波うららかにめおと日和3話あらすじネタバレ
ぎこちないながらも、少しずつ距離を縮めていく、なつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)。
2カ月ぶりに帰宅した瀧昌は、なつ美から幼馴染の瀬田準太郎(小宮瑠央)の話を聞き、嫉妬から今夜こそはと決意を固めます。
入浴後、2人は寝室で対面します。
「今夜、初夜を最後までします」
「え?少しだけ宜しいでしょうか。瀧昌様、お帰りなさいませ。ご無事で何よりでした。お会いした時はちゃんと言えなかったので」
「やはりやめましょう。初夜を最後までするのは。私達は距離を縮めるのが先だって自分で言っておきながら済みませんでした。代わりといってはなんですが、明日、一緒に近くを歩いてみませんか?」
自分はなにを恐れていたのだろう、なつ美はこんなに純粋に思ってくれていると気付いた、瀧昌。
「あの瀧昌様」
「はい」
「近くを歩くということですが、どのような服装で行けば宜しいのでしょうか?訪問着などきちんとしたものがよろしいでしょうか?それともこの前のように洋装がよろしいでしょうか?色々考えてきたんですけどわからなくなってしまって」
「むしろ堅苦しくないほうが、部屋儀のようなものを。俺もこのままの格好で行くつもりで。今日は風呂に早めに入るので夕涼みがてらに」
次女のあき奈にもらった、アッパッパを着て瀧昌の提案で2人は街を散歩します。
「この川は昔、坂井と一緒によく遊んだんですよ。結構深くて」
瀧昌が焦点や写真館を案内するなか、なつ美は段差につまずき、転びそうになりますが、咄嗟に瀧昌が支えました。
「この街には慣れましたか?」
「はい。海があって山があって。あっ…!」
「足元気を付けて下さい」
「あ、手…」
「危なっかしいので」
その後、彼は「秘密の場所がある」と言って、山の上の小さな川へ、なつ美を連れて行きました。
帰宅後。
「俺はこの町、けっこう気に入ってるんです。両親が亡くなってから色々ありましたが中佐を頼ってここに来て良かったと思ってるんです。なつ美さんにもこの町を気に入ってもらえたらなんて」
「はい」
「本当は僕の秘密の場所にも案内したかったんですけど」
「秘密の場所?」
「あっちのほうに小さな山があるんですけど、その山を登っていくと小川があって。幅はこのくらいの小さな川なんですけど、沢山の蛍が見られるんです。見頃は6月から7月なので、今の季節はもう。済みません、夢中になってしまいました。」
「瀧昌様はホタルがお好きなんですか?」
「どうなんでしょう。蛍は訓練で忙しい父さんが夏に帰ってくるとよく連れて行ってくれた。ただそれだけです。そろそろ中入りますか?」
「来年、ううん…再来年もその次も見に行きたいです。我が家の恒例行事にしませんか?まぁ瀧昌様が帰って来られればですが…」
「我が家、それなら必ず帰らないといけませんね」
瀧昌は上官に背広を作るように言われたので、一緒に初めてのテーラーへ向かいました。
「ここがテーラー。初めて来ました」
「昨日の食事の後、柴原中佐に言われてしまいました」
柴原中佐(小木茂光)に、背広を作るように言われた、瀧昌。
「背広を持ってないので」
「そうか背広ぐらい作りなさい。テーラーを教えるから背広作りなさい」
緊張する2人を前に出てきたのは、小学校低学年の少年で、一生懸命接客する子供、昭平でした。
「いらっしゃいませ、テーラークサカベのようこそ」
「お父さん、父はお腹を壊してます。なので僕が店主です」
「お父様もお大事にって伝えて下さい」
「待って僕、できるよ!今日だって僕なら店番できるなら任されたんだ。僕一杯勉強しているし、お手伝いしてます」
「昭平くんは一人前のテーラーでいいのかな」
