未解決の女Season3~警視庁文書捜査官~8話「とある男の賞金首」あらすじネタバレ
(謎の男)【杉本哲太】「世の中というのは本当にままならないものだと思う。これまでも真面目に、誠実に人生を送って来た。私が一体何をしたというのか。悲しさ、虚しさ、強い怒り 寝ても覚めてもどす黒い感情しかない。覚悟を決めた。世界が悪意を持って私に不幸を与えたのならそれを受け入れるしかない」
男は鬱屈を抱えながら手紙を書き終えました。
広報課の警察官、船津たける(伊藤俊介)から取材を受ける、陸奥日名子(黒島結菜)。
(船津)こんにちは、警視庁広報課です、今日は捜査一課特命捜査対策室第6係にお邪魔しています。
(陸奥)特命対策室第6係係長の陸奥です。
(船津)それにしても凄いですね。まるで倉庫だ。
(陸奥)私達共、6係は文書の管理、そして文書に関する捜査を積極的に行ってます
(鳴海)草加さん緊張しすぎ
(船津)未解決事件の鍵はここの地下にあると?そう噂されるほどですけど、文書の捜査のエキスパートがいるとか。
(鳴海)やぁね。警視庁公式動画チャンネルって何よ
(陸奥)そのエキスパートは私にこう教えてくれました。文書には書いた人の個性や感情が滲み出る。それこそが事件を解くカギになると。
(夏目)文字マニア。特に手書きの字が好きなんですよね
(草加)ああ
(陸奥)文書から理不尽に埋もれてしまった未解決実験の真実のひとひらを見つけること、そしてきちんと弔うこと、それが私達の使命だと思っています。
(鳴海)さすが係長、そつない事。
「特命捜査対策室第6係文書解読係」の様子が警視庁の公式動画で公開されたのです。
その動画を自室で見ていた男は先程の手紙を書いていた男性です。
古賀は陸奥が、鳴海、夏目、草加をバランスよく機能していること、もしかすると新しい6係こそが、自分を一課長に導く最終兵器だと想像するのでした。
そこへ、本日の依頼と思われる手紙が届きました。
(宗像)室長、6係に怪しい手紙が届いているのですが。
(夏目)お祖父ちゃんが喜んでくれました。お前ちゃんと刑事として働いているんだなって。
(陸奥)そうですか。警察のイメージアップにつながるというので取材に応じましたが良かったです。まぁ入ったばかりの私より鳴海さんや草加さんに説明してほしかったですけど。
(鳴海)そういうのは上司の仕事でしょ
(古賀)はいはい、その動画を見た人物から6係充てにこんなものが届いたぞ。差出人は書いてない。
(鳴海)マル文字?
(陸奥)手紙も同じ筆跡です。拝啓 私は善良な市民です。現在、警察は多くの未解決事件を放置しています。しかし、犯人は本来、厳正に処罰されるべきです。
(鳴海)私は先日、動画サイトで警視庁特命対策室に6係という有能な部署があることを知りました。
(夏目)6係が有能ですって
(草加)はしゃぐな
鳴海は手紙を読み続けます。
(鳴海)そこであなた方に私が情報を知りえたある未解決事件を是儀、捜査してほしいのです。もし、捜査していただけないならその時は…犯人を殺す?
(陸奥)どうか私を殺人犯にしないでください。可愛らしい字で物騒なこと書いてますね。
(鳴海)筆跡を隠すためにあえてこんな文字で書いているのよ
(古賀)で、この人物が通報してきた6年前の西新井男性絞殺事件は実際に未解決だ。2020年10月6日夜、足立区西新井にある包装資材販売業葉山紙業株式会社の2代社長、葉山信一郎 38歳が絞殺された。葉山は財布を盗まれていた。捜査によってすぐ、葉山紙業の従業員、柿田賢介、34歳が怪しいとされたが、柿田は事情聴取の翌日から行方をくらませている。
(宗像)その後、自宅から凶器と思われるネクタイが発見され、全国に指名手配されてます
(夏目)このポスター、全国で指名手配で張ってありますよ
(草加)報奨金懸かってるな。
(古賀)葉山しんいちろう 34歳が殺された。
「善良な市民」と名乗りながらも、「捜査していただけないならその時は犯人を殺す」とまで書かれていました。
この人物は、6年前に、会社社長の葉山が殺された事件のことを訴えていて、犯人と疑わしき従業員、柿田賢介(渕上泰史)は即座に指名手配され、情報提供者には最大で800万円程の金が提示されていました。
(草加)800万凄い額だな
(鳴海)6年も捜査が進展がないから遺族か有志が懸賞金を付けたのね。それに伴い、警察長が報奨金を設定した。
(陸奥)6年も気の毒ですね
(宗像)通報者の手紙には、柿田は事件後、既に離婚手続きが終了している。捜査の手を逃れるため工事現場など居場所を転々としており、現在は都内の解体工事に関わってるようだ。という情報があったそうだ。
(夏目)でもおかしくないですか?その情報、普通に通報すれば報奨金もらえるかもしれないですよね?
