病室で念仏を唱えないでくださいあらすじ
あおば台病院救命救急センターのホットラインが鳴り響きます。乗用車による交通事故が発生したからです。
救急救命センターの医師・三宅涼子(中谷美紀)、研修医、田中玲一(片寄涼太)、整形外科医、藍田一平(堀内健)たちが処置に追われるなか、僧衣にスニーカー姿の長身の男性が大慌てで駆けてきました。
それは、僧侶と救急救命士の二足の草鞋を履く、松本昭円(伊藤英明)でした。この病院、あおば台病院で、臨床宗教師。
何かにつけて念仏を唱えたり、説法すること患者だけでなく、医局にも煙たがられていますが、真面目に仕事をしていて誰にも迷惑をかけていないと自覚なし。
事故に遭った患者は、妊婦や、CPAと呼ばれる心肺停止の物から軽度の状態の患者まで幅広いことがわかってきました。
一刻を争う事態のなか、松本は事故を起こした乗用車に乗っていた男女の1人、容子の処置にあたっていたところ、そこに彼女の息子、将太(大西利空)が駆け付けました。
しばらくすると、容子と同じ車に乗っていた安静の妻が登場。
救命救急センター長、玉井潤一郎(萩原聖人)や、病院クラークの小山みゆき(唐田えりか)との間には人間関係でトラブルが。
一心不乱にお経を唱えるのは、松本昭円。彼は救命士と僧侶の二足の草鞋を履く男性です。
彼の勤務先の病院では、早速、患者でてんてこ舞い。
松本は救命医の三宅、救命センター長の玉井、研修医の田中、心臓外科医の小嶋、整形外科医の会田などと協力して、大きな事故で次々と運び込まれた患者の治療や対応に追われています。
患者たちのなかで、谷村容子(hitomi)という息子がいる女性が危機的な状況にあると見抜いた松本は、同僚たちと共に彼女の蘇生措置をおこなっていました。かなりハイリスクな状態ですが、心臓が動き、意識が回復。
でも谷村はいつどうなるか分からない容態です。
谷村の息子、将太が病院に駆け付けます。将太は両親の離婚以降、精神的に不安定で、その年齢特有の母親への反抗心を抱いていました。
容子はパートの仕事をしていますが、その間に今回の事故に巻き込まれたとのこと。
将太は弟が発熱したため、迎えに行き、その間に警察から容子が事故に巻き込まれたことを知ったのでした。
将太は容子が自分と弟を捨てて親戚の家の子にさせようとしていると勝手な思い込みを抱いていて、しまいには、”俺たちを捨てた罰が当たった、母親なんて死ねばいい”と突発的な暴言を吐きます。そこで、松本は人として、僧侶としてカッとなり、将太をフォローと叱責をするのでした。
そこへ、太田という松本たちが診ている患者の妻が駆け込んできます。事故現場で夫と一緒に車に乗って事故に巻き込まれた別の女性のことを荒々しく指摘。太田が言うその旦那と不倫関係の女性とは、谷村容子のことだったのです。
太田の旦那は回復の見込みなく、亡くなってしまいました。松本が霊安室で手を合わせていると、太田は、「生きている人間を救ってほしい」を言うのでした。
松本は相変わらず、患者のことに熱心に取り組みますが、今回の事故の患者とは無関係の、ガンで長期入院している横暴な男性患者から置時計を投げつけられます。
松本はその場に一緒にいた小嶋の目の前で倒れます。突然のことに戸惑う小嶋ですが、三宅ら松本をよく知る医療関係者からは「いつものこと」と言われ、松本は一時的に仮眠をとりました。
その後、この大きな事故の主犯が、患者の中の一人で、容体と手術の末に片足を切断せざるを得なかった土浦だったとわかりました。
土浦は大麻を吸っていて次々と人を撥ねていました。そこへ、太田が運転している車に激突。太田の車には浮気相手の、谷村が同乗。
土浦は自分の足のことについてまだ誰からも事実を告げられておらず、ふてぶてしい態度。
土浦に足を切断したことを伝えなくてはならない慌ただしさに加え、体の容態が心配な若い女性、及川結衣(飯塚春菜)も気がかりでした。
さらに最悪なことが起きます。脳の手術を行ってもほぼ脳死となった、谷村。
谷村の離婚した元夫と、息子の将太、容子の妹が駆け付けます。松本は、まだ13歳の少年である将太に、母を臓器提供するか、このまま穏やかに亡くなるのを待つかという選択肢。
三宅はまだ中学生の将太にその選択を迫るのは酷だと松本を非難。松本は、容子の「子ども」だからこそ、自分の母の現実に向き合い、決意するべきだと考えを変えません。
さらに、容子の義理の妹から、将太と弟は容子の元旦那の兄の子どもで、実の母親から育てられないとのことで、容子が引き取ったとのことを知らされました。
あまりに残酷な事実に松本は愕然とします。
将太は二人の会話を聞いてしまい、自分と弟はやはり、母、容子にとって迷惑な存在だったんだと吐き捨てて病院を飛び出します。
