相棒24 14話「薔薇と髭の告白」あらすじネタバレ
アパレル会社、ファイバービギンに勤める男性社員、村尾泰明が殺されました。
(芹沢)村尾保明さん 32歳 ファイバービギンの社員ですって。
(伊丹)なんだよそれ
(芹沢)先輩には縁がないアパレルブランドですよ
(伊丹)余計なお世話だ
間もなく、鑑識の益子(田中陸三)が来て、遺体の状況を説明しました。
(益子)指紋は出なかった。何度か殴られた跡があるから犯人は相当深い恨みを抱いていたかもな。
そこに、ヒロコ(深沢敦)から連絡を受けた、警視庁特命係、右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)。
(角田)暇か。まぁ聞くまでもないな。
(右京)課長、お疲れのようですね。
(角田)バカラ賭博関係者の件が続いててな
角田はバカラ賭博をしていた犯人の摘発に多忙のようです。
(亀山)ああ、一斉摘発のアレ
(角田)金狼会が浦で仕切ってたみたいでな。叩けば叩くほどほこりがぼろぼろ
(亀山)右京さんヒロコママですよ
(右京)おやおやお久し振りですね。
(ヒロコ)ヨッシーが大変なのよ!とにかく助けに来て。薫ちゃん、ヨッシーが顔こわ軍団にいじめられちゃう
(亀山)顔こわ軍団って
(右京)ええ間違いないでしょうねぇ
その「顔こわ」軍団とは、伊丹達でした。
捜査一課は、被害者は最後に電話をかけていた弁護士の吉澤(濱津隆之)から話を聞こうとします。
険しい顔が特徴の伊丹が吉澤を問い詰めています。
(伊丹)どうしても捜査にご協力いただけないと
(吉澤大吾)あんたたちもしつこいね、こっちにも守秘義務ってもんがあるんですよ。守秘義務。
(麗音)人が一人死んでいるんですよ
(吉澤)それはご愁傷さまでした。
(吉澤)そういうことじゃないでしょ
(芹沢)そういう態度なら署でお話を伺いましょう
(伊丹)こっちっだって暇つぶしに来てるわけじゃないんですよ
(吉澤)あいにくのところ、貧乏暇なしでね。強制力ないですよね?
(伊丹)分かりました、次はお土産持ってきますね。また余計なの呼んで
(ヒロコママ)あんたたちがヨッシーをいじめてるからでしょ
(芹沢)それが先輩の仕事なんです
(亀山)で、どうしてここに?
(麗音)今朝、遺体で見つかった被害者に最後に電話をかけていたのが…
(右京)通話内容を教えてくれなかった
(麗音)ご名答
(伊丹)べらべら喋ってんじゃねぇよ。よりによって、こんなとこに事務所か前やがって。
ヒロコは、同じビルにテナントを構える吉澤と懇意にしているようで、捜査一課の追及が終わった後も、吉澤を気にかけました。
(吉澤)それで知り合いの刑事さん呼んじゃったんだ
(ヒロコ)だって里香ちゃんと同じ会社の人が殺されちゃったでしょ、もう心配になっちゃって
(亀山)この事件ですね、伊丹達が調べているのは
亀山が捜査一課が調べている事件をネットニュースを開いて、右京に確認します。
(右京)つまり、この殺された村尾保明さんと里香ちゃんという方は同じ会社だったわけですね。
(ヒロコ)そうなのよ。里香ちゃんはね、ファイバービギンの店舗スタッフやってた子なんだけどね
(右京)やってた子ということは
(ヒロコ)先月、自殺しちゃったのよ。ファイバービギンってね、超真っ黒な会社で、里香ちゃん仕事のことで悩んでいたみたいで、精神的にも参っていたみたい
(亀山)ブラック企業で自殺か
(吉澤)私の力不足です、面目ない。
(ヒロコ)そんなことないわよ、ヨッシーは親身になってくれたじゃない
(吉澤)なんかできたことがもっとあったんじゃないかって
(右京)なるほど。その労災請求や損害賠償請求を吉澤先生が?
(吉澤)ええ、ご遺族の力になれればと
(亀山)じゃあ殺された村尾保明さんへの電話もその件で?
