相棒24 12話「特調係 陣川公平」あらすじネタバレ
警視庁特命係の右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)を色恋沙汰に巻き込むことが多い、陣川が、右京達が5年間も未解決だった連続窃盗事件の犯人を突き止め、表彰されました。
(亀山)お手柄じゃないですか!陣川さん。胸張ってくださいよ。5年間も未解決だった連続窃盗事件の犯人突き止めたんですから。はい、ではどうぞ?どうやって犯人を?
(陣川)お恥ずかしい限りです。なんか見せびらかしに来たみたいで。事件を洗い直したらある共通点を見つけまして。
(右京)共通点を?君が?
陣川は連続窃盗事件の犯人を突き止めた決め手を右京と亀山に説明します。
(陣川犯人が盗んだものは現金や貴金属、宝飾品など押し入った家によってバラバラだったんですが、高級ブランドの腕時計だったんです
(右京)高級ブランドの時計に目を付けたんですね。どうぞ続けてください。
(陣川)気になって盗まれた腕時計について調べたら、浮かび上がったんです。犯人が。
昨今、建物の屋上で、陣川は犯人の時計職人に言いようがない証拠を突きつけました。
(陣川)犯人は同じ時計職人に修理を依頼していたことが分かりました。そう、萩原和裕さんあなたです。あなたは自身の顧客の中からターゲットを決め、被害者の留守中にガスバーナーで加熱して被害者宅に侵入した。複数の被害者宅から犯人のものと思われる同一人物の毛髪が採取されています。DNAを照合すればおのずと真相が明らかになるはずです
(萩原)これで最後にしようといつも思ってた。けど、欲に負けて
(陣川)後悔しても遅いです。現実は時計のように巻き戻せないですよ。
(亀山)お見事!どうしちゃったんですか、陣川さん
(右京)それはそうと、二課の陣川君が何故、窃盗事件の捜査を?
(陣川)それには色々と事情が…実は、お2人にご相談がありましてお時間よろしいですか?
陣川は特命係を防災倉庫に連れて行きました。
(亀山)防災倉庫?なんでこんなことに
(陣川)詳しい話は中でゆっくり。さぁ…了子さんお連れしましたよ。
実は、陣川は、警視庁総務部用度課に配属する、速水了子(山下リオ)と特別調査係、「特調係」という非公認の部署を立ち上げて、半年前から活動しています。
(了子)速水了子です。突然、お呼び建てしてしまって済みません。陣川さんからお噂はかねがね
(陣川)お2人ともようこそ、特調係へ!特別調査係、特調係。
(右京)そのような部署が警視庁にあるとは耳にしたことはありませんでしたねぇ。
(了子)ご存じなくても無理はありません
(陣川)特調係というのは半年前に僕らが作った警視庁非公認の部署ですから。
(右京)速水さんは総務部用度課の警察官なんですね
(了子)普段は物品購入や調達、そしてこの防災倉庫の在庫管理などを担当しています。私、刑事に憧れて警察に転職したんですけど、希望していた刑事部に配属されなくて、そんな時に陣川さんに出合ったんです。
了子は普段、用度係として物品購入や、倉庫の管理を任されていますが、刑事への憧れから陣川を巻き込んで未解決事件の捜査を開始しました。
当初はバーで知り合った2人。
(陣川)未解決事件の調査?
(了子)犯人が捕まっていない事件を私達で調査するんです。陣川さんと私の2人で。二課の陣川さんがいたら心強いです。
(陣川)分かりました。僕でよければ
(速水)それから仕事終わりにここで集まって未解決事件の連続窃盗事件を調べることにしました。捜査記録は陣川さんに取り寄せてもらって
(陣川)特命係にせっかくだからあやかろうかなって
(亀山)特調係ってのは
(右京)僕の勘ですが連続窃盗事件を解決したのは速水さんですか
(陣川)そうなんです。僕は速水さんの指示で通りに犯人を追い詰めて、身柄を担当の捜査員に引き渡しただけです。ただ、了子さんの推理力と観察眼は杉下さんにも負けないと思います!