(草加)正体を明かせない事情があるんだろ。犯人や共犯者には報酬金が支払われない
(鳴海)だとすると、通報者はただの善良な市民じゃない可能性もあるわ。
(陸奥)いいえ、犯罪者をきちんと捕まえてほしいというのは誰にでもある勘上ですよね。警察が多くの事件を解決できてないのも事実です。子の通報者は犯罪を見逃してはいけないという善良な気持ちで色々調べ、匿名で告発したのかもしれません。通報者は6係を指名してます。室長、我々にこの6年前の未解決事件を再捜査させてください。まずは資料を洗い直して
(鳴海)ちょっと、係長、一人で突っ走っているようだけど、正体も不明の人物を捜査するのに抵抗があるわ
(陸奥)私は6年間も罪を逃れてのうのうと過ごしてる犯罪者を野放しにしておけません。6係がこの手紙を無視したことが分かれば通報者が犯罪に走るかもしれない。そのことを知っていて、対応しなかったとなると大きな問題です!
(古賀)2係と6係に合同捜査を命じる。俺は西新井署に話を聞いてくる。いいか。お前ら所轄とうまくやれよ
鳴海の頼もしい相棒で、文字から事件解決に導く才能を持つ、鳴海理沙(鈴木京香)、古賀清成(沢村一樹)、宗像(皆川猿時)、夏目(宮世琉弥)らで捜査を開始。
理沙は正体も分からない人物の通報に捜査することを一度は拒否反応を示したものの、渋々、了承しました。
鳴海は草加は、陸奥が、6年間未解決という点で、解決した彼女の亡き友人のケースと重ねていることを懸念。
(鳴海)草加さんは芯が強いと言っていたけど、だからこそ彼女は時々、危うく思えるわ。今回だって、この得体のしれない通報を未解決のまま放置された親友の事件を重ねて、どこか感情移入してる。
(草加)あの時の係長は普段と別人だったからな。いつもはエジプトの白い神のように知的でおおらかなのに。
(鳴海)ああ、メジェド神ね。あの神様、目から光線を出したり、炎を拭いたり意外と過激なのよ。なるべくついていてあげてくださる?心配だから。
(草加)自分で言えばいいじゃないか、心配だって
(鳴海)いや…いやよ。上司に忠告するほど生意気じゃないの。
鳴海は草加に陸奥のサポートを頼みました。
西新井署の所轄の刑事、小河原卓(馬場徹)と共に捜査を続ける6係。
(小笠原)6年前、柿田に逃げられた時は悔しかったです。もう少しで自供を引き出せると思ってましたから。
(陸奥)ご両親の話では殺された葉山さんは従業員思い出、柿田さんの結婚の時に仲人もしていたそうですね。今年に入ってから報奨金を付けたと伺いましたが…。
(小笠原)一気に300件以上も情報が集まりました。でも報奨金目当ての曖昧で不誠実なものが多くて。
(陸奥)山梨のコンビニにいた男が似てた。友達の彼氏が柿田かも。
(草加)確かに興味本位の通報が多そうだな。手紙の通報では都内にいるという話でしたけど?
(小笠原)先週一つ、5か月前に大田区で見かけたという、信憑性がある目撃情報がありました。
次に、柿田が「渋川」として、居酒屋で、南条保臣に会い、競馬中継に夢中になっていた話を彼から聞く陸奥、草加、夏目ら。
(南条)渋川くん、あの辺に座ってたんですよ。
(草加)渋川って名乗ってたんですよね?
(南条)髪型違うけどこの目の下の目立つほくろあったから絶対犯人に間違いないですよ。
(陸奥)その渋川さんとはどんな話をされたんですか?