(吉澤)そういう誘導尋問には乗りませんよ
(亀山)いやいや、そういうつもりで聞いたんじゃないっすよ
ヒロコの話によると、被害者が務めていた会社はブラック企業の疑いがあり、最近も女性社員が自死を遂げたばかりでした。
(ヒロコ)ヨッシー、この2人なら大丈夫よ、さっきの顔こわ軍団と別のチームだから。
ヒロコは右京と亀山を頼るよう、吉澤に促しました。
(吉澤)守秘義務とはそういうものなの。たとえヒロコママにも話せないものは話せないの。
そこへ、里香の知人で、ヒロコの店とは違う、歌舞伎町のローズリップで働く、ミナが来ました。
(ヒロコ)みなちゃんもニュースを見て?
(ミナ)ええ
(ヒロコ)びっくりよねぇ、里香ちゃんと同じ会社の人が殺されるなんてねぇ
(亀山)ママ、こちらの方もファイバービギンで働く社員さん?
(ヒロコ)ミナちゃんはね歌舞伎町にあるローズリップってお店の子。里香ちゃんと仲が良くて、里香ちゃんにヨッシーのこと紹介したの。うちにも遊びに来てくれたことあるわよね
(ミナ)はい、吉澤先生が連れて行ってくれて。
ミナは、吉澤のことも知っていて、里香のことを2人とも気にかけていました。
ヒロコのバーに行き、さらに、里香とミナの関係性をヒロコに聞く、右京と亀山。
(亀山)さっきのミナちゃんと同じローズリップって店で、里香ちゃんもバイトしてたんだ。
(ヒロコ)そう、里香ちゃんは母子家庭でね、寝たきりのおじいちゃまがいるらしくて、家計を助けてくれていたみたいよ
(亀山)苦労していたんだね
(右京)吉澤弁護士はどのような方なのでしょうかね
(ヒロコ)ヨッシーは?そうねぇ、いつも自分のことは二の次でそこが母性本能くすぐるんだけどとにかく他人のことを心配する優しい人よ。さっきはちょっと怖かったけど。ヨッシーのあんな顔見るの初めてだから。でもそのギャップがまた魅力的なんだけど。
(亀山)守秘義務のことね
(ヒロコ)それにしてもあのなんちゃらビギンてあの会社どうなっちゃってるのよ。今度は殺人事件だしね。
(亀山)殺人事件のほうは意外と関係ないかもしれないよ
(右京)そうではないかもしれませんよ
(亀山)じゃあ里香ちゃんって子の自殺と、今回の村尾さんが殺された事件、なにか関係があると
(右京)それはまだ分かりませんが、吉澤弁護士が守秘義務を主張される理由には、おおよその見当がつきました。
2つの死に繋がりを感じた特命係が独自の捜査に動きます。
翌朝、ファイバービギンで働く、里香とかつて働いていた女性、倉田歩実を訪ねました。
(亀山)済みません。責任者の方はどちらに?あの警察なんですけども。以前、こちらで働いていた紺野里香さんのことでちょっと。
(倉田)責任者は私です。
(亀山)あの紺野里香さんの自殺の原因は会社が原因だって聞いたんですけども。
亀山は物腰柔らかに温厚な口調で、関係者の倉田に聞きました。
(里香)ええ、私もそう思っています。とにかく毎月のノルマが厳しくて、私も紺野さんも自社商品の購入は慣例となってましたから。
倉田は里香と共に、ファイバービギンで働いていた頃のパワハラを語りました。
(亀山)自爆営業させられていたってことっすか
(倉田)ノルマ達成のために休日返上で出勤してもその分の手当てもつかなくて。化勁を助けていた紺野さんは夜のバイトもしていたそうです。それなのに社長は紺野さんの葬儀にも来なかった。お悔やみの言葉も一切何もなかった
(亀山)それで追い詰められてしまった。それはひどい話ですね
(右京)里香さんと村尾保明さんは親しくされていたのでしょうか
(倉田)村尾さんと?いえ、面識はあったと思いますが
(右京)村尾保明さんが殺された理由についてなにか知っていますか
(倉田)いえ、とくには
(右京)これは念のためですが、夕べ3時過ぎまでどちらに?
(倉田)終電まで1人で店舗に残って作業していました。今この店舗の担当は私一人なので。レジ閉めや在庫管理や色々やること多くて。
(亀山)そんな夜遅くまで
(右京)最後にもう一つだけ!こちらの会社が公益通報されていること聞いたことありますか?