(了子)最後の決め台詞は私じゃないですけどね
(陣川)気分が高揚して思わず
(亀山)陣川さんだけ表彰されるのは不公平ではないですか。聞いているとそもそも、早見さんの手柄だし
(了子)いいんです。用度課の私にそもそも捜査権はないし、この活動が上司にばれてもまずいので。
(陣川)自分だけ表彰されるのは心苦しかったんですが
(右京)はいはい、特調係の成り立ちは承知しました、我々にご相談とはなんでしょう。
(陣川)先日、窃盗容疑で逮捕した萩原が1件だけ関与を否定しているんです。
(了子)3年前の若宮栄太郎さん自宅が被害に遭った事件で。
(右京)その事件なら覚えていますよ。たしか時価総額3億円相当のヴァイオリンが盗まれた事件でしたね。
(了子)犯人は若宮栄太郎さんの留守を狙って、被害者宅に親友。しかしその時、娘の若宮千晶さんが運悪く自宅の防犯室で練習していて…。犯人と待ち合わせた千晶さんは無事だったんですが、持っていたヴァイオリンを奪われてしまったんです。
(陣川)ジュリオ・フェリーニというイタリアの職人が17世紀に作ったヴァイオリンで。
今回盗まれたヴァイオリン、「ジュリオ・フェリーニ」はイタリアの職人が作った世界に7本しかない貴重品。
(右京)ええ…世界に7本しか現存しない大変貴重なものでした。
(陣川)当時の捜査員は連続窃盗事件の侵入と手口が同じだったので同一犯による犯行と判断したみたいです。
(亀山)だけど萩原の犯行じゃなかった
(陣川)供述通り、萩原にはアリバイがありました。
(右京)真犯人は連続窃盗事件の犯行に見せかけるために、その手口を真似たんでしょうね。
(了子)私もそう思います。ガスバーナーを使用した侵入方法は報道されていましたから。
(亀山)まんまと犯人の思惑通り、踊らされたわけか。
(陣川)改めて僕らも3年前の事件を調べ直したんですが…糸口すらつかめなくて。
(右京)つまり特調係が解けなかった謎を特命係に解き明かしてしてほしいと
(了子)お力添えをいただけたら…!
表彰された事件も推理力と観察眼に長けた了子の活躍あってのことでした。
そんななか、陣川は、右京と薫に相談します。
逮捕された窃盗犯、萩原は、三億円のヴァイオリンが盗まれた事件だけ、容疑を否認していました。
その1件だけ未解決のままになっているので、特命係にも協力してほしいというのです。
右京と薫が捜査に乗り出すと、事件への関与が疑わしい人物が、転落死体で発見されました。
(右京)気になったのは暗証番号です。何故、犯人は金庫の暗証番号を知っていたのでしょう。
(了子)それは私達も引っかかっていて
(陣川)若宮さんと親しい人たちをリストアップしたんですが、決め手がありませんでした。
(右京)ここ見てください
右京は捜査資料を見せました。
(亀山)4文の33?
(了子)2033年四月?