(南条)彼も競馬好きでね。しかし、よく聞いたら彼、馬券を買ってないって言うんです。その日も冷ややっことビールしか頼んでないって言うんで、奢ってやりましたよ。普段は解体現場に住み込みで働いていて、今は仕事と仕事の合間で泊まる場所もないんだって嘆いてましたね。
(草加)工事現場を転々としていたっていう通報者からの手紙の内容と一致しますね。
(南条)家に泊めてやったら、そしたら翌朝、いつの間にか姿を消しやがった。盗みまでした。家にあった缶酎ハイが2本なくなっていた。はずれ馬券にこんなものも。
(陸奥)渋川さんの字ですか?よくこんなものとってありましたね
(南条)はずれ馬券を捨てられない質でしてね。そしたら先週、たまたま指名手配のポスター見て、ええ?!って。これ逮捕につながる情報じゃないと800万もらえないんですよね
南条から証言を聞いた後、草加と小笠原と見解を話す、陸奥。
(陸奥)捜査特別報奨金は警察庁が情報提供者に内容に応じて報奨金を支払う制度ですが。
(草加)やっぱり効果があるものですね
(小笠原)ええ、ただあの店の居酒屋やこの周辺でも聞き込みをしましたが、他に柿田らしき人物に繋がる目撃情報はありません。
(陸奥)5か月前のことですからね。その頃に付近でどんな建設工事があったか調べてみましょう。建設会社にも渋川という名前で問い合わせをして、柿田の足取りを追いましょう。
(小笠原)しかしどこにいるんでしょうね。
その後、6係に戻ると、柿田の生活環境のことを夏目が皆に伝えます。
(夏目)柿田は既に離婚済みだというこの手紙の情報は合っています。柿田さんは競馬好きで、パチンコ好き、カードローンの借金もあり、根性もなく、根気もなく、世渡り下手で出世も遅く、妻は逃亡する前から離婚を考えていたそうです。
(草加)DVや不貞はなかったんだな
(夏目)はい、仲人の時以外、付き合いはなかったと言っています。
(陸奥)ギャンブル好きで根性や根気もなく借金はあり、妻に捨てられる寸前で上司の葉山さんを殺害して財布を奪って逃亡。逃亡先では奢ってもらったのに缶酎ハイまで盗んで…って聞くとなんていうか
(夏目)聞けば聞くほどダメ男ですよね
(陸奥)はい、はっきり言ってそう思います。草加さんはそんなことないですよね。
(草加)ちょっと耳が痛いな。俺もダメ男の分類っすから。俺、パチンコにはまったことあるし、妻のほうが稼ぎ良くて、娘連れて出て行った
(鳴海)そんなことないわ。草加さんは根気が信条のお遍路刑事よ。何があっても草加さんは人を殺したりしない
(陸奥)誰だって生きていればつらいことはある。でもそれで自分の感情に負けて殺人をしてしまう人と、しないでとどまる人との間には大きな隔たりがあると思います。殺人をしてしまう人はやっぱり駄目な人間です。
(夏目)で、鳴海さんのほうはどうですか?
(鳴海)確実に分かってるのは、この人物が警察でも調べきれなかったことまで調べてるのに、正体を隠したがっていること。それにこの字、丸文字で筆跡を隠してるけど、ところどころに性格が見えるわ。例えば、この犯という字の4画目と5画目。書き終わりを丸くせず、つい跳ねている。文字からの空想が許されるなら、自分を変えたいのに隠しきれてない。文章の内容も論理的で、どちらかとするとエリート気質。こちらの字はそれとは反対ね。自信がなくて落ち着きのない字。でもどこか味があって、嫌いになれない
(日名子)嫌いになれない?私は好きになれません。
そこへ、今津雅也(草川直弥)が来ました。
(今津)陸奥係長、3か月前に糀谷駅周辺の工事現場で渋川と名乗る男が働いていました。そこで一緒に働いていた作業員が渋川に誘われて、行きつけのスナックに行ったことがあるそうです。
柿田が偽名を使い、足しげく通うスナックを突き止めた一同。
(スナックのママ)あらこれ渋川さんじゃない?
(小笠原)この人物がここに来てるんですか?
(スナックのママ)ええ、先週も来ましたよ。あの人、うちの玲子ちゃんと話すのが目当てだから。
柿田と個人的に連絡を取り合っているという、ホステスの一人、高瀬玲子(山崎紘菜)に今日っ欲を仰ぎ、店に張り込みます。
(スナックのママ)あの人、うちの玲子ちゃんと話すのが目当てだから。
早速、玲子から話を聞く陸奥達。
(玲子)渋川さんよく来てますけどどうかしたんですか?