すると、被害者の男性が、会社の違法な行為を通報する「交易通報」をしたことが、事件の引き金になった可能性が浮上しました。
問題の会社の社長が通報者を特定しようとしていたという情報がリークされていました。
帰り道に、独自の推論を話す、特命係。
(亀山)右京さんなんであの会社が公益通報を受けてると思ったんですか?
(右京)長時間労働などの職務上の事由により、精神疾患を患った社員が自殺したとなれば、社員の誰かが公益通報に踏み切ったとしても不思議はありませんからねぇ
(亀山)ちなみに公益通報って会社の違法行為なんかを行政機関とかに通報する制度で合っていますかね?
(右京)ええ、通報者が不利な扱いを受けないよう、保護するための制度でもあります。
(亀山)もし公益通報した人が殺された村尾泰明さんだったとしたら
(右京)間違いなく、大事になるでしょうねぇ
ふと、捜査中に亀山の妻、美和子(鈴木砂羽)に遭遇しました。
彼女は記者として、例のファイバービギンの社長、小柳の家を張り込んでいました。
(美和子)2人がここへ来たってことは小柳社長の犯行なの?
(右京)やっぱりとは?
(美和子)ファイバービギンは公益通報を受けていたんですよね?小柳社長は、ファイバービギンを公益通報の犯人を捜していたって。
(亀山)じゃあやっぱり殺された村尾さんが公益通報者?
なんと小柳は、ファイバービギンを公益通報した当事者を探していたとのことでした。
(美和子)そうじゃないかって話で、今。小柳社長、公益通報した犯人を捜していたって本当ですか?
美和子は右京と亀山に情報を教えた後、マスコミの前に嫌々しそうな顔をした小柳に記者として質問をぶつけるのでした。
(右京)亀山くん一つお使いを応援できますか
その後、小柳は捜査一課に取り調べを受けます
(芹沢)小柳社長、あなた昨夜8時に、被害者の村尾保明さんに昨夜、電話かけてますよね?一体何の用で電話を。
(村尾)仕事の件に決まってるじゃないですか
(芹沢)厚生労働省に公益通報した犯人を探していたそうじゃないですか
(麗音)社員全員に聞き取り調査をしたって聞きましたよ。
(伊丹)その公益通報の件で被害者を問い詰め、カッとなって殺した。
(伊丹)とぼけようとしたって無駄ですよ
(小柳)やっぱりあいつか。だから私は村尾とは仕事の話をしただけだ。社員に電話をかけて社に呼び出すことになんの問題がある?
(伊丹)本当に会社?
(小柳)だから何度でも言ってるだろ。その日は深夜まで会社にいたんだ。その後も何人か面談をしていたんだ。
(麗音)裏とって来ます
(伊丹)そうやっていつも社員に圧力をかけていたわけですね。
(小柳)会社が利益を生むために、社員が努力するのは当然のことだ。
ここで入って来た、右京は小柳が社員達に自己負担で、会社の商品を購入させたパワハラを指摘。
(右京)おひとりで申し訳ない。小柳さん、従業員に自己負担で商品を購入させる過大な要求はパワハラにあたると厚生労働省も明記しているはずですねぇ
(小柳)売り上げ目標に向けて、社員が勝手にやっている事まで知りませんよ
(右京)では、あなたは何故、村尾保明さんが公益通報者だと思われたのでしょう?
(小柳)会社のことをこそこそ調べていたんだ。
(芹沢)ほら、やっぱり犯人捜ししてたんじゃない
(右京)ちなみに村尾さんご自身は公益通報者だとお認めになりましたか?
(小柳)自分じゃないって言い張るから帰しましたよ。殺したのは断じて私ではない。
(右京)そうでしたか。ですが、2025年に成立した改正法では、公益通報者を特定する行為は禁止されています。経営者として愚行は慎むべきですよ
その後、ファイバービギンの社員から裏どりをした亀山が右京に報告します。
(亀山)ファイバービギンの社員から話を聞いてきました。
(右京)なにか分かりましたか?
(亀山)店長の倉田歩実さんとこの村尾保明さんは同期入社だったらしいですけどね。どうも、男女関係のトラブルって線もあるかもしれません。
(右京)2人は交際していたのですか?
(亀山)断定はできないんですけど、ここ最近、2人がこそこそ会っているのを見たって言う人もいて、揉めているって噂も。
右京と亀山は美和子と一緒に、小手毬で飲みます。
右京は事件のことで引っかかることがありました。
(小料理屋「小手毬」の店主、小出茉梨)【森口遥子】さっきからずっとだんまりですねぇ
(亀山)なにが引っかかってるんですか?