「うん」
昭平はさっそく瀧昌におぶさると、肩幅を図ります。
「じゃあ肩幅を図りますね。」
「採寸なら俺がしゃがめば」
「海軍のお兄ちゃんわかってないなーじっとして」
なつ美はもし自分と瀧昌との間に子供ができたらと想像してニヤつくのでした。
「すまん昭平…こらー!愚息が大変失礼致しました。それでは先に生地を選びましょう。袖や胸のボタンや数や位置、ベントのデザイン、ラベルの形、ご希望はありますか?」
「いえ特に希望は」
「かしこまりました。先に生地を決めて諸々説明します」
その後、昭平の父(前原滉)がやってきました。
「詳しくないんですが」
「私もです」
初めての下手に戸惑う、なつ美と瀧昌。
「あの、白とかありますか?」
「に、似合わない」
「絶対変」
「体に合ってないのも原因かと」
「他の色にします」
ふと、見つめる昭平の目線に気付く、瀧昌。
「なにか助言がある?」
「さっきお父さんに怒られたから。」
「構わない」
「あのねあのねお兄ちゃんは身長もあって体格もあるからすらっとしたのがいいよ」
「こういうの?」
「格子柄とか、柄が良いなら縦縞が良いよ、あとこの濃紺が良いよ」
なつ美にはお茶を出し、礼儀正しい、昭平。
「生地選びも手伝ってくれて助かったわ。おかげでいいものができそう」
「カフスも見る?お兄ちゃんの服、ダブルカフスなのにもったいないなって」
「いろんなのがあって綺麗でオシャレね。トンボ柄あるかな」
「どうだったかな、なんでトンボ?」
「トンボは前にしか飛ばないでしょ?だから価値虫って言われていて、武運長久の意味があるの。闘いの中で幸運が長く続く事、無事でいること、だからお守りになるかなって」
「なら僕も一緒に探してあげる」
「違うよー!ちゃんと探してよ」
「案外子供もいいものかなって」
帰宅後に瀧昌となつ美は、昭平の可愛さと今日のテーラーでの出来事を振り返りました。
「楽しかったです昭平君も可愛かったですね。思わず瀧昌様似の子供がいたらなって。男の子でも女の子でも可愛いだろうな」
「なつ美さんに似の子どものほうが絶対可愛いですよ」
「お、父さんって呼ぶんでしょうかね…そのうち」
「お母…さん!随分気が早いですね私達」
「俺としてはなつ美さんにはずっと名前で呼んでほしいかななんて」
その後、夜になつ美は昭平と選んだ武運長久を願って選んだボタンを迷います。
「どうかしましたか。遅くまで何を」
「家計簿をつけていまして。ついでに日記を。だから時間がかかりまして」
「俺も日記書こうかな。今日書くことは…」
ふと、愛らしい草壁昭平の顔が2人共思い浮かんでいました。
「お願いがありまして。子宝にご利益のある神社に一緒に行きたいなって」
「念のため伝えておきますが子供って初夜と同じことをしてできるものですよ。あ、そのつもりじゃないのは分かっていますが寝ましょう。なつ美さん懐に何か入っていませんか?小石みたいなもの。大切なものならちゃんとしまわないと」
「あの瀧昌様、良かったらこれ使って下さい」
「はい、私の体温で生暖かいですが。さっきテーラーで買ったんです。トンボ柄には武運長久の意味があって」
「有難う御座います。大切に使わせていただきます」
「武運長久なんて重いかなって戦争に行かないのに」
しかし、海軍の休暇が終わり、冬にはもしかしたら戦地に行くかもしれないと同僚達と話していた瀧昌。
「あ、いえ、別に帰って来てから仕事のことすっかり忘れていたな」
「それなら良かったです、ゆっくり休めていたのですね。失礼なことを言いましたね。大切なお仕事なのに済みません」
「いえ、こんなにゆっくり休めたのは初めてです」
翌朝。
「神妙な面持ちで何を」
「軍服にアイロンかけようかと」
「有難う御座います」