(陸奥)その渋川という男性はある強盗殺人事件で指名手配されている柿田賢介だと思われます。
(玲子)指名手配?殺人?
(草加)この男、いつからこの店に通い始めましたか?
(玲子)3月頃だったと思います。
玲子は橋の下を覗く「渋川」こと、柿田に会いました。
(玲子)何か落としちゃったんですか?あの帽子、うちの娘のなんです。飛んでいっちゃったんですけど取りに行けなくて。私、大船のスナックで働いていて。
玲子はその夜以来、柿田は玲子の店の常連になりました。
(玲子)あの時は川に飛び込みそうに見えて、思わず声をかけたんです。
(陸奥)そうだったんですか、娘さんがいるんですか
(玲子)はい、5歳の娘がいるんです。シンママなんです。渋川さんは娘のことも気にかけてくれて、まさか人を殺して逃げてる人とは思わなかった。私、自分の携帯とか連絡先、渋川さんと交換したんです。
(陸奥)個人的に連絡を取り合っていたんですか?
(玲子)前に教えてほしいって頼まれて断れなくて。
(小笠原)高瀬さん確保にご協力いただけないでしょうか?その携帯で渋川を呼び出してもらいたいんです。
(陸奥)高瀬さんにご迷惑が掛からないよう、配慮しますので。
(玲子)でも配慮って言っても、これから先、ずっと私や娘の周りに、警察がついててくれるとかじゃないですよね?娘に何かあったら…。
(草加)分かりました。渋川の番号だけ教えてもらえませんか?こちらから掛けたりしませんから。携帯電話会社で契約者の情報調べたいと思います。
その日の夜、夏目と今津が閉店まで張り込むものの、柿田は現れませんでした。
草加は渋川が玲子と頻繁に電話はしているものの、うまく身を隠していること判明しました。
(夏目)閉店まで張り込みましたが、柿田はお店に現れませんでした。こんっやは室長自ら店内で張り込むそうです。
(鳴海)なにそれ。腹黒が張り切るとろくなことないのよねー
(草加)携帯電話会社から回答がありました。契約者は別の人間です。闇で転売されたものらしく、柿田という名前も渋川という名前も出てきませんでした。
(陸奥)証言通り、頻繁に高瀬さんに過電してます。現在の居場所も調べましたけど反応がありません。電源を切っているのかもしれません。
(玲子)渋川さんから電話がかかって来ました。今夜、お店に来るそうです。
夜、警視庁第3強行犯係、越坂部(武田玲奈)、春日部(井上翔太)、今津(草川直弥)らが外で張り込み。
スナックに集まる、陸奥、草加、小笠原、夏目、古賀。
(陸奥)クリーニング屋さんでも働いていたんですね。夜もここで働いてるのに。
(玲子)ちょっとお金が必要なんです。娘が病気で、医療費助成制度も使ってるんですけど自己負担馬鹿にならなくて。
(古賀)それでダブルワークなんですか?お体大丈夫なんですか?
玲子の娘は難病で入院していて、昼夜ダブルワークで働いています。
(玲子)はい、大丈夫です。でも渋川さんが殺人犯なんてまだ信じられません。娘のことも心配してくれたから。そういえば一度…。
玲子は柿田が店に来た時、妙な話を彼から聞きました。
(玲子)今度、そこの公民館で怪談イベントがあるんですって。怖い系苦手だからなー渋川さんは?
(柿田)俺?俺は別に。現実のほうがずっと残酷だから。とある男がいた。そいつは子供の頃、ヒーローに憧れてた。でも実際は何をやってもうまくいかない。やっと就職した会社でも上司にいじめられた。もう辞めるしかないと思っていた。上司が女を紹介してくれた。やっと幸せを掴んだ。だけどある日、妻の浮気に気が付いた。相手は上司だ。上司を問い詰めたら、自分の不倫相手をあてがったんだと白状した。お前程度の男が俺の女と結婚できたんだからってむしろ感謝だろって言われて、つい、逆上してね、男は上司を殺した。
(玲子)その人は
(柿田)逃げて、逃げて、逃げ疲れてここにいる。ちょっとは涼しくなった?
