相棒21 15話あらすじネタバレ
亀山に朝、事件を匂わせる怪しいメールが届き、右京と共に現場の公園、「こもれびの森」へ。
メールはヒロコママからで、現地についてみると、彼女が仕掛けたドッキリでした。
亀山薫(寺脇康文)は、海外渡航前から顔馴染みだったゲイバーのママ、ヒロコ(深沢敦)と再会。
ところがその矢先、公園で男性の遺体を発見。
捜査一課の伊丹(川原和久)、出雲麗音(篠原ゆき子)、芹沢(山中祟史)が駆け付けます。
被害者は鬼塚一誠というルポライターで、妻は、ノエル美智子(大島さと子)というペンネームで少女向け小説を手掛ける人気作家でした。
鬼塚の手には何故か美智子のデビュー作「ひなたの花」が飾られていて、何等かのダイイングメッセージとも思われました。
鬼塚一誠こと、大塚誠一は、ヒロコママのゲイバーの常連。
彼のおかげで、店が立ち退きにならずに済んだのです。
妻と共に、ヒロコママの店にも訪れていて、夫婦仲も良好だったとのこと。
記者をしている妻、美和子から亀山は、鬼塚がフードバンクや炊き出しをしていたことや、狭心症の持病持ちだったことを聞かされました。
事件に興味を持った杉下右京(水谷豊)は、美智子を訪ねました。
鬼塚が死亡した後、彼女も同じ公園で炊き出しのボランティアをしていた事が判明。
生活困窮者の炊き出しとフードバンクがメインで、新宿東公園で行っていたと告げました。
事件当日、夫の鬼塚と同じ公園にはいたのですが、それも知らなかったと冷静に話す、美智子。
鬼塚はそこに集まった生活困窮者を取材中、何らかのトラブルに巻き込まれた可能性が浮上。
その頃、自宅で、すみれという当時、中学生だった少女にサインを求められたサイン会の出来事を思い出す、美智子。
角田課長(山西惇)は、鬼塚がフードバンク絡みでトラブルに巻き込まれた可能性を示唆。
弘子は聞き捨てならない情報をもらします。
ホストの雅が、ゲイバー帰りの鬼塚に因縁をつけたことがありました。
その際に、殺されてもいいのかと脅したのです。
雅は、殺意はなくて軽い因縁をつけただけだと否認。
雅の店は半グレグループが関わり、潰れる寸前でした。
その件から鬼塚に絡み、殺害したのではないかと疑う伊丹、芹沢、亀山。
その頃、右京は大塚が関わっていたフードバンク社「ハートテーブル」を訪ね、スーパーマーケットで働く、美智子のファン、すみれと接触。
12~13年前、中学生の時にサインをもらった美智子の作品「ひなたの花」を古本屋で捨てました。
彼女は、夫からのDVをきっかけに、お腹にいた子を抱えて家を飛び出した苦労人。
また、東公園に美智子が鬼塚と来ていたことを知ると、美智子にファンとして裏切られた強い気持ちを持っていて、公園で見つけたら文句を言ってやりたかったと不満を口にするのでした。
鬼塚の死因の結果はなんと、持病の狭心症による病死。
その夜、すみれは現在、小学6年生の娘と母子2人暮らし。
困窮者の一人で、娘の葵に卒業式のスーツをレンタルしたり、葵にも式用の服を新調すると伝えました。
ふと、葵がすみれが捨てたはずの「ひなたの花」を読んでいて、すみれは違和感を覚えます。
何も母の事情を知らない葵は無邪気に学校で流行っていると微笑み、夢中で作品に没頭。
ヒロコに呼び出された、亀山。
鬼塚一誠がかつて恩人だった、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)がゲイバーヒロコへ。
なんとしてでも、鬼塚の無念を晴らしてほしいと頼む2人。
翌日。
かつて子供だった古川すみれが、事件当日、フードバンクの手伝いをしていた美智子と再会。
しかし、美智子は「人生は喜びに満ちていた」なんて言葉を「ひなたの花」に綴ったけれど実際は真逆だったと振り返ります。