(右京)これはガスメーターの有効期限ですね。ガスメーターは法律により、10年ごとの取り換えが義務付けられています。これ最後に取り換えたのは2023年4月ですね。確信があるわけではありませんがガスメーターを取り換えた作業員をあたってみてはどうでしょう。あくまで可能性の1つにすぎませんが。金庫を開けたところ、
(了子)素晴らしい推理です。若宮さんの家に強盗が押し入ったのは、2023年5月です。
陣川と了子は、荒船智樹というガス工事会社の男の元上司、松下力に聞き込みをしました。
(松下)えっと3年前だっけ
(陣川)ガス会社に問い合わせたら、こちらが若宮さん宅のガスメーターを取り換えていたのが分かりまして。担当は荒船友樹。今も家で働いている社員だね。
(了子)荒船さんの住所と連絡先を教えていただけませんか
荒船は間もなく、彼は28歳で既に転落死していたことが発覚します。
すぐ捜査一課の伊丹(川原和久)芹沢(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)が来ました。
(麗音)【篠原ゆき子】荒船友樹さん、28歳。ガス工事会社に勤務していて5Fのあの部屋に一人暮らしでした。死因は転落して頭を強く打ったことによる脳挫傷だと
(芹沢)あの建物から転落か
(伊丹)死亡推定時刻は
(麗音)午前1時から3時の間です。遺体発見時、玄関のドアは鍵がかかっていました。
(伊丹)にしてもいい暮らししてるな。
(芹沢)争った形跡もないですし、自殺ですかねー
(益子)おーい気になるもんが出てきたぞ
警視庁で、角田と益子と話す、右京と亀山。
(角田)転落死した男の部屋からヴァイオリンが見つかったらしいぞ。しかも3億円の勝がある代物だ。たしかジュリオ…
(右京)ジュリオ・フェリーニ。3年前に盗まれたヴァイオリンだった。
(亀山)ひょっとして亡くなったのはガス工事会社の社員。
やがて、3年前の若宮家のヴァイオリン盗難事件の犯人でした。
(益子)荒船友樹は3年前の若宮家の犯人で間違いない。若宮家の遺留物とDNAと照合が一致した。
(亀山)一課は、自殺だと?
(益子)玄関に鍵がかかっていたからなー自責の念にさいなまれて飛び降りたかもしれないってか
(右京)自殺と決めつけるのは早いかもしれません。
ヴァイオリンが見つかったことを陣川と了子に報告する特命係。
(了子)やっぱり荒船友樹が3年前の事件の犯人…
(陣川)ヴァイオリンが見つかった?
(亀山)お2人は昨日の夜、荒船がガスメーターを取り換えた作業員だと特定したんですね?
(了子)若宮さんのお宅に伺って、ガスメーカーを問い合わせてもらいました。それで、ガスメーターを取り換えた工事会社が分かったんです。これから裏どり捜査を進めるつもりでした。
(右京)そういうことでしたか
(陣川)で、荒船は自首したんですか?
(右京)いいえ、今日、未明亡くなりました
(亀山)ベランダからの転落死…一課は自殺とみています
その後、陣川と了子は独自で話し合います。
(陣川)単なる自殺じゃないのかも。杉下さんが我々をわざわざ呼び出したのは何か裏がある気がします。
(了子)自殺じゃなくて他殺だったとか
(陣川)もしかしたら、他殺を疑わせる証拠かなにかを見つけたんじゃ…
(了子)だったら私達も調べてみましょうか。他殺だとしたら荒船を殺害したのは誰なのっか?そもそもこの事件は私達が調査してきた事件じゃないですか
その頃、右京達特命係も、特調係が独自の動きをすることを察知し、独自の捜査を開始します。
(亀山)特調係が荒船の存在に辿り着いた。その夜にその荒船が死んだ。
(右京)彼らの動きがきっかけになった可能性がありますねえ
(亀山)たとえば若宮さん親子は、特捜係がガス会社の作業員を調べているところを認識していたはずですよね。
(右京)僕も若宮千晶さんについて気になることがあります。
その後、若宮家を訪ね、千晶の父、栄太郎を訪ねました。
(栄太郎)警察から強盗犯が死体で見つかったと連絡があった時は驚いた。本当にガス会社の作業員だったとはなー。で、ヴァイオリンはいつ帰ってくるんだ?
(亀山)申し訳ありません、手続きが立て込んでおりまして、もう少々、お待ちください。ちなみに昨夜1時から3時の間はどちらに?荒船とは面識がありましたか?
(栄太郎)私も娘も寝ていたよ。私達を疑っているのか。犯人の荒船って男は自殺難だろ?