(玲子)ねぇもうやだ!怖い話は嫌いって言ったじゃないですか。もう
当時を玲子が振り返りながら話すと柿田から電話が。
(玲子)あの時のとある男ってもしかしたら自分のこと言ってたんじゃないでしょうか。刑事さん、渋川さんです。
(柿田)ごめん、今日は急用があっていけなくなってしまった。
(玲子)残念ですまた来てくださいね
(柿田)ホントは…ホントは話があったんだ。どうしても話しておきたいことがあって。ああ、いややっぱりうまく言えないな。
小笠原は玲子にノートを見せて会話を指示しました。
(玲子)渋川さん今どこにいるんですか
(柿田)俺は警察に追われてる。6年前に人を死なせてしまった。玲子ちゃん聞いてる?驚かせて後免。それで1つ頼みがあるんだ
(玲子)なんですか
(柿田)自首したい。でも迷ってる。一緒に警察に行ってくれないか?図々しいよな。でも俺は君に命を救われた。あの時、君が声をかけなかったらとっくに死んでた。最後にもう一度だけ、俺を助けてくれないか?頼む、これで最後だから俺に力をくれ。明日朝9時に西新井署に行くよ。警察署の前で待ってるから。
(古賀)今津、携帯の基地局急いで調べろ
(今津)はい
(小笠原)明日の朝9時に西新井署に来てください。姿を確認している時点で、我々が確保します
(玲子)え?自首するって言ってるのに捕まえるんですか?怖いけど、皆さんが見守ってくれるなら私も自首に協力します
(草加)それは出来ないんです。犯人を自由にしては我々はあなたの身の安全を保障出来ない。逃げる可能性もあります。
(玲子)そんなこと分からないじゃないですか
(古賀)ご心配になる気持ちは分かります。ただ我々としては自首したいという言葉を鵜呑みにするわけにはいかないんです。それにここまで協力してくださったあなたには、この事件における捜査特別金を受け取る権利がある。
6係に戻り、鳴海の見解を聞く陸奥達。
(草加)鳴海?どう思った?
(鳴海)違和感があるわ。最後に彼女に会ってから警察署に行くのは理解できる。だけど、何故、出頭の付き添いを願い出たのか?あの言葉には裏がある気がする。
翌朝、9時、玲子を連れて、警察署の前に来た陸奥、夏目、草加は病院の前に集まるマスコミたちの多さに気付きました。
見張る小笠原、古賀、越坂部、今津、春日部ら。
柿田が玲子の元へ歩いてきました。
間もなく、草加、越坂部らが柿田を捕まえました。
(柿田)そうか!お前か。報奨金目当てで俺を売ったんだろ!玲子、俺を豚箱に入れて、代わりにてめぇは800万か、くそアマが。あんたを信じてたのに、だまし討ちしやがって。絶対に許さないからな!覚えてろよ!
玲子は態度を一変させた柿田に震えました。
(玲子)凄まれてますよね私、いつか出所したら、なにかされますよね。怖い。
(夏目)そんなことさせません。
そして、柿田が取調室で自白しました。
古賀と宗像は、取調室での様子を見守りながら、出世欲を高める古賀。
(鳴海)なんか寒気がする。
(古賀)よし、柿田が6年前の葉山信一郎の殺害を認めた
陸奥と鳴海は玲子を挑発し、脅迫めいたことを口にした柿田の本当の人間性を暴こうとしていました。
(陸奥)鳴海さん、柿田が葉山信一郎さんの殺害を認めた理由はやはり妻と葉山さんの不倫でした。妻はうその証言をしていたんです。
(鳴海)とある男はやはり自分だったのね。柿田のスマートフォンの検索履歴ね。
(陸奥)これを見て下さい。高瀬さんの娘さんは小児性白血病です。
(鳴海)そうかこの違和感はそれだったんだわ
陸奥は拘束された柿田に言いました。
(陸奥)待ってください。まだ分からないことがあるんです。あなたは何故、出頭する際に高瀬さんに付き添いをお願いしたんですか?
(柿田)まだなんかあるのか、もう全部認めたんだよ。まだ聞きたいことあるのかよ。…はぁ、言わせますか、好きだったからだよ。俺は人を殺してる、金も盗んだ、刑務所行き確定だ。最後の思い出を作りたかったんだ。悪いか?
(陸奥)でもあなたはその時間、警察署に記者が集まっていたことを知ってて出頭することを選びましたね?