(右京)今回の事件が男女関係のもつれによるものだったとして、吉澤弁護士が守秘義務を主張する理由は一体何なのかと思いましてね。
今回の事件が仮に男女関係が原因だと仮定して、吉澤が守秘義務を押し通す理由が右京は気になっていました。
(亀山)なんかの弁護を依頼されているって可能性はありませんかね。
(右京)まぁそれも無きにしも非ずですかね
(茉梨)男女関係のもつれといえば、婚約破棄か不貞行為かあるいはまったく別のトラブルか
(右京)別のトラブルですか?
そこへ、美和子がやって来ました。
(亀山)遅かったじゃねぇか
(美和子)薫ちゃんと同じもの。記事の方針で揉めちゃってさー村尾殺害の動機が公益通報から見であれば、そこを芯にして記事にするんだけど、もしも公益通報と関係ない殺人事件だった場合は、記事の切り口も大きく変わってくるでしょ
美和子も、小柳社長のパワハラと村尾殺害の件を記者として、追っていました。
(亀山)結局どうなったの?
(美和子)今は下手に深堀しないほうが得策だとってことで落ち着きました。犯人はやっぱり小柳社長なん?
(右京)それはまだどうなんでしょうかねぇ
翌日、遅刻してきた亀山の調査で、ミナについても、分かって来ました。
(右京)君遅いですねぇ
(亀山)あの後、ヒロコママの店に寄っちゃったもんで。どうもこの弁護士のことが気になっちゃって。
(右京)おや、というからにはなにかわかったんでしょうね
(亀山)ええ。昨日会ったミナちゃんって子も、、吉澤弁護士の世話になってたみたいですうが。本名、杉本美奈代、前職は区役所職員だったみたいですね。奨学金の返済とかあったみたいでそれで、夜のバイトを始めたらしいんですが。
(右京)前職ということは今は区役所を辞めている?
(亀山)そうなんです。彼女の上司が、偶然その時バイトをしていた店に来たらしくって
ミナは元区役所の職員で、今の夜の仕事に就いたとのことでした。
前職の元上司がミナに嫌がらせをしていて、ヒロコに話を聞くと、元上司がミナのバイトの件を内密にする代わりに、飲みに誘うようになったとのことです。
(ヒロコ)それが嫌な上司でさ、ミナちゃんがバイトの件を内緒にするのをいいことにさ、断れないのをいいことにさ、何度も飲みに誘うようになってさ。
(亀山)吉澤先生が助けてくれたんだ
(ヒロコ)それでさ、その上司、今度は腹いせにミナちゃんのバイトの件を人事課に告げ口したのよ。
(亀山)自分が脅迫めいたことをしたくせに?
(ヒロコ)そうなのよ。それでヨッシーが詰め寄って。ミナちゃんの為に、かなり慰謝料ふんだくってあげたみたいよ
ホテルにミナを連れて行こうとするところを吉澤が庇ったことがあったのです。
(元上司)ちょっと寄っていく?
(ミナ)やめて帰らせて
(吉澤)嫌がってますし、離してあげたほうがいいんじゃないですか
ミナと吉澤に関する、全体的な話の流れを理解した右京。
(右京)かなりの慰謝料ですか
(亀山)それでですね、ヒロコママの店を出て帰ろうとしていた時に…
ヒロコの店を出てから、吉澤が、チンピラに絡まれていたところに遭遇した亀山。
(チンピラ)傷害罪は15年以下の懲役だったよな。嗅ぎまわれて困るようなことしてる?
チンピラの後をつけると、ヤクザの事務所「金狼会」がありました。
(亀山)この弁護士なんかあるんじゃないすか
(右京)もしかしたら摘発を受けたのは吉澤弁護士のタレコミがあったからかもしれませんね
そこへ、話に角田が割り込んできました。
(角田)その吉澤って弁護士は女性か?
(亀山)いえ、男性です。
(角田)じゃあ違うな。タレコミは匿名の女性だ。
角田によると、事件のタレコミをした女性がいて、新宿駅前の公衆電話から掛けたとのことです。
(右京)その番号分かりますか?
