Drアシュラ4話あらすじネタバレ
「喉頭鏡はなるべく根元をもって。舌に添わせるイメージで声紋を通過させて、チューブを置いてくるように。この人ならうまくできるのにな!本物だと緊張しちゃって出来ないんだよね」
保は模型を練習台にして喉頭鏡とチューブを入れる練習をしていました。
それを看護師の水吉歩夢(荒井玲良)に微笑ましく見守られていました。
「保、やっぱり救命医になるの?」
「ないない、救命医にはならないけどここにいるうちはちょっとは役に立ちたいじゃん。ここにいる以上、役に立ちたいじゃないですか。まぁ1回も出来たことないけどねコツとかないのかな」
「アシュラ先生に聞いてみればうまい人に聞くのが近道だよ」と、歩夢。
「日本のゴッドハンド」と呼ばれた梵天太郎(荒川良々)が世界の金融王、スティーブ・フィンク(厚切りジェイソン)の命を救った記事が話題になりました。
実際には、梵天の代わりに、救命医、杏野朱羅(松本若菜)がフィンクの命を救ったのですが、彼女の名前は載せられませんでした。
救急科科長の大黒修二(田辺誠一)は梵天のことが書いた週刊誌を読んで、朱羅の名前がない事に気付きました。
「日本のゴッドハンドが世界の金融王を救った?世間的には梵天先生だけがオペしたことになってる」
「でもこんな記事書かれて大丈夫なんですかね?外科では梵天先生がオペ中に腰を抜かしたって」
「今頃針の筵だろうな」
納得のいかない救急科の看護師、歩夢と九曜沙苗(結城モエ)、看護師長の三宝加代子(阿南敦子)。
「えーでも、アシュラ先生がやったんですよね」
「杏野の名前どこにもないぞ」
一方で、外科医たちは梵天の失態をネタに陰口をたたいていました。
「天才が歩いてるぞ」
「ビビる確率99%ですから」
理事長の阿含百合(片平なぎさ)は梵天を呼びつけ、フィンクの病室へと案内します。
「梵天先生、フィンクからお話があるそうなの」
「梵天先生のオペがなければ今頃私はここにいません。」
「あれほど難しいオペを成功させることが出来たのは、梵天先生の技術があってこそですよ」
不動は特例の患者の前ではいい顔をして、梵天を持ち上げるのでした。
「はい本当に感謝しています」
「有難う御座います。こちらの病院では多くの患者を救っていただきたい。そこでぜひご帝あるのですが」
「新病院の設立費用を出してください。皆さんに助けていただき、命を救う事の尊さを知りました。ただ一つ懸念があるのですが」
「そう言っていただけると嬉しいです。ベストを尽くします」
恐縮する梵天に対し、フィンクは新病院設立費用を寄付するというのです。
ただし、フィンクは条件付きで懸念事項を伝えました。
フィンクは赤字を気にしていました。
「赤字ですか?」
「ええ。フィンクは当院の赤字を気にしているようでした。」
「せっかく寄付したのに赤字の補填に回されたら意味がないですもんね。」
「赤字の原因は救急科です!これ以上、重傷患者を受け入れて赤字を増やされては困りますよ」
病院長の不動(佐野史郎)と、外科科長の金剛(鈴木浩介)は朱羅を目の敵にします。
「アシュラがいる限り無理ですよ。無理無理、違う違う、あいつは本当に見境なく患者を受け入れますからね」
「改めて、釘を刺しておく必要がありますね」
同じ頃、後ろ指をさされる、梵天を多聞はフォローします。
「周りの声は気にしないでいい。梵天もフィンクの命を救った医者の一人なんだから。」
「私はニセモノのゴッドハンドだよ。本当は全てを世間に公表すべきなんだろうが、家族のことを思うと私には出来ない。こうなるのも当然だよ、自業自得だ。」
「確かに偽りはあったかもしれないが、梵天の心臓外科医としての知識と経験は嘘じゃないはずだ」
不動は突如、救急科を訪れ、圧力を掛けます。
「院長どうされたんですか?」
「皆さんに一つ忠告しておこうと思いましてね。」
「忠告?」と三宝。
「皆さん、うちは重症患者は絶対に受け入れない。それが当院のルールです。改めて皆さんにはルールを順守していただきたい。」