「いえ、お礼はまだ早いかと思います」
なつ美は父の背広を焦がしたことがある程、アイロンが苦手です。
「焦げてない…よし、本番。あの瀧昌様、見てても大して面白くないと思うのですが」
「いえ、実は明日…知らないことなので結構面白いです。見ていてもいいですか?」
「はい」
瀧昌は仕事のことを言いかけたものの、アイロンをかけることを自分でやらないので、見ていたいと言って、誤魔化しました。
「へぇ見事なものですね」
「これぐらいなら誰にでもできますよ」
「そうだ、せっかく綺麗にしたので、軍服を着て、写真を撮りに行きませんか?」
そこへ、郁子(和久井映見)がやってきました。
「写真を撮りに行くのね。私の服を貸してあげる。いつもより大人っぽい若奥様風とか英国調の職業婦人風の洋服もいいわね。あーでも、令嬢風ワンピースも捨てがたい。パラソルを持たせたいけど、撮影の時邪魔頭。後は後はしっかりお化粧をして、腕を出した洋装で女優さん風とか、さぁ、瀧くんはどれが好み?」
「どれも似合いそうだからどれでもいい」
「どれでもいい?瀧くん外で待っていなさい。全く瀧くんあの言いぐさはないのよね。昔から女性に対して無神経なのよね。さて、どうせなら髪型も変えて大人っぽくしましょうか」
「今日は柴原さんは」
「くにみつさんは今日、船に帰ったわ。」
「え、まだほんの数日しか経ってないのに。」
「副長だから短いのもあるけど、大体この時期はこんなものよ。瀧君なら話せば受け止めてくれるわ。それは保証する。さぁ綺麗になって瀧くんを驚かせましょう」
「ねぇどうよどうよ」
「問題ありません」
そこで、瀧昌と写真を撮るものの、いつ出港するのかいつ帰って来るのか不安がよぎるなつ美。
「奥さんそんな緊張しないで魂までとりませんよ」
「なつ美さん、どうしましたか?」
「現像が明日の朝になるそうです」
お願い、一緒に受け取りに行こうって言って
「そうですか。では受け取って郵送して下さい」
「郵送して…か」
期待外れの言葉にがっかりする、なつ美。
「なつ美さん少しいいですか?」
「はい」
「なつ美さん微妙な言い方で済みません」
「あの人前だから言えなかったんですよね。アイロンかけましょうか?ですよね済みません。目にごみがごめんなさい・・」
瀧昌がいつ戦地へ行き、帰ってこない時がくるか不安ふぇいっぱいのなつ美。
「さみしい」
国の為に働いているのに、自分は妻失格だと感じる、なつ美。
瀧昌はなつ美の頬を両手で包みます。
「俺はなつ美さんのさみしさを解消する魔法も言葉も持っていません。だから両親のマネをします。父は出立前に母に髪を切ってもらっていました。後ろ髪を引かれる思いを断ち切る決意と、必ず帰ってくる約束でもありました。なのでなつ美さん俺の髪を切ってください」
「帰る」
「あのこれしか思いつかず」
「父は一見、堅い人なんですが、冗談か本音か分からない発言が多いので。少しずれているところがあり、改めて口にすると変な人達だったかも」
瀧昌の父(前原康之)は厳格なオーラがありながらも、言葉遊びをするような天然なところがありました。
母(中島亜梨沙)に出港の日は髪を切ってもらっていました。
「素敵なご両親だなって思いました」
「2人のことを誰かに話したのは亡くなってから初めてです」
「瀧昌様、つらいことを思い出させましたか」
「いえ続けて下さい」
「美味い」
「本当ですか?瀧昌様に食べていただきたく練習したんです」
「そうなんですか、有難う御座います」
「では行ってきます」
「どうかお気をつけて」
瀧昌が仕事に行くのを見送る、なつ美。
「なつ美さん」
「行ってらっしゃいませ」
なつ美が選んだトンボのカフスを腕のボタンにつけました。
そして、1ヶ月。
「なつ美ちゃんこれお願い、それを客間に並べて頂戴」