(角田)新宿駅前の公衆電話だった
その後、サイバー対策課の土師(松崎亮太)に連絡をし、発信元を調べてもらいました。
(土師)あの、僕のこと、特命係の便利屋かなにかだと勘違いされていませんか?ですがまぁこちらの条件を考えていただけるのであれば、考えなくもないですが。
(右京)残念ですねぇー土師っち。君がこの程度のことに取引を持ち出すような器の小さな人間だったとは。青木君ならこの程度のことは2つ返事ですよ。
(亀山)勉強になります。あ、またヒロコママです。はいはい、今度は何かなー
間もなくまたヒロコから電話が亀山の元にかかってきます。
(ヒロコ)ヨッシーが連れて行かれちゃうの。絶対何かの間違いだから。薫ちゃん、右京さん、ヨッシーのこと助けて
なんと、吉澤が伊丹たちに連行されて、取り調べを受けることになってしまいました。
(伊丹)被害者の村尾保明さんをあの公園に呼び出したのはあなたですね?
(芹沢)とぼけても無駄ですよ。その時の被害者の通報を聞いていた人がいたので。
村尾が、「若松公園の駐車場に行けばいいんですね」と、吉澤とキャバクラ店で電話していた様子が目撃されていました。
(伊丹)その時間に被害者に電話をかけたのは吉澤弁護士、あなたしかいないんですよ。
(麗音)あの界隈を熟知したあなたならあの場所に防犯カメラがないこともご存じでしたよね?
(芹沢)それが分かっていて、被害者をあの公園に呼び出したんでしょ
(吉澤)なるほどねーこうやって被疑者の取り調べをしてるんですね?今後の参考になりました。そうですよ、私が村尾を呼び出したんですよ。でも期待を裏切って申し訳ないけど残念ながら私は殺していません。
(伊丹)じゃあなんで被害者を呼び出したんです?
(吉澤)お土産があるって言うから同行に応じたのにな
(伊丹)どういう意味ですか
(吉澤)黙秘します
新宿のローズリップにて、ミナを訪ねる特命係。
(亀山)区役所勤めだった頃に、吉澤弁護士に助けてもらったこととかあるよね?
(右京)服務規程違反をされえたとはいえ、免職はかなり厳しい処分だったのでは?
(ミナ)もしかしてヒロコママ。免職じゃなくて辞職ね、同じ職場で働いていないもん。仕方ないでしょ!私にも生活がある
(右京)それで吉澤弁護士の助けで、慰謝料を請求したわけですね。ところで、今お召しになっているのはファイバービギンの服ですね。昨日、お見かけした際にも、ファイバービギンの洋服を着ていらした。
右京はファイバービギンの服を着たミナの細かな特徴をあげ、亡くなった紺野里香に親切にしていたことを見抜きました。
(ミナ)凄いじゃん。刑事さん
(右京)たまたまですよ。店頭に似たような服が飾ってありましたからね。あ、もしかして、ミナさんは、紺野里香さんがノルマをあげるのに協力されていたとか
(ミナ)たまにね。ヘルプについていた。昔の私見ているようでほっとけなくて。
(右京)それで吉澤弁護士に紹介を。
(ミナ)うん、会社のことで悩んでそうだったから。
(右京)最後にもう1つだけ。村尾さんとは顔見知りだったのでしょうか?
(亀山)事件があった夜、ここに遊びに来ていたみたいで
(ミナ)そうなの?自分の客以外の事まではさすがに。終わった?最後の質問。
黒服に聞くと、村尾が店に来た時のキャストに、「かりん」と名乗っていたキャストが、里香だったと判明しました。
(右京)村尾さんがこの店に来た時、どなたが籍についていたのでしょう?
(黒服)さくらちゃんです。景気づけだって言ってうちのナンバーワンを指名したんです。せっかく指名したのに電話の後、すぐ帰っちゃったんですよね。でもその後、すぐ殺されちゃうなんて。
(右京)久し振りということは以前はよくこちらに?
(黒服)良くってことはないですけど、かりんちゃんが。先日、自殺しちゃった子なんですけど
なんと、その、かりんは里香のことでした。
警視庁に戻り、事件を整理する右京と亀山と、角田課長。
(亀山)殺された村尾保明はあ、自殺した紺野里香の客だった。そのことを杉本美奈代が庇っていた理由は、吉澤弁護士を庇うため?