「ですがそのルールを守ることで助かる命が救えなくなります」
不動にオブラートに反論する大黒。
「無理して患者を受け入れた結果、ミスを犯せば、病院の経営はさらに悪化します。そうなれば、命を救うどころではなくなりますよ。救急科の救う命は確かに尊いものです。ですが私は院長としてこの病院全体で救える多くの命を守る義務があるんですよ!ところで杏野先生の姿みないようですが」
その頃、朱羅は、勤務中にも関わらず、外出し、研修医の薬師寺保(佐野晶哉)が後を付けると、朱羅は古びたラーメン屋へ足を運んでいました。
「おごってもらっちゃおうと…先生、僕も一緒にいいですか?」
「勝手にすれば?」
保は偶然を装い、2人はラーメンを食べます。
「うちはお任せしかない」
お任せしかないラーメンを食べる2人。
店を出てから、ラーメンの美味しさに感激しっぱなしにの保ですが、朱羅だけは違いました。
「ラーメン美味しかったですね。あんなに美味しいラーメン食べたの初めてですよ。あ、そういえば聞きたいことがあって。挿管のコツ教えてください」
「おかしい」
「あー済みません」
「後味がいつもと違う」
店の方へ走り出した彼女は、店に戻ります。
ラーメン屋の店主が急性心筋梗塞だと見抜きました。
「やっぱりいつもと味がおかしい。いつから!」
「うるさい」
そして、店主が帝釈総合病院に搬送されると不動は厳しく、朱羅のすることに口を出します。
「その患者は他の病院に運んでください!」
「なに言ってんの?どいて!」
朱羅と保、大黒ら救急科と衝突する、不動。
「重症患者は受け入れない!それがうちのルールです!例外は認めません」
「でも患者さんがこんなに苦しんでるんですよ」
「あんたそれでも医者?その間に患者は助からない!あんたと話しても時間の無駄。坊主行くよ!」
朱羅は不動の人でなしの面に怒り心頭し、強行突破でラーメン屋店主を搬送します。
「待ちなさい院長命令です」
「それは患者さんの運が悪かったんですよ。他の病院に回すしかない」
「ひどすぎる」
不動に止められるものの、朱羅はラーメン屋の店主をストレッチャーに運びます。
「クソ、救命馬鹿が」
その頃、梵天にお茶を運んでもらい、事務作業をやらせる金剛の姿がありました。
「お茶お持ちしました」
「ありがとう。次はそこの書類片付けておいて。梵天先生すごいですね。世界中からオペの依頼が来てるそうです。さすがゴッドハンド、違う違う、そうじゃないそうじゃない。患者さん達が可哀想、まさか頼みの綱であるゴッドハンドがまさかまさかにニセモノだなんて」
「金剛先生、杏野先生を止めて下さい。カテーテル室です」
「アシュラ!お前なにやってんだ」
「不安定狭心症が急性心筋梗塞に移行した。今すぐPCIで血行再建する」
朱羅の処置に、店主の状態を見て、反論を唱える金剛。
「待て、PCIは中止だ。この人は外科で経過観察中だった患者さんだ。先日の冠動脈造影で2本の欠陥が狭窄していると判明した。PCIは再狭窄のリスクがある、うちでバイパス手術をやる」
金剛は不動からの指示で、朱羅がラーメン屋店主の手術をするのを止めようとします。
「バイパス術はやらない。PCIをやる」
「うちに患者を渡したくないだけだろ」
「先生やっぱりオペにしたほうがいいんじゃ」
しかし、店主は震える手で、朱羅を指名します。
「あんたにお任せだ」
朱羅は難易度のある処置をしようとします。
「PCI経皮的冠動脈インターベンションは、カテーテルを介して閉塞した血管をバルーンで拡張する治療だ。手首の欠陥から通したカテーテルを心臓の入り口まで進める。カテーテルが心臓まで到達したら、造影剤を使ってどの欠陥が狭くなっているかを見つけ、バルーンで拡張してステントを留置し、血流を回復させる。」
「冠動脈到達、造影剤入れて。」
「左冠動脈が99%で狭窄している。いつ血行動態が悪化してもおかしくない。やはりばいいパス手術しかない」と金剛。
「ガイドワイヤ入れて?血管内エコーで血管の状態を確認する。」
「血圧下がってます」