なつ美は海軍の妻たちが集まる花筏の会の準備に追われていました。
なつ美が慣れない様子を見て一人の中年女性が声を掛けました。
「もう、なにやってるの。せっかくのお花が台無しじゃない。あなた見ない顔ね」
「あ、あの…江端瀧昌の妻、なつ美です」
「あなたが。私は花筏の会の会長です。さっきから見ていたけど、座布団の並べ方は遅いし、もっとちゃきちゃき動けないの?そんなのでは海軍の妻として夫を支えることはできませんよ」
次々と小言と嫌味を言う、厳格なオーラを放つ彼女は花筏の会の会長、橋本光子(筒井真理子)でした。
そこへ、なつ美を庇う一人の女性の姿がありました。
タイピストの芳森芙美子(山本舞香)です。
「その辺にしてはいかがですか。確かにゆっくりかもしれませんが、とても丁寧な作業をなさる方だとお見受けしましたよ。座布団は全て正面が前になるように置かれています。」
「ああまぁね」
「お花はやりかけたまま席を外していた私が悪いんです。もう一度生け直せばいいんですよ。あまり気に入ってなかったので丁度良かったです」
「まぁ芙美子さんがそういうのなら。以後気を付けなさい」
「有難うございました」
「気になさらないで。芳森芙美子です」
「芳森さん」
「芙美子で構いません」
「芙美子さん」
「以上が今日の流れです。こちらが参加者の席次です。奥様と旦那様の階級を頭に入れて下さい。私が皆様を席へご案内するので、なつ美さんがお茶を出してください。それと御顔とお名前を一致させてください」
「この席順だと私が芙美子さんよりも上座なのですが、私が末席なのでは」
「これでいいんです。私は手伝いに来ただけですから。先程の会長は叔母なので駆り出されてですから私は会の正式な人間ではありません。未婚ですし」
「てっきり年上なのかと」
「年上ですよ。大丈夫ですよ。慣れてますから。タイピストとしての矜持を持っていても、結婚までの腰掛と言われて結婚をせっつかれて」
「タイピスト?私、女学生時代から憧れていました。でも私は席席も今一つで、ドンくさいから向いてないと言われたんです。だからなんですね丁寧に教えてくださったり、席次を教えて下さったり、働いている方は視野が広くて気配り上手なんですね」
「では続きを、叔母に話をするときは叔母の話を遮らないように聞いてください。なつ美さん聞いていますか?」
そしていよいよ、花筏の会が始まりました。
なつ美は丁寧にお茶を入れるのですが、お茶をこぼしそうになり、花筏の会の婦人たちをひやひやさせるのでした。
波うららかにめおと日和3話感想・みどころ
戦地へ行くこともありうる瀧昌と、陰日向になり、支える、なつ美。
愛する人がいつ帰るか、命が保証されて帰って来るか分からない不安が耐え切れないのも分かります。
なつ美が口にした「さみしい」という言葉と涙に胸が詰まりました。
しかし、なつ美がテーラーで買ったトンボのカフスをつけ、仕事へ出た瀧昌を信じたくなりました。
必ず帰宅すると、なつ美と同じように願いたくなりました。
今日のテーラーへ行く場面は初々しく微笑ましさが今日も健在でした。
可愛い昭平の健気な姿に癒されました。
海軍の仕事へ行く瀧昌の背中が切なすぎました。
来年も再来年の夏にも、なつ美と瀧昌が蛍を見に行けたらいいなと思います。
そして最後に、筒井真理子さんが演じる、花筏の会の会長が登場しましたが、もはや「ラスボス」がきたような威圧感が否めません。
なつ美が小言や嫌味を言う彼女の厳しさに耐えきれるか見守りましょう。
花筏の会の場面は緊迫感が漂いますが、なつ美を快くサポートする、芙美子の存在に救われますね。
芙美子の面倒見の良さは、右も左も分からないなつ美にとって頼もしい存在となることを期待したい3話でした。