(角田)さっき伊丹にも伝えたんだが、摘発したバカラ賭博店の名前に村尾保明の名前があったみたいだぞ。闇金にも手を出していたみたいだからそっちの線もあるかもな。
(右京)闇金ですか
(亀山)でも黒服の話では景気づけに店に来たって。
(右京)金が手に入る当てがあったかもしれませんね
村尾は吉澤に電話でこう言っていました。
(村尾)そうですか、先生が用意してくれたんですか
3人は話に戻ります。
(亀山)村尾は、吉澤弁護士に金を要求していたってことですかね。
(右京)要求していた相手は違うかもしれませんねぇ。土師っちです。
土師からも連絡がありますが、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)に呼びされました。
(内村刑事部長)お前達、村尾保明殺害事件に出しゃばってるらしいな
(亀山)それはですね…
(中園参事官)出しゃばるなら出しゃばりらしく、とっとと事件を解明しろ。
(右京)つまり我々にもっと出しゃばれと
(内村刑事部長)そうだ、これ以上、ぐちぐち言われたらたまらんからな。
(亀山)何があったんですか?
(中園参事官)上からのお達しだ。ある筋から事件の解明を急ぐよう、要請があった。
(右京)もしや厚生労働省からでしょうか
(中園参事官)そうだ、報道各社からの問い合わせが殺到しているという話だ。
(右京)そうですか、厚労省が
事件の解明をせかす厚労省。
そして、公益通報をしたのは別の人間でした。
(宇京)厚労省にとって公益通報者が殺害されたとなればそれは由々しき事態。では、せかすということは一体何を意味するのか?
(亀山)公益通報したのは別の人間
(右京)間違いないでしょう。ファイバービギンの公益通報は厚生労働省に通報された事案です。すなわち厚労省は公益通報者が誰なのか知っているということ。
(亀山)つまり、殺されたのが公益通報者じゃないから、早期の事件解決を求めてきたってわけですね。
(右京)そう考えると、辻褄が合うわけですよ
(亀山)じゃあ黙秘している理由は
(右京)本当の公益通報者に関わる内容だからでしょう
(亀山)右京さんひょっとして公益通報者が犯人なんて可能性もあるんじゃありません?
(右京)確かめてみましょう、本当の公益通報者なら心当たりがあります。
その夜、右京と亀山は、里香とかつては働いていた女性、倉田歩実をヒロコのバーへ呼び出しました。
(右京)お呼び建てして申し訳ありません。会社ではお話しづらいと思ったものですから。
(亀山)ここは大丈夫ですから。あ、この人はこの店のママで、吉澤弁護士とも親しくしていた人だから。
(ヒロコ)ヨッシーを助けると思ってホントのことを教えて頂戴。お願い。
(倉田)通報したのは私です。私が公益通報をしました。
(右京)やはりそうでしたか。マスコミに情報が漏れているのに社員のあなたが知らないというのが気になっていました。
(倉田)あのときは急な質問だったので。
(右京)公益通報をされたのは紺野里香さんの一件がきっかけでしょうか。
(倉田)はい
なんと、里香の葬儀に出た際、娘の死は自分が里香に甘えていたからだと泣く母親を見かけました。
吉澤とミナと相談し、ファイバービギンが圧力をかけ、里香の名誉を守るべく、話し合っていました。
(吉澤)向こうの弁護士が里香さんが副業したことを把握していて、ご家庭の事情が自殺の原因だと言って業務起因性を否定してきまして。
倉田は小柳社長が許せず、里香の死の原因だと思っていました。
(里香の母)じゃあこの子を追い詰めたのは私だったんですね。私がこの子を追い詰めたから
(吉澤)これぐらいじゃ私も諦めません
(ミナ)お母様のせいじゃない
倉田は話に戻ります。
(倉田)小柳社長を許せなかった。それで証拠集めるお手伝いを申し出ました。
(右京)さしずめ、村尾保明は証拠集めの協力者だったのではありませんか?
(倉田)その通りです。
女性は村尾と同期で、公益通報することを彼に話すと、村尾はそれで倉田の弱みを握って来ました。
(村尾)公益通報の為に会社の法令違反を調べろと?
(倉田)難しかったら聞かなかったことにして
(村尾)いやいや、協力する、俺も社長に思うところがあってさ。
当初、村尾は公益通報の為に、小柳の法令違反を調べることに関して、倉田に同意しました。
しかし、彼はそのことを理由に倉田を脅迫してきました。
そこで、倉田は彼に300万円を渡してしまったのでした。
(村尾)都合よく、金貸してくれない?困ってるんだけど。いいの?社長に公益通報者だってばらしても
倉田は村尾に裏切られたことの腹いせに、彼が利用していたバカラ賭博店に出入りしていることを通報しました。
(右京)無事に公益通報を終えた後、あなたを脅迫してきましたか?