「杏野どうする?」
「IABP用意して。IABPで血圧を安定させてからPCIする」
朱羅は店主の血圧低下の対処に、IABP大動脈内バルーンパンピング法とPCIを同時進行する指示を保、大黒、梵天、金剛に出しました。
「危険すぎる!専門医でも難しいのに」
「患者の信頼を裏切るつもりか」
「バイパスのほうがいいだろう」と、金剛。
「修羅場はいつもお任せしかなの。患者が最高の医療をしてくれってことでしょ?駆動して!」
「血圧戻りました」
「バルーンを拡張してステントを留置する。繋いで、インフレ―ト。もう一度」
保に指示を出しながら、拡張します。
その頃の不動は新病院設立に向けて、ある男性と連絡をとっていました。
その相手とは、東王大病院の教授(大河内浩)でした。
「救急科の閉鎖が正式に決定すれば。新病院設立に向けて本格的に動き出せそうです」
「そりゃよかったじゃないか」
「必ずや新病院を設立させて東王大に戻って見せますよ」
選挙戦の出馬しようとも目論んでいる、不動は、新病院設立後は東王大病院で働くつもりでした。
「そのことなんだが、一つ良い知らせがあってね、呼吸器外科の高橋教授が体調を崩して退任するらしい。急遽、教授選を開くことになったよ」
「是非、出馬させてください」
「今回の選考委員は私と派閥がある人が多い。彼らの票を獲得するにはそれなりの用意が必要だよ」
「承知しております。それなりの用意、か」
不動は隠し持つ裏金を整理するのでした。
ラーメン店の店主は朱羅が行ったPCI方法で、2~3日で退院できることになりました。
「いつ退院できるんだ」
「2~3日で帰れます」
「PCIだと傷が小さいので」
「ああ世話になったな」
「じゃあお大事に」
「治療が上手くいってよかったけど金剛先生は怒ってるだろうな」と大黒。
「一応謝りに行きますか」
「挿管はポジショニングが肝心。外事校と胸骨の高さが同じになるように体制を調整すれば入りやすい」
ふと、保に挿管のアドバイスをする朱羅なのでした。
案の定、大黒の言う通り、金剛はまたしても朱羅達が先に患者を助けたことで不満のようでした。
「クソ、クソ、病院のお荷物の癖に調子乗りやがって」
朱羅は病院で形成外科の六道ナオミ(小雪)に声を掛けられました。
「あなたが噂のアシュラ先生?」
「誰?」
「初めましてだから思い出せなくて当然よ。あなたのPCI法見せてもらった。噂通り凄い腕ね。心カテを救命医がするなんてありえない。主治医に任せても患者は助かったんじゃない?」
「どうも、患者の命はね」
その夜、保はラーメン屋の店主が朱羅に治療してほしいと頼んだ理由を看護師長、三宝に尋ねていました。
「どうして杏野先生を指名したんでしょうかね」
「あの人、一度、うちの救急科に運ばれてきたことがあったのよ。」
「そうだったんですか」
「不安定狭心症で運ばれてきて杏野先生が外科に引き継いで対応してもらったんだけどすぐ退院しちゃって。客がいるのに休めるかなんて言うから、アシュラ先生、それを聞いてたら、店に通い詰めたみたい。
「だから入院期間が短いPCIにこだわっていたんですね」
「救命のことにしか頭にないように見えるけど、ちゃんと患者さんのこと考えてるのよね」
不動は梵天を呼び出します。
「なんのお話でしょうか」
「実は近く、東王第で教授選がおこなわれることがありましてね。勿論私も出馬予定なのですが、ご存じの通り、東王大の教授選は一筋縄ではいきません。そこで梵天先生にお手伝いをさせていただく、私に投票してもらえそうな心臓外科の教授を紹介していただけないでしょうか、勿論ただでとは言いません」
「不正に手を貸すような真似は」
口止め料をちらつかせ、不動は梵天を脅迫するのでした。
「今の私はあなたの真実を公表できますよ。ご家族が路頭に迷いますよ。医者どころか他のどんな仕事も出来ませんよ。今まで汚い手使ってきましたよね。今更何を躊躇っているんですか。私の指示に従っていただければ悪いようにはしませんから。」
翌日。