(柿田)そうだよ。最後くらい派手に決めたかったからな。
(鳴海)とある男がいました。その男はスナックに勤めている女性と親しくなりました。親しいと言っても男女の関係ではありません。そこにあったのは恐らく、人間同士の繋がり。その男には重要な秘密がありました。彼は6年前、殺人を犯した指名手配犯だった。
(陸奥)逃げ続けていたが多額の報奨金をかけられ、警察の手が確実に迫っていた。一方、女性には病気の娘がいます。女性は娘の為に働きに働いて、どんなにつらくても笑顔を絶やさなかった。逃げることに疲れ、死を考えていた男にはどんなにその女性が輝いて見えたか分かりません。
(鳴海)とある男は考えていました。どうせ俺はもうすぐ捕まる。今日、あなたが警察署に来たのは出頭するだけではなかった。普通に出頭すれば誰にも報奨金が支払われないかもしれない。でも、あなたはわざと記者たちの前で騒ぎ、高瀬玲子さんが情報提供されたために、自分が逮捕されたのだと場面を演出し、世間に認知されたんですね。
(玲子)そんな…。
(柿田)なんの話だよそんなこと知るか。報奨金なんかどうでもいい。事実は俺が葉山を殺したこと、金を盗んだこと、それだけだ。
(陸奥)ええ、あなたが自ら警察署に来たとしても重要な情報を高瀬さんが提供したことは確かです。報奨金の多くは高瀬さんに支払われるでしょう。
(玲子)あの、私そんな
柿田はわざとマスコミの前で騒ぎ、玲子が報奨金をもらえるよう、誘導したのでした。
また、初めて玲子の店に来店した際には、玲子の娘が被っていた帽子を川で拾い、届けたのです。
(鳴海)今、私が言ったことはただの空想。何も証拠はないわ
(陸奥)鳴海さん、訂正します。柿田はやっぱり駄目な人です。ただダメな人だけではなかった。殺人という行為は許さない。でも私が許すとか許さないとかそんなことはどうでもいい。彼は私よりずっと愛を知ってた。ホント学ぶことばかりで反省です。
(鳴海)全く真面目ね。そんな肩ひじ張らなくてもいいのに。これあげる
陸奥はメジェドのマスコットを日名子にあげました。
(陸奥)メジェド…なんかこれ癒されますね。有難う御座います。鳴海さんは昔、ホルスさんに辞書をプレゼントしてたんですよね?私にはこれですか。私に必要なもの?
(鳴海)そうね、人には必要なものが違うから。
夏目と草加は2枚目の手紙を持ってきました
(夏目)また手紙が届きました。しかも丸文字
(陸奥)また?また同じ通報者からですか?
(草加)2通目であります。
(鳴海)拝啓私は善良な市民です。皆さんのおかげで事件が解決しました。しかし、今、私の心の中は、解決してもらったという満足感が半分 残りの半分の感情は憤りです。善良な市民、一体誰なの
鳴海たちの前に、「善良な市民」の名の元、歪んだ価値観を持つ、犯人(杉本哲太)の黒い影が忍び寄ろうとしていました。
未解決の女Season3~警視庁文書捜査官~8話「とある男の賞金首」感想・みどころ
今回のエピソードは、人生がどうしようもないほどうまくいかない柿田の罪と、根本的な優しさが入り混じった切ない事件でした。
柿田が結婚を失敗し、妻が不倫していた状況は気の毒に思えますが、上司を殺した罪は許されるべきことじゃないですよ。
死を考えそうになった時、橋の上で声をかけたシングルマザーのホステス、玲子の優しさが彼を生きる方向に引き戻してくれましたね。
玲子に白血病の5歳の娘がいると知った柿田。
わざと報道陣の目の前で注目されながら、警察に捕まるように、玲子を挑発した場面は怖かったけど、根底には彼の優しさがあって、涙腺が緩みました。
柿田は今後、玲子と玲子の娘の幸せを願いながら、更生していけることでしょう。
闇深き「善良な市民」こと、謎の男の執念深さが怖すぎました。
日名子が指摘したように、普段の自分の殻を破りたいような人物像が字に現れているように感じました。
女性のような丸文字で柔和な印象を与える字からは、想像できない程、何か巨大犯罪を仕掛けようとしているざわつきを感じました。
演じる杉本哲太さんの名演に脱帽するとともに、画面越しから男の意図や今後の動きに期待が高まりますね。