(亀山)あらゆる捜査の可能性を視野に入れていまして
(右京)ところで、お嬢さんの千晶さんはご在宅ですか?千晶さんは3年前の事件以降、ヴァイオリニストとしての活動をされていませんね。
(栄太郎)千晶は勤め先の音大に行っています。あの日、千晶が事件に巻き込まれていなければ…奪われたんだ。ヴァイオリンだけじゃなく、ヴァイオリニストとしての千晶の人生も
(右京)なにがあったのでしょう
栄太郎は娘の千晶が事件以降、ヴァイオリンを弾かなくなったことについて根掘り葉掘り触れられたくないようでした。
(栄太郎)あんたらには関係ないだろ、もう帰ってくれ
一方で、陣川と了子も独自に捜査を進めます。
(陣川)やっぱり杉下さんは他殺を疑っているようです。鑑識に話を聞いてきました。この写真に引っ掛かっていたみたいですけど自分にはさっぱりで
陣川がスマホに映る、荒船の自宅マンションの施錠されたドアの写真を了子に見せました。
(了子)そういうことか…自殺に見せかけるために犯人は部屋を密室に仕立てんです。
(陣川)どうたってそんなことを?
その後、若宮千秋の大学に向かい、同僚教師、大和田紀彦に聞きます。
(若宮)若宮先生が弦楽器コースの教授に就任したのは2年前です。
(右京)様々な国際コンクールで優勝し、世界的ヴァイオリニストの若宮千晶さんが後進の指導に専念するようになったのにはなにか理由があるのでしょうか?
(大和田)そのあたりの事情は私達も。ただ世界中のファンが若宮先生の復帰を願っているのは事実で、大学には若宮先生宛の手紙が今も届くんです。それほど、若宮先生は類まれな才能を持つヴァイオリニストでした。
千晶は世界各国にファンがいて、千晶の復帰は心待ちにされていました。
(亀山)ああすごい数ですね。
その後、千晶に犯人の写真を見せ、聞き込みをします。
(亀山)この荒船友樹という男が3年前の強盗犯でした。
(千晶)こんな写真見せられても私はあの時、犯人の顔を見てませんし。
(右京)あなたが表舞台から去った理由は3年前の事件がきっかけだったようですね。
(千晶)ヴァイオリンさえ、無事なら犯人だってどうでもいいです。あんなことがなければ私は今もステージに立っていたでしょうね。あのジュリオ・フェリーニのヴァイオリンは歴史的に大変価値のある明記でした。その時代の持ち主は次の世代に継承される責任があります。私はあの日、犯人にヴァイオリンを奪われてしまった。私の命よりも何十倍も価値があります。命を投げ捨ててでも守るべきだった。
(右京)その責任感と後悔があなたをステージから退けてしまったわけですね?
(千晶)当然の報いです。
(亀山)ヴァイオリンが帰ってきたらもう一度
(千晶)私にその資格はありません。私が一番憎んでいるのは犯人じゃありません。あの時何もできなかった自分なんです。
千晶は事件以降、ヴァイオリニストとしての自信を喪失していました。
特命係は、荒船の家を訪ねます。
(亀山)でっかいテレビにパソコンに高そうなもんばっかですね
(右京)若宮家から盗んだ貴金属などを売りさばいて手に入れたのでしょうねぇ
(亀山)どうしてヴァイオリンだけは手元に残していたんでしょうね
そこへ、陣川と了子がやって来ました。
(了子)陣川さんに連れて来ていただきました
(亀山)特調係っつったって、捜査権がないとこの部屋には入れないんですから
(陣川)大目に見てくださいよー特命係だって本来は捜査権がないわけだし
(了子)杉下さん、他殺に繋がる証拠を見つけましたよ。ドアに擦れた後があります。杉下さんはこれを見て、犯人が犯行後に密室を作ったと思ったんですね?この痕は、玄関から細い金棒のようなものを差し入れたときにできたもの。犯人はその金棒を使ってドアを施錠したんです。杉下さんもなにか手掛かりを探しにここへ?ぜひご一緒させてください
(右京)僕も同じ推理をしました。
(陣川)特調係もお役に立てるはずです
(亀山)右京さんどうしますか?
(了子)ここに何かが置いてあった?
(右京)恐らく
(陣川)荒船を殺害した犯人が持ち去ったんでしょうかね?