救命かを訪れた多聞。
「フィンクが新病院設立の寄付をしてもらうため、早急に赤字を解消しなければならなくなった。」
「救命の赤字をどうにかしろってこと?なにを言われても私は絶対に患者を断ったりしない。新病院なんかの為に患者を見捨てることは出来ない。救命の閉鎖だって私は絶対に」
「もう遅い、救命は2か月後に閉鎖する。理事長がそう決定した。」
朱羅は阿含に追求します。
「あら珍しいわね。どうしたの?」
「とぼけないで!救命を閉鎖するってどういうこと」
「ここだと気が滅入るわね。場所、変えましょう。あなたが研修医だった頃は、よくここであなたの愚痴を聞いたわね」
昔を懐かしみ、朱羅を長く見てきたことを思い出す、阿含。
病院の屋上で話す、阿含と朱羅。
「本気で救命を閉鎖するつもりなの?帝釈で救命がなくなれば今まで助けられていた命よりも助からない命が多くなる」
「勿論それは分かってる。私にはそれより使命があるの。新病院は最新の設備と最高の人材を惜しみなく投入するつもりよ。今までの帝釈で救えなかった患者を救えるようになる。できれば私も救命は残したかったわ。それは多聞先生も同じ」
「違う。あの人も救命より新病院を選んだ」
「彼にもやらなければならない使命があるのよ。」
「使命?」
朱羅は阿含に、自分が医師を志すきっかけとなった多聞までが新病院設立の為に寝返ったと疑ります。
「あの人もやらなきゃいけない使命がある。多聞先生が海外でどんな経験をしてきたか聞いたことある?紛争地帯の人々を救う、口で言うのは簡単だけど、実際には彼の腕をもってしてもほとんどの命が救えなかった。」
「どうして?」
「薬も輸血も医療器具も不足して医者ができることはほんのわずかよ。それでも彼は諦めずに続けようとしていたそうよ。でも所属している組織が資金不足で活動休止になった。だから彼は戻って来て私のの右腕になった。新病院の利益の一部を海外医療支援に使う約束でね」
朱羅は多聞の背景を知りつつも、救急科閉鎖にやはり断固として信念を持ち、反対でした。
「だからといって私は救命を切り捨てるなんて絶対にそんなことさせない」
その頃、東王大の教授選で、会食をしていた梵天と不動と多聞。
「梵天先生のご活躍は東王第でも話題でね。惜しい人物を渡してしまったと後悔していたところですよ」と教授。
「先日のスティーブン・フィンクのオペも素晴らしいものでした」
「是非この目で見たかったよ」
「そういえばちょっとした手土産を…次回の教授選において、お力添えをお願い致します」
しかし、フィンクが突如、寄付を取りやめにすると言ってきて、阿含、多聞、不動は困惑しています。
「寄付を取りやめるってどういうこと?」
「我々の対応が不味かったんでしょうか」
「やっぱり赤字の件が問題だったのかもしれないわね」
「いや救急科を閉鎖する旨をお伝えしたのですが」
「じゃあ一体何なんだ」
「うろたえても仕方ないわ。フィンクを説得する理由を考えるわよ」
フィンクは梵天に寄付を取りやめる理由を話しました。
「寄付を撤回した理由を教えてください」
「帝釈会に資金援助するにあたり、帝釈病院を調査したところ不動病院長が横領している事実が発覚しました。彼は架空の企業に医療機器を発注したと見せかけて、資金額を全て私的な口座に振り込ませています。」
「どうしてそれを理事長に伝えなかったんですか?」
「院長があなたに罪を擦り付けようとしている。は宙名義は全て梵天先生でした」
この話に、金剛と不動も困惑し、不動の新病院の院長の夢も遠のきました。
「寄付金撤退?どういうことですか?新病院の院長まであと一歩だったのに」
「今となってはどうでもいいことです」
梵天は多聞を尋ねます。
「フィンクからの寄付金の件なんだが、寄付を撤回した原因は…院長の横領。私は院長に頼まれて心臓外科を紹介した。横領で得た金が原因だったなんて、申し訳ない」
「お前は悪くない」