将太は公園にいました。その頃、容体が急変し、危篤状態になった容子。そこで、松本は容子の義理妹に将太に連絡させました。
松本は容子の心臓マッサージをしながら「将太くん、お母さんの心臓はまだ動いている、急げ!」と携帯電話を貸してもらいながら、将太に必死に呼びかけました。
将太は弟、啓太を連れて病院へ。横で、玉井が容子の状況を説明します。将太は松本がマッサージを続けているうちに、容子に自分の反抗的な態度を改心し、「母ちゃん、ごめんね・・・ありがとう」とメッセージを伝えるのでした。
心臓マッサージを止めなくてはならないほど、亡くなる可能性が高い容子。そして、亡くなってしまった容子。二人の可愛い息子たちは泣きながら脳死状態でもまだ温もりのある容子の手を握り、涙を流します。
容子を看取ってからまた谷村家について新事実が発覚。
谷村容子と、太田は不倫関係ではありませんでした。太田の夫は児童福士に携わっていて、あの事故の日は、谷村の実母が急に将太と啓太を引き取りたいと身勝手なことを言ったので、様子を見に行こうとしていたのです。
さらに、容子は将太と啓太に保険金をかけていて、そのことを隠すために「親戚の家の子に」と二人に言っていたのでした。
谷村の一件でなんとも後味が悪い結果となりましたが、後日、松本は将太に事実を伝えました。そして、13歳で母の生死の選択を決められた機会を得たことは、成長できたことだと諭すのでした。将太もそのことに納得し、母が脳死状態についてかなり悩み、自分が決めなくては・・・と決断。
将太は児童養護施設にて弟、啓太と暮らすことになったと松本に話します。松本に心を開き、13歳の自分に母の死と向き合い、決断を迫る機会をつくってくれたことを感謝するのでした。
結衣は回復、土浦は足を切断されたことに怒りを浸透させて自分を殺してくれと身勝手なことを言ってのけますが、松本はそのふてぶてしい態度に怒りを込めて説法。お経を唱える彼に、自分の行動が間違っていたことに気付いて問題行動を起こさなくなりました。
松本は清掃員(宮崎美子)に自分が僧侶と救命医になった背景を少し話します。自分が釣に誘ったばかりに、子ども時代に親友を川の事故で亡くしてました。
谷村、土浦、結衣の件が解決してから、外で緊急性の高い患者を診る松本たち。そこで、心臓血管外科医としてメディアからも引っ張りだこな名医、濱田(ムロツヨシ)はかつて、偶々、人命救助にあたる松本に会った過去を思い出し、有能な彼に複雑な心境を今でも抱えていることを思い出すのでした。
2話では松本の子ども時代の過去をさらに、ピックアップ!来週も見逃せません。
病室で念仏を唱えないでください感想・見どころ
伊藤英明主演!「生きること」について視聴者に問いかけた救急救命士と僧侶の二足の草鞋を履く“変わり者”が花金の夜にやさしい涙を誘います。
同名漫画を原作とした本作は幼少期にあるトラウマを抱えて以来、救命士と僧侶となり、命の大切さを重んじる松本昭円。
彼が関わっていく患者や職場の人間たちにフォーカスを当てた作品。
さらに、救急を煩わしい存在と敵視し、そこに所属する意思と松本との救急医VS専門医の対決もこれまでにない医療ドラマとして注目です。
初回ゲストには、“ひゅーが”こと、吉田日向さんが登場!彼の演技もツイッターで楽しみと注目されています。日向さんは、昨年から米津玄師さんが作詞に携わる、「パプリカ」を歌う人気子役音楽グループ、Foorinのメインボーカルです。本作では医師と救命士の仕事を掛け持ちする主人公、松本照円の幼少期を演じます。照円が救命士になった背景が明かされる重要な役です。さらに、2018年に公開された映画、「Sunny強い気持ち・強い愛」のBGMとして自身の大ヒット曲、「Candy girl」が再ブームとなった、歌手、hitomiさんのゲスト出演も視聴者から話題です。息子との溝ができてしまった照円の患者の一人という役柄。両ゲストのそれぞれの存在感が松本照円にどう影響していくのか注目してみてください。
同局の過去ドラマ、「アンナチュラル」並みに涙腺が決壊するドラマでしたね。
容子と将太に纏わる複雑な家庭環境・・・それでも、容子は実の子でもない2人の息子、将太と啓太を愛していたことが伝わりますね。容子がまだ元気だったころ、啓太と将太と公園で遊ぶシーンは涙腺が緩みっぱなしでした。
13歳の将太に母の生死を選択させる厳しい対応をした松本の内面に、人として将太の成長の糧となるきっかけをつくっていたとは。
松本の優しさ、僧侶としての心が明らかになりましたね。
今回、日向くんの出番は少ないですが、今後、主人公の松本照円のルーツに欠かせない存在感でした。
次回は、松本照円の過去をもっと濃厚に知ることができる2話。かつての幼い頃の親友の事故を思い出し、トラウマが・・・。2話の松本照円も見逃せません。