(右京)その可能性が高いですね
(亀山)どうやって
その夜、亀山、美和子、右京、陣川で、茉梨の(森口遥子)小料理店で夕食を共にしました。
(陣川)杉さん、了子さん凄くないですか?
(右京)彼女の洞察力には目を見張るものがありますよ。
(亀山)俺もびっくりしちゃって
(茉梨)お2人のお墨付とは優秀ですね
(陣川)知性と品性を兼ね備えていてすごく魅力的な女性なんですよ。
(美和子)【鈴木砂羽】中途採用でしたっけ?
(陣川)警察に入る前はニューヨークにいたみたいで、レコード会社で働いていたって聞きましたよ
(美和子)そんな方がなんで警察に?
(右京)速水さんとはどのような経緯でお知り合いに?
(陣川)運命に導かれたといいますか。初めての了子さんとの出会いは…2回目は、それからすぐに彼女と再会したんです。
陣川は、了子が落としたハンカチを拾って出会い、2回目は夜に駅中で再会しました。
(美和子)それだけで運命感じちゃうのはあまりにも
(陣川)偶然だと思いましたよ。でも、もし、3回目があれば運命だと信じようと。
(美和子)偶然が3回続いたら運命って言うよね?
(茉梨)もしかして3回目が?その後、進展は?
(陣川)結婚式場で了子さんを見かけたんですよ。お互い別々の結婚式に参加していましてね。。チャンスだと思いました。思い切って声を掛けたら彼女が警視庁に勤務する警察官だと分かって。今は特調係のパートナーだという関係ですが、まぁいずれは?
(茉梨)陣川さん応援しています
(陣川)有難う御座います。
翌日、右京と亀山は、了子が3年前の事件を解決すべく、陣川に接近したのではと考えを巡らせていました。
(亀山)陣川さんは運命だって信じているみたいですけど
(右京)陣川君の気持ちは否定しませんが、今回の場合、なにか事情がありそうですね。
(亀山)速水さんが偶然を装って陣川さんに近づいた。
(右京)だとすると彼女が陣川君に近づいたのは連続窃盗事件を自分で調べるためだったかもしれませんねぇー
(亀山)警察内部に入り込めば情報も手に入りやすい。けど、配属先が総務部だったために特調係を陣川さんと作って捜査した。
(右京)もう1つなにか引っかかっています。今回の事件を振り返ると、3年前のヴァイオリン強奪事件の解決が彼女の目的のような気もしますけどねぇ。荒船を殺害した犯人はあの棚から何を持ち去ったのか?持ち去った理由については仮説が立てられますけどね、自分と荒船の接点を探られたくないからですよ。例えば、荒船を殺害した男は強盗事件の共犯者だった
(亀山)どうして3年前の事件にこだわっているんですかね。でも千晶さんは強盗犯と鉢合わせした時に相手は1人だったって証言していますよ。
(右京)実行犯を荒船1人に任せたか或いは共犯者は家の外で見張りをしていたかもしれません。共犯者がいた根拠として挙げられるのがヴァイオリンの保存状態です。益子さんによると保存状態は問題なかったようですが…。
(亀山)そのことが何故、共犯者がいた根拠に?
(右京)17世紀に作られたヴァイオリン、しかも、ジュリオ・フェリーニです。冬は乾燥、夏は湿気、定期的なメンテナンスが必要です。荒船に適切に保管したとは思えない。おそらくこの3年間、ヴァイオリンを保管していたのは共犯者のほうでしょう。そして、荒船を殺害後、荒船が強盗事件の犯人であることを隠すためにヴァイオリンを隠した。
その頃、了子と陣川は連絡をとっていました。
(了子)はい、3年前の事件には荒船のほかに共犯者がいて、その共犯者が荒船を殺害したんだと思います。
(陣川)ていうことは捜査の手が迫っていると察知した共犯者が荒船に罪を擦り付けて殺した。
(了子)荒船を殺害した共犯者に思い当たる人がいます。
(陣川)誰ですか?!