「でも断る事も出来た。そうしなかったのは私だ。俺はもう医者を辞める。これから辞表を出してくる。責任をとらせてくれ。あんなことがあったのにまだ医者を続けようとしていたことがそもそもの間違いだったんだ。」
朱羅はその夜、退院したラーメン店主の店で食べていました。
「今日休みだから」
「その格好で休みじゃないだろ」
「あんたも仕事人間ね。」
「どうだ?」
「いつもの味」
「あんたが治療してくれたおかげだよ。ありがとな、俺の体調を気にしてきてくれたんだろ」
「お腹空いてただけだから」
その頃の不動は運転手に腹黒い一面を覗かせていました。
自分が横領したとしても逮捕されないように手を打ってあると自慢げに話します。
「今日もお疲れ様でした」
「東王大二戻れるなら多少汚い手だろうが使うしかない」
「汚い手ですか」
「汚い手を使おうが使うしかない。たとえ発覚しても捕まらないようになっている。」
「さすが院長。全て想定内ということですね」
「東王大に戻ったら院長になる。日本医学会最高の権威。医者としての価値は権威でしか計れない」
そして院長は秘書が運転する車で、交通事故に遭いました。
「…来る!」
朱羅は予感を察知して、帝釈病院へ急ぎました。
梵天は医者を辞める為、荷物を夜にまとめ、病院を去ろうとしますが、葛藤があり、立ち止まりました。
すると、救急車のサインが鳴り響きました。
トラックと正面衝突し、鉄骨が刺さった不動が搬送されてきました。
「今すぐ他の病院へ回してください。重症患者は受け入れないそれがうちのルールです。」
「搬送先がすぐに見つかるとは限りません。今すぐ受け入れないと、すぐに治療しないと死んじゃいます。大黒先生、中に運びましょう」
「ええ」
「そう言って患者を断るようにと言っていたのは院長自身だ。」
「大黒先生、あなたもそう思いませんか?」
不動のこれまでの悪事に迷いが出る、大黒。
「大黒先生早く運びましょう」
「すまない…頼む…助けてくれ、悪かった」命乞いをする不動。
「病院を私利私欲のために使う人は助ける価値などない」
多聞はそれでも、不動の悪事と性根を許さず、頑なに動こうとしません。
「助ける価値ない、か…」
そこへ朱羅がやってきました。
「杏野先生」
「その喧嘩、私が買う。価値なんてどうでもいい。私が助ける」
「この人は自分が東王大に戻りたいがために病院の金を横領し、ばら撒いていた人間だ。」
「だからなに」
「そのせいで新病院設立が遠のいた」
「自分の目的の為に目の前の命を捨てる。あんただって同じじゃない。」
「違う、俺は」
「ここは修羅場なの!命の選別をするような奴は出てけ。邪魔!」
「私は救命医です。助けを求めている相手が誰であっても、命を救う責任がある」と大黒。
そこで、不動の治療が始まりました。
「アンパッケージ」
「どうしますか?動脈を損傷してたら、パイプを抜いたら大出血しますよね」
「このまま開腹して止血してから抜く」
「俺を誰だと思ってるんだ」
「不穏状態になってる!早く抑えて」
「俺は絶対に東王大に戻るんだ」
自分で興奮して鉄パイプを抜いた、不動。
「動脈損傷!」
「アドレナリン投与」
「挿管するよ。この後超音波やるから準備して」
「挿管します」
保は朱羅の指示通りに挿管。
外資校と胸骨の高さを同じにして、慎重に挿管します。
「心嚢に大量出血、心タンポナーデを起こしてる」
「外傷性心破裂。オペには心臓外科医が必要だ」
大黒と朱羅は運転手の心臓の状態が深刻化していることを確認し合いました。
「心臓外科医は手が空いてません」
間もなく梵天が来ました。
「杏野先生は院長お願いします。僕は運転手を」
「今まで心臓破裂の処置をやったことあるの?」
「ありません。私は成功率99%でもないただの平凡な医者です。それでも私は心臓外科医です。私が助けます」
「梵天先生、私が介助します」
「お願いします」
梵天の介助を大黒が担当し、朱羅は不動の処置を担当します。
「フェルト付きで水平マットレスを縫合します」
手が震える梵天はなんとか震えを止め、処置を行いました。
「動け、動け、動け。頼む…動いてください。心拍、再開しました」