(倉田)最初からそのつもりだったみたいです。300万も要求してきて。
(右京)なるほど、村尾が入るバカラ賭博店に摘発が入るよう、通報したわけですね。
(倉田)お酒の席で、村尾がバカラ賭博店にいることは耳にしていたので
(亀山)なんで吉澤弁護士にすぐ相談しなかったんですか
(倉田)自分でなんとかしようと思ったんです。村尾さんに協力を頼んだのは私だから。
(亀山)それで村尾が逮捕されれば脅迫されないですんだと思った
(右京)摘発が入った日、村尾はその店にいなかった。
(倉田)村尾先生のことを吉澤先生にも相談を。そしたら、まさか殺されるなんて
(亀山)吉澤先生はあなたを守るために?
(ヒロコ)薫ちゃん、ヨッシーの犯行だなんて思ったりしてないわよね。ヨッシーは私達の希望の光なのよ。あの人は私達みたいな人を沢山救ったんだから
(亀山)現にあの公園に、村尾を呼び出したのは吉澤弁護士なんだからね。ヒロコママ、落ち着こうね
(右京)倉田さん確認したいことがあります。
そして、翌日、取調室で、吉澤を問い詰める特命係。
(右京)あなたが黙秘をするのは公益通報者を守るためですね。
(亀山)彼女が全部話してくれましたよ
特命係の取り調べを見守る、捜査一課の伊丹達。
(伊丹)通報者、村尾じゃないのか
(右京)村尾保明を呼び出した理由を話せば、倉田歩実さんが公益通報者なことも発覚してしまいますからね。
(亀山)それで、村尾が出入りしていたバカラ賭博店を調べ回ってたんですか?
(吉澤)せっかく協力を申し出てくれたんだ。そんな彼女が不利益を被ることは避けたかった。あの男のことだ、倉田さんがタレこみしたことを知ったらどんな報復に出るか分かったもんじゃない。だからその前に手を打つ必要があった。
村尾と待ち合わせする吉澤は、村尾が倉田を脅していたネガを見せました。
(村尾)なんだよこれは
(吉澤)それが嫌なら二度と倉田さんを脅すな。公益通報のことを口外しても同じだ。
村尾はそのことに癇癪を起こしていました。
取り調べに戻ります。
(亀山)言い争いになって
(吉澤)違いますよ、私は村尾に交渉を持ち掛けただけです。
(右京)それは交渉ではありません。あなたがしたことは脅迫ですよ。あなたが倉田さんを守るのは弁護士として当然です。ですが、脅迫に脅迫で返すとは弁護士として如何なものでしょう。
(吉澤)そんなことは言われなくても分かってますよ!でもね、脅迫罪で村尾を訴えれば、倉田さんが公益通報者だって発覚してしまう。
(右京)そのこととあなたが脅迫したことは別の話ですよ。ですが、それをあなたと議論する必要はありません。これは村尾を脅迫する際に使用した、写真の端切れですね。検察が写真のことを追求してこないのは犯人が持ち去ったからだと考えた。持ち去るとすれば、全ての事情を知っている人物。つまり、倉田さんの犯行だと思ったわけですね?吉澤さん、協力していただけますか
(亀山)だからずっと黙秘を
吉澤に協力を求め、ミナを訪ねる特命係
(右京)杉本さん、あなたが紺野里香さんと初めて会ったのはローズリップではなく、ファイバービギンのお店だったんですね。店長の倉田さんから聞きました。あなたは紺野さんのお得意様だったと。
ミナは里香のお得意様でした。
その後、里香を自身のキャバクラに誘いました。
(亀山)だから彼女のノルマを助けてあげていたんだ
(ミナ)初めて里香を見た時、接客が下手だったから。月にたった数着程度だよ。全然、ノルマに満たなかったけどね。
(亀山)それでもやっぱり嬉しかったと思うよ、毎月買ってあげていたんでしょ?
(右京)それで彼女をこの店に誘ったのはあなたですね?
(ミナ)そうよ、里香をこの店に誘ったのは私。接客のコツを掴めれば勉強になると思ったし、少しでも生活が楽になれば後思ったから
(右京)村尾保明がこの店に訪れたことで、紺野さんの副業が知られてしまいました。結果的に彼女を追い詰める原因をあなたが作ってしまった。だから村尾保明を殺したんですか?