(了子)そもそも共犯者はどうして捜査の手が迫っていることを察知できたと思います?
間もなく、千晶を再び訪ね、右京と亀山は再度聞き込みします。
(千晶)犯人は最初から私のヴァイオリンを狙っていたってことですか?
(右京)その可能性があります、少なくとも荒船の共犯者はヴァイオリンに精通している人物でしょう。
(亀山)心当たりありませんかね?例えば、ジュリオ・フェリーニのヴァイオリンを手に入れたがっていた同業者とか。
(千晶)心当たりと言われても
(栄太郎)それなら日本中、世界中のヴァイオリニストが容疑者になってしまう。
(千晶)あのヴァイオリンは誰もが憧れる幻の名器ですから
(右京)千晶さんが手に入れたのはいつ頃ですか?
千晶は高校の時に、ヴァイオリンを教えてくれた沼口という男が、日本のヴァイオリンコレクターを紹介したことで、ジュリオ・フェリーニを手にしたことを話しました。
(千晶)15年ほど前です。沼口先生が日本のコレクターを紹介してくださって。私が高校までヴァイオリンを指導してくれた方です。
(栄太郎)他にも手をあげているヴァイオリニストがいたが、沼口先生の強い推薦もあって、最終的に私達が購入できることになった。
その頃、了子と陣川は荒船の勤務先だったガス会社を訪問
(荒船の元上司、松下力)あんたたちが荒船を調べていたことは誰にも話してないってば!しつこいな。
(陣川)荒船友樹は何者かに殺害されていた疑いがあります。事実と異なることを証言すれば、犯人隠避に問われる可能性も。
(了子)本当に誰にも話していませんか?
(松下)この前、あんたたちが帰った痕、荒船には電話した。動揺していた、でも心配いらないって。ここだよ、荒船のロッカーは。
その後、荒船が使っていたロッカーに案内してもらい、手掛かりを探す陣川と了子。
(陣川)社長からの連絡を受けて共犯者と連絡を取ったのかもしれませんね
(了子)配管の部品ってかんじもないし
沼口に話を聞く、特命係。
(沼口)15年前ジュリオフィリーニの購入を希望していたヴァイオリニスト質はみな一流です。強盗に関わっているとはにわかには信じられませんね。
(亀山)沼口先生の推薦で千晶さんはヴァイオリンを手に入れたそうですね
(沼口)ジュリオ・フェリーニに一番相応しい引手が彼女でした。
(亀山)それだけ特別な才能が?
(沼口)小学生の頃から抜きんでていて、コンクールに出れば必ず優勝するほどの実力がありました。
(亀山)他にヴァイオリンを盗みそうな人に心当たりはありませんかね?どんな些細なことでも結構です。
(沼口)千晶さんが中学1年の時でしたかね、盗難事件がありましてね。千晶の肩当てがなくなっていました。コンクール当日に。
(亀山)肩当てって?
(右京)演奏の際に肩とヴァイオリンに当てて使うこれですねぇ
(沼口)まぁ結局、千晶さんは肩当てなしに本番に挑み、それでも優勝しましたがね
その夜、右京と亀山はそれぞれの推論を展開します。
(亀山)トロフィー
(右京)荒船が千晶さんの家から持ち去ったのはトロフィーかもしれません。多くのトロフィーの台座は正方形です。例のほこりの痕もそれに近いものがありました。
(亀山)なるほど、それがなんのトロフィーと分かれば、荒船と共犯者の繋がりも見えてくるってことですね。
(右京)はい、そういうことです。ところで君何をやっているんですか?
(亀山)千晶さんが中学の時に出場したコンクールについて調べてるんです。
(右京)例の肩当てが盗まれたコンクールですか?