保は不動の心臓を必死に動かしながら、助かる事を懇願するのした。
「出血点はここからです」
そして、梵天のほうは心拍が再開ししたものの、朱羅の場合は出血箇所が見つけられません。
「縫合が早い…」
「心膜を縫合します」
朱羅も、絶対に患者を助けることを諦めません。
「あった腎臓か。腎臓1個とっても助かる。切除する、サテンスキー。大動脈遮断解除」
不動の悪化した腎臓を一つとって、大動脈遮断解除し、何とか手術を終えました。
その様子を見ていた多聞は何かを思い始めました。
そして、不動の処置が終わり、金剛は手を握ります。
「院長、ご無事で何よりです」
そこへ朱羅が全てを救ったことを知った阿含が、来ました。
「どうなる事かと思ったけど助かったのね。横領なんて好き勝手にやってくれたわね」
「え?横領ですか?」
「事を荒立てないと思っていたけど、膿は出し切らなきゃね。警察に通報するわ。しっかり罪を償いなさい」
「えー!」
「じゃあ金剛先生、起きたら教えてあげて」
「ちょっと待ってください。心臓が止まるかもしれません」
「その時はまたアシュラに救ってもらいなさい」
「いやいや違う違うそうじゃないそうじゃない」
梵天は救急科のみんなに不正行為に加担したことで、医者を辞めようと思い、謝りました。
「皆さん申し訳御座いません。私は救急科で取り返しのつかないことをしてしまいました。責任をもって医者を辞めようと思います。皆さんのおかげで医者らしいことができました」
「待ってください。どうして辞めちゃうんですか」
「そうですよ。今日のオペだってあんなに凄かったのに」
梵天が医師を辞めようとすることを止める、保と九曜。
「わたしにはもう医者を続ける資格はありませんから」
「たしかに先生は過ちを犯してしまったのかもしれません。あの運転手は先生がいなければ助からなかったかもしれません。梵天先生の手術があの患者さんを救ったのです。先生の腕があれば、もっと多くの患者さんを救えます。それこそが先生に出来る罪滅ぼしじではないですか。もし外科に居場所がないなら救命に来ませんか?」
「僕も先生と一緒に働きたいです」と保。
「杏野どう思う?」
「うちは人少ないし医者は多いほうがいいんじゃない」
「つまり歓迎しますっていうことです」
「本当にいいんですか」
「先生さえよければ我々はいつでも歓迎します」
「あ、でも救命って毎日、修羅場ですよ。大丈夫ですか?」
「保、余計ない事言わないで」
「救命はとても楽しいところだって言いなさい」
「口が裂けても言えないです」
「だっていつも楽しそうにしてるでしょ」
「してないです。だって真実ですよ」
「大好きなんでしょ救命が」
「ようやくうちに来てくれることになったのね」
「どうして私が救急なの?阿含さん。」
「あなただってアシュラに興味あるでしょ」
「もしかしてアシュラはあなたより腕が良いかも」
「どうかしら。確かめにきてあげる」
形成外科医の六道ナオミ(小雪)と理事長の阿含の黒い思惑が動いていました。
Drアシュラ4話感想・みどころ
多聞が帝釈病院に来た理由と苦悩を知った朱羅。
その思いを知りながらも、患者の命を救い続けることを諦めない、朱羅の奥深い優しさに今日も胸打たれました。
梵天は「99%の成功率」であった自分の虚像がばれて、他の医師達から陰口を叩かれるは、不動や金剛から皮肉を言われ、不憫でしたね。
重傷患者をデメリットとして拒否し、自分の利益と東王大で再び働くことしか頭にない、不動が事故に遭ったのはまさに因果応報といえました。
不穏状態の症状で、自らパイプを抜いて、かなり痛そうでした。
不動が横領までして命を軽視するので、多聞が見捨てようとする気持ちに多少、共感してしまいました。
新病院設立の為と不動の悪事を許さない事から命を見捨てようとする多聞の心理を朱羅が指摘した場面。
緊迫感と朱羅の正義が伝わりました。
命が2人救われたなか、裏で六道ナオミと理事長の阿含の陰謀が動き、朱羅と六道の対立構造に期待したい4話でした。