真一。

彼の報道の伝え方は、独自の目線と歪んだ正義が生み出した暴露に感じました。

父の信吾は確かに視聴者から見れば、時代錯誤で、男尊女卑がひどい面が映っています。

しかし、長年の息子との距離があり、元々、家族と向き合うことがなかった信吾の親心はなかなか真一には伝わりにくいですよ。

信吾の真一への毒親に近い態度や、杖を突いて圧を与える様子に恐怖を感じました。

もし、私も真一の立場なら逆らえないですよ。

それでも親子丼を口にした信吾が神妙な面持ちで何を思ったのか、息子に殺されることを覚悟のうえで口にした親子丼がとても切なかったですよ。

自分の保身とイメージの為、家族を手に欠けた真一が、更生したときは真の報道陣として舞い戻ることを願いたい2話でした。

 

 

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