ふと、亀山は、東京ジュニアヴァイオリニストコンクールに、速水了子の名前を見つけ、驚愕しました。
(亀山)千晶さんが中学の時だから22年前か。もしかして、今回の事件と関係あるかもしれないなと思って。これ、速水了子って…あの早見さんですよね?どうしてこのことを黙っていたんでしょうか
(右京)彼女もヴァイオリンをやっていたんでしょうね
そこへ、陣川がうんざりしてやって来ました。
(陣川)もう散々ですよ!特調係の活動がばれて、刑事部長と参事官に大目玉食らっちゃいました。
中園参事官(小野了)と内村刑事部長(片桐竜次)に特捜部を作ったことや、総務部を巻き込んで捜査したことで、叱責を受けました。
(中園参事官)総務部の警察官を巻き込んで、捜査の真似事など言語道断
(内村刑事部長)特調係という耳障りな名前までつけおって。
(中園参事官)お前の表彰は取り消しだ
(陣川)あー上層部に見つかってしまいました。了子さんは相当、絞られているようで。杉下さんこれ何かわかりますか?荒船のロッカーで見つけました。仕事の部品って言うんですけど。これから調べようって矢先に部長に呼び出されて。
そこで、陣川の見つけた部品により、右京は真犯人に辿り着く手がかりを得ました。
(右京)は!失礼!陣川くんどうもありがとう。おかげで真相が見えてきました。
右京と亀山は、了子に、何故、この事件に執着し、解決に導きたがるのかを追求しました。
(右京)速水さんあなたはかつてプロのヴァイオリンにストを目指していましたね
(亀山)そして、千晶さんと同じコンクールにも出ていた
(右京)当時を知る人から伺いました。そのコンクール当日、控室で、千晶さんの肩当てが紛失。その時、控室で不審な動きをしていたあなたが疑われた。あなたは必死に身の潔白を証明した。肩当てはそもそも家に忘れてきたのだと謝罪したのです。この出来事はあなたのなかに深く刻まれました。
(了子)まるで、思い出したくありません
(亀山)その後、時を経てあなたはニューヨークでの私生活を捨て、警察官に転身した。3年前の事件を追う為ですよね?
(陣川)僕を誘って、特調係として捜査したのはこのため
(右京)何故、そこまで3年前の事件に拘るのかずっと不思議でした。ですが、肩当ての話を聞いて、腑に落ちました。あの日、自分を救ってくれた千晶さんを今度は自分が救う番だと。
(了子)肩当てがなければ私が一番になれると思いました。すぐ騒ぎになって問い詰められて。でも彼女は全てを分かっていた。その時思い知らされたんです。ヴァイオリンの才能だけじゃない、人としての才能も負けている。ヴァイオリンを辞めました。それから純粋に彼女の活躍を応援していたんです。
(亀山)そんなあなたを千晶さんが救ってくれた。
(右京)ですがあの事件の後、彼女は表舞台から姿を消しましたね
(了子)詳しい事情は分かりませんでした。犯人さえ捕まえていれば、彼女はステージに戻って来てくれる。そう思ったんです。
(亀山)3年前、千秋さんからヴァイオリンを奪い、荒船を殺した人物は既に特定しています。
(陣川)一緒に捕まえましょう
(了子)本当ですか
その後、特命係と特調係は、若宮千晶が勤務する大学へ出向き、真相を同僚大学教授の大和田に突きつけました。
(右京)決め手となったのは特調係が見つけた、これです。これはバレルといって、ダーツを構成するパーツの1つです。
(亀山)ダーツを握るこの部分
(陣川)ガス会社の従業員に確認しました。荒船はダーツがシュミで大会で優勝したこともあるそうです。
そして、真犯人は若宮の同僚の大学教師、大和田だと分かりました。
(右京)あなたの左手甲のタコはダーツを抜くときに出来たものですね。荒船がダーツを趣味にしていると知ってあなたの手のタコを思い出しました。
(亀山)あなたはダーツ仲間で荒船と知り合った。だからトロフィーを持ち去ったんですね?