(ミナ)だって許せなかったんだもん。あいつはそれをネタに、里香に付きまとって、ねちねちねちねち追い詰めて。あいつが里香を殺したのよ。あの男のせいで里香は死んだの。それなのにあの男は。でも、倉田さんのことまで脅していたなんて。
吉澤が、村尾を脅迫していたことを目撃した、ミナ。
その後、ミナは村尾を殴って、殺害しました。
(右京)村尾保明のことを隠していたのは紺野里香さんのご遺族を守るためですね。死の原因が村尾だと発覚すれば、彼女のご遺族に労災が降りないから。違いますか
(ミナ)違うよ、自分の身を守るためだよ。だって捕まりたくないじゃん。刑事さんって意地悪だね
ここで、吉澤がやって来ました。
(吉澤)それでも諦めませんよ。公益通報をしたことで、厚労省が是正措置に動いている。そのことも充分、祥子になる。労災は無理だとしても損害賠償請求は充分に可能だ。だから君は何も心配しなくて大丈夫だよ。済まない、君があの時いたなんて全く気付かなかった。申し訳ない
(ミナ)先生は何も悪くないよ。悪いのは全部私だよ
(右京)あなたが村尾を許せなかった気持ちはわかります。あなたが里香さんを守れなかった悔しさもそれ以上によくわかります。それだけにとても残念です。
(吉澤)この町では正攻法で闘ってちゃ誰も守れやしない。でも結局私は誰も救えなかった
(右京)やり方はともかくあなたはこの町の希望の光です
(亀山)この町ではヨッシーに助けられた人いっぱいいるんだからってヒロコママも言ってたよ
(右京)これは僕からのお願いなのですが、この先はもう危ない橋を渡らないでください。吉澤さんこの世界にはあなたを必要としている人がまだまだ沢山いるのですから。
吉澤はその後、自宅を事務所にして、ミナをサポートすることになりました。
そのことを知らず、噂を信じて、ヒロコは吉澤が事務所を解約したと誤解していました。
(ヒロコ)ミナちゃんの弁護、誰がするのよ?弁護士事務所を解約したってホント?
そのことを「小手毬」で事件解決後に、夕食をとりながら話す、右京と亀山と、美和子、そして、ヒロコ。
(亀山)ミナちゃんの弁護を無償で引き受けたいから経費節減の為に自宅を事務所にする
(ヒロコ)ミナちゃんのためだもんね
(茉梨)で、あの会社は結局どうなったんですか?
茉梨がファイバービギンの行く末を聞きました。
(右京)ファイバービギンには労働基準法違反により、罰則が科せられることになりました。小柳威社長は引責辞任するそうです
(ヒロコ)人が亡くなったのに辞めれば済むなんてね
(茉梨)でもよかったじゃないですか、その吉澤さんって人が弁護士を辞められなくて
(ヒロコ)ちっともよくないわよ。もう近くにいないし、明日からどうやって笑えばいいのよ
茉梨はヒロコに酒を進めました。
(茉梨)【森口博子】今日は飲んで、ヒロコママ
(ヒロコ)私には薫ちゃんしかいないわね、宜しくよ
(亀山)えええ?!
右京たちは微笑ましく、ヒロコと酒を飲みかわすのでした。
相棒24 14話「薔薇と髭の告発」感想・みどころ
「相棒ファン」にはおなじみ、ヒロコママ。
ほっこりと温まるこのシリーズ、私も好きです。
そんなヒロコが懇意にしている、弁護士の吉澤も時折、怪しく見えて、優しい人物でしたね。
今回の事件関係者も、被害者の村尾以外は、人情のある倉田とミナの切ない真相が垣間見れました。
とくにミナこと、美奈代は、パワハラを受けていた里香を気にかけ、顧客になり、その後は自身のキャバクラで心機一転に働く環境を与えました。
しかしそれが、里香と因縁のある村尾との再会になってしまったのが悲しい引き金と言えます。
村尾はどうしようもない男で、被害者といっても同情の余地はないと思いました。
里香がパワハラや村尾の件で命を落としてしまったことは心が痛いです。
生きていてほしかったな。
今回の事件は、吉澤や、ミナ、倉田のような優しい人たちが損をしてしまうのを痛感します。
吉澤が一歩前に踏み出せたことや、ミナを無償で弁護し、彼女もまた、罪を償って前を向けますように。