次に、右京と亀山は、雅の所属する半グレ集団「スコルピオ」が新宿東公園で炊き出しなどの利用者に名義貸しで騙そうとしていたことが判明。
鬼塚はその実態を暴こうとしたのです。
しかし、「ハートフル」で働くスタッフ、伴坂は、雅こと、江本雅史に脅迫されていた模様。
鬼塚を脅して、「スコルピオ」が生活困窮者を騙している事実をルポライトするところを阻止しようとしたのです。
炊き出しの手伝いをしている間、鬼塚を見かけたものの、彼は既に遺体となっていました。
そこで、伴坂は手掛かりになりそうなものを自宅に持ち帰った事を右京と亀山の前で白状。
娘の葵の給食費すら払えず、雅史に騙され、戸籍を30万円で売ったすみれ。
有名なルポライターがうろついているから気を付けろと雅史から言われていたとの事。
すみれを追いかけた鬼塚は、途中で死亡。
ゲイバーのヒロコママの店にて、ヒロコが鬼塚に書いてもらったサインを見て、右京はひらめきます。
遺体が持っていた文庫本は新品同様。
つまりこれはすみれが手放した本とは別物。
古書店に売ったサイン本は偽物。
なんと、本物のノエル美智子は、夫の鬼塚誠一。
そして、ルポライター、鬼塚誠一は、美智子でした。
馴れ初めはまだまだ女性への偏見が強い時代に、鬼塚は元々、少女小説、美智子は現代社会へのルポライト。
ここで、お互いに書いた作品を逆にして、デビュー後、とんとん拍子に今の地位を築き上げました。
取材をしていたのは、美智子。
そして、取材の為に、ハートテーブルに潜入。
家に帰ってから、手のほくろの位置からすみれだと認識。
古川すみれを追いかけている間、持病の狭心症の発作が起きました。
すみれに、自分こそが「ノエル美智子」だと真実を告げようとしていたからでした。
美智子は、すみれ(智順)に真実を告げ、夫が残した「この世界は喜びに満ち溢れている」という言葉をもう一度、伝えました。
そして、すみれに生活困窮者を救うために自分の仕事を手伝ってくれないかと声を掛けた美智子。
本当は鬼塚誠一として、世の中の理不尽や困窮者を苦しめる人達の真実を暴くための協力を、すみれに求めました。
すみれはようやく思いが通じ合って、涙します。
そんな彼女を見守る、右京、亀山、ヒロコママなのでした。
相棒21 15話感想・みどころ
時代錯誤な価値観で、「女は男に養ってもらう。ペン一本で女が勝負できるわけない」という言葉に傷ついた、ノエル美智子。
現在の夫となった鬼塚は、少女小説を書くことで将来に繋げようとしている同志。
ルポライトの力を持つ、美智子は、「ノエル美智子」の名を夫に、自身は鬼塚誠一として、社会の闇を暴く「相棒」となったのだという印象です。
そして、半グレ集団、「スコピオル」による生活困窮者を名義人にして騙す犯罪が横行。
彼等の闇を暴くため、立ち上がる夫婦の力が、一人のファン、すみれを誤解させてしまったことは当初、悲しかったです。
すみれも一人娘の葵と小さな家で暮らし、娘の給食費すらパートを掛け持ちしても払えない。
くすぶる日常でも、葵には不憫な思いをさせまいと、卒業式のスーツをレンタルするなど彼女なりに我が子を支えながら生きている様子が伝わりました。
そんなすみれに、自分こそが本物の「ノエル美智子」だと伝えようとした鬼塚誠一こと、大塚。
しかし、狭心症の発作が起きて追いかけているうちに亡くなってしまったのは無念でなりませんよね。
美智子こそが、本物の「鬼塚誠一」として、自分のサポートをしてもらえないかとすみれを誘い、彼女自身の人生が新たに切り開いたラストシーンは泣けました。
長年、推してきた作家から、人生のプレゼントをもらったすみれの笑顔と涙を見ると、この人生は喜びで満ち溢れていると少し思えますね。