(陣川)警察に勘繰られないように自分とのつながりを消した。
(大和田)言いがかりです。何を根拠に
(陣川)先ほど、あなたの自宅のごみ置き場からトロフィーを押収しました。
(右京)荒船を殺害したのはあなたですね
間もなく、大和田は憎々しげに罪を認めました。
(大和田)あいつが捕まれば私のこともバレるだから殺すしかなかった
荒船の共犯で、彼を殺したのは大和田でした。
(荒船)警察が俺を探っているみたいで
(大和田)考え過ぎだよ
(荒船)最近、連続窃盗事件も捕まったし、俺達もやばいじゃないか
そして、荒船をマンションから突き落としたのでした。
(亀山)自殺に見せかけるために部屋を密室にした。
(了子)3年前の若宮家の強盗は、あなたと荒船は共犯
(大和田)アイツが言ったんですよ。ガスメーターの取り換え中、金庫のダイヤルを回すのが見えたって。そこが若宮千晶の家だって知った。
(亀山)それで強盗を思いついたってわけか
(大和田)ジュリオ・フェリーニを手に入れるチャンスだと思った。世界一のヴァイオリニストになってあのヴァイオリンを弾くのが夢だった!毎日幸せだったよ。幻の名器が自分だけのものになって。
(了子)勝手すぎる
(陣川)いい加減にしろ、あんたのせいで一人のヴァイオリニストの運命が狂ったんだよ!その重みが分かっているのか!
陣川が熱き心で、大和田に憤慨しますが、右京が最後にとどめの一言を指しました。
(右京)あなたにはジュリオ・フェリーニのヴァイオリンを弾く資格はありませんよ。あのヴァイオリンを大切に継承してきた人たちの思いを踏みにじったあなたには。そもそも触ることすら許されませんよ。その汚れた手で!
その後、ヴァイオリンを千晶の元に返した右京達。
(千晶)皆さん有難う
(了子)またヴァイオリンを弾いてください。私だけじゃない、世界中の沢山の人が待っています
(千晶)お気持ちは嬉しいです。私にはそんな資格はありませんから
(右京)ヴァイオリンにとって一番の幸せは何でしょう?あなたのような最高のヴァイオリニストにその音を奏でてもらうことではないでしょうか。もう一度、このヴァイオリンに息吹を与えてください。待っていると思いますよ、あなたを。
ヴァイオリンが戻っても、自信喪失している千晶に、右京は心温まるアドバイスをしました。
若宮家を後にした、右京と亀山と、陣川と了子。
そこで、千晶の優しく、美しい旋律が鳴り響きました。
(亀山)ああ2人の3回目の出会いだけは偶然だったんすか
(了子)友人の結婚式の帰りに
(陣川)特調係を宜しくお願いします
(了子)今回の捜査で事件捜査の醍醐味を堪能して、病みつきになりそうです
(右京)またご一緒できる日を楽しみにしておきましょう
(陣川)またご一緒させていただけるって。
右京と亀山のように、陣川にも了子という頼もしい相棒が出来ました。
相棒24 12話「特調係 陣川公平」感想・みどころ
あの陣川がまたお茶の間に帰って来ましたね。
惚れっぽい陣川が、心を掴まれたのは、総務課の了子。
物品購入や倉庫管理をしている彼女もまた、特命係のように捜査権がないので出来ることが限られていました。
その共通点もあり、入念な捜査で、特命係並のバディを発揮しましたね。
ヴァイオリンが盗まれたことで、ヴァイオリニストとして自信を失った、千晶。
千晶は、少しナイーブなところがあるなという印象を受けました。
命が助かっただけでも有難い事なのに、ヴァイオリンを守れなかった自分を悔いていたので、思い直してほしいと思っていました。
しかし、特命係と「特調係」の華麗なチームワークで、同僚の大和田が真犯人であることを突き止められましたね。
大和田は「相棒」シリーズによくいる、己の欲に負けやすい強欲な人物でしたね。
「ヴァイオリンにとって一番の幸せは何でしょう?あなたのような最高のヴァイオリニストにその音を奏でてもらうことではないでしょうか。もう一度、このヴァイオリンに息吹を与えてください。」
右京の言葉には被害者が一番求めていた安心感と前に進む勇気をくれますよね。
ヴァイオリニストとして再出発した姿は、